とちの観てきた!クチコミ一覧

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神様の言うとおり2~夏の夜の夢の超特急~

神様の言うとおり2~夏の夜の夢の超特急~

NICE STALKER

シアター風姿花伝(東京都)

2015/07/29 (水) ~ 2015/08/02 (日)公演終了

満足度★★★★★

第3弾も希望!
想像以上に楽しかったです。選択肢を挟むことでテンポが悪くなるのでは?という不安があったのですが、ゲームブック風ショートコントって感じであまり気にはなりませんでした。

登場人物みんなキャラが立っていて笑いのノリも好みだったので、
普通の演劇作品であったとしても楽しめたと思います。
参考にビューティフルドリーマーが記載されていましたが、
ドタバタな雰囲気もうる星やつらっぽいなぁと感じました。

投票システムも面白いですね。
リピーターになると3倍になるなどよく考えられたシステムだと思います。
ただ、リピーターになっても自分が望む展開に進むかが分からないのはもどかしい。。。

ネタバレBOX

最後の選択はどちらも選択しない(または50%になる)のが正解なのかな。
土曜ソワレの時点でトゥルーエンドは一度も出ていないということでしたが、
ちょっとハードル高いかも(笑)
次回があるなら、全て正しい選択をした場合のトゥルーエンド版を特別版として(千秋楽とか)上演してくれると嬉しい。





[memo]
恋愛のお守り
 → 修学旅行中に彼女ができますように
 → 彼女が出来るまで修学旅行が終わらない
 → 他に好きな男がいる女子とくっつくと馬が現れて射殺される

彼女となるのは元町
 → 風邪で修学旅行には参加していないはずなのに存在している
 → 神宮司の願いを聞いたお守りの力で呼び寄せされる

帯山と山本は同じ先輩のことが好き
 → どちらとくっつかせるか
 → 多分どちらも選択しないのが正解。どちらかを選ぶと馬が現れて射殺されて終了
 →バッドエンド
EZ

EZ

電動夏子安置システム

シアター風姿花伝(東京都)

2013/08/16 (金) ~ 2013/08/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

文句なしの一作
いやぁーもの凄く面白かった。

メインの投票劇の設定の妙もあるけれど、
父親の事故の真相、工場のトラブル、掛け軸の謎、とどんどん風呂敷を広げ、
それらを1時間以内で見事に畳み、
笑いもしっかりと取ってくるその構成力が半端ない。

とても満足度の高い密度の濃い作品でした。

ネタバレBOX

遺書の内容の是非を問う投票ゲームEZ。
敵味方が目まぐるしく入れ替わる心理戦、手札をすり替えるという分かりやすいどんでん返しの後、
工場で発生したトラブルによって遺産と共に負債まで分配されてしまうという二段オチが◎
「完全犯罪成立クラブ」

「完全犯罪成立クラブ」

祭りの準備

アトリエファンファーレ東池袋(東京都)

2015/09/10 (木) ~ 2015/09/13 (日)公演終了

満足度★★★★★

全てはラスト20分のために
正直、途中まではイマイチだなぁと思っていました。
「あぁ、これはこのままいい話?に持っていくんだなぁ」と。これは外したなと。

ラスト20分で見事にひっくり返されました。
もう鳥肌立ちっぱなし。それまでの冗長な展開がわざとだったのでは無いかと思えるほど。
とても好みで印象に残る作品でした。

あの仕草、観ているときになんとなく気になってはいたのです。
その伏線の回収から始まり、福田和子の本性が明らかにされるラスト20分が非常に素晴らしかった。
全て彼女の方が一枚上手でした。お見事。
ラストシーン、暗闇に浮かび上がる福田和子の笑顔が忘れられません。

