unicornの観てきた!クチコミ一覧

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砂利塚アンリミテッド

砂利塚アンリミテッド

ホチキス

王子小劇場(東京都)

2011/10/05 (水) ~ 2011/10/10 (月)公演終了

満足度★★★★★

いいもの観れた!
105分。面白かった。

笑いと感動の両立ができていた。最初のつかみからとても惹きつけられる。舞台もしっかり造られていて○。登場人物も皆活きていて○。2回のカーテンコールも納得の舞台だった。

ネタバレBOX

砂利塚クリーンは、自縛霊を成仏させる家族経営の小さな会社。社長で夫の公男(加藤)が霊を捕獲するメカなどを開発し、専務で妻の喜美恵(小玉)が霊能力で成仏させる。家の庭の井戸には自縛霊を飼っている。砂利塚一家を敵視する役所職員(小野)のせいで経営難の中、広告を載せるなどの手を打つ。そんな状況に、娘・ほのか(津留崎)のワケありの彼(斉藤陽介)やチンピラの依頼人カップル(星野・斉藤美和子)、邪悪な霊などが入り乱れて、エンターテイメント性高く笑え、かつ涙するハートウォーミングな舞台に仕上がっていた。

やはりメインは「母」ということになると思う。小玉のアクの濃い演技力が上手く働いていた。バイタリティ溢れ、娘や夫への愛に溢れるキャラを好演してた。んで、ラスト、抱きしめて母を成仏させるシーンが涙を誘う(実際鼻をすする音がけっこうしてた)。

砂利塚クリーンの社歌、とても良いね。シンプルな振り付けも演者の表情も含め、とても良いシーンになってた。
ハイヤーズ・ハイ

ハイヤーズ・ハイ

劇団ガバメンツ

劇場HOPE(東京都)

2011/10/13 (木) ~ 2011/10/17 (月)公演終了

満足度★★★★★

関西劇団の底力
とても面白い。テンポ良くて笑えて人間ドラマもある傑作だった。舞台の構成・見せ方も上手く、満足の舞台だった。また、主演3名の演技がとても素晴らしく、特に西岡のペンでシナリオを描いている中盤の楽しんでいる表情がとても魅力的だった。

でも、お子様のおしゃべりは勘弁して。コメディだからうるさくてもOKとかって考えは勘弁して。良い舞台つくるのを考えるくらい客席のことも考え抜いてほしい。

ネタバレBOX

深夜、喜多村(青木)の運転するハイヤーにイマイチな脚本家・越坂部(近藤)が乗っている。俳優であった故人を偲ぶ会の帰りらしい。乗ったお客さんを全員励ましてきたという喜多村は、色々からむもカラ回り。そこに、一人の女性がハイヤーの前に飛び出す。女は、死んだ俳優の恋人だった阿川という脚本家。落ち込む彼女を励ますため、死んだ俳優を主役に据えた脚本を考え出すにつれて、阿川も調子を取り戻すが‥。

越坂部と阿川がペンを片手に劇中劇(脚本)を描き出す構成。コメディ向けの上手い設定だななんて感心した。スケコマシの島岡を中心にした都会のラブストーリー。スピード感ある気持ちの良いコメディになってた。
終盤、元恋人を重ねすぎた阿川の表情の変化がとても良い。雰囲気がガラッと変わって、怨念めいた勢いで劇中劇を加速させるも、喜多村と越坂部のアシストで爽やかで笑いのある中、ピリオドを打つ。

劇中劇の人物含め、皆魅力的な役柄をもち、イキイキと舞台で動いていたのが好印象。片山誠子の独特の演技も良い。木内のライバルキャラが笑えて、おいしいところをもっていく展開に満足。西原希蓉美の容姿が美しい。田中誠も、男気のない男を好演してた。
ゲストの斉藤コータの韓流スターのスベリ芸、会場が非常に沸いてた。となりにいた木内のほうすごい汗かいてた。
あゆみ TOUR

あゆみ TOUR

ままごと

森下スタジオ(東京都)

2011/12/01 (木) ~ 2011/12/04 (日)公演終了

満足度★★★★★

赤い靴
8人の女優を上手く料理する演出が素晴らしい。なんかよくわからん感動に浸ってしまった。75分。

ネタバレBOX

あみ(あゆみ?)の一生を描く。

コンクリ風味の舞台にチョークで線を描き照明を当て、そこを人生の「ステージ」に仕上げる。8人は、そのステージであみを演じたりあみの母や友達を演じたり、テンポよく配役が変わる。これと、セリフの効果があいまってグイグイと引き込まれる。

