六英花 朽葉
あやめ十八番
座・高円寺1(東京都)
2023/08/05 (土) ~ 2023/08/09 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2023/08/05 (土) 14:00
無声映画からトーキーへ。時代の波に逆らうのか、流されるのか。それぞれの芸と矜持に迷う人々の葛藤に巻き込まれる。物語の構成も台詞もキャスト陣の魅力も楽隊の活躍も、あやめ十八番の真骨頂。あーコレが観たかった。
どうぞどうぞ、お先にどうぞ
大統領師匠
「劇」小劇場(東京都)
2023/07/26 (水) ~ 2023/07/30 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2023/07/30 (日) 12:00
シュールでもない、ドタバタでもない、不条理でもない。道具立て同様、物語の作りもたぶんホラーなのだろう、と思った。
ただ、根底にあるのが悪意や害意でなく善意あるいはもしかしたら愛情なので、楽しく笑えるコメディになってる。
独特のセンスの脚本をスマートな演出と手練れのキャスト陣が立体化して、すごく面白いものが出来上がっていたと思う。
隠し砦の三悪人
『隠し砦の三悪人』製作委員会
明治座(東京都)
2023/07/28 (金) ~ 2023/08/13 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2023/07/29 (土) 12:00
序盤から物語に引き込まれ、2時間55分(休憩含む)があっという間。
上川さんの主役の貫禄と信頼感、風間さんと六角さんの楽しく同時に切実な掛け合い、小林さん演じる姫君の魅力等、キャスト陣の熱演を堪能。扉座陣のご活躍もファンとしてうれしい。
ただ期待が高かった分食い足りない部分も感じられた。
丹下左膳'23
椿組
新宿花園神社境内特設ステージ(東京都)
2023/07/11 (火) ~ 2023/07/23 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2023/07/16 (日) 19:00
めちゃくちゃ面白かった。アングラは祝祭だなーと思った。
夏の野外テントのむき出しの土の上で躍動する人々がときに歌い、ときに踊る。ご存知、丹下左膳の物語のはずが、過去と現在、生者と死者、虚構と現実をないまぜにして新たな物語として立ち現れた。
毎年恒例野外テントの会場も雰囲気があって好き。
いとしの儚
悪童会議
ステラボール(Stellar Ball)(東京都)
2023/07/06 (木) ~ 2023/07/17 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2023/07/15 (土) 18:00
この戯曲の上演はさまざまな形で何度も拝見しているのに、そのたびに泣いてしまうのはなぜなんだろう。登場人物たちの行動にはいろいろ言いたいことがあるのに、それでも琴線に触れるのはもう理屈じゃなのだ、と思った。
ゾロ政がガチカッコよかった茅野さん。演出は華やかでしっかりエンタメ。扉座勢の御活躍も見応えがありました。
『つやつやのやつ』と『ファンファンファンファーレ!』(再演)
ムシラセ
駅前劇場(東京都)
2023/07/13 (木) ~ 2023/07/18 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2023/07/15 (土) 14:00
観られてよかった。笑ったし、泣いたし、初演のときに見かけたいろんな感想にいまさらながら全力で頷いた。登場人物全員が愛しくなるような舞台。観客も舞台に集中し、ダブルコールの後のアナウンスにも拍手が起きる温かい公演だった。
舞台『異説・狂人日記』
ヨビゴエ
CBGKシブゲキ!!(東京都)
2023/07/12 (水) ~ 2023/07/16 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2023/07/12 (水) 19:00
面白かった。いや面白いというか、ゾワゾワする感じがけっこう好きだ。
TRPGが原作と聞いていたけど、途中から物語に既視感があって、しばらくしてから(そうか、魯迅だ)と気づく。(←タイトルで気付くべきでした)
野口オリジナルさんがハマり役で、危うさとある種の無垢が魅力的だった。
センセとともに彷徨う105分を堪能した。拝見できなかった別バージョンも気になる。
兎、波を走る
NODA・MAP