ネタバレBOX



[memo]
タイムマシーンで過去に戻れるのは2時間だけ。
一度戻った過去より昔には戻れない。

主人公は冤罪で自殺?した母親を助けるため過去に戻ったが
上記ルールを知らなかったため失敗。永遠に救う術を無くす。
犯罪者を逃がすのはこの時の逆恨みで警察に復讐するため。

タイムマシーンで過去に戻って福田和子を逃がそうとする2人。
福田和子はおでん屋の常連たちに素性を明かしていて、自ら捕まるつもりだった。
息子に会いたいと一旦は2人の助けを借りて逃げる。
わざと捕まるのは結婚する息子夫婦のため。

2人は現代に戻るが、和子が口元を隠す仕草は笑いを隠すためと気付く。
泣いていたのでは無い。
なぜ笑っていたのか真相を確かめるため、もう一度過去へ。

実は全て自分の逮捕を演出するためだった。
鶴かもしれない2016

鶴かもしれない2016

EPOCH MAN〈エポックマン〉

OFF OFFシアター(東京都)

2016/01/20 (水) ~ 2016/01/24 (日)公演終了

満足度★★★★★

驚きの連続
うーん、凄い。55分と短めの作品なのですが「ここどうなってるの?」とか「え、こうなの!?」みたいな驚きや興味の尽きない作品でした。

現代版『鶴の恩返し』 は不器用なヒロインがいじらしくもあり切なくもあり。
ふと前作の『みんなの宅配便』が頭によぎりました。

ネタバレBOX

ラジカセを使った掛け合いが面白いですね。
あれはぴったり時間を計算して演じているのでしょうか。だとすると凄いなぁ。
食い気味にセリフを被せたり、ちょっと間をあけたりで微妙に変化するニュアンスをしっかり表現していたのには驚きました。
料理のシーンも完璧にシンクロしていて爽快でした。

あの竹はてっきり固定されているのだと思っていたのですが。
どうやって立っているのかが凄い気になります。

そして、OFF OFFのあそこって窓だったんだ!というのが一番の衝撃でした(笑)
向かいのマックのお客さんもびっくりしただろうな(笑)
世界と戦う準備はできてるか?

世界と戦う準備はできてるか?

ぽこぽこクラブ

阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)

2015/03/25 (水) ~ 2015/03/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

印象深い作品
虚構では何度か拝見していますが、ぽこぽこクラブとしては初の観劇。
色々チャレンジしてるなーという感じがして非常に楽しい作品でした。

皆さん演技が上手いですね。
そしてそれぞれがハマリ役過ぎて全く違和感なく観られました。
個人的には渡辺さんの演技が凄い良かった。
あのコミカルからシリアスへのシームレスな変化は凄いと思った。

5枚の可動する衝立を使って、様々な表現に用いる演出が面白かった。
こういう見た目に楽しいのは結構好きです。

登場人物の置かれている状況や心情が音響、照明で上手く表現されていて上手いなぁと思った。
音楽のチョイスも絶妙だし、照明がとにかく凄かった!
照明でこんな表現が出来るんだ!と何度も驚かされました。

ネタバレBOX

ノボルのテロ活動、指名手配を報じる新聞を演出で表現している場面がとても好きです。
舞台上から色が消え、モノクロの世界の中、新聞の見出しと共に迫ってくるノボル。
その後、衝立の向こうに消えていくまでの演出は鳥肌モノでした。

いずみ、真央のダンスも良かった。
とても可愛らしい振り付けで、曲ともあっていてその場面が頭から離れません。

登場人物は揃いも揃ってみんな不器用。
不器用なりに自分の答えを見つけて前へ進もうとする姿にはとても前向きな気分になれました。
そう考えると谷だけがちょっと異質なのかな?
ハンディから逃げずにずっと戦っていた訳で、唯一まともな人物だったのかも。