皆あたたかな風合いの衣装に身を包み、赤い靴を履いている。それが、舞台で射し色のように印象的に使用されている。

演者が客席近くまでよってくる(客席対面式)ので表情がよくみえるのもうれしい。いきいきと笑ったり、悲しんだり、駄々こねたりする表情が、非常にまぶしくうつった。
河童夫人

河童夫人

猫の会

劇場MOMO(東京都)

2011/12/07 (水) ~ 2011/12/11 (日)公演終了

満足度★★★★★

河童夫人の謎
自己紹介のとおり「ゆるくてやさしい演劇」。とても気に入った。
主演の中野架奈が終始魅力的。演出の賜物か。

ネタバレBOX

河川敷で誰かを待っている河野(中野)とその川の周辺に住む路上生活者(澤、緑川、高見)、浮気が原因で帰る家のない作家・関(田中伸一)、兄を探している紀子(佐藤祐香)、釣りに来た女子大生マイ(ゆにば)とナオ(宮本裕子)と30超の高校一年生・デク(内山)や関とW不倫関係にあるホームレス支援者・リカ(篠本美帆)らが、ゆるい雰囲気とクスッとする会話で温かい舞台を作り上げる。
といっても、会話の中には、(固い表現をすれば)人生観(関の女性理論とか、陽子の一般的生活への疑問とか、リカの勝ち組論とか)のようなものが見え隠れして、ピリッとした辛さも含まれているのが面白い。

ラスト、自分もそんな感じだったとリカと自分を重ねる河野。不倫の果てに孤独になるも、やはり誰かを求める寂しさと、前を向く明るさが同居して舞台を後味よく締めくくる。
その河野を演じた中野架奈が麻生久美子に似てみえた。表情とか声とか。そんな理由で★5。
ロボット

ロボット

劇団三年物語

シアターサンモール(東京都)

2012/02/16 (木) ~ 2012/02/19 (日)公演終了

満足度★★★★★

「ロボット」
230分は長い。面白かった。

ネタバレBOX

衝突した隕石から出てきた謎の生物と人類の闘いを背景に人間を描く。「ロボット」というタイトルに反して、「人間」が舞台上で輝く作品だった。
生物らと戦う巨大ロボットは自我があり、恋をし嫉妬しプライドを持ち、人間さながらの振る舞いで舞台を盛り上げる。ガンダムとかエヴァのような設定でロボットを操作する人間にもドラマが用意されていて、長い公演時間も気にならないことが率直にすごい。
ラスト、身体を持たないコンピューター・ミライ(馬渡直子)が、ロボットになり隕石もろとも宇宙へ離脱。永い時間の中、ミライの管理人・光子(南雲亜由美)に会いたいと切なる心を発するシーンが胸を打つ。生物は抗生物質で人間は宇宙に対するウィルスという見解を示したミライも、光子への愛情をもって人間(光子)を救うという、愛に溢れる「人間」だった。

役者は、流星竜馬役の関口あきらの、いかにも熱いキャラがうまい。早乙女☆操役の小名木美里の活発な動きが健康的な魅力に溢れる。早乙女和海博士役の廣瀬直也のどこか飄々とした演技も好きだ。あと、整備師・小笠原役の速水剛も良い笑顔を持った役者で好印象。

くさいといえばくさい舞台なのだけど、ちょっと心が緩む感じが心地よい。
昆虫美学

昆虫美学

角角ストロガのフ

王子小劇場(東京都)

2012/02/15 (水) ~ 2012/02/20 (月)公演終了

満足度★★★★★

角田ルミ面白いかも
元ネタの事件はろくに知らずに鑑賞。面白かった。

前回の「雑種愛」と同様、舞台が4、5箇所くらいに分かれている気合の入ったセットでスピーディに観せる演出が素敵。
ATで作演の角田ルミを初めてみたが、(凄惨な舞台に対して)終始ニコニコ笑顔で癒されてしまった。

ネタバレBOX

2002年の「北九州監禁殺人事件」を元に金井家の崩壊を描く。主犯の吉田(犬塚威)が三女・まどか(村田)の殺人をネタに金井家をゆするところから不穏な空気が漂いはじめ、次第に濃くなっていき舞台を包み込む。

