tomyleeが投票した舞台芸術アワード!

2018年度 1-10位と総評
Last Night In The City

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Last Night In The City

シンクロ少女

噂のシンクロ少女さん初観劇してきました。
公演が近くになるにつれフォロワーさんがこの作品を楽しみにしているご様子。

他にも理由はあったのですがとにかくスズナリへ。

最初の印象は「あー、これ好きかも。第27班さんが好きな人いいかも。」

どの場面も愛しくずっと胸を締め付けられていました。もりへーの「愛してる」はカッコ良かった。

そしてキャラクターも愛しく、サヤカのハニカミが可愛過ぎました。まるっきり子供に見えたもの。
またゴミさんも好きです。
「◯んだー!」って。不謹慎だけど笑うよアレは。

ジュンとミキに幸あれ。

おかえりのないまち。色のない

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おかえりのないまち。色のない

キ上の空論

久しぶりの観劇でもあり、久しぶりのキ上の空論の観劇。
とにかく面白かった。文句なしの5つ★。

謎解きとか大どんでん返し系の作品が好きな人のオススメします。
いままでにキ上の空論・中島作品を堪能された方にも新しい魅力を感じていただける作品でしょう。

出演者で印象に残ったのはまず福富さん。
作品の中のポジションとしてはこれまでにもありましたが、キャラクターがいままでとは違って突き抜けていて且つ面白さがありました。声が元々魅力ある女優さんですが、台詞も滑らかで彼女から起きる笑いがちょっと観客の肩の力を抜けさせてくれます。

そして納さん。iakuのときには突出した演技力が気になっていましたが、今回も魅せてくれました。彼女の存在は振り返ると「観客をそこに集中をさせた」役割があります。
いい意味で「ミスリード」ができる女優さんかも知れません。

もし行くのを迷っている人はいましたら是非オススメします。
観劇初心者のかたも大丈夫です。

-127birth

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-127birth

こわっぱちゃん家

こわっぱちゃん家は初めて拝見しました。とてもよかったな。今年の観劇作品の1,2と言っても過言ではありません。
出産のお話だけに留まらないメッセージの強い作品でした。

人は決断して行動することで新たな出会いがあります。そしてそこには喜びもありますが、ときには哀しみもあります。しかし前を向いて歩かなければいけない。自分の回りには心配してれる、愛してくれる人がいる。それは自分がこれまで決断して歩んできた証であるから。

そんなメッセージを私は受けました。

今回チケプレ当選で拝見しましたが、応募した切っ掛けは「目崎新年会」にメンバーがゲスト参加されていたから。たすいちと友好関係であるならば観てみようかなと。

その新年会にて少しお話をしたのが瀧啓祐さん。このストーリーの大きな役割を持った役でした。出産に踏み切るのかしないのか何か煮え切らない旦那さん。客が非常に見ていて「腹が立つ」演技だったから、このストーリーが成立したと思います。(演技が上手い!ということですよ)

そして他にも見たことがある役者さんがいました。関山未来さん。
その煮え切らない旦那の奥様の友人役。旦那さんとも直接会話をするシーンがありますが、凄く親身になって友人を支える役がしっかりできていました。たすいちでは見たことのない配役。またこんな関山さんも拝見したいものです。

最後になりましたが、チケプレありがとうございました。

おたまじゃくし【15日より大阪公演開幕、チケット好評発売中!】

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おたまじゃくし【15日より大阪公演開幕、チケット好評発売中!】

劇団鹿殺し

チケプレにて観劇させていただきました。
待望の劇団鹿殺しさんの公演。正確には「OFFICE SHIKA PRODUCE」になるのかな。
友人からも「この劇団いいよ」と聞いていましたが、それ以上の予備知識は持たず、作品の説明を読む程度にしました。

座・高円寺。ここはあやめ十八番「ダズリング=デビュタント」以来。あの作品はよかったなぁ・・なんてテンション上げながら指定席に着席。
一番後方の席でしたが、両サイドの音声機器の明かりが少し気になるぐらい。
舞台全体が見渡せてしっかり堪能できました。

そもそも役者の表情を観たい私としては小劇場では早めに行って前のほうの席を取る。今回は招待席なのでそうはいかないのは承知。しかし近い必要性を忘れるぐらいの内容。

そう「これはとても面白い」。
今年1月から11本目の観劇になりますが、自信をもって「今年一番」です。

「鹿殺し」この名前通りかなり狂暴でした。客のハートを鷲掴み!
これだけハートフルだとかなり臭くなるんですけどね。何でしょあの臭みが一切ないジビエ料理。泣きそうになりました。

そう言えばお客さんの9割ぐらいが女性と片寄っていましたね。
別団体ですが以前女性客の多い観劇をしたとき作品そのものが私には残念。
その記憶もよぎりましたが、今作は問題なし!世代も関係なし!