[memo]
兄ノボル、弟タケトの兄妹の両親は海外のテロに巻き込まれ死亡。
タケトは引きこもり。
ノボルは奇抜な格好をして花を植えるプルメリアの会を主宰。


 新聞配達員。歌手を目指していたがある日耳に障害が。
 ライブでタケトに訳して貰ったデスペラードを歌う。
 ライブ中に補聴器?が故障するが歌いきる。
向井
 AV(アートビデオ)の監督。タケトの友だち。
 龍平がオチンチョスを自分で切断するかどうかを撮影しようとする。
 アートなんて本当は分かっていないことに気付く。
うみ(いずみ)
 AV女優。初めて人に必要とされたためAVに出演。
 向井が好き。告白するが振られる。
真央
 いずみの親友。恋をしている時は鳩オジサンの笛が聞こえる?
 周りからは無視されていることを、いずみに打ち明ける。
さくら
 龍平と同棲。浮気を止めない龍平に激怒。
 向井にそそのかされ、龍平がオチンチョスを自分で切るまで帰らないと告げ家を出る。
 最後、自分のためにオチンチョスを切ろうとした龍平を見て、好きなまま別れることを決める。
龍平
 タケトの隣人。さくらのヒモ。浮気性。
 さくらにはまだ未練。実家に帰って働き口を探す。

両親の死に対して、誰を憎めば良いのか。→ テロを憎む。
プルメリアの会は反過激派テロ組織プルメリア戦線に変貌。
アメリカ軍に拘束され日本に移送。タケトと再会する。
死が二人を分かつまで、愛し続けると誓います(黄金のコメディフェスティバル最優秀作品賞、受賞)

死が二人を分かつまで、愛し続けると誓います(黄金のコメディフェスティバル最優秀作品賞、受賞)

ポップンマッシュルームチキン野郎

シアター風姿花伝(東京都)

2013/08/17 (土) ~ 2013/08/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

文句なしです
45分という限られた時間の中でこれだけクオリティの高い作品を作り上げてきたことに脱帽です。
幕が上がっていきなり大爆笑。その後はもう止まること無く一気に駆け抜けて行った感じでした。
飛び道具的な危険なネタや下ネタでしっかり笑わせつつ、
夫婦の変わらぬ愛情をしっかり描いた素晴らしい作品でした。

イントレランスの祭

イントレランスの祭

サードステージ

よみうり大手町ホール(東京都)

2016/04/29 (金) ~ 2016/05/06 (金)公演終了

満足度★★★★★

観てきた!!!!!!
東京公演をすでに2回観劇。凱旋公演も観てきました。
何度観ても楽しいです。とても好きな作品。

スペースゼロと比べるとステージが狭いのかな?セットが若干窮屈な感じがしました。
あと一部演者さんの声が聞き取りづらくなった気がします。
お話や演出自体には特に変更は無かったと思います。

凱旋公演から物販に公演パンフレットが追加されました。

チェンジ・ザ・ダイアリー!

チェンジ・ザ・ダイアリー!

はらぺこペンギン!

新宿眼科画廊(東京都)

2016/06/10 (金) ~ 2016/06/22 (水)公演終了

満足度★★★★★

観てきた!!!!!!
後編『上書き保存』を観劇。
ものすっごく良かった!とても好きな作品です。
家族の絆と再生を描いた、観劇後にはじんわりと心が温かくなるような素敵なお話でした。

前編からさらに未来のお話。
同じ世界観のお話で繋がりはありますが、後編だけ観ても全然問題ありません。

父親役の山本さんの演技が大変素晴らしかった。
あの演技あってこその作品だったのではないかと思います。

ネタバレBOX

家族3人で話し合うシーンからの流れがとても良かった。
その日の記憶を消さないで欲しいと願う父親がとても印象に残りました。





[memo]
妻が事故死。そのことが耐えられず、作品が書けなくなった老作家(ラノベ)
最後の作品を書き終えるまでMC(MemoryChange)を使って妻の死を無かったことにする。