吉田役の犬塚が、この異常な事件の中心にいるのだが、その演技がヤバイくらいにハマっている。加えて、周りの(一応)被害者らの演技も手伝ってその一体感が恐ろしくて素晴らしい。とはいえ、須藤奈々子(塚田まい子)や次女・あかり(島崎裕気)やまどかの、吉田への忠誠というか屈服による加害者への転向など黒く染まっていく様はうまいと思う。特にまどかとか、完全にいってるなと。その中で、終盤まで常識人であった次女の夫・修一(青柳尊哉)の存在が一種の光のようでもあったが、結局彼もまた吉田の元に屈服することになる。おまけに長女の佐和子(正木佐和)と吉田の色恋沙汰も加わり、全員が歪む。終始不安な気持ちになる、良い舞台だった。

本作品では、「カマキリ」というエッセンスが添加されていて、その異常で残忍そうなイメージが確かにマッチしてたと思う。以前に鵺的「昆虫系」という埼玉保険金殺人事件を元にした舞台を見たが、ヒトから見ると、昆虫は残忍で冷酷なイメージがあるなのだろうか。ただ、事実その犯人等は昆虫ではなく、紛れもない人間だったことが一番の恐怖ということか。

あと、椿かおりはスタイルが抜群すぎる。
男たらし

男たらし

ブス会*

ザ・スズナリ(東京都)

2014/01/29 (水) ~ 2014/02/04 (火)公演終了

満足度★★★★★

オレンジジュース
面白い。110分。チラシの毛伸び写真がかわいい。

ネタバレBOX

カネシロ(古屋隆太)の会社にひっぱられた淑美(内田慈)はカネシロと付き合うが、カネシロの女癖の悪さに次第に冷めていく。と同時に仕事に打ち込むようになり、カネシロとの仲はさらに悪くなる。
カネシロの息子・ユヅル(大窪人衛)が地方の大学に受かり引っ越す前夜。ユヅルに抱きしめられた淑美は、服を脱ぎながらユズルの部屋を訪れる…。

淑美…地位と金のある男に依存する女。仕事に目覚める。
カネシロ…DVっけのある×2男。高校中退の学歴コンプ。淑美の代わりはいるといい放つ。
ヨシダ(佐野陽一)…平均的にダメっぽい男。小さい。出会い系で知り合った女と結婚する。
タクヤ(松澤匠)…元ホスト。二度寝た女に飽きちゃう性格。女の扱いに長けてる。
サワキ(金子清文)…デザイナー。淑美と不倫関係にあったが、そのときは妻を選んだ。赤ちゃんプレー好き。
ユヅル…カネシロの子。IQ高い。マザコン。母を守れなかったことを気に病む。

淑美を中心に上手いキャラで固めた笑えてちょっとだけ苦めな作品。主演の内田の男たらしな演技が上手い。序盤のカネシロとのやりとりだけで引き込まれた。濃い目な男連中を相手に奮闘した内田がマッチしてた。
男連中も面白いキャラばかりだけど、佐野が演じたヨシダのしょっぱさ加減が絶妙。淑美を傷つける「男が気があると思っている~」もいい味だけど、「仕事のできる女って嫌いなんだよね~」は最高に笑った。笑えるけど、どことなく等身大な感覚になるのが上手い。

カネシロに暴力をふるわれユヅルに助けられた淑美の心が、ユヅルにまた一歩近づき、ユヅルもまた淑美に母を半分ほど重ねる終盤。妙な抱きしめ方をしたユヅルに母性をくすぐられつつ男を感じた淑美が、階段をセクシーに登る構図(照明も)がいい。エロスな内容でもあるけど、どことなくウォーミングな気持ちになる。

人間なにかで満たし(満たされ)ながら生きていて、傷つきながら生きていてって舞台。満たしているのか埋めているだけなのかが大きな違いなのかもしれない。
鉄の纏足

鉄の纏足

東京タンバリン

こまばアゴラ劇場(東京都)

2012/09/20 (木) ~ 2012/09/24 (月)公演終了

満足度★★★★★

うるせェー
面白い。パンフの作・演挨拶文も面白い。

ネタバレBOX

30超えてレンタルビデオ屋バイトの時田光(森啓一郎)と他のバイトや店長の話と、図書館員が読書することが「貸出」となる不思議な図書館の話。

職場の人間関係のイライラを、リアリティとユーモアをもって上手に描く。バイトに責任を押し付ける店長・佐渡(猪俣三四郎)や媚びがちな河辺絵理(柴田薫)のお気にの靴を隠す小田知世(大田景子)や磯村彩(田島冴香)、社長息子・金子(近藤フク)と調子のいい中村(遠藤弘章)の同性愛、店長含めヤル気のない面々が醸す負の雰囲気がいい。
こんな状態の中、磯村の友人・涼子(島野温枝)の水着セクハラ騒動や時田の妹・栄(中島佳子)からのプレッシャーなど重なって、時田の心が爆発する。うるせぇと。

