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2018年度 1-1位と総評
【東京公演】劇団壱劇屋「独鬼〜hitorioni〜」

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【東京公演】劇団壱劇屋「独鬼〜hitorioni〜」

壱劇屋

劇団壱劇屋Wordless×殺陣芝居の初めての東京公演、「独鬼」を観てきました!CoRich舞台芸術まつり!2018演技賞の竹村晋太朗の作・演出・主演です。

1年半前の大阪初演より、演出がいろいろ整理されていて、ストーリーがより伝わってきました。初演と同じ役の人、初出演の人、モブから役付きになった人、役付きからモブになった人、モブ続行の人、それぞれの演技が重なり合って、とてもいいハーモニーを感じました。初演に引き続き鬼の笑顔には泣かされましたが、今回はさらに、各年代の女と男のいろんな表情が印象に残りました。特に客演の劇団☆新感線の村木よし子さんの笑顔は、心にしみました。

今回誘った友人たちも「台詞ないのに分かるし、気が付いたら涙が出ていた…」と言ってくれました。そして友人たちは、主役以上に、モブの運動量や一体感のある動きに驚いていました。アフタートークで村木よし子さんも「みんな本当に一生懸命で~尊い!」石原正一さんも「初演のころ出来なかった側転が、うまくなっていた子がいた…」などと、ほめてました。

末満健一さんのアフタートーク出演の効果もあり、おかげさまで初日は満席でした。平日の昼回もそれなりの観客が動員できたようです。もし、私の「観たい」クチコミも参考にして、予約された方がいらしたら、ありがとうございます。
でも再演を観て、やはり心ゆさぶられて、この「独鬼」をもっと多くの人に観てもらいたいという想いが、さらに強くなりました。迫力と感動の殺陣芝居が、大阪の半分の小さな劇場で、観劇というより体感できるチャンスです!どうかどうか、17日までに池袋に来れる方が1人でも多く、「独鬼」を観に来てくださいますように!

今回は予定が合わないくて残念…という方がいらしたら、来年7月にまたWord1ess×殺陣芝居の東京公演があるそうです。どうか劇団壱劇屋の名前を覚えておいてくださいね!

友人たちも、「赤ちゃんが育つシーン」を羽織で表現する演出が面白かったようで「歩いてる、こけた、抱き上げたのが見るようだった」とのこと。アフタートークで竹村さんは「子役がいれば6世代で描きたかった」と言ってましたが、生の演劇としては、あれは秀逸な演出だと思うのですが…

各世代の女と男のシーンをより丁寧に描いたことで、ラストの「各世代の男が登場して4人で鬼に切りかかり、鬼が負けそうになったところで、各世代の女が登場してそれを助ける」シーンで、さらに胸がしめつけられました。

どちらも生の演劇ならではの演出だと思います!ぜひ観てほしいと思います!

総評

CoRich舞台芸術まつりからの流れで、また観たいと思っていたiakuの「梨の礫の梨」と、再演「粛々と運針」新作「逢いにいくの雨だけど」が観れたのは収穫でした。オパンポン創造社の「さようなら」もよかったので、大賞に選ばれてうれしいです。
宮川サキさんの一人芝居や道頓堀セレブも、楽しかったです。trumpシリーズ新作や、いつか観たいと思っていた「猫と針」や「マナナン・マクリルの羅針盤」も観れました。
CoRich公演情報で気になった作品にも行ったし、掲載されていない作品も観たし、色々な芝居を楽しめた1年でした。
しかし、「独鬼」再演のオープニングの、新感線の村木よし子さんの顔を観た瞬間に、心も涙腺も持っていかれたので、1位は壱劇屋です。「二ツ巴」もよかったけど、「独鬼」は初演の初見のオープニングで、羊とドラコの竜崎だいちさんが木に合掌しただけで涙が出たくらい、心に響いた作品だから、特別です。

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