角田の観てきた!クチコミ一覧

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変身

変身

劇団普通

新宿眼科画廊(東京都)

2017/04/07 (金) ~ 2017/04/11 (火)公演終了

満足度★★★★

--風月花鳥ならば春といえば桜なのだが、そうでなくれば、埃っぽい突風、冷たい夜などが、桜の代わりにあがっても不思議ではない。ずっと風の音がしている地下劇場。
『変身』に関して、新解釈があるとか、衝撃のビジュアルがあるとかいうわけではない。忠実に、細部にこだわって、イメージを描き起こしている。いわゆる劇団普通のスタイル、一直線に歩いて登場する人物。冒頭の発声者の人称の混乱? 繰り返し。ひそかなエロティシズム。凝った道具立て。自分のスタイルに引き寄せている。

ネタバレBOX

栞のコメント。カロール・ウィリアムズ(Carroll Milton Williams)。昆虫の生体実験。カット:鹿、小鳥、昆虫、栗鼠、植物? などから推測するに、秋に予定された次回作のための何らかのエスキースなのかもしれない。たぶんこの劇団の主宰の考えは、予想を超えた地点に行っているのかもしれない。
東京戦争 戦後秘話~地獄三景・真夏の夢

東京戦争 戦後秘話~地獄三景・真夏の夢

大谷蛮天門 (「演劇無宿」)

planB(東京都)

2008/08/29 (金) ~ 2008/08/30 (土)公演終了

満足度★★★★

「東京戦争」とは、
関東大震災時。荒川土手の約6500人の朝鮮人護岸工らの虐殺事件(韓国・北朝鮮での通称“東京戦争”)を基点に、
戦時中の日本全土での拉致強制労働。北朝鮮の犯罪国家化。在日コリアンを巡る権力・暴力の100年を点描。
路上の初老の在日の労務者が、四大文明以前の“黄金時代”を夢想する場面に繋がってゆく。

ネタバレBOX

中野テルプシコールでの第一部。銀座マコトシアターでの第二部。今回plan-Bでの第三部(若干ダイジェスト的総合版)。佐藤博泰、伊牟田耕児(蜂蜜劇場)が聞き手とテント劇的なソロで出演+若手ジャズミュージシャンの生伴奏。
観客に恵まれなかったが、第二部が充実していたと思う。芝居というより綺想の演説に近かったと思うが。
今は、悪貨が良貨を駆逐する悪い時代なので、沢山の人に見られるべき良い内容を持っている芝居は、このような形でレパートリー的に、繰り返し上演されるべきなのだろう。
もう一つの「身世打鈴」...「魔術的・身世打鈴」。
街よさらば~満月とバタフライ

街よさらば~満月とバタフライ

劇団AND

ATTIC(北海道)

2008/06/17 (火) ~ 2008/06/21 (土)公演終了

満足度★★★★

(もうちょっと時間をください)
90分の作品にもかかわらず主役級の人物が二人。その人たちの書いた文章の中の出来事が平行して出て来るし、現実のレベルでも展開がある。時間が大きく飛ぶ。恐らく初見では全体像が分らない。しかし、人の心を抉るようなシーンが沢山出て来る(度が過ぎたおふざけも沢山)。

ネタバレBOX

世界の果てにある部屋。実はマンションの踊り場、に勝手に住み着いている青年(とその父?)。階下の部屋の女子高生。
青年が書くその女の子への手紙の中のストーリー(あるいは青年の血の中に巣くっているある女の悪魔の妄想)。
女子高生の父親や学校の実習教師の狂態。彼女の書く妄想日記。それを読んで刺激され、彼女を軟禁する実習教師。彼が身勝手に捨てた女の子が復讐にやってくる。
手紙の創作の中の登場人物たちの悲劇。

唐十郎の孫、ベルナール・マリ = コルテスの札幌の義兄弟。サラ・ケインのプリチーな弟分。フランス語で書いていれば評価は全然違うはずだ。その意味でANDの劇はリージョナル(地方色のある)演劇ではない。たまたま札幌だったということだろう。神の配置の不公平というか神秘的な僥倖というか。

そして、世間でどんな事件があろうとも、芝居の中ではナイフで人が何人も屠られなければならないし、目がえぐられ、首が切り落とされなければならない。社会全体のためにそうしなければならない。

パイドラの愛

パイドラの愛

HAMMER-FISH

サイスタジオコモネAスタジオ(東京都)

