コナンの観てきた!クチコミ一覧

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シンデレラストーリー

シンデレラストーリー

サンライズプロモーション東京/パルコ

日本青年館ホール(東京都)

2022/09/06 (火) ~ 2022/09/19 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

演技力と歌唱力、ストーリー展開、舞台美術、楽曲 どれをとっても一級品
ゴージャスでコミカルそしてドラマチック、思わずため息が漏れてしまう極上のラブストーリー、まさに夢の世界でした

シンデレラと王子が歌い上げる切ない旋律の数々、王と王妃の歌声の豊かさで更にうっとり
破壊的に面白い魔法使いのアンミカさん、歌にも迫力がありミステリアスな一面も
とことん底意地悪い義理母の佐藤アツヒロさん、自己中勘違い姉妹の ゆいP&まりゑさん、このトリオにはもう散々ハラハラさせられ且つ笑わせて頂きました
あぁ他にも・・・華やかに舞台を盛り上げてくれた登場人物(&動物キャラ)や演出の楽しさを拾い上げればキリがなく
そんな思いはひとつとなって、満場一致のスタンディングオベーション
感動的で超贅沢な時間でした。

待ちぼうけの町

待ちぼうけの町

劇団俳優座

シアターX(東京都)

2022/09/02 (金) ~ 2022/09/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

東日本大震災から7年、ほぼガテン系のお客さんで賑わう居酒屋さん
その土地(三陸の港町)での情景がそのまま舞台上に宿っているよう
それ以降も三陸での情景を通して自然と物語が身体に入って来る上質な舞台。

女店主の夫は漁師、震災で行方不明になったまま
7年、待つ といっても何を待つという事になるのか。
夫が「ただいま」と帰って来る事なのか、それとも死亡した証拠が発見される事なのか。

被災地で生きる人々
どういう理由であれ必ず訪れる「死」に対して悲観だけではないと受け取れるシーンに救いを感じます。

自然と顔を上げたくなる「前向き」に元気をもらえます。

老獣のおたけび

老獣のおたけび

くちびるの会

こまばアゴラ劇場(東京都)

2022/09/03 (土) ~ 2022/09/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

「象」に変態化していく一人暮らしのお父さん。
客演 中村まことさんの魅力がフル稼働
その凄味ある怪演っぷりに思わず笑ってしまったり、思わずビビッてしまったり

これって古い価値観の権化だった老人の不条理な末路にも思えるし、本人的には変わっていく姿に無自覚だったところから認知症を思わせるところもある。
この現象を「人前にはとても出す事ができなくなった父親」と置き換えて観ても興味深いのだけれど、とにかく着実にお父さんは象(老獣)へと

渋々東京から駆け付け、唖然とする次男(本作の主役)そして彼の恋人。
父の希望に叶った生き方をしてきたはずの長男。
父が暮らす家のお隣さん親子(まだ異変に気付いてない)
決して多いとは言えない登場人物なのに、それぞれの反応・言動から滲み出る人間性が観るに充分なほど多岐にわたっていて、じっくりと味わいのある物語になっていくのでした。

ネタバレBOX

お父さんの家にしょっちゅう出入りしていた隣んちの若者
彼の立ち位置と観察証言が何とも言えず心くすぐりました。
どこか憎めないというか、心に柔軟性めっちゃある(笑)
皮肉にも実質的にお父さんと心通わせていたのは血の繋がらない彼だったのでしょうか。
でもまあ次男にも救いの光が見えて本当に良かった、ず~っと辛そうで可哀想だったので。
これがハッピーエンドなのかは複雑なところではありますが…

軸とも言える設定に「何故ここまで他者には相談できないのか」「何故責められる道しか用意されていないのか」といった疑問を挟まないようにする自己暗示がちょっと必要ではあったかも。

舞台「ドロシー」

舞台「ドロシー」

ドロシー

草月ホール(東京都)

2022/08/31 (水) ~ 2022/09/09 (金)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

開演前、スポットライトでほんのり照らされた立派な舞台セットはセピア調に染まり「これからオズの魔法使いの大アドベンチャーが始まるよー」と言っているみたいだった。
いざ開演、ライトアップされると、目の前には全く異なる印象の光景が
え、騙されたっ!
いやいや、事前にあらすじに書いてあるし・・・そう、ここは廃墟となった遊園地の機械室
どうやら この「え、騙されたっ!」感が全体に張り巡らされた胆なのではないかと