記憶の改ざんで弟子が息子、医者が弟に。
MCのしすぎで記憶がごちゃごちゃ。自分の作品と現実との区別も怪しくなる。
あと1回しか出来ない。

実の息子、娘も母親の死は自分のせいだと思っている。

作品を書き終え、記憶を戻すことに。
父親の願いで前日の記憶だけは残す。記憶の接続にも成功する。
みんなの宅配便

みんなの宅配便

EPOCH MAN〈エポックマン〉

明大前KID AILACK ART HALL 5F ギャラリー(東京都)

2015/06/27 (土) ~ 2015/07/12 (日)公演終了

満足度★★★★★

小角まや(♀)×小沢道成(♂)バージョン
当日券にて観劇。小さい劇場だったのでキャンセル待ちでしたが幸運にも観ることができました。

まず目を引くのが、もう一つのバージョンでは全て紙で表現していた小物たちが、こちらのバージョンでは全て本物になっていました。
他にも口で表現していた効果音がこちらのバージョンではきちんとしたSEが使用されている、といった違いもありました。

実物を使ったセットだと、ステージ上に見える押し入れの中の乱雑な状況が桐子の精神状態を表しているようで、
開演前からメッセージを放っているように感じました。
2バージョンの観劇順によってはその感じ方も違っていたのかな?と思うとこの演出はとても効果的だったのだと思う。

桐子のでたらめな距離感や佐竹との噛み合わない会話がおかしみでもあるのだけど、
桐子の抱える孤独感や不器用さに愛おしさを感じる以上に怖さを感じてしまいました。
ラストが前向きな締めになっていたのは救いがあって良かった。

三億円事件

三億円事件

ウォーキング・スタッフ

シアター711(東京都)

2016/09/03 (土) ~ 2016/09/11 (日)公演終了

満足度★★★★★

観てきた!
ものすごく面白い。終演後にしばらく呆然となるくらい作品に引き込まれてしまいました。

基本的に大声でがなりたてるような演技はあまり好きではないのですが、
この作品ではそんなことが全く気にならず、熱演に圧倒されっぱなしでした。
最前列は舞台に近すぎて迫力が半端ないです(笑)

有名すぎる未解決事件「三億円事件」を扱った半フィクション作品。
詳細までは知らないのでどこまでが真実でどこまでがフィクションなのかは分からなかったのですが、
とても説得力とリアリティのある内容だったと思います。
結末は分かっているのに、終盤はもう手に汗握る展開で、
構成が抜群に上手いと感じました。

こんな痺れるような緊迫感あふれる場面の連続なのに、
笑いが起こるようなシーンも存在することに驚きました。
それが全く不自然でないのも良いです。

演じる役者さんたちも皆キャラが立っていて良かったです。

ノッキン オン ヘブンズ ドア

ノッキン オン ヘブンズ ドア

Bobjack Theater

シアターKASSAI(東京都)

2016/12/07 (水) ~ 2016/12/18 (日)公演終了

満足度★★★★★

観てきた!
Aチームを観劇。
ウェルメイドな人情探偵もので、この季節にぴったりの暖かくて気持ちよく涙腺を刺激してくれるような作品でした。

孤独だと思っているのは自分がそう思い込んでいるだけ。
見てくれている誰かが必ずいる。
今まで寂しい思いをしてきた彼女らが報われて本当に良かった。

2つの事件、探偵の過去、助手の過去など複数の要素が存在し絡まりあっている状況にも拘わらず
とても分かりやすい構成になっているのが素晴らしいです。
初見でもお話に付いていけると思います。

かなりシリアスな場面の直後にドカンと笑わせたり、笑いの取り方が上手いですね。
コミカルとシリアスのメリハリが効いていて良いです。

アベベのベ 2016

アベベのベ 2016

劇団チャリT企画

こまばアゴラ劇場(東京都)