東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)
2023/06/17 (土) ~ 2023/07/30 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2023/07/08 (土) 19:00
チケット確保で散々振られまくったNODA・MAP『兎、波を走る』を当日券で観た。
野田氏らしい疾走感と遊び心、メリメリに詰め込まれた多彩なガジェットが、中心となる題材を取り巻き揺り動かしていくのを振り落とされないよう見守る約2時間10分。高橋さんの軽やかな悲劇性が物語を牽引する。
「ここでこの話を終わりにしないで」というフレーズの意味。詩的な言葉遊びの底に切れ味鋭い刃物のように仕込まれた事実。終盤の高橋さんの切実さがしみる。ふいにその名前が、隠喩でも比喩でもなく具体的に示されてドキッとする。
トラ
ハイワイヤ
シアター711(東京都)
2023/06/28 (水) ~ 2023/07/02 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2023/07/01 (土) 14:00
「壮絶な」という言葉が思い浮かぶようなイジメが描かれている。
イジメは、舞台の冒頭から過去のこととして語られる。
主人公はイジメられた結果、引きこもってYouTuber的なことをやっており、その中で自分の記憶が誰かの救いになるかもしれない、としてそのことを語るのだ。
半ば顔を隠した奇妙な白い影のようなものが彼の周りでうごめく。
記憶、感情、怒り、後ろめたさ、家族。
そう、家族への思いは、物語の重要な構成要素となっている。
過保護なくらいに彼を愛し、だからこそ傷つけ合ってしまう母。母に寄り添おうとしつつ彼に苛立ち、そしてなぜかスズキと付き合っていた姉。
主人公や姉は少しずつ大人になって、家族間の葛藤から互いを許す余地を見出していく。ラストまで見れば家族の再生の物語であると思える。
ただしそれにしては中学時代のイジメの描写のウエイトが大きくて、本当に描きたかったことはやはりそこなのかもしれない、とも思った。
面白かった、と単純に言ってしまうのはたぶん違う。でも、ある種の思いの強さが伝わる舞台だった、と思う。
仮名手本忠臣蔵
花組芝居
小劇場B1(東京都)
2023/06/21 (水) ~ 2023/06/27 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2023/06/24 (土) 13:30
こんなスタイリッシュな忠臣蔵があるのか。
黒一色の素舞台で揃いの紋付袴の男たちが演じる悲劇はときに重厚、ときに軽やかにテンポよく進む。
古めかしい台詞に血肉を通わせる抑揚や表情。紅ひとつささずに義士と女房を演じ分ける演技力。
義と人情が今もこんなにカッコいい。
当然の結末
シベリア少女鉄道
俳優座劇場(東京都)
2023/06/17 (土) ~ 2023/06/25 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2023/06/17 (土) 18:30
2022年の『アイ・アム・ア・ストーリー』でこの団体の公演を初めて観て、台詞と舞台上で繰り広げられる物語の齟齬に強烈なインパクトを受けた。
で、気になってこの作品も予約した。
2度目となると多少は作風への理解も進み、なるほど!と思いつつ、やはり笑ってしまう。よくこんなことを考えつくものだ。
『SUMMER FREESIA EXPRESSION』
パピプロデュース
萬劇場(東京都)
2023/06/14 (水) ~ 2023/06/18 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2023/06/17 (土) 13:00
魅力的な舞台だった。青春群像劇に止まらない戯曲の仕掛けも高校時代と18年後をつなぐ演出も物語を活かす12人の役柄とキャストそれぞれの持ち味も。
観ながら、笑ったり手拍子したり時に涙をこぼしたり。
言葉にならない思いもしみる。
死んだら流石に愛しく思え
MCR
ザ・スズナリ(東京都)
2023/05/26 (金) ~ 2023/06/04 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2023/06/03 (土) 18:00
MCRの作品はいつも、好きか嫌いかの二元論では語り切れない。やるせない饒舌さとヒリヒリするような切実さ、そして痛みにも似た面白さがクセになりそうで、返って観に行くのをためらってしまう。それでも今日この舞台を観てきてよかった。