素性を全く知らない者同士、呼び名は「オズの魔法使い」の登場人物、問題をクリアーする毎に垣間見えてくる素顔、案外良い奴かも、いや おかしいでしょ、やっぱり裏切り者が・・・
無邪気な笑いとブラックユーモアを交錯させながら謎解きを進めて行く銀行強盗犯たち。
あぁ、これは完全に「決して、結末は外で話さないでください」のやつ


『OH!Myゴ-スト』

『OH!Myゴ-スト』

東京ハイビーム

あうるすぽっと(東京都)

2022/08/31 (水) ~ 2022/09/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

素直に面白かった、そしてちょっと泣いてしまった。
成仏できない理由も含めて厄介な恋愛案件だろうと大方の予想はしていましたが、なんと三角関係ならぬ、五角関係!?
どんだけ多角形なんだ(笑)
どちらにしても普通じゃない恋愛相関図と天国の使者、部員たちの奮闘ぶり、霊界を巻き込んだすったもんだで、めでたく魂の救済となるのか…大いに楽しませてもらいました。
湖畔の別荘のセットもリアルに良く出来ていて、リアルに出来たどさくさに紛れちょっとした仕掛けも。

難しいこと一切ぬきで、元気印の役者さん達を楽しんで、笑って、ちょっとホロッとして、沢山の元気をお土産にして劇場を出る・・・これが東京ハイビームなのでしょう

SHINE SHOW!

SHINE SHOW!

Aga-risk Entertainment

シアター・アルファ東京(東京都)

2022/08/31 (水) ~ 2022/09/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

ちょっと桁違いなコメディー作品。
ビジネスマンそれぞれの思いの丈が交錯する会社対抗のど自慢大会。
これに関わる出場者、司会者やマスコミそして影の主役であるスタッフ陣等々。
晴れの場に、みんなが持ち込んでくる様々な悩み・トラブル、ここから滲み出る人間味がめっちゃ可笑しく、時には哀愁も。

何が凄いかって、これだけの(笑いのもとでもある)悩み・トラブルがひとつひとつ、きちんと味付されていて単独でも美味しいし、別の味と絡み合ってもこれまた美味しい。
それにこれだけボリューミーだと、途中から何の味か分からなくなったり、盛り上がるだけ盛り上がって収集がつかなくなったり、といろいろ危惧しそうなところ、しっかり旨味を味わいつくしながらのショウ・マスト・ゴー・オン
常に新鮮な感動と笑いでもってラストへと駆けのぼっていくのでした。
実にうまいこと考え抜かれ、そして演じられています。
歌のところではひとつ、またひとつと思いが昇華していくようで、この構造もまた巧い。

シュレック・ザ・ミュージカル【8月18日~24日公演中止】

シュレック・ザ・ミュージカル【8月18日~24日公演中止】

フジテレビジョン/アークスインターナショナル/サンライズプロモーション東京

東京建物 Brillia HALL(東京都)

2022/08/15 (月) ~ 2022/08/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

少女時代から塔のてっぺんで20年間ず~っと囚われの身。
「きっといつかイケメン王子が…」と待ち望むプリンセスの長い長い年月を表現した演出が凄く贅沢で素晴らしい。
ようやく念願かなって救いに来てくれたのはイケメンとは真逆のシュレック、しかも「臭っ!」という現実(いやファンタジー)
子供が悶絶大爆笑シーンも用意されている一方、大人客のニーズもしっかり見据えているところはさすがブロードウェイミュージカル。
とにかく刺激的で鮮やかなシーンが目に、耳に、次々と迫って来てとても楽しい。

欲をいえばシュレックの特殊メイクがかなりガッツリしていてフリーなのが目と口元だけのところ。
造形として見事だけれど顔の表情が伝わりにくいというのはやっぱり勿体ないと思う。

瓶詰めの海は寝室でリュズタンの夢をうたった

瓶詰めの海は寝室でリュズタンの夢をうたった

おぼんろ

Mixalive TOKYO・Theater Mixa(東京都)