2008/02/08 (金) ~ 2008/02/14 (木)公演終了

満足度★★★★

姐さん!!
支配的価値観を暴力的に踏みにじる。しかし古典に触れている。繊細で部分的には超正統派でフレッシュ。尚且つふざけている。サラ・ケインやはりいいっす。姐さん俺ついて行くっす。...正直いって一応芝居になっていれば演出は選ばないんじゃないかとも思うのだ。

大型

大型

3.14ch

すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)

2016/08/25 (木) ~ 2016/09/03 (土)公演終了

満足度★★★★

危険なヨクボウ
人間の人生をある瞬間に凝縮して描くという、作家としては、ある種の健全性と、非常に危険な特質を持っている。「ビッグアイディア」をやや卑小な設定に落とし込むといった印象。ファンタジー展開はかなり強烈で粘っこい。ボブ・フォッシー《オール・ザット・ジャズ》や、フェリーニ映画の系譜にあたる内容だと思う。もしも自分が制作サイドだったら、この作家の浪費におそれをなすかも知れない。

金魚姫と蛇ダンディー 2009 final

金魚姫と蛇ダンディー 2009 final

野外劇団楽市楽座

扇町公園・特設野外劇場(大阪府)

2009/10/03 (土) ~ 2009/10/04 (日)公演終了

満足度★★★★

カナシサが溢れる
佐野キリコさんのビブラートする声が全体を繋ぎとめる、全三幕。日本に稀なグランドオペラの題材になりそう。
脱力感いっぱいの劇だけど、オロチ神のノーテンキぶりなんか、本当に哀しい。運命に逆らわない庶民の生き方のカナシサが溢れる。
4年連続中秋の名月を狙った時期の公演で、今年ピリオド。ラストは脇役勢の灰汁を抑えてシンプルに(若手男性陣だった)。
名作でした。

花

劇団千年王國

生活支援型文化施設コンカリーニョ(北海道)

2008/03/20 (木) ~ 2008/03/23 (日)公演終了

満足度★★★★

「僕たちはねえ、夢なんかじゃないですよ!」
昭和10年代日本帝国+1930年代ナチスドイツみたいな軍国統制下、あるカフェに匿われている結核感染者の少女。

ネタバレBOX

ある晩逃亡少年が入り込んで来る。実は屋根裏にも去年から居候がいて、という具合に、戦時下難病悲劇のパターンを強引にひっくり返して、カフェは戦前のフラワーチルドレンのアジトみたいな話になってゆく。
戦争が冒険であり、負ければ開放されて終わりというのは作者の認識が甘いのだが、四人の女工コロスや男優陣も面白いし、榮田佳子さん、膝を擦剥いて血が出ても動じない熱演にもしびれます。あいかわらず。

暗転で細かく区切った場面の積み重ね。アストル・ピアソラと、シャンソン、カントリーロックで描く。決めの場面は映画的。
どうじょうじ

どうじょうじ

えずこシアター

えずこホール(仙南芸術文化センター)(宮城県)

2008/09/06 (土) ~ 2008/09/07 (日)公演終了

満足度★★★

後半もりあがった
現地のアマ俳優たちが倉品淳子さんの指導でほぼ「山の手メソッド」に沿って創作。男女関係の挿話をルパム、ぴん、寸劇で構成。仙台の小劇場からは、Oct/Passの長谷野勇希さん参加。後半の「告白/ディベート」「鐘入り」「井戸端会議」「歌」盛り上がったと思う。
ただあの男性のスーツは年配の方には似合わない。
「山の手事情社」こういう演劇か、と判断するのはまだ早い。「四畳半」という技法が出てませんよ。宮城の人。十二月本公演もお忘れなく。

ネタバレBOX

鈴木さんという年配の俳優氏の「蕎麦屋」の自己流の物まね芸。これはさすがに型にはめられなかった。
蛇体の化身が出せなかったこと。残念だが仕方ないか。アマ俳優の考え方に対する倉品さんの考えなんだろう。
ビニール袋の比喩的な意味の持たせ方。やや曖昧か。
「歌」の節回しは伝統的なものの様な気がするが。
七年目の夏

七年目の夏

ぼっくすおふぃす

小劇場 楽園(東京都)

2010/05/26 (水) ~ 2010/05/30 (日)公演終了

満足度★★★

激渋。ちょっと見何が劇的なのか隠されている。
4回で終息することになった「仙台劇のまち戯曲賞」。
3回目は大賞『ミチユキ→キサラギ』。佳作が『自転車英雄』とこの『七年目の夏』。
これで改訂版ながら三つ全部上演されました。
神品正子劇は激渋です。表面はなんの傷もないようにつるつるに見えるが、
いかんいかん、アンモラルすぐる。