ココノイエノシュジンハビョウキデス
日本のラジオ
こまばアゴラ劇場(東京都)
2023/05/31 (水) ~ 2023/06/04 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2023/06/03 (土) 13:00
面白かった。いや面白いというか、終始会場を満たす不穏な雰囲気と緊張感、そして静謐な美しさを満喫した。観客がその余韻にとらわれて物語の終わりに拍手が起きないのは、日本のラジオの公演ならではという気がした。。犬組と鶏組の両方を拝見したため、それぞれの違いを含めいっそう面白かった。先に観たバージョンに引き摺られるかと思ったが、そんなことなかった。ある種の可愛らしさと怖さ、そしてときおり笑いもあって、それぞれ見どころのみっしり詰まった約70分だった。
無地にしか見えない
♯Q
新宿眼科画廊(東京都)
2023/05/27 (土) ~ 2023/05/30 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2023/05/27 (土) 19:30
好みのキャストによる個性的なキャラクターたちの会話劇。途中でハラハラしたりもしながら、気持ちよくおさまって、じんわりと優しい気持ちになった。
人魂を届けに
イキウメ
シアタートラム(東京都)
2023/05/16 (火) ~ 2023/06/11 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2023/05/20 (土) 18:00
凄かった!
ほとんど静かな会話だけで綴られる物語に惹きつけられ、会場中が息を呑んで成り行きを見守った。日々魂を削られ続けるこの世界。寓話風な雰囲気なのに奇妙なほど身につまされた。観ることができてホントよかった。
Kappa~中島敦の「わが西遊記」より~
劇団扉座
座・高円寺1(東京都)
2023/05/17 (水) ~ 2023/05/28 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2023/05/27 (土) 13:00
考えさせられることもたくさんあったけど、とにかく怒涛の物語に引き込まれ、イキイキと舞台上を走り回る人々の人生(いやほとんど人じゃないけど)を堪能しつつ、哲学的な彼とともに旅をする約2時間。キャストによるパーカッションも素敵だった。
三蔵法師の強さや孫悟空の明快さだけでなく、沙悟浄の迷いさえ否定してはいないのだ、と思った。
反転するエンドロール 2023
ムケイチョウコク
space café ポレポレ坐(東京都)
2023/04/21 (金) ~ 2023/05/20 (土)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2023/05/06 (土) 19:00
楽しかったー😆
登場人物チケットで参加して、自分に与えられた役柄の物語を堪能させていただきました。役者さんがしっかりリードしてくださるし、間近で本イキの芝居を見せていただけたのも眼福でした。物語自体の仕掛けも凝っていて◎
サンソン―ルイ16世の首を刎ねた男―
キョードー東京
東京建物 Brillia HALL(東京都)
2023/04/14 (金) ~ 2023/04/30 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2023/04/22 (土) 17:00
ドラマティックな時代のドラマティックな題材を、誠実に生きようとしたひとりの男の物語として描く。
ムッシュー・ド・パリと呼ばれた処刑人を軸に、史実やフィクションで馴染みのあるあの人やこの人も登場して描かれる激動の時代。
その中で、パリ市民として声をあげる人々こそが真の主役だったかもしれない。民衆のざわめき、好奇心、不信、怒りが時代を動かす。
播磨谷ムーンショット
ホチキス
あうるすぽっと(東京都)
2023/04/07 (金) ~ 2023/04/16 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2023/04/15 (土) 18:00
楽しかった!ハードボイルドからハートウォーミングへ向かうストーリーをたくさんの笑いで綴っていく。よく練られた展開はややベタ寄りだけれど、それが気持ちよく決まる快感があった。リピーターの多そうな客席の雰囲気も温かくて、免疫力上がりそうな約2時間。