2022/08/18 (木) ~ 2022/08/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

揺らめく光源の中、目の前に浮かび上がってきたのは精巧にできた“飛び出す絵本”みたい。
そこにダンサーのアンサンブルが加わって、得も言われぬ大海原の景色が目の前に広がっていくのだけれど、それは現実とは異なるミステリアスな大海原。
水面を妖しく輝かせる時もあれば、漆黒のうねりで皆をのみ込んでしまう時も
劇中度肝を抜かれる演出もあったりして、美意識の高さと拘りには完全に舌を巻いてしまいます。
この拘りの世界観、大人を童心の世界へと誘っていく吸引性と中毒性にはディズニーワールドと類似した要因があるのではないかと。

コロナ禍が過ぎ去って、それこそ手を伸ばせば、その手を繋いで連れて行ってくれそうな距離間での演出、いずれあの世界観も戻ってくると良いですね。

伯爵のおるすばん

伯爵のおるすばん

Mrs.fictions

吉祥寺シアター(東京都)

2022/08/24 (水) ~ 2022/08/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

気の遠くなるような壮大な物語。
その壮大さに負けないくらい舞台セットや衣装等、美術に力が入っていて延々と移り行く世界、生活の場へと瞬時に入り込ませてくれる。
冒頭から すっかり目を奪われてしまいました。
きっとお金もかかっているだろうけれど、何よりセンスが良い。
そして決して死ぬことのない伯爵が持つ独特のトーンといい、それぞれの時代を彩っていく登場人物達の多彩さといったら、笑いのスパイスもしっかり効いて 演技の方も驚くほどにセンスが良い。

伯爵は死なないだけでなく、いつまでも若くて美しい。
本物の若さに囲まれて、その中にちゃっかり溶け込んでいる伯爵はひょうひょうとしながらも、どこか一歩引いた立ち位置を必死に維持しているようでどこか物悲しい。
出逢いや別れは長い年月と共に風化していく。
そんな出逢いや別れに意味があるのか・・・
そんな問いかけに胸をしめつけられ、その後の導きにまた心打たれてしまうのでした。

ナイゲン(R04年新宿版)

ナイゲン(R04年新宿版)

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2022/08/18 (木) ~ 2022/08/23 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

「ナイゲン」は登場人物13人、その全員が主人公。
長所、短所 色んな側面を持ち合わせた生徒“全員”が舞台上を生きていなければ全て台無しになってしまう作品。
難問だけれど、乗り越えれば超絶面白くなる作品。
コロナ禍を乗り越え、その難問にもキッチリ答えを出した「R04年新宿版」は凄く頼もしくて力強かった!

実際は催し物がひとつ無くなったところで文化祭には悲しいほど影響がない。
だけれどここに集まったのは皆クラスの意志を背負った身、そんな軽いもんじゃぁない。
学校サイドの一方的な押し付け感も気になるし…これはもう嵐の予感。

観終わった後に残るのは、最後まで会議をやり遂げた燃え尽き感と、清々しい充実感。
これは舞台上の役者さん達であり劇中を生きた生徒さん達の感情なのだろうけれど、
同じ空間に身を置いてその一部始終を見守っていた観客としても, 着地点の見えないジェットコースターみたく君達と思いを共有していたんだよ って言いたい感じ。

強烈な「青春」の1ページ。
もうあんな時間は戻ってこないという一抹の寂しさ。
誰もがそれをまた追い求めて「ナイゲン」はずっと生まれ変わっていくのかもしれない。

ネタバレBOX

家に帰って彼等が作った「会議資料」を読み返して見ると、これがまた興味深い。
1年生だけ抜粋しても
「Iは地球を救う」の縁日、鼻息荒い!どう考えてもラインナップ盛り沢山すぎ、一体どういうつもりだったのか
「3148」のかき氷&パフェ、商品のネーミングだけは可愛いけれど、現物はきっと驚くほどシンプル。内容が薄すぎて用紙に余白たっぷり
「おばか屋敷」のお化け屋敷、好きな様に書いてあるけれど、これ実現化するのにクラス内で絶対ひと悶着ありそう

1ページ1ページこれらを書いた生徒さん達の顔を思い浮かべながら、あ~ココ突っ込まれてたなー、あ~ここ変更してたなー、と思い出してはニヤニヤ。
どのページも芸が細かくて(笑)
それぞれの性格が反映されているものだから開演前に読んだのとは全く違った楽しみ方ができて、これはもう2度おいしい。

観るお化け屋敷「カーテン」

観るお化け屋敷「カーテン」

下北沢企画

ザ・スズナリ(東京都)