2016/06/08 (水) ~ 2016/06/19 (日)公演終了

満足度★★★★★

観てきた!!!!!
私にはそんなに政治色を強くは感じられず、コンビニを舞台にした質の高い会話劇として普通に楽しめました。
皆キャラが立っていて、すっごいリアルというか生々しい。
舞台の上の世界が実在しているようで、作品の世界観に引き込まれました。

私含めて、世間一般の人々の政治や憲法についての距離感ってこんな感じなのだと思います。
政治の延長線上に自分たちの日常もある訳だけれど、日々を過ごすので精一杯、みたいな。

新宿コントレックスVol.15

新宿コントレックスVol.15

Aga-risk Entertainment

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2016/11/22 (火) ~ 2016/11/23 (水)公演終了

満足度★★★★★

観てきた!
レベル高すぎ。4作品ハズレなし、というか今年観劇したコメディTOP4なんじゃないかってくらいに面白かったです。
笑いすぎてお腹痛い(笑)

この内容で2000円!驚異のコストパフォーマンスです。

どの劇団も短編の作り方が非常に上手いなぁと感じました。
おかげで2時間の上演時間があっという間でした。

ネタバレBOX

中野劇団 さん
「嘘を聞くと心臓に激痛が走る」という設定一つで次から次に面白いくらいに笑いが起こっていました。
嘘を回避しながら会話を続ける夫婦の頭脳作戦がすごく楽しい。

順風男女さん
今回一番のお気に入りです。
短編の中でショートショートをやるという選択にまず意表をつかれました。
ライザップネタがめっちゃツボでした。まさかの二段オチで腹筋崩壊です(笑)

電動夏子安置システムさん
安定の面白さ。2つの普通の会話劇を重ねわせることで一気に爆笑の渦へ。
掛け合いの不条理さが抜群に面白い。
振り回される役(ツッコミ役)が道井さんとなしおさんという鉄壁の布陣なので、面白くない訳がありません。
「最終秘密兵器お父さん」で爆笑しました。

アガリスクエンターテイメントさん
すげえ!最後まで一貫して下ネタしかなかった(笑)
こういうくだらない(誉め言葉)お話、大好きです。
排便禁止令ってシチュエーションからして既に頭おかしい(褒め言葉)
天使は瞳を閉じて

天使は瞳を閉じて

虚構の劇団

新居浜市総合文化施設 あかがねミュージアム 多目的ホール(愛媛県)

2016/08/20 (土) ~ 2016/08/21 (日)公演終了

満足度★★★★★

観てきた!
作品自体の感想は凱旋公演終了後に。

あかがねミュージアム、とても素晴らしい劇場でした。
駅から近いし綺麗だし、休憩できるカフェもあって至れり尽くせり。
是非、また訪れたいと思いました。

東京公演の座・高円寺と比べると舞台は若干コンパクト?なのかな。
セットのサイズ感はこちらの方がぴったりに感じました。
(座・高円寺は高さがある分広々と感じてしまう)


今回で5公演目の観劇。
演者さんはさすが皆さん役にぴったりで、観れば観るほどこの人しか考えられないな、と感じます。
中でも一番ぴったりに感じたのはマリを演じる鉢嶺さん。
役を演じているという感じが全くしないほど。
あと、声がもの凄く良く通るので、かなりの高音にも関わらずセリフが聞きとりやすいのが良いですね。

母と惑星について、および自転する女たちの記録

母と惑星について、および自転する女たちの記録

パルコ・プロデュース

PARCO劇場(東京都)

2016/07/07 (木) ~ 2016/07/31 (日)公演終了

満足度★★★★★

観てきた!
現パルコ劇場ラスト公演。周りの評判が頗る良かったので観に行ってみました。
上演時間は途中15分の休憩を挟んで2時間20分。

長崎で生まれ育った三姉妹(と母親)のお話なので掛け合いは基本長崎弁です。
ちょいちょい出てくる「なん?」がツボでした。

酒、タバコ、麻雀、男。自由奔放で傍若無人な母親。
そんな母と三姉妹のちょっと変わった関係が静謐な空気の中でしっかりと描かれていました。
お互い憎しみや反発ばかりなのだけど、最後に母親の愛情と子の愛されたいという想いが垣間見える救いのある結末だったと思います。