初めて観劇する人にも話がわかりやすくオススメできます。チケット代は4900円となかなかのお値段ですが、その価値は十分あります。
大きな舞台をしっかり使っていました。オギャーズはファンキー!
劇中の「ルーツ」がいい曲です。

多分タイムスリップに違和感を持つひともいるしょうけど、そもそも実在が確認できないものに「あーだこーだ」言っても仕方ないので「なるほどね」程度で観ることを楽しめます。また幻想みたいなシーンについては小難しく考えず、平穏な生活の中のアクセントぐらいと捉えました。

しっかり「人間」が表現されていたら、その背景は添え物でいいと思います。
相当ひどくなければ添え物について小難しく考える必要ありません。

ノスタルギヤ

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ノスタルギヤ

Ammo

Ammoファンとしては、「D-倉庫」と聞いた時に「ステージ広くないか?」の印象。
私は立ち上げからは観てはいないが近年これまでの作品と比べると明らかに広い。
入場するとセットが目の前に。この空間にてどのような展開をみせてくれるのか開演前からワクワク感全開!

作品はボスニア・ヘルツェゴビナ内戦の終結から数年後、あるジャーナリストがトヨタカップに出場するひとりのサッカー選手との再会から始まります。
出会ったときまで遡り、ある日から消えたイリヤというサッカー選手を中心に思い出が再現されます。

立ち上がりは広いステージの右隅で会話が続きます。
この掴みがとてもいい。いい空気が流れます。これから進むストーリーへの期待が高まりました。

しかし起承転結で言えば「承」。ここは少し中だるみを感じました。
ただ後半に続く伏線になります。芝居全体のアクセントと言ってもいいかも。
少し人々の生活をぼーっと観ているのが辛くても耐えましょう。

この作品は「転」からが勝負です。サッカーで言えば後半45分。
人々の感情がステージいっぱいに広がります。その怒涛に息をのむ暇がありません。
素直に圧倒されていいと思います。

ラストシーンも実にいいです。
私も彼がどこかのフィールドで輝いていることを信じて祈るばかりです。

閉幕後に「演劇見ました、ううう。」ってつぶやきたかった。(個人差があります)
カーテンコールは拍手続きましたが、登場はなし。んー、ケチ(笑)
そのぐらい素直に称賛したくなる観客の反応でした。

さて役者さんのお話も。この作品はアンサンブルプレイスタイルでしょうかね。
それが出来るキャストが素晴らしい。15名出演しますが、それぞれの役を個性豊かな役者さんが演じています。少しの時間でその役の性格が浮き出て来て、より楽しく観劇ができました。

そして声がいい。皆さんいい。私はアレン演じた山崎丸光さんの声大好きです。
それとシーナ演じた荒川ユリエルさん。若いときのカズに似ています!

サッカーを題材にしていますのでチャンテ(選手コール)が出てきますが。FC東京や新潟アルビレックから借りて、そのメロディにオリジナルの詩を乗せています。
役者全員で歌うシーンは感動的。いいですね。

初めて観劇される方にオススメできます。

南さん、いい作品を世に出してくれてありがとうごさいます。

その子17歳

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その子17歳

少女東京奇襲

当作品こりっちに登録されていなかったので「年間アワードの順位どうしよう」と思っていたら、9ヵ月の歳月をかけてメールが飛んできましたよ。最初は「再演か?」と期待したけどそうではありませんでした。

そう、再演を期待したほどこれはイイ作品でした。
30歳以上の女性が観るとかなり高確率で泣けます。私は観劇で泣いたことはこれまで1度もなかったけど、これは泣けました。作品にではなくてあまりにも周りが泣きすぎて「もらい泣き」。

作品の感想ですが、「とにかく小口ふみかさんがヤバかった」。彼女の出演作は「グリーン・マーダー・ケース(Mo’xtra produce)」からだけど、そのときはまだ慣れていない客演さんのイメージ。その次に観た「三英花 煙夕空(あやめ十八番)」ではあの金子侑加さんと並んで見劣りしない演技に惚れてしました。
そしてその次に観たのが今作。手が震えるぐらいまでに感情を込めた台詞には観客誰もが目も心も奪われたのではないでしょうか。

「もういい大人なのでリアル寄りの女子高生は劇団員がキツいから(笑)」と演出の花岡美月さん。
きっとこの役者じゃないと成り立たないのでしょう。演出の調整もかなり繊細だと伺えました。この規模の劇場で公演された作品としては今年No.1です(9月現在)。