2022/08/18 (木) ~ 2022/08/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

さすがお化け屋敷プロデューサーが一枚噛んでいるだけあって「怖い!」と感じさせるメカニズムが満載。
これと演劇人が融合するって、面白く無いわけがない。

受付を済ませていつもとは全く違うルートで会場にたどり着くまで、さっそくの「お化け屋敷」仕様。
案外あっという間の距離だったのかもだけれど、迷うようにして「ううぇあっ」と驚かされながら、同時に「えッスズナリのこんな場所に足を踏み入れられるのかい!」と思わず興奮したり。
あれよと会場の意外な所から入場、お出迎えしてくれるのは怪しげな進行役の役者さん。
上演時間は約55分の表記ながら、個人的には入場時からこの進行役による案内時間もカウントして良いと思った。
その間にも辿って来た奥の方からキャーキャー言ってる声が聞こえてきます(笑)

そして本編。
スズナリ劇場をそのまんま いわく付き現場にする事で、怖みと面白味が増していくまさに「観るお化け屋敷」
ニヤついて面白がっているところで突如ホラーに豹変すると、もう怖さ倍増。
ちょっと気付いただけでも映画『ブレアウィッチプロジェクト』とか『キャリー』の要素が垣間見えて、これには「怖い!」というよりゾクッときて痺れるっていう感じ。
企画の大胆さと驚きの実行力に対しては文句なしで★5つ。
今回はワンシチュエーションの直球でしたが、物語に肉付けして演劇色を更に濃厚にすれば、もう最強、最高になると思えました。

魔ガサス幻想-MAGASASU FANTASY-

魔ガサス幻想-MAGASASU FANTASY-

エンターテインメント風集団 秘密兵器

「劇」小劇場(東京都)

2022/08/13 (土) ~ 2022/08/21 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

フライヤーのイメージ通り、滅茶苦茶楽しい舞台。
始まる前から、まるで漫才みたいな前説で会場を温め
先ずは3つの日替わりコント。
特筆すべきはこれらがただの前座的コントではなく、後のメインストーリーに直結、なだれ込んでいくという丸っと伏線コント、心憎い構成力。
3つの全く異なった内容&登場人物で大笑いした後、み~んな繋がっていく面白味が待っているという優れ技。
どう繋がっていくのか、きっと予想もつかないので目の前の流れに身を任せて、ただただ楽しんで観るのが正解。

メインストーリーではしっかりドラマ要素も加わっていくし、笑わせ方も含めて中々の実力派集団である事を確信。
色んなタイプのおじさん5人、体も張っての熱血系、そこにキレイどころとか沢山加わって、もう最後の最後までたっぷり楽しめる構成。
サービス精神というかファミリー的な温かさがある生の良さ
コロナ禍のルールに乗っ取った中でもこの部分はしっかり伝わってきました。

明けちまったな、夜。

明けちまったな、夜。

ゴセキカク

王子小劇場(東京都)

2022/08/13 (土) ~ 2022/08/16 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

結婚式流れからの部活版プチ同窓会。
同じ10年間でも学校卒業からの10年というのはやはり大きい。
かつては毎日顔を合わせ、共有する時間の居心地の良さ、それが空気みたいに当たり前な日常だったのに・・・同じ時間が戻ってこないのは分かっていても、こればかりは何とも寂しいもんだなぁと思いながら観劇。

一部例外があるにせよ、個人的にはほとんどの友人がサラリーマンの道を進んでいるので、本作のように演劇部繋がりの集まりというのは、未知なる空気感もあって、なんかもう興味津々。
ドロドロな展開になっていくのには「マジか」と驚いてしまう一方、いや 知らないだけで巷(演劇人の間)では無きにしも非ずな展開なのかと思えたり
「演劇」という魔性、これが若者の陥りやすい迷路や落とし穴となって惑わせている様にも感じてしまうアラサー男女の迷い道。
確かに、自分にはコレだ!と思えるモノが無ければ不安になって当然な年齢。
無様だろうが嗚咽にも似た人間味に救われます。
その後が気になる登場人物も多くて(いや、皆気になる!)様々な想いが交差するホント猥雑な一夜でしたが、凄く貴重な人生の1ページを見せてもらった気分になりました。

夜明けのディストーション

夜明けのディストーション

劇団とりもち

アトリエ第Q藝術(東京都)

2022/08/13 (土) ~ 2022/08/14 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