シリアス一辺倒ではなく、コミカルで笑える場面も多かったです。

ネタバレBOX

三女役、志田未来さんの演技に圧倒されました。
今まで抱えてきた不安や不満、恐れといった想いの数々吐露し、
感情を爆発させる場面には思わず鳥肌が立ってしまうほどでした。
15 Minutes Made Volume13

15 Minutes Made Volume13

Mrs.fictions

王子小劇場(東京都)

2015/08/19 (水) ~ 2015/08/25 (火)公演終了

満足度★★★★★

コスパが高すぎる贅沢なイベント
Vol12に比べると私好みの作品が多かったです。

個人的各劇団さんごとの満足度は
 タイタニックゴジラさん ★3
 アナログスイッチさん ★5
 DULL-COLOERD POPさん ★4
 Straw&Berryさん ★5
 PMC野郎さん ★4
 Mrs.fictionsさん ★5

これだけ楽しめて2500円って破格ですよね。超お得。

あえて順番を付けるなら・・・
一番のお気に入りはStraw&Berryさんの『ブルーベリー』
15分間を一番上手く効果的に使っていたと思います。

虚構の劇団第12回公演「天使は瞳を閉じて」

虚構の劇団第12回公演「天使は瞳を閉じて」

虚構の劇団

あうるすぽっと(東京都)

2016/08/31 (水) ~ 2016/09/04 (日)公演終了

満足度★★★★★

観てきた!
地方公演あわせて都合7回観劇。

観れば観るほど好きになっていく、そんな作品でした。
正直、初日はなんて長いんだろうと思いました。
それが回を重ねることに歯車がキチッキチッと合っていくようで。
大楽は最後まで集中が全く途切れること無く2時間があっという間に感じました。

この作品は今回が初見で過去の公演は観たことが無いのですが、
今回の配役は見事に全てはまっていたと思います。
どの役もその役者さんしか考えられない。そう思えるほどでした。


以下ネタバレ

ネタバレBOX

「天使は変わらない。でも人間は変わる」
夢と希望に溢れた幸せの絶頂から作品は始まり、
そこから少しずつ悲劇的な結末に向かって変化していく人々。
そして、それを見守ることしか出来ない天使。

この作品の秀逸なところは「見たくないもの」をあえて見えない構造にしていることだと思いました。
2階での出来事は客席からは全く見えないので想像するしかないのです。
その想像が悲劇的であればあるほど、残酷であればあるほど、最後の天使の叫びが痛いほど胸に刺さってきます。
あのシーン、小沢さんの表情がもう切なくて切なくて。
舞い散る天使の羽と照明効果でまるで一枚の絵を観ているようでした。

そして、最後の最後に用意されている仕掛け。
登場人物たちは客席に向かって握手の手をさしのべます。
彼らを見つめることしかできなかった天使という存在が、
実は観客のポジションそのものである、とそこで始めて気づかされました。
初見では若者たちの群像劇という俯瞰的な見方だったものが、
次回からは天使の視点でぐっと作品に入り込みやすくなった気がします。


お目当ての木村美月さん演じるチハルは、
あの中では一番普通で、だからこそ一番親近感を覚えやすい役どころだったんじゃないかなと思います。
(チハルに一番感情移入できたって方が結構いました)
自分の夢や恋愛に不器用ながら必死にもがいて、でも報われなくて。
ふっと見せる思い詰めたような表情が、満面の笑顔とのギャップとあいまって観ていて本当に切なかったです。

唯一違和感を覚えたのは、終盤のトレンチコート。
季節は冬ではないし、チハルが選ぶタイプの服にも見えないのです。
次のシーン(緑のパーティードレス) への早替えのためだけなのかな?
一瞬のシーンではあるけど、そこだけが気になりました。
ニッポン・サポート・センター