不思議な図書館では、名前などは意味のないもの、個々のやりとりも意味のないものとなっている。そんな状況がいいと順応する時田(中島佳子)と、馴染めずその世界から離脱する江川(萩原美智子)。図書館の世界は、レンタルバイト時田の頭の中の妄想か、願いか、無意識かはっきりしないけど、ざわつく現実からの逃避って世界になっている。

店長を刺殺したレンタルバイト時田と図書館員時田が会話を交わす終盤。「人生の疲弊」をぼやく、レンタルバイト時田の乾いた諦観がズシっとくる。

「鉄の纏足」ってタイトルのとおり、締め上げられた心の描き方が上手い。タイトルとそのリード文から考えるに、男も女も同じだけど男のほうが他者にそのストレスが向きやすいということなのかな。
いつかエンドロールで(再演)【終演しました、ご来場ありがとうございました!】

いつかエンドロールで(再演)【終演しました、ご来場ありがとうございました!】

20歳の国

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2016/06/15 (水) ~ 2016/06/19 (日)公演終了

満足度★★★★★

エンドロール
面白い。80分。

ネタバレBOX

モモコ(山脇唯)…高校時代、SEX目的な彼氏を拒否ったため、嫌がらせを受ける。ケンジロウと付き合うも、なかなか会えず欲求不満が溜まり、シゲオに迫ったり、ヘイスケに迫ったり。結局、他の男と結婚して幸せになった。
シゲオ(竜史)…東京行ってサークル入ってヤリまくるんだと宣言してた。自分嫌いの人好きな男であることをアヤナに見透かされ、寂しがり屋な側面を自覚する。SEXはあまり好きじゃない。ブスで童貞卒業した。
ヘイスケ(古木将也)…高校時代からモモコに片思い。モモコに迫られた際もキスだけで終わり、友達だからと思いを隠し続け、手紙のシーンでも友達として居続けた。シゲオらの結婚式前に彼女ができた。
アヤナ(湯口光穂)…シゲオら仲間のことをよく理解している。シゲオへの想いに気づき、結婚した。性欲は強い。
ケンジロウ(斉藤マッチュ)…なんだかんだ付き合いの良い不良。浮気し続けモモコとは破局。アヤナらの結婚式のエンドロールで、その人の人生にいたんだなと、感動した。

友達5人の友情愛情な話。75分程度の短さの中で揺れ動く5人の心に光を当てて、成長物語的(ロードムービー?)な、感じで語りかけてくる作品。

ヘイスケの中に溜め込んじゃうとことかSEXを拒否しちゃうとことか、シゲオの自分嫌いだけど人は好きでいつまでも一緒にいたいと思っちゃうとことか、どこか子供な感覚な人物像が、こっちにライト当てられたみたいで恥ずかしい心持ちにさせてくれる。童貞非童貞ってステージを越えたとこでのやりとりに、心がキューっとなった。

友情的な意味でも、ヘイスケの結婚式で5人集まったらいいなと思わせるとこがいい。なんか眩しくて、いい作品だった。
天使たち

天使たち

リュカ. (Lucas [lyka])

王子小劇場(東京都)

2012/05/02 (水) ~ 2012/05/06 (日)公演終了

満足度★★★★★

いつもあなたのそばに
天使の衣装が素敵。かわいいというかね。その「天使たち」がみな魅力的だった。

舞台を布で包んだり、上部の装置に転換中目が行くようにさせる工夫も良かった。

ネタバレBOX

バツイチの作家(中田顕史郎)が、海外留学目前の娘に是非読んでほしいと書いた小説の内容、という構成。天使たちの後日談はあったけど、作家とその編集・清水(奥田ワレタ)の恋の行方は…?。

