コンドウダイスケの観てきた!クチコミ一覧

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オイル

オイル

NODA・MAP

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2003/04/11 (金) ~ 2003/05/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

衝撃的だった
「やられたらやりかえす」
そんな、生々しくて暴力的な感情を露にする松たか子の姿がとても切なかった。
どうしようもなくて、いないと判っててもカミサマにすがるしかなくて・・・楽しんだ反面、何かやりきれない気持ちになった。

虹

グリング

紀伊國屋ホール(東京都)

2006/12/20 (水) ~ 2006/12/24 (日)公演終了

満足度★★★★★

人生を覗き見るような・・・
グリング一年ぶりの本公演。
そして私も約1年ぶりの東京での観劇。
当時1年間の活動休止を聞いたとき、次回公演はおそらく見られまいと諦めていたのに、まさか再びこの目で見ることが出来ようとは・・・ホント、人生何がどうなるかなんてわからんもんだ。

クライマックスの、聖美(荻原利映)と夫の広志(杉山文雄)のシーンで、聖美が広志に水を持って行こうとした瞬間。不意に涙が込み上げてきてどうしようもなくなった。
何気ない行為で、特に感動的な言葉があるわけでもない。けれどもその瞬間、彼らが共に過ごしてきた長い年月が突然私の中に生まれた気がしたのだ。そう感じたときには、もう涙が出てしまっていた。
エイズと共に生きることを余儀なくされた広志と、それでも強く生きていこうと励ます聖美。かれらが長い年月をかけて作り上げてきた絆が、“水を汲む”という些細な行為の1つに凝縮されているような気さえした。

グリングの舞台を見ていると、生きとし生けるものへの慈しみのようなものが感じられ、見た後に生きていることがとても素晴らしいことのように感じられてくる。
本当に魅力的な舞台だった。

長屋紳士録

長屋紳士録

劇団東京乾電池

扇谷記念スタジオ・シアターZOO(北海道)

2007/03/13 (火) ~ 2007/03/15 (木)公演終了

満足度★★★★

土俵際な感じが・・・
いい。
常に破綻と隣り合わせで、綱渡りしながらやってる。若手以上に柄本さんはじめベテラン勢が特に。
小津映画の名作をまんま、カット割りまでそのまんま再現してしまうんだから・・・本来ならばウェルメイドなドラマになるはずのものが、ナンセンスギリギリの人情劇に。
でもそこが、いい。

スワチャントッド

スワチャントッド

劇団千年王國

生活支援型文化施設コンカリーニョ(北海道)

2007/04/11 (水) ~ 2007/04/17 (火)公演終了

満足度★★★★

文字と音符、多いのは・・・どっち!?
役者の肉体、それを包む劇場、そしてそこから続く日常も、そんなこんなを全部1つの楽器にしちゃったような、そんな舞台だった。
物語の人間関係が多少(いや、けっこう)複雑でとっかかりにくくもあったけれど、言葉を追うことを辞めた途端に、不思議とスーッと受け入れられた。
もし次に観る時間があれば、思い切って目隠しをして観に行きたい、そんな気にさせる芝居だ。

東京ノート

東京ノート

青年団

こまばアゴラ劇場(東京都)

2007/04/19 (木) ~ 2007/05/14 (月)公演終了

満足度★★★★

外界の音が・・・
沈黙するという行為がこれほどまでに創造をかき立てるものだとは・・・戯曲を読んでから観劇したのだけれど、戯曲にはない「沈黙」に、観ている側はただただ想像するしかなくて、もう目が離せなくて。
唯一残念だったのは、観劇した日の天気が悪く、雷の音で集中力を裂かれてしまったこと。沈黙が饒舌に語る舞台なだけに、雷でそれが聞き取れないのはとても悔しかった。

小泊の長い夏

小泊の長い夏

渡辺源四郎商店

ザ・スズナリ(東京都)

2007/07/12 (木) ~ 2007/07/16 (月)公演終了

満足度★★★★

こりゃ他人事じゃねぇぞ
ぎこちない人間関係の隙き間から、ときおり見え隠れする温暖化が進んだ日本、そして温暖化による難民の存在という背景。
荒唐無稽な設定ながらも、人々の様子を観ているとなんとなく納得させられてしまう。「温暖化が進んだ青森」の描き方が妙にリアルだ。同じ北東北で育った人間として、「こりゃ他人事じゃねぇぞ!」と1人ハラハラさせられながら舞台に釘付けになっていた。