天候は台風と予報された旗揚げ初日。
劇場に入ると美しく響き渡る音楽、白くて柔らかそうな布が一面に、
そして薄っすらとしかモノを写さない不思議な鏡(?)これが幾つも
足を踏み入れた瞬間から現実が遠ざかっていく感じ

安易に「そして彼女は王子様と楽しく暮らしました」とはならないファンタジー
内容は如何様にも解釈できそう。
個人的には、一人の若い女性の思考を介して描かれた一人称の世界観だったのではないかと
沢山の愛に囲まれていても、遠い街からやって来た美青年に告白を受けようとも、それが幸せへと直結しない他者との距離間。
キーワードのひとつでもある「死」
愛する者とひとつ道を進めなかった傷心と再生の物語とも受け取られ…
若い人の感性が飛び交って、それがとても美しかったり、ある意味こじれている気もしたり、でも若さってそういうものか…なんてグルグル思いを巡らせながら帰路に着いたのでした。

稲見和人に彼女ができる公演

稲見和人に彼女ができる公演

宇宙論☆講座

OFF OFFシアター(東京都)

2022/08/10 (水) ~ 2022/08/10 (水)公演終了

実演鑑賞

「彼女をつくるため」のみならず、本人がやりたい事をありったけ作品に詰め込んで「役者 稲見和人」の最も輝いた姿を愛でる公演。
一人500円あげるので、なるべく拍手で盛り上げてね。という相当に異色な企画作品。

鹿児島から上京した頃には、まさか下北沢でこんな単独公演を打つ事になるとは思いもしなかったという稲見さん。
観に来た方も上京した頃には、まさかこんなマニアックな演劇世界に足を運んでいるなんて思いもしなかったので、ある意味お互い様ですね。という気持ち

「宇宙論☆講座の公演ではない企画」と銘打っていたのですが、いやいやこれは初めて宇宙論☆講座の公演を観に行った頃の感覚に似た宇宙論☆講座っぽさ
むしろクレイジーな状況なほど光り輝くというその特性は、クレイジーな企画のもと水を得た魚のように光り輝いていたのでした

稲見さんの他に6人の役者さん、そして観客席エリアには彼女さん候補
無計画、無鉄砲な様でいて結構に計算づく、
でもどこまでが計算で、どこまでがガチなのか線引きするのも野暮なので、この公演に全収入をつぎ込んだという涙ぐましさを胸にラスト 交際申込の結果を見守るのでした。
(線引きしないと言っておいて何だけれど、間違いなくここでのやり取りはガチ、ついでに言うならバラシに残された時間がかなり切迫しているというのも間違いなくガチ!)

舞台「the Selected World」

舞台「the Selected World」

CRUSH KITCHEN ENTERTAINMENT

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2022/08/03 (水) ~ 2022/08/08 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

見知らぬ密室で目覚めた12人、誰も記憶がないのに加えてジャッジメントなる謎の人物が煽ってくるものだから、そりゃもう疑心暗鬼の嵐。

最初は全員の行動、所作が気になって観ている方も忙しく(これもまた楽し、ではあるが)徐々に個々へとフォーカスがあたっていく
腹の探り合いから自身の不安へと変わっていく熱演。
緊迫の空気感と、キラキラ系公演特有の甘い空気感が混ざり合って、う~んこの感じは嫌いじゃない。

場面転換なしでリアルタイムに12人全員のエピソードが紐解かれていくため、後半の駈け足感は否めなかったけれど同じ時間を共有しているライブ感が良い。
密室一部屋に閉じ込められて役者さん達は出ずっぱり。
なのでどの役者さん目当てであっても満足できる仕様。
好きな所に視線を向けられるのは観劇だけの特権だから。
賀集利樹さん(ジャッジメント役)の高みの見物感が面白い。

ネタバレBOX

閉じ込められた12人は「記憶が真っ白」という意味合いもあってか全員が白の衣装。
一人一人のデザインが細かい所まで凝っていて、とても素晴らしい。
しかし後の座席からだと、白色というのは細かいデザインが分かりにくい気がする。
後方からでもその繊細さが伝わっていたのか なんていうのは余計な心配だろうか。

ダイバシティーファミリー

ダイバシティーファミリー

A.R.P

小劇場B1(東京都)

2022/08/03 (水) ~ 2022/08/07 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