志のある人間のそばにいるという「天使」。元天使の西澤(境宏子)は、天使のつく人間(宿主)を共同住宅に住まわせ、相談にのっている。
最近入居した鴻坂(池田ヒロユキ)は、障害を持った妹への罪悪感を持ち、書きたいものが書けなく自信を失っている。その天使(こいけけいこ)は、西澤を励ますも上手くいかずこちらも思い悩み、人間となって鴻坂と絵本を制作する。
アマチュアレーサーの速水(小寺悠介)は、レーサーの寿命と両親のことで悩んでいる中、レースー中に事故り、引退を決める。天使(倉田大輔)は、宿主が志をなくしたことでその存在がなくなる。
写真家を目指すアオイ(サキヒナタ)とその宿主になるのか決めかねる天使(増戸香織)。速水の事故で写真への想いを再確認したアオイをみて、増戸は宿主になってとお願いする。

鴻坂の天使が妹の生まれ変わりという示唆を含んで、おぼつかない手つきで絵を書き、鴻坂が妹への懺悔を語るシーンが涙を誘う。速水の天使も、速水への愛情に似た想いで天使を始めたが、速水を思うあまり事故に対して罪悪感を持ち、速水の引退に対して何もできない無力感に苦悩する。終始冷静な物腰の中に、熱い想いを垣間見ることができる。アオイの天使は、アオイのことが気になる素振りを見せつつも、つかず離れず。西澤からは傍観者と言われ、他の天使(佐藤祐香)のキラキラした話を聞き、アオイの心にふれ、動揺する。サバサバしたような性格なのに「この人だ!」って踏み切れない心を持った天使像に惹かれた。天使・こいけけいこのようなバックグラウンドがあるのだろうかと想像できる。

甘くない内容を、柔らかい作家の話で包んだ良作品。仕事とか人への悩みを人も天使も抱え、不安ながらも一歩一歩歩き始め、次のストーリーが始まる。甘くはないけど、優しい話がとても気に入った。
15 Minutes Made Volume10

15 Minutes Made Volume10

Mrs.fictions

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2010/12/16 (木) ~ 2010/12/19 (日)公演終了

満足度★★★★★

すばらしい出来
各劇団初見。Mrs.fictionsの「東京へつれてって」は素晴らしい出来ばえ。抜群の舞台だった。これ1本でも入場料払う価値があったかなと。脚本・演出・演技、最高の15minでした。

「少年社中」ジェンガでどう話をひっぱるのか(舞台をみせるのか)興味が湧いたが、早々に別の展開に流れてしまい、肩透かしの印象を持ってしまった。
「ぬいぐるみ」演劇というよりコントだなと。エンターテイメントしてた。
「トリコ」15分でみせるのは難しい話だけど、人間模様を描く話は好き。
「シルク」ポップな色彩。ダンス良いね。
「田上パル」いい意味で肩の力が抜けました。

MU、短編演劇のあゆみとビジュアル展(当日精算予約開始しました!)

MU、短編演劇のあゆみとビジュアル展(当日精算予約開始しました!)

MU

東京芸術劇場アトリエイースト(東京都)

2016/04/21 (木) ~ 2016/05/02 (月)公演終了

満足度★★★★★

「戦争に行ってきた」「その好きは通らない」
面白い。90分(休10分)。

ネタバレBOX

「戦争に言って来た」(55分)
五味(福原冠)…反戦団体メンバー。(戦場)カメラマン。シリアで捕らえられた際に手首を切り落とされそうになる。グロ画像を平和団体に売買して身銭を稼ぐ。
浜口(古市みみ)…反戦団体リーダー。ラブ&ピース&マネーの内、ラブに比重を置いていて、五味らに愛想尽かされる。
青野(青木友哉)…反戦団体メンバー。ピースに重きを置くが銃が好き。真面目で存在感がない。
真弓(井神沙恵)…夫婦デュオのヴォーカル。幹雄の前は田中と結婚してた。
幹雄(村上航)…夫婦デュオのギター、コーラス。真弓ともども「勝ち組」を自覚し、ふわふわ浮ついた感覚で生きていて、五味らにナメた態度をとる。
田中(三原一太)…真弓らのマネージャー。青野、真弓、幹雄は軽音楽部の教え子。浜口といい感じになるも、印宮にボコされる。
印宮(加藤隆浩)…上階に住むヤクザ。田中をボコる。
真梨恵(大森茉里利子)…印宮の女。青野曰くビッチ。

イケてる夫婦デュオにカラまれ、変な敗北感を味わう五味と青野。反戦とか金とか、自分の存在意義とかに想いをめぐらせていると、印宮と浜口らが外でモメはじめ、青野はモデルガンをぶっ放し状況は深刻化する。青ざめる真弓と幹雄に、これも現実だと五味はいい放つ…。