背に描いたシアワセ

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背に描いたシアワセ

やみ・あがりシアター

前作、前々作を観劇した私には立ち上がりから「随分と甘ったるいホームドラマだな。嫁と姑ねぇ。昼ドラテイスト?」

しかしホームドラマにしてはかなり笑える。2番目に好きな布(笑)

さてここからはネタバレになるので書けません。私の観劇中の心のつぶやきをお届けします。

「あららホームドラマかよ!・・あれ?笠浦さんコメディも書けるんだ,へぇ結構笑えるな!あはは あはは、・・ん?ん?ぎええええええええ!そういうことかよー!!」

チケプレありがとうございました。
あとさんなぎさん素敵です。
こういった「錯覚」は小説では多々ある。貫井徳郎「慟哭」、乾くるみ「イニシエーション・ラブ」もその部類であろう。年齢というモチーフでは歌野晶午「葉桜の季節に君を想うということ 」か。しかし芝居では非常に珍しいと思う。とても難しいと思うが、これは笠浦さんの脚本力の何物でもない。そしてこの脚本に惚れ込んだ役者がとてもフィットしているもうかがえる。

何が難しいかと言うとただ伏線を巻けばいい言う訳ではないところ。ミスリードも作らないといけないが、今回はコメディタッチにしたテイストが実にセンスがいい。

千歳船橋と決して交通の便がいいところではありませんが、見るのを迷っている人がいたら「見て後悔しませんか?」と私は騙してみたい。

死ンデ、イル。

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死ンデ、イル。

モダンスイマーズ

私が行ったときはアフターイベントがありました(初日)。本編は素晴らしいの一言ですが、アフターイベント込みで見ることをオススメします。
何故なら・・(お楽しみに)

この公演を行くのを迷っている方は「行ったほうが良いです。」

私にとってこの三部作は今後の観劇人生の転機になると思いました。いえ強く実感しています。

ヴィテブスクの空飛ぶ恋人たち

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ヴィテブスクの空飛ぶ恋人たち

劇団印象-indian elephant-

またシアター711で秀逸な作品と出会いました。
あの劇場では珍しい対面の客席。中央の赤い小さなスクエアで会話劇と思いきや、ヴァイオリンの音色、台詞、ダンス、アカペラ、とにかく圧巻。
山村茉梨乃さんの次出演作を観たいです。

チケプレありがとうございました。間違いなく私の今年ベスト10に入ります。(いまんとこ)

プラスチック・ピノキオ/モンストロ・メモリ

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プラスチック・ピノキオ/モンストロ・メモリ

たすいち

結局両作品をリピートしました。しかも最終日。
3週間というロングランもあってすっかり役に皆さん馴染んでいました。
たすいち公演は多々あるのですが「謎」なストーリーなので細かいところまで追いかけることができません。要するにリピートは必須。「たすいち」はまさにその通りだと改めて思いました(勿論ほめています)。

2度観感じたのは「丁寧に作っている」。役者が言葉を放ったときの表情、シーンに合わせた照明と音楽、とにかく細部に渡って妥協は許していません。目崎さんは今回は2作品同時に演出されたわけですが、これは偉業ですよ。しかも年々話は面白くなっているので全然飽きがきません。

そう言えば「キズツクキカイ」から丁度4年になります。まだまだ期待できる劇団です。
「プラスチック・ピノキオ」はヒラエスのような子供・人外一切なしの大人テイストな作品でした。
笑いもあり90分は飽きの来ない丁度いいまとめかたでした。役者さんでは福富さんがまたおかえりのないまち。色のない(キ上の空論)の米良ちゃんみたいに弾けていたのが目立っていましたね。Twitterでも意欲的に色んな企画やワークショップにも挑戦している活発な役者さんです。それにしてもセットですが、クジラの中を表現していたんですね。皆さん気付きました?

「モンストロ・メモリ 」は人間とアンドロイドと自我という少し未来のお話し。
ラストがいままでのたすいち作品では有りそうでなかったテイストでしょうか。
脚本を購入するとあとがきがあります。そこに目崎さんがこのラストにした理由が書いてあります。

それと今回も役名は全てアナグラムになっています。
プラスチック・ピノキオは全部解けましたが、モンストロ・メモリの役名は2つ解けませんでした。「菱あずみ」「臼井田昴」この2つ。 前者は解けた人はいるのかな?後者はね・・2つの「す」がやっかいでした。頭固いぞワシ。

総評

秀逸な群像劇が多かった2018年でした。
ここには含まれていませんが第27班さんの長編短編もどちらもいい作品でした。
最優秀主演賞があるならは「その子17歳」の小口ふみかさんに贈呈したいです。あんな魂込めた演技はなかなかお目にかかることはありません。

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