ネタバレBOX

次女は隠れ魔性の女だったりしてな。前作を見てないが、あやしい。
09・まだ…

09・まだ…

百年イラチカ

劇団アトリエ(福井県)

2009/09/12 (土) ~ 2009/09/20 (日)公演終了

満足度★★★

《不思議の国のアリス》テイスト(?)。
全8編の短編コント集ということだったが、3本目辺りからかなり変な感じが出てきて、5本目とうとうとんでもない出オチキャラが登場。しかもあと一押しあるという。満足度高い。

福井の劇団というと他にシガムーを見ているのだが、こういう県民性なんだろうか。日本で一番住みやすい土地に住み付く変な人たち。

長者町パフォーマンス街

長者町パフォーマンス街

あいちトリエンナーレ2010実行委員会

名古屋市中区長者町地区(愛知県)

2009/10/31 (土) ~ 2009/10/31 (土)公演終了

満足度★★★

モリリン倉庫荷捌場にて。
仕事で拘束されていたので、大トリの「東野祥子・カジワラトシオ」組。エンディングの複数のメンバー参加のなんちゃってラテンダンス大会だけ見ました。

スペースの使い方、良くない。
私だったら観客一番前列を手前柱のちょっと奥までにして、柱の影はデッドスペースにします。結局列柱でくぎられた隅っこの四角いスペースだけ舞台にしていた。迫力ねえの。だせえ。

東野さんはソリストとしては顔がよくわからない人なんですよね。
康本、黒田みたいな人たちと比べるとどうしても印象薄い。
「地味な女」よばわり、すんまそん。しびれるけど舞台ではさびしい。

女子のアナ

女子のアナ

裏庭企画

pH-7地下劇場(愛知県)

2009/09/04 (金) ~ 2009/09/06 (日)公演終了

満足度★★★

たうたう真貴誉さんを見ました。
アングラを昔散々見た人には良くパターンをなぞってるな位の印象なのかも知れないが、あんだけ踊ってなお且つああいう啖呵がきれるというのは驚き。主要4人の女優のかなりハイレベルのパフォーマンス。仕草やポーズにも隙がない。台本にもブレが無い。しかもお下品。

ネタバレBOX

パジャマ姿のひきこもりOLの部屋に突然闖入するブリブリの踊り子さん達と、未来から来た猫型ダッチワイフ。女達はOLの生活態度をなじり、猫は御主人様が男でない事にお怒り。

ダメOLの幼い記憶か妄想世界の出来事が蘇り、部屋が二つに引き裂かれ劇世界の謎が解かれる。

嶋田官枝。真貴誉。水野印南。コトミ。
藤條虫丸&The Physical Poets

藤條虫丸&The Physical Poets

藤條虫丸

七ツ寺共同スタジオ(愛知県)

2009/11/14 (土) ~ 2009/11/15 (日)公演終了

満足度★★★

名古屋舞踏
一部「舞音交響詩 跳梁八紘 ~ 献詠・歌舞伎昌三」。二部「天然肉体詩 虫丸独儀・静かな庭 '09」。(19:00-20:05/20:19-21:01) 
そもそも「芦川羊子」さんが異論を唱えているうちは「舞踏」を論じることは出来ないといっていい。慶応大学、京都造形は事態をこじらせているばかりなり。

ネタバレBOX

ただ優れたダンサーは輩出しているので観客には観て楽しむ自由はある。フィジカルポエッツは力量にバラツキがあり、衣装も普通のスポーツウェアあり、水着が見えてしまうケースあり、子供を舞台にあげる場面ありで、ゆるく楽しんでいる様子が見えお客としてはやや残念。そんななかでも「牧桃子」さん「姫ひょっとこ」さん、チマチョゴリの衣装の人など納得できる演者もいたように思う。一部は虫丸氏は朗読だけ。声が「児玉清」ばりの美声。詩と踊りの絡みもやや研究必要か。
--二部はソロ。昨年の演目の改訂版らしい。細かい演技、マイム的な場面からはいる沈黙劇的なパフォーマンス。伸びて背中が破れたオレンジ色のランニングシャツに短パン。ホーチミン髭にパナマ帽の日焼けした肉体労働の男が、砂浜で、という情景。種か虫かわからないものを追いかけ、深みにはまって行く感じだろうか。緩急たくみで隙がない。そもそも脚の筋肉の張り、血管の浮き出し方が常人のものではない。
BUG 【美保純が降板⇒代役は西山水木】