欲望と思想の反戦団体のいかがわしさや、一般人とかけ離れた成功者のダークなとこをチラチラみせつつ、ユーモアと皮肉でもって味付けした佳作。シーン毎のバランスも良く、気持ちよく(内容的には気分悪い)見ていられた。自分の左手首にアイデンティティ?を持つ(一方でカネに執着する)五味の、苦悩がグッときた。福原の持つ独特な雰囲気がいい感じに引き立ってた。

「その好きは通らない」(20分)
加藤…年配社員。家庭あるが古市と不倫疑惑あり。
三原…ナルシスト。
福原…サッカーをナンパの道具とする。
青木…真面目。トンがっている自分が好き。古市のことが好き。
村上…ヤンキー。カラーギャングやってた。
古市…禁煙中。
沙恵…かわいいから、なにしても許されちゃう。
大森…派遣社員。タバコ占いができる。小4から喫煙している。加藤のことが好き。

「戦争~」とは一転して、こじんまりとした作品。けど、とても笑えた。青木がいいキャラしてた。なんとなくほほえましさもあり、〆の作品としても良作と思う。
墓場、女子高生

墓場、女子高生

ベッド&メイキングス

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2015/07/17 (金) ~ 2015/07/26 (日)公演終了

満足度★★★★★

記憶
面白い。120分。

ネタバレBOX

日野(清水葉月)…元コーラス部。桜の木で吊って自殺した幽霊。みんなからいろんなあだ名で呼ばれてた。
西川(根本宗子)…現オカルト部。日野の死を吹っ切れず、オカルトの力で復活を考える。この世は腐っていると日野と話合う。
ジモ(青山美郷)…本名フジモト。死んだ飼い犬の名をビンゼに名づける。
ビンゼ(望月綾乃)…強引にコーラス部に入れられた。
チョロ(山田由梨)…彼氏あり。
武田(杉ありさ)…オカルト部部長。若干空気読めない。
ナカジ(葉丸あすか)…見た目がブスだと気にしてる。そこそこかわいい。
メンコ(佐藤みゆき)…大人になることに過剰な意識を持つ。
恋する、プライオリティシート

恋する、プライオリティシート

コメディユニット磯川家

王子小劇場(東京都)

2011/02/05 (土) ~ 2011/02/14 (月)公演終了

満足度★★★★★

疾走するコメディ
関東とか関西という分けに意味はあんまり無いかなと思うけど、「コメディユニット」と冠している団体さんなので、期待して足を運んだ。

舞台は、バーがしっかりとつくられていて完成度は高い。上手にはピアノ。下手はエレベーターとトイレ。

話の軸は、美人の障害者(物延結)とバーテン(渡辺毅)の恋。そこに、周りのバーの客や親族、元彼やマスコミなどが入り乱れてのドタバタコメディ。ドタバタコメディで嫌なのは、舞台上だけ盛り上がって客席は冷めているような公演。本作品は、こんな心配を吹き飛ばす一体感が会場を包んでいた。

特に、終盤のノリの良さは、ピアノの伴奏も相まって、一気に大団円のハッピーエンドにお客を運んでいく。
実に軽快なラストで、爽やかな充実感が残った。


ネタバレBOX

理香(物延)は表向き性格に難ありの障害者。バーで男を試しては無為な毎日を過ごす。バーテンの迫田(渡辺)は、そんな理香に告白するが…。

ドイツに行って手術すれば回復する可能性のある理香の障害だが、理香は自分のお金でなければ渡航しないと意地をはる。周囲の人間らの思惑も加わり、鈴(白石廿日)は、婚約者の敏太(島岡)の貯金(結婚資金)1,000万で、皆の悩みを次々解決し、理香の渡航費も持ち、皆は幸せになる。ここのピアノのノリと鈴のノリ、その他の演者のノリの一体感に思わずニヤリとしてしまった。


障害者を扱うと、ストーリーや人物像が重くなりがちだが、笑い重視の「コメディユニット」だけあって、テンションはひたすら高く、ポジティブな舞台を保ち続けた。まったく曇りがない。
もちろん笑いの部分も多くあった。一番笑えたのは、ピアニストの全力疾走だったが…意外でびっくりしたくらい。

一応マイナスを上げれば、登場人物がやや多めなので、多少削っても良い箇所があったりすると思う。その分、主役二人のストーリー、もしくは姉の珠(信原)とのやり取りを掘り下げるとか…再演があればさらに練って良い舞台に仕上げてほしい。

