角田の観てきた!クチコミ一覧

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cryptograph(クリプトグラフ)

cryptograph(クリプトグラフ)

マレビトの会

七ツ寺共同スタジオ(愛知県)

2009/10/09 (金) ~ 2009/10/11 (日)公演終了

満足度

こんなんでいいのか。
2007年海外初演作。
映画や文学、夢などからの引用によるコラージュ演劇。

ネタバレBOX

気になるのは笑いが起きるべきシーンで起きていないこと(男優のやり取り等)。
結局なんたら大学で教えている人間の笑いなんかにはお客は乗らないということ、演出が観客を無視しているということだ。
松田さんがアウトサイダーに近い立場にならない限りは本物の演劇はつくれないだろう。
エロメール引用は失笑ものの錯覚。細部の動作確認はやっているみたいだが、一個一個のシーンを真剣に作っている感じがしない。
女優さん連の艶技もしょっぱい。娼婦の身振りにも、エロスを演じるダンサーなり何なりにもなっていない。すべてフリのフリみたいだ。
結局、「幽霊都市」の女性モノローグシーンが一番良い(西山真来さん)。
作者の気持ちは既に『声紋都市』『パーク・シティ』に行ってしまっている。
BUG 【美保純が降板⇒代役は西山水木】

BUG 【美保純が降板⇒代役は西山水木】

燐光群

精華小劇場(大阪府)

2009/10/02 (金) ~ 2009/10/04 (日)公演終了

満足度★★★

政治とエンゲキ。
オバマ民主党政権時代にはこういう劇は書かれないだろう。

ネタバレBOX

アメリカ二大政党政治の余波は一部だけどカルチャー方面にも及ぶ。
映画、小説などで、アメリカ共和党系の陰謀世界観のガジェットや作品が登場するのも、その時の政権と関係あるというのがワタシの偏見。
ロバート・レッドフォード《スパイゲーム》とか、バットマンシリーズの「エシュロン」とか。
《バグ》は、陰謀史観かパラノイアの妄想か宙吊りにしたところがミソかな。
ちなみに、坂手洋二さんはジョニーデップ団員だってみんな知ってた。
ヒゲか眼鏡着用なんだぞ。

【追記】すいません。ジョニーデップ団じゃなくてなぎら健壱団みたいです。
私たち死んだものが目覚めたら

私たち死んだものが目覚めたら

shelf

七ツ寺共同スタジオ(愛知県)

2009/10/02 (金) ~ 2009/10/04 (日)公演終了

満足度★★★

イプセン最晩年作。
ク・ナウカ、山の手事情社の主力が名古屋で見られる。
川渕優子さん確かにいい。ありもしない彫刻の細部で争う場面最高におかしい。
ただ前世紀初頭の劇が骨董品なのは否めない。今では通用しない社会の枠組み像だし。
近代人の苦悩云々は歯切れが悪すぎる。

金魚姫と蛇ダンディー 2009 final

金魚姫と蛇ダンディー 2009 final

野外劇団楽市楽座

扇町公園・特設野外劇場(大阪府)

2009/10/03 (土) ~ 2009/10/04 (日)公演終了

満足度★★★★

カナシサが溢れる
佐野キリコさんのビブラートする声が全体を繋ぎとめる、全三幕。日本に稀なグランドオペラの題材になりそう。
脱力感いっぱいの劇だけど、オロチ神のノーテンキぶりなんか、本当に哀しい。運命に逆らわない庶民の生き方のカナシサが溢れる。
4年連続中秋の名月を狙った時期の公演で、今年ピリオド。ラストは脇役勢の灰汁を抑えてシンプルに(若手男性陣だった)。
名作でした。

ただちに犬 Deluxe

ただちに犬 Deluxe

劇団どくんご

松葉公園・豊橋(愛知県)

2009/09/25 (金) ~ 2009/09/27 (日)公演終了

満足度★★★★

愛知ではここだけ。
残暑ぶりかえし。こじんまりして色々ある豊橋市。 市街地のど真ん中にある柵の無い公園での三公演。愛知ではここだけ。名古屋の小劇場関係からも何人か見に来ていて、ネットワークの広さを改めて知る。浦和公演と比較すると、噛んで含めるような、じっくりした演技に変わっている。三河の観客は、やや情報や経験値が少ないのか、最初反応やや重め。アドリブ的な場面が新しくなっていて爆笑さそう。

09・まだ…

09・まだ…

百年イラチカ

劇団アトリエ(福井県)

2009/09/12 (土) ~ 2009/09/20 (日)公演終了

満足度★★★

《不思議の国のアリス》テイスト(?)。
全8編の短編コント集ということだったが、3本目辺りからかなり変な感じが出てきて、5本目とうとうとんでもない出オチキャラが登場。しかもあと一押しあるという。満足度高い。

福井の劇団というと他にシガムーを見ているのだが、こういう県民性なんだろうか。日本で一番住みやすい土地に住み付く変な人たち。

女子のアナ

女子のアナ

裏庭企画

pH-7地下劇場(愛知県)

2009/09/04 (金) ~ 2009/09/06 (日)公演終了

満足度★★★

たうたう真貴誉さんを見ました。
アングラを昔散々見た人には良くパターンをなぞってるな位の印象なのかも知れないが、あんだけ踊ってなお且つああいう啖呵がきれるというのは驚き。主要4人の女優のかなりハイレベルのパフォーマンス。仕草やポーズにも隙がない。台本にもブレが無い。しかもお下品。

ネタバレBOX

パジャマ姿のひきこもりOLの部屋に突然闖入するブリブリの踊り子さん達と、未来から来た猫型ダッチワイフ。女達はOLの生活態度をなじり、猫は御主人様が男でない事にお怒り。

ダメOLの幼い記憶か妄想世界の出来事が蘇り、部屋が二つに引き裂かれ劇世界の謎が解かれる。

嶋田官枝。真貴誉。水野印南。コトミ。
アチャコ

アチャコ

ユニット・トラージ

七ツ寺共同スタジオ(愛知県)

2009/07/30 (木) ~ 2009/08/03 (月)公演終了

満足度★★★

最後まで観ないと何とも言えん劇やった。
滋賀の文化行政に寄生する天下り役人どもに虚仮にされておん出され、劇作家協会からも離脱した大演劇人の野に下ってからはじめての新作ですよミナサン。

ネタバレBOX

最後まで観ないと何とも言えん劇やった。
オヤジギャグあんまり笑えん。あゆち、あづち、あいち。もともとダジャレの国だからユルユルなんですかね。
性文学の、限りなく駄目っぽい文豪は、宮武外骨に見えなくもない。全体が明治の壮士芝居のパロディか。
中京地区の演劇には、北村想さんが起源なのかも知れないが、阿呆道化の役者の伝統がはっきり残っている。夕沈さんとかね。
とにかく有象無象が集会してワイワイ騒いで唱えるストリートワイズは、為政者共には不愉快だったらしく、その空気をことさら演ってみせる、不穏な演劇の歴史を遡った劇。とみました。
三つ児の首っ枷

三つ児の首っ枷

ささらほうさら

国立ラボ (東京都)

2009/06/22 (月) ~ 2009/06/29 (月)公演終了

満足度★★★★

久しぶり
「ささらほうさら」久しぶりのソロ・オムニバス公演。松本萌「ラリ」。安田理英「モノココロ」。大越歩「恙(つつが)」。

ネタバレBOX

1. 松本萌「ラリ」。...ポロシャツにスカートの女の子が部屋の四方をいろいろな歩き方で歩行。延々歩いたあと、ドサッと倒れる。首を変な風にまげ顔が正面に向いている。後、いろいろな動きに展開。

2. 安田理英「モノココロ」。...頭に花が咲いている、赤い頭陀袋を着た人物。床を転げて壁にビタッと張り付く。などなど。

3. 大越歩「恙(つつが)」。...天井が明るくなる。下の暗い所にかがんでいる何者か。ふんどし。前掛けみたいな布一枚の服。日の丸みたいな赤い印のついた頭の年取った人物(?)。お寺のお経に乗せて舞う。


◆「舞踏」を評したのではないが、ある現代美術作家・批評家の「文明を模倣しつつ野蛮に退いて見得をきって嘲笑う」岡本太郎、細江英公あたりは良くない、という言葉があたまに引っかかってみた。だが、日本や韓国、アイルランドなど、野蛮が生き残っている地域の創造性の高さというのも認められるのだ。「土方巽」はスタニスラフスキー・システムを独自に研究していたという証言もある。はたして「舞踏」は「露悪的」に「野蛮」を押しだしているのか、高度な創造性の土台にしているのか。「麿赤兒」はどういう位置どりなのか。

/◆ 松本萌さん。普段の格好より平凡なスタイルで舞台にあがる、という戦略(顔は白いのだが)。日常と地続きの発想が濃く残しているんだろう。客観性があり、手順を追って作られているという感じ。
/◆ 安田さん。全身で螳螂虫みたいになったり、ひょうきんな顔を作ったりというスタイルが無くなって、ギクシャクした激しい動き。明らかに足腰の筋肉がついてがっしりした体型に変わった。音楽は車の走行音かなにかの無機質なループ。
/◆ 大越さん。この方だけ素顔を知らない。どんな顔なのか見当もつかない。舞台は天井から明るくなるという凝ったもの。風体が異様で目を奪われてしまう。どまんなか打ち込みキターという感じか。やはり足腰が太い。
それなりにカップチーノ(てぎつねくみあい)

それなりにカップチーノ(てぎつねくみあい)

捨組

創空間富や蔵(福島県)

2009/06/20 (土) ~ 2009/06/21 (日)公演終了

満足度★★★

「好きだ」って言え!
--ネタを振って全部回収するという意味ではウェルメイドの、感覚も内容も若い?(遊戯的な?)劇。地方都市の演劇というと、「職場演劇」の生き残りの様な物を想像してしまうし、実際あるのだが(内容はご都合主義化が激しいメロドラマで)、このようなタイプの演劇もちゃんとあることに驚く(秋田、山形には無いのだが)。ちなみに作・演出の本職は商業デザイナー。

ネタバレBOX

そんなにしつこく書いても無意味なんだろうが、今回はニヒルな内容だったにもかかわらず、あっけらかんとした感覚があった。露悪的ではない。

...たまたまトラック3台で到着、郡山初乗りの「どくんご」メンバーと一緒に見る。福島小劇場界が誇るダイナマイツ姐さん「加藤裕美」さんと美女「神永真紀」さんが出ている。
ただ、独特なしつこい(脱力系の)コミックリリーフが私の知る限り二人はいるのだが(古関崇浩、遠藤佑紀)その人たちは出て居なかった(涙・残念。
ただちに犬 Deluxe

ただちに犬 Deluxe

劇団どくんご

西日暮里・諏訪神社(東京都)

2009/06/18 (木) ~ 2009/06/19 (金)公演終了

満足度★★★★

満員!!/二日目も。
受入元さんの情宣の甲斐あってお客さんかなり多かった。自分としては見たい位置取りままならず、やや勝手が違った。

【翌日】
--演奏はうまくゆかなかった模様だが、芝居のほうは、がっちり噛み合った充実感があり、二日目の方がよかった。

ネタバレBOX

【個人的メモになります】
「健太さん × みほしさん」、「時折さん・博士の段」はフレームだけ決まっており、細部はアドリブ的に変わっている。五月さん今回は輪をかけて良かった。声の通り。叫び。
健太さん怪しい東洋系の物売り。時折さんの現代文学的・映画的な1シーン。【分節ごとにフリをつける動き。】

アウトサイダー系、社会階層的にロークラスの造型への徹底。

東京では風が無くこまかい漫画的な効果がわかった。

【繰り返され、言葉がズレてくる。ヒートアップしてくるシーン、どうか。伝わっているか。理解できているか。】この部分と、みほしさん、まほさんのソロがじっくり伝わるようになった時が完成形なんだろう。
夏。犬。このこだわりがまだ掴めない。時折さん最後のビバップ的叫び・歌。

東京の野外はまったく散文的だ(良くない意味で)。

【翌日】
犯人は告白しているが、おそらく自覚がない。忘れてしまっているのだ。

当然、