ニッポン・サポート・センター

青年団

吉祥寺シアター(東京都)

2016/06/23 (木) ~ 2016/07/11 (月)公演終了

満足度★★★★★

観てきた!!!!!
好みが分かれそうですけど、私はこういう写実的な演出、演技、とても好きです。
青年団さんの舞台を観るようになってまだ日が浅いのですが、見事にハマってしまいました。

開場直後からカーテンコールまでシームレス。
暗転すら一切なくて演技も自然なので、どこかに実在する日常の空間をそのまま切り取ってきたような
そんな錯覚を起こしてしまいそいうになるほどでした。

現実にもありそうなリアルな事案ばかりだったので落としどころが気になっていたのですが、
「人を助ける」というテーマにしてはオチが少しぼんやりした印象でした。

ネタバレBOX


再就職先がゆるキャラ?のくだりが凄い好き。
嘘より、甘い

嘘より、甘い

タカハ劇団

小劇場B1(東京都)

2016/09/07 (水) ~ 2016/09/11 (日)公演終了

満足度★★★★★

観てきた!
前作『わたしを、褒めて』から1年半。かなり待ちましたが(^_^;) 待った甲斐がありました。
前作同様好みの作風で、とても面白かったです。

やっぱり上手いなぁというのが第一印象。
構成とか演出とか全然隙が無くて、
しっかりと作り上げられた世界観に最後までどっぷりと浸れました。

演技も皆さん素晴らしかったと思います。
特に印象に残ったのは徹と石子。

舞台美術も素晴らしかった。
会場に入ってまず、舞台セットの作り込みに驚きました。
ナポリタンの調理音、香りなど、聴覚や嗅覚を刺激する演出も良いです。
演出といえば、雷の表現が抜群に上手かった。何か特殊なことでもやってるのかな?

ネタバレBOX

冒頭のシーンからOPまでの流れがとても良かった。
特に二面客席をうまく使ったオープニングの演出が大変素晴らしかったです。
ブラインドがいい味出してました。

信じ込ませようとする側の人たちの胡散臭さと必死さがとても滑稽で、
お互いのターゲットをとっかえて始まる勧誘合戦がとても面白かった。

実際の事件(歌舞伎町ビル火災)へとつながるラストはやや唐突に感じましたが、
こういうどんでん返しは嫌いではないです。
最後の最後、石子の足の怪我も実は嘘?の場面には鳥肌が立ちました。
何事も無かったかのような石子の表情が怖いです
夢にかける保険はありますか

夢にかける保険はありますか

劇団サラリーマンチュウニ

上野ストアハウス(東京都)

2016/12/08 (木) ~ 2016/12/11 (日)公演終了

満足度★★★★★

観てきた!
今回のテーマほどこの劇団に適したテーマはないのではないか。
そう思える作品でした。

劇団のコンセプトを考えると、放ったメッセージの重さがひしひしと感じられました。
下手をすると自分たちにブーメランで返ってきてしまう。
仕事と夢を両立し、夢だけでなくきちんと現実も見ている(多分)彼らだからこそ表現できるテーマなのだと思います。

観劇するのは今回で3作目。
過去2作は初舞台の方も多く演技の方では多少固さも見られたのですが、
今回はとても良かったと思います。
特に相馬役の滝口さんの存在感ある演技が大変素晴らしかったです。

ネタバレBOX

「劇団はブラック企業」
なるほど、確かにって感じでした。
小劇場界隈では大抵そうなんだろうなあって気がします。

役者として食っていくには、劇団がきちんと収益を上げなくてはならなくて
そのための努力が必要。
夢を口実にモラトリアムのような生活をしているだけでは
「仕事」ではなくてただの「趣味」
辛辣なようなけど真実だと思います。

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