BUG 【美保純が降板⇒代役は西山水木】

燐光群

精華小劇場(大阪府)

2009/10/02 (金) ~ 2009/10/04 (日)公演終了

満足度★★★

政治とエンゲキ。
オバマ民主党政権時代にはこういう劇は書かれないだろう。

ネタバレBOX

アメリカ二大政党政治の余波は一部だけどカルチャー方面にも及ぶ。
映画、小説などで、アメリカ共和党系の陰謀世界観のガジェットや作品が登場するのも、その時の政権と関係あるというのがワタシの偏見。
ロバート・レッドフォード《スパイゲーム》とか、バットマンシリーズの「エシュロン」とか。
《バグ》は、陰謀史観かパラノイアの妄想か宙吊りにしたところがミソかな。
ちなみに、坂手洋二さんはジョニーデップ団員だってみんな知ってた。
ヒゲか眼鏡着用なんだぞ。

【追記】すいません。ジョニーデップ団じゃなくてなぎら健壱団みたいです。
渋道復活!!

渋道復活!!

分解社 藤野羽衣子

渋谷道頓堀劇場(東京都)

2009/11/05 (木) ~ 2009/11/07 (土)公演終了

満足度★★★

さすが!
土曜日...7.匠悠那(今のトップ、力のこもった舞台)/8.中谷あいみ(映像の人、10年選手なのに恥じらいポーズ決まる)/フィナーレ。//1.川中理紗子(元気な裸族のベテランお姉さん)/2.翔田真央(長身の美人)/3.藤繭ゑ(*)。(...4.山口桃華/5.多岐川美帆/6.緑川めぐみ...)(14:45-17:42 ¥4,500-)。

完全に復旧していない。売店も動かず。香盤表もなし。8人の踊り子さんで、観客の好き勝手にポラロイドに時間を使わせているので、皆が一巡するのに四時間ちかくかかっている。

ネタバレBOX

引退していた人気の踊り子さんたちをわざわざ札幌から招聘。幻の「道劇三人娘」揃踏み。札幌で相当風変わりなパフォーマンス、バンド活動をしている「藤野羽衣子」さんも昔の名前「藤繭ゑ」ででています。
「野戦之月海筆子」のテント劇にも出てきた台湾の少年剣舞霊媒「タンキー」に扮する。右手に取り付いた悪霊が白い詰襟の中華服を剥ぎ取ると、絹の青いホールターネック、ティーバック。右手が本当に勝手に動いているように見えるのはさすが。
台湾の怪奇映画などから探したらしき変な音声ほか使用。他の踊り子さんと並べてみると軽いショックがある。

全部脱いでいたと思いますが、見えなかった。記憶に無い。彼女くらいになるとほぼ見えないように演技できるんだろうし(逆に見たくないし)。
ひとつひとつの身振り、表情が様式的で、珍しい。クサいという人もいるのだが。

ストリップ劇場は普通の劇場と違って“ノイズ”が多い。余計な情報ペラペラ自慢げに話す男。ポラロイドに情熱を注ぐ兄ちゃん、おっさん。決めポーズをもっている手拍子のおじさん。寄席の幕間よりうるさいし、きつい環境です。


アチャコ

アチャコ

ユニット・トラージ

七ツ寺共同スタジオ(愛知県)

2009/07/30 (木) ~ 2009/08/03 (月)公演終了

満足度★★★

最後まで観ないと何とも言えん劇やった。
滋賀の文化行政に寄生する天下り役人どもに虚仮にされておん出され、劇作家協会からも離脱した大演劇人の野に下ってからはじめての新作ですよミナサン。

ネタバレBOX

最後まで観ないと何とも言えん劇やった。
オヤジギャグあんまり笑えん。あゆち、あづち、あいち。もともとダジャレの国だからユルユルなんですかね。
性文学の、限りなく駄目っぽい文豪は、宮武外骨に見えなくもない。全体が明治の壮士芝居のパロディか。
中京地区の演劇には、北村想さんが起源なのかも知れないが、阿呆道化の役者の伝統がはっきり残っている。夕沈さんとかね。
とにかく有象無象が集会してワイワイ騒いで唱えるストリートワイズは、為政者共には不愉快だったらしく、その空気をことさら演ってみせる、不穏な演劇の歴史を遡った劇。とみました。
村の宝 ~ 墜ちよ生きよ、地に満ちよ (プレ上演)

村の宝 ~ 墜ちよ生きよ、地に満ちよ (プレ上演)