「ダイバシティーファミリー」家族ひとりひとりの生き様、なるほどこういう意味が込められていたのですね!
家族や人間関係のちょっとほろ苦いところも丁寧に描きながら、同時にしっかり笑えるドラマ&コメディーのミックスバージョン。

誰もがそれぞれに悩みを抱えていたり、道の途中だったり
シーンひとつひとつが楽しく積み重なって、登場人物達のいろんな側面や悲喜こもごもが見えてきて
観終わった後にはこちらの活力にも繋がる充電タイプの作品でもありました。
復活公演…実は生きていたお父さんの謎や、実は逞しいお母さんの生き様…コロナのせいでお蔵入り なんて事にならなくて本当に良かった。
沢山の役者さん達のエンタメ魂が丸々ギュッと詰まっていて、演劇初心者にも優しく こちらにもお勧め。

ネタバレBOX

ざっくり大きく分けると、親近感ある色んな流れを持った「残された家族サイド」と「実は生きていたお父さん」サイド
「実は生きていたお父さん」サイドは何やら後ろめたさ感タップリだけれど、何故か惹かれるのでした(笑)
合流シーンも最高です!
あなたはエディット・ピアフを知っていますか? スペシャルライヴ

あなたはエディット・ピアフを知っていますか? スペシャルライヴ

セイガサイ

新宿シアタートップス(東京都)

2022/07/30 (土) ~ 2022/07/31 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

同タイトル再演決定を記念してのスペシャルライブ。
馴染みのあるシャンソン曲が意外に多いという驚き。
知らない曲であっても良い感じに和訳が織り込まれて、とても入り込みやすい。

レジョン・ルイさんの歌声は若さ溢れる伸びやかさ、まるでミュージカルみたい、グイグイ刺さってきて素晴らしい。

梅垣義明さんは劇場側から「絶対 客席に降りてはダメです」と釘をさされており、残念そうな様はまるで檻の中の猛獣(笑)
トークで散々毒づいた挙句、舞台上の共演者相手に阿鼻叫喚な歌の世界を生み出していくのでした。
さすがワハハ本舗の最高兵器、恐るべしです。

主役の聖児セミョーノフさんは果実でいえば完熟頃な愛の曲を次々と歌い上げ、最終的にも濃厚にバシッと決めてくれました。
見どころ満載のライブでめっちゃ良かったです。

追憶ベイベー!

追憶ベイベー!

TOMOIKEプロデュース

駅前劇場(東京都)

2022/07/27 (水) ~ 2022/07/31 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

タイムリープものとなれば、下手を打ってタイムパラドックスが起きたりしないかなんていうハラハラドキドキが付きもの。
しかし、ここまで本人の思いつき 感情のままにリープしまくられると、も~どんな影響が出てくるのか良く分からん!
もうちょっと考慮したうえでタイムリープしようよ、そう 特にそこの貴女、無茶苦茶やん(笑)
そんな荒業の展開で波風立てまくりのSFストーリー

未来から来たヒロイン1名にマドンナ2名といった中々に華やかな構成。
負け犬アラフォー画家の回生起死、仲間共々ジリ貧からの大逆転なるか!と手に汗握る物語ですが、「執念をもってやり遂げる」公演そのものから滲み出る気迫に一番心打たれてしまいました。

『The Pride』【7月23日(土)公演中止】

『The Pride』【7月23日(土)公演中止】

PLAY/GROUND Creation

赤坂RED/THEATER(東京都)

2022/07/23 (土) ~ 2022/07/31 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

1958年と2008年。
テンポ良く交錯する二つの物語が相乗効果を生み出しているのは間違いなく
描かれるのはオリヴァーとフィリップとシルヴィア、3人の物語。
どちらの時代でもオリヴァーとフィリップは同性愛者
どちらの時代でもシルヴィアはこの二人との関係性が深い立ち位置にある。

同性愛は病気とみなされていた時代。
聡明さや知性、人としてのプラス要素が丸ごと“性”に飲み込まれていく様な、何とも言えない息苦しさを覚えた1958年の人間模様。

2008年にはゲイカップルという認識がある程度定着?
少なくともプライドパレードという存在が未来への道筋を示唆している様。

この戯曲が描かれてから更に14年が経っているわけで
多様性を認め合う現在、人間社会は確実に進歩している!そう強く信じたくなる公演でありました。
【side-A CASTを観劇】

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