なんにせよ、★5文句なしの公演でした。

線のほとりに舞う花を

線のほとりに舞う花を

てがみ座

王子小劇場(東京都)

2011/04/12 (火) ~ 2011/04/18 (月)公演終了

満足度★★★★★

話も演出も舞台もハイクオリティ
人種差別、弾圧、戦争…重い題材を美しくうたいあげた良質な舞台。話もお涙頂戴に流れておらず素直に感動できる。

舞台セットや衣装も話に合っていて「総合芸術」として高く評価できる。演技力も十分で、次も観たいと思わせる、満足の公演だった。

ネタバレBOX

「お疲れ様です」のセリフに笑ってしまった。
死に際を見極めろ!

死に際を見極めろ!

ライオン・パーマ

王子小劇場(東京都)

2011/05/12 (木) ~ 2011/05/15 (日)公演終了

満足度★★★★★

とにかく笑える!
最初から最後まで笑いの絶えない110分。実に面白かった。

最初のつかみをしっかりと取ったためか、客席の空気も良く、他のお客も良く笑っていた。チラシでは、イマイチ公演の空気というかジャンルが判らなかったけど、ここまで笑えるとは。
小ネタがふんだんに散りばめられ、しかもツボを押さえていて、「笑わせてもらった」満足感で会場を後にした。

次回もあれば是非見てみたい。

ネタバレBOX

舞台セットや衣装は、正直レベルは高くない。けれど、笑いの雰囲気にマッチしていて、計算されているのかななんて思った。
みゆき(死に際専門の監督)のスーツはなんだか野暮ったいし(普通ならもっとスタイリッシュなものでくるハズ。髪はキマッてるから)、銀河警察のも安っぽさ全開…。舞台もちゃちく、宇宙を表現する地球や土星とか、宇宙船のハリボテ?とか、もう少し頑張れと思わないでもない…。なんだけど、それが肩肘張らずに観劇できる要素になっていたのかもしれない。(=笑いの生まれる土壌になってたのか?)

話自体は、みゆきの録る「スリムの死に際映画」の中でいくつもの死に際がありながら死なず終焉を迎えるが、結局それも「実際の監督の映画」の話だったというオチ。

あまち静香扮する「占いの女」の占い~みゆきへの依頼~急に刑事もの~スリムの田舎~防弾スーツ~宇宙へ~優しい星~ボケとツッコミ~田舎 → 実は実際の映画撮影
目まぐるしく変わる舞台設定だけども、ストレスは無い。むしろ次はどんな設定でくるのかなと興味が湧いたくらい。変に劇的にすることもなく掘り下げるでもなく、テンポよく話を進めることで、「笑い」優先の舞台ができたと思う。
この点、劇団の狙いなのかは不明だけども、単純に楽しみたいと思って、お金と時間を使っている一般の客である私は、高く評価したい。
黒とシロ ありがとうございました!無事千秋楽までたどり着くことが出来ました。

黒とシロ ありがとうございました!無事千秋楽までたどり着くことが出来ました。

獏天

Geki地下Liberty(東京都)

2011/02/19 (土) ~ 2011/02/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

見ごたえ十分
那須野恵見たさに鑑賞。なので、特に内容を意識せずに観劇したのだが、かなりパンチの利いた良質な舞台で満足した。
地下鉄サリンを材題にそれに巻き込まれた人間の醜さと弱さ、美しさをいいバランスで描いていた。

那須野のウェディング姿のノースリーブから出た腕が美しく引き締まっていた。いや魅力的でもあったけど。

ネタバレBOX

事件当時、私は中高生くらいだったと思う。正直に言うと、さほどの関心事ではなかった。TVで映像など見ていたが、心には届いていなかった。だから、どういう経過だったのかとか、犠牲者の数とか、まったく知らなかった。地方在住だったというのは言い訳でしかないが。

この公演を観た日、PCで事件のことを色々と調べてしまった。TVの映像より生の演劇の方が影響力があるのは当たり前とは思わない。この舞台の出来が良かったからこそ、影響を受けたのだと思う。

だから★5
『パ・ド・ドゥ』【ご来場ありがとうございました!】

『パ・ド・ドゥ』【ご来場ありがとうございました!】

七里ガ浜オールスターズ

王子小劇場(東京都)

