TAKEZOが投票した舞台芸術アワード!

2023年度 1-7位と総評
パレードを待ちながら

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パレードを待ちながら

劇団未来

実演鑑賞

文化庁芸術祭優秀賞、関西えんげき大賞優秀作品賞W受賞作品。再演作品。生活環境の異なる5人の女性を劇団未来の女優陣が存在感溢れる演技で魅了。第2次世界大戦中の銃後、それぞれの思い、生き方が重く伝わる。他国でも日本の隣組のような活動組織があった事に驚き恐怖を感じた。非常時、カナダ政府が否定していた徴兵制の導入が当然のように施行される怖さ、これからの日本にないことを祈りたい。
メンズトルソー(マネキン)を各々の人物に想像させるなど、しまよしみち演出はいつも楽しみです。

ブラウン管より愛をこめて-宇宙人と異邦人-(7/29、30 愛知公演)

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ブラウン管より愛をこめて-宇宙人と異邦人-(7/29、30 愛知公演)

劇団チョコレートケーキ

実演鑑賞

「悪意のない差別」「恐怖の連鎖」全ての差別につながる心に残る言葉でした。「恐がらないからわかりあえる」は解決へのメッセージ。
若者が同和地区・在日の言葉を理解できないのには驚いた。
テレビ局の弱腰、ご都合主義。テレビ局が放置してきたジャニー喜多川の性加害問題にもつながる。ryuchellさんの自殺、戦争はなぜ起こるのかなどいろいろ考えさせられた。
LGBTを意識しすぎて監督のホモの事は蛇足のような気がする。

磁界

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磁界

オフィスコットーネ

実演鑑賞

時間が前後する緊迫感ある物語。生活安全課に配属され意欲にあふれていた警官。市民の行方不明調査依頼に悩む心情が痛い。警察組織の論理がすごい。西尾友樹さん熱演。
終盤、場面が配属の挨拶に戻りいきいきした場面との落差は衝撃的でした。警察組織になじみタバコを吸うシーンの安堵感はやりきれなかった。

なるべく派手な服を着る

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なるべく派手な服を着る

MONO

実演鑑賞

初演(2008)で迷路の行き来が笑いを誘った記憶がよみがえってきます。2008年の舞台では、退団した西野千雅子さん、増田記子さんが在籍していればこの役をしていたなと思いながら当時観劇していました。
再演、良かったです。
家庭の団欒から崩壊そして再生、MONOらしい面白おかしく展開してあっというまの2時間でした。梢(立川茜さん)の存在感が光っていた。
終盤、いつも忘れられていた五男を兄弟逹が名前で呼び当時のことを思い出し、そして恋人だった梢が声をかける場面は感動的でした。

贋作写楽

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贋作写楽

劇団そとばこまち

実演鑑賞

劇団そとばこまちのエンターテイメント時代劇はいつも楽しく観劇。殺陣・ダンスはもちろん、墨絵によるライブペインティング、和楽器ありのサービス満点。凡才写楽の絵に絵筆を加え命を吹き込む葛飾応為、寛政の改革に立ち向かう民衆の反発、長谷川平蔵・葵小僧ら歴史上の人物の登場等虚実取り混ぜたストーリーは冴え渡り面白い。特別出演辰巳琢朗(元そとばこまち2代目座長)の蔦屋重三郎は重みがありながら軽やか、さすがです。至福の時間でした。

Born To Shine~Re:Boot~

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Born To Shine~Re:Boot~

STAR☆JACKS

実演鑑賞

さすが何回も再演されてきた舞台、ストーリーも完璧で興味深く観劇しました。彰義隊についてこれまであまり知らなかったが、京都の新撰組のように幕末の江戸の治安維持を行っていた集団だったんですね。若者たちが「義」の旗印の下に集まった彰義隊、旧幕府軍として戦っているが未来の日本を夢見ながら戦う姿は心を打つ。最後の戦いの前日、若者みんなが写真館で記念撮影をする。いい芝居でした。
タイトルが英語表記で作者の意図はわかるのですが、副題に日本語表記で時代背景がわかる補足があれば丁寧で良い気がした。

「キムンウタリOKINAWA1945」「OKINAWA1972」【4月6日(木)19時の回の公演中止】

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「キムンウタリOKINAWA1945」「OKINAWA1972」【4月6日(木)19時の回の公演中止】

流山児★事務所

実演鑑賞

「キムンウタリOKINAWA1945」
沖縄戦にアイヌの人逹が参戦していた事実(今のロシアがウクライナの戦争に僻地の軍人を参戦)。当時アイヌ・朝鮮・沖縄の人逹が差別されていた事実。アイヌ語の使用を禁じた事実(今の中国を思わせる)。沖縄の一般人を巻き込み多く人達を苦しめた事実。色々と考えさせらる事が多い。
1903年大阪万博で起こった学術「人類館」事件について、少数民族への差別的扱い等をもう少し深く掘り下げて欲しかった。
最後に白旗を掲げ「アイアムノットジャパニーズ」語る言葉に差別されてきたアイヌ民族の誇り、アイデンティティーを感じた。

総評

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