俺の屍を越えていけ

俺の屍を越えていけ

花まる学習会王子小劇場

王子小劇場(東京都)

2006/12/20 (水) ~ 2006/12/24 (日)公演終了

満足度★★★★

聖なる夜、俺の屍を越えていけ
今まで渡辺源四郎商店と青年団自主企画(リーディング)で観たこの作品。前2作では抑えた芝居の中に浮かび上がる人間関係の機微が魅力だった。
今回の王子小劇場プロデュースはというと、特に抑えたという印象はなく、かといって過剰でもなく、若い俳優陣から滲み出る“鋭さ”や“熱さ”が、芝居をダイナミックな会話劇へと変化させていたように感じた。
キャストも若手で最近注目されている小劇場系劇団の人たちばかり。しかも普段は全く違うスタイルの芝居をやっている人も多いようで(全部の劇団を観たことはないけども)、まさにキャストのちゃんこ鍋状態。
しかし、思っていたほどバラバラな印象はなく、1つのちゃんこ鍋として美味〜く仕上がっていた。
やっぱりこれも戯曲の力かな〜。
シンプルだけれども力強いプロット。山田洋次作品のような暖かみ。畑澤聖悟さんの作品には、登場人物一人一人への愛情がとても感じられる。

おやつの時間堂[proof]

おやつの時間堂[proof]

時間堂

王子小劇場(東京都)

2007/08/13 (月) ~ 2007/08/19 (日)公演終了

満足度★★★★

本番を観ました
一週間で、それも公開稽古の中で作ったとは思えない完成度に驚かされた。
観終わった後、タイトルの「proof」という言葉が、定理の“証明”としての言葉のみならず、登場人物それぞれの存在の“証明”として、せつなく胸に届いてくる。
あぁ、制作過程も観たかった・・・・・

ピンポン、のような[07再演版]

ピンポン、のような[07再演版]

時間堂

王子小劇場(東京都)

2007/04/26 (木) ~ 2007/04/30 (月)公演終了

満足度★★★★

「贅を尽くした」っていうのは、こういうことかなぁ
後で冷静に考えてみると、伏線や人間関係がすごく複雑な芝居だと思うのだけども、観ていてなぜか気にならなかった。
見終わったあとに、ふんわりとした、柔らかくて温かい感覚があって、しばらくその場を離れたくない気持ちに駆られてしまった。
踏みとどまってる自分の背中をポン、と押してもらったような、そんな気がする。

照明も3パターンあるということで、残りの2パターンがどういうプランになっているのかがとても気になる。いろんな意味で贅沢な公演だ。

贋作・罪と罰

贋作・罪と罰

NODA・MAP

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2005/12/06 (火) ~ 2006/01/29 (日)公演終了

満足度★★★★

梱包材に感動
前売りでチケットが取れずしぶしぶ立ち見に。けれども中央に舞台を組んでいたこともあり、A席やコクーンシートの端の方の席に比べると断然観やすかった。
梱包材を使った演出が驚くほど綺麗。
思いの外ゆったりとしたテンポとシンプルな転換にとまどいを覚えつつも、徐々に引き込まれる。松たか子の脆さと鋭さの紙一重ぶりに完全にやられてしまった。

僕たちの好きだった革命

僕たちの好きだった革命

サードステージ

道新ホール(北海道)

2007/03/16 (金) ~ 2007/03/17 (土)公演終了

満足度★★★★

僕たちの好きだった・・・
第三舞台時代と比べてどっちが「革命」っぽいかと問われたら、そりゃ昔の方が革命でしたよ。当時の俺には衝撃だったもん。
けど、エンターテインメントとしては今回の方が上質だと思うし、しつこい感もあるけれど“演劇”的だ。多分初めて芝居を見る人がその楽しさを知る分にはとてもいい芝居なんじゃなかろうか。
見終わった後、なんとなくいろんな思考を強制されるような、不思議な感覚に襲われている、ちょうど今。

月と牛の耳

月と牛の耳

いるかHotel

王子小劇場(東京都)

2006/12/26 (火) ~ 2006/12/30 (土)公演終了

満足度★★★★

“牛耳る”の語源に感動
特殊な病気と格闘一家。
普通に考えれば無茶苦茶な設定だけれども、何故か不思議と納得させられる。

使う言葉も変われば随分印象も変わるわけで、神戸弁による独特の人情味のようなものがとても強く出ていた。
クライマックスでは音響や色入りの照明等も入り、オリジナルと比較するとオーソドックスな印象。
照明や音響もきれいにハマっており、この戯曲の別の一面が垣間見えたような気がする。

ネタバレBOX

最後の方の、加賀谷の長女の婚約者である服部(加藤巨樹)の「勝ちてぇな〜(とかなんとか、はっきり覚えてないけど)」という、義父への思いを吐露する場面では、何かわからないけれど熱いモノがこみ上げてきてどうしようもなかった。
多分少年時代をジャンプとか読んで育った俺ら世代には、この感覚はすごくわかるような・・・そういう問題でもないか。
B計画

B計画

劇団SKグループ

こまばアゴラ劇場(東京都)

2007/02/20 (火) ~ 2007/02/25 (日)公演終了

満足度★★★★

気合い入れてバイキング食べるみたいな、そんな豪華さ
“笑い”と“シリアス”の落差! これに尽きる。
物語の序盤をはじめとして、ところどころに漫才ばりの笑いのシーンが散りばめられているのだが、そのパワフルさのすごいこと。
一方、物語が核心に迫るにつれ、次第に暴かれていく心の内。その、内面に迫っていくにつれみなぎってくる緊張感。
これほどのギャップを瞬時に切り替えてやってのける集団というのはなかなお目にかかれない。ホント、これには感服。

昔の第三舞台のような、激しく心の内面への切り込んでいくという話にもどこか懐かしさを感じる。
全体として荒っぽい感覚は残るものの、その荒さを補ってあまりあるほどの力に溢れる一作。
エンターテインメント色の強い作品ながらも、心理描写やサスペンス的な構成など、それだけにとどまらない魅力を持った芝居だった。

また、終演後にテーマ曲を提供(この公演のための書き下ろしらしい)しているSE-NOという2人組のユニットのミニライブもあり、1度で2度おいしい構成。

芝居に主題歌があるっていうのは、やっぱりずるい。
そして終演後にライブまでやってくれるのだからよりずるい。
「じ~ん」と来ないはずがない。

ネタバレBOX

舞台は建設途中のマンションの一室。
そこでは「星の記憶」を取り戻した、自称“宇宙人”と名乗る人々が謎の集会を開こうとしていた。
ある男(立川佳吾)が失踪した妻を探しにやってくるところから物語は始まる。

自らをガニメデ星人と名乗り奇妙な言葉を話す少女(天野さおり)、自称タイタン星人の、飄々とした中にどこか不気味さを漂わせる男(高橋逸人)、そして質問をされることがされることが苦手(?)な、地球人と呼ばれている女性(小山めぐみ)。
そんなおかしな人々とのやり取りが繰り広げられていき、次第にそれぞれの心の内に抱える星の記憶の裏に隠された“記憶”が甦っていく。
ロープ

ロープ

NODA・MAP

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2006/12/05 (火) ~ 2007/01/31 (水)公演終了

満足度★★★

リングの中に世界
チケットもままならないまま札幌から飛び出してきたが、滞在最終日にしてようやくチケットが取れた。ホントに嬉しい。

世界のメタファーとしてのリング。
リングの上に、人間の愚かさの歴史が集約されている。
今までのような言葉遊びは姿を消し、強い憤りや怒りといったものがリングの周りで展開される。
そんな印象を受けた。

リングに立つ者、試合を企画する者、それを観る者、実況する者、プロレスをめぐるさまざまな人たちの思惑が“戦い=暴力”の物語へと発展していく。
一見して今まで比べ圧倒的に地味な芝居なのだが、そこから次第に浮かび上がる思念の激しさは今までとは比べものにならないほど。
次々とタブーに踏み込み、自分たちもその中に含まれることを自覚しつつ糾弾する。この芝居を行うことはまさにそんな行為に他ならない。
こういったメッセージ性を盛り込むことについては賛否両論あるだろうし、私も懐疑的な立場ではあるのだが、これだけのものを見せられると「アリかな〜」なんて思ったりする。まぁ、演劇だってメディアの1つなわけだし、そこでジャーナリズムを語るのも、自己矛盾に対して無自覚な報道番組を観るよりかは有効だと思える。

最後のシーン、今までの野田芝居では観たことのないほど静かに、そして淡々とした様にあっけにとられてしまった。
すごく優しさに溢れたシーンだと思う。

人間♥失格

人間♥失格

ポツドール

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2007/07/06 (金) ~ 2007/07/16 (月)公演終了

満足度★★★


グロい芝居とわかっていても、やはりバイオレンスな描写があると思わず抵抗を覚えてしまう。今回はビジュアル的なグロさというより、負の生活感というか、漂う雰囲気の生々しさみたいなものにヤラレてしまった。
上演中、ところどころで笑いが起こる。よくよく見てると、感情移入して笑ってる人はいない。みんな目前の対象物を蔑んで笑ってる。・・・・・本当にグロいのは舞台の上じゃなくて、それを観てる客(自分含む)かも。

猫の恋 昴は天にのぼりつめ

猫の恋 昴は天にのぼりつめ

秋田県演劇団体連盟

秋田市文化会館(秋田県)

2010/01/29 (金) ~ 2010/01/30 (土)公演終了

満足度★★★

場内の温度
はじめのうち心なしか会場に空気の重さを感じる。
ところが、中盤で猫役のおじいちゃんがしゃべりはじめてからはフッと空気が流れ出したように感じた。
それ以降、役者・客席ともに暖かい感触。最後まで楽しく拝見させてもらいました。

超訳「リチャード三世」

超訳「リチャード三世」

楠 美津香

扇谷記念スタジオ・シアターZOO(北海道)

2007/01/26 (金) ~ 2007/01/27 (土)公演終了

満足度★★★

激情ほとばしる2時間30分
前説にて「開演時間は2時間30分を予定しております」とのコメントにびっくり!
一人芝居で2時間30分も続けられるのかという観客の不安を尻目に、ものすごい早さで突っ走っていく。

「リチャード三世」の複雑な歴史的背景ゆえか、途中途中で飲み込めなくなる瞬間はあったものの、物語がクライマックスへ向うに連れ、語りはさらにヒートアップ。最後のリチャードの死の場面はまさに圧巻!
全速力で駆け抜けた2時間30分だった。

・・・まぁ、それでも長いなぁ。

ポルノ

ポルノ

阿佐ヶ谷スパイダース

TOKYO FM HALL(東京都)

2002/08/02 (金) ~ 2002/08/17 (土)公演終了

満足度★★★

初体験
学生時代、上京してきて初めて生で観た芝居。未知との遭遇。
高さのあるイビツに組まれた舞台が印象的。ちょっとブラックでラストはほんのり温かい、そんな雰囲気に完全に飲まれてしまった。
そんなこんなで芝居の世界に踏み込んでしまった。
思い出深い芝居。

flow

flow

I.S.O.T

シアターブラッツ(東京都)

2007/08/16 (木) ~ 2007/08/19 (日)公演終了

満足度★★★

京都発、リオのカーニバル
数々の破綻の中、強烈な個性とグルーヴ感で駆け抜けていく。
こんな激しい芝居を観たのは久々。
下ネタNGな彼氏彼女と行くのはキビシいかも。
下ネタOKならむしろ行くべし!

セリフ噛んだ数に応じてキャッシュバックもあるらしいので、
そんなサディスティックな楽しみ方もアリか?

セルロイド

セルロイド

演劇企画集団THE・ガジラ

ザ・スズナリ(東京都)

2007/02/08 (木) ~ 2007/02/21 (水)公演終了

満足度★★★

物語・・・じゃないんだろうな、コレは
それぞれが抱える過去のトラウマが、何かしらの出来事をきっかけにフラッシュバックする。
最初はぼんやりしてて単調だなぁ〜、というのが正直なところだったが、後半になり急激な展開を見せ、目が離せなくなる。物語・・・というよりは、演劇的な興奮。物語に入り浸るんじゃなく、そこにいる俳優の肉体と音・光から目が離せなくなる。
けれども、最後がちょっぴり説教じみてて、私はかなり引いてしまった。それまでが面白かっただけに尚更。

『ひかりごけ』のときのような硬質な感はなかったものの、ときにヒステリックに、ときにコメディタッチに迫ってくるさまはなかなかのもの。

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