2011/05/24 (火) ~ 2011/05/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

接見室で明かされる謎
裁判でなく接見で明かされる過去と現在の想い。

1999年の初演らしいが、普遍的な魅力に溢れた脚本。二人の演技に引き込まれて見入っていた。とても面白い。

舞台は、演者がアクリル板(?)を挟んで座り(まさに接見室)、客は演者を横から眺めるスタイル。全部で40弱程の座席。話が盛り上がる終盤、横から観る白熱する表情が非常に美しかった。

初日らしく噛むこともチラホラあったが、どうでも良い。最後の挨拶時にセットの暗幕が舞台にかかってしまっていたが、どうでもよい。そんな充実した舞台だった。

ネタバレBOX

恋人がマンションの4階から転落し、殺害未遂で逮捕された日向(伊東)は、元夫であり弁護士の名塚(瀧川)へ弁護を依頼する。嫌々引き受け、やる気無く、また訝しみながら応対する瀧川。どこか現実味のない供述をし、起訴されたように見えない日向。

名塚の浮気で離婚した二人は別々の人生を歩み、接見室で再び交わる。そこで交わされる嘘と本音、打算と感情を経て、過去の想いを伝える二人。裁判の行方ははっきりしないし、世間的にマイナス評価を受けるであろう二人は、過去の清算を済ませ新たな人生を踏み出すと感じた。

序盤から中盤のどこかふわふわした雰囲気や会話にクスっとする。
日向が過去の想いと事件の真相をぶちまけるシーンが見せ場。怖いくらいの感情が溢れる。
Caesiumberry Jam

Caesiumberry Jam

DULL-COLORED POP

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2011/08/20 (土) ~ 2011/08/28 (日)公演終了

満足度★★★★★

Caesiumberry Jam
面白くもあり上手くもある舞台。
1986年の大事故後、30km離れた農村に生きる人々の生き様を、薄暗く映し出す快作だった。

開演前の舞台は一面敷き詰められた土と1台のテーブルというの質素なつくりで、観劇後は小道具が散乱し、荒れ果てて誰もいなくなった寂寥感が充満していた。

タイトルの「Caesiumberry Jam」。なんとなく惹きつけられる響きだった。

ネタバレBOX

大事故後のナジロチ村を取材したカメラマンと、民生委員が2006年の東京から写真を通して過去を掘り返す。そこには、大事故で深い傷をおった(負いつつある)明るい村民の姿があった‥。
この過去への遡りが、1991、1993、…というように間をあけて行われる手法でとても上手いと感じた。その間の描写をなくすことで時間の経過をしっかりと表現し、村から人がいなくなる場面を際立たせている。

序盤から明るくpopな空気でもあるが、その後ろにある凄惨な事実がいつ顔を出してくるのか、恐る恐る観ていた。終盤のリューダ(と夫)のくだりとか、一番恐ろしかった。

演技はみな上手いと思うが、クリニカ役の中村梨那の子供演技が特に素晴らしかった。あと、ナターシャの石丸さち子。いや、みんな上手いんだけど。
ドロボー・シティ

ドロボー・シティ

あひるなんちゃら

駅前劇場(東京都)

2016/03/25 (金) ~ 2016/03/28 (月)公演終了

満足度★★★★★

日記
面白い。70分。

ネタバレBOX

ミヨ(篠本美帆)…ドロボー。まっとうなツッコミ。
ツキホ(宮本奈津美)…ドロボー。フジコの裏切った日記にダメ出しする。
イツエ(田代尚子)…ドロボー。12で出産した。
フジコ(伊達香苗)…ドロボーミヨらを裏切ろうとしたことを日記につけてた。
リス(野村梨々子)…イツエの娘。とりあえず窃盗する。
白井(松木美路子)…ドロボー。タイガードラゴンの旧友。
発田(園田裕樹)…ドロボー。子が生まれるがドロボーは続ける。
中山(堀靖明)…ドロボー。白井発田へのツッコミ役。
タイガー(山田百次)、ドラゴン(根津茂尚)…ドロボー。かっこよさを追求する。

宝石店を狙うミヨら一派の家にドロボーに入った白井ら一派、ミヨらの獲物を横取りしようとするタイガー&ドラゴン(&フジコ)ら一派の、駄弁劇。
ナチュラルに笑える快作。発田のとぼけたボケと中山のツッコミ的なコントなシーンも好きだけど、ツキホのフジコへのカラミシーンが好き。「裏切りは女のアクセサリー」に笑い転げるツキホに幸せを感じた。イツエとリスの親子も、いい味出してた。

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