みやしろ演劇パーティ/平原演劇祭プロデュース

宮代町コミュニティセンター進修館(埼玉県)

2008/07/26 (土) ~ 2008/07/26 (土)公演終了

満足度★★★

本番は、08/03 (Sun) 白昼です。
改装された「進修館」。どうやら旧市役所の背景の木立がさっぱり無くなってしまい、ポカーンとだだっぴろい場所になってしまった感がある。前後がステージでのバンド演奏だったから、広場いっぱいを使う演劇は面白いと感じる。
やはり埼玉はバンドもなんかおとなしい。
冒頭二十分だけやって、本番は「郷土資料館」の旧庄屋さんのお座敷を開放してあるスペースで上演。

歌劇 ~ 音楽 OTORAKU ~

歌劇 ~ 音楽 OTORAKU ~

夢野カブ一座

吉祥寺シアター(東京都)

2008/06/13 (金) ~ 2008/06/15 (日)公演終了

満足度★★★

多分これは
60年代初め頃まで盛んだったと聞いているレヴューショーの系統のものだろう。それもミュージシャンメインで綺麗処のダンサーが居ない奴か。

ネタバレBOX

“サウンド・ドッグ・システム”という発明品のために音楽家の“魂”を買い漁る悪魔_毒蛇魔太郎(島津栄介)。月から来たアイドル歌手マリア(natsu)。狂言回しのバーテンダー_月島海(辰巳蒼生)。マリアをメジャーデビューさせるためにバンドから追い出されたボーカル_夢野カブ。こういった登場人物たちを軸に、ある種の“アングラ劇”みたいに、ワンポイントで突拍子もない事をやる人物がヒョッと出て来る。ほかには、ソウル歌手持田浩嗣さん。弾語りの函館くん。トランペットと手品の辰巳コ五郎さん。などなど。
ちょこっと出て強烈は印象を残したのは「阿佐ヶ谷バレルハウス」のマスター、ex.ピンクフラミンゴの矢野間健さん。ファーイーストゴスペルシンガーズの森崎ベラさん(横浜)。ミスタースリムカンパニーOBの加賀山伸さん(おそらく薬での妄想を延々と話すサイケな寅さん)。
後半お話が断片化して支離滅裂になってくるのだが、演奏で締めるという感じ。
札幌にはゆるく繋がった歌い手たちの集団が幾つかあるのですよ。福岡にもどうやらあるらしい。仙台は層がごく薄い。夢野カブさんたちは中央線沿線一派かいな。
極個人的には、持田浩嗣、森崎ベラといったシンガーを知ったことが収穫大きかった。
F

F

きらく企画

GalleryOneLIFE(宮城県)

2008/07/27 (日) ~ 2008/08/04 (月)公演終了

満足度★★★

ダンス寄りの
...ダンス寄りの、抽象度の高い舞台。

ネタバレBOX

黒いダービー帽の主役格の男の私的な告白。女性関係。演劇の構造のお話まで。やや盛り込みすぎか。
仙台の演劇関係者の、ある集団としての良い雰囲気は出ているし、今ではなかなか見られない、アングラ・テント劇の「自主稽古」や、山の手事情社の「ぴん」に匹敵するようなソロパート開陳もある。それぞれ発見もあり面白い。真田鰯さんやや別格か。百足さんは仙台の「美加理」といった感じ。目が怖いけど。川熊さん片倉さんはもっと壊せるでしょ。
ただメタフィクションとか、ギリシャ悲劇の引用といった手法は(今回はアイロニー含みだったと思うが)思うような効果を出せる人は、今まで見てきたなかでも稀です。
カセット式レインボウ

カセット式レインボウ

劇団ハンニャーズ

GalleryOneLIFE(宮城県)

2007/12/15 (土) ~ 2007/12/16 (日)公演終了

満足度★★★

旗揚げ以来のベストコント集
新潟のグループの遠征公演。

ネタバレBOX

オープニング『ザ・キャタピラーズ』に続き、彼女の携帯を『チェッカーズ』『腕時計』『勇気の印』『女性社会の窓』『呼び捨て』『リトルワールド』。新作『虹野コーラス隊』。

旧作は無駄な自意識。近作は妖精モノ。結構主題を固めてきている様に見えた。裸やウンコの出ない、まともな、地に足の着いた正攻法のお笑い。なかでもとくに、小学生男子がそれと知らずコンドームを買おうとして...のてんやわんやを描いた『勇気の印』は良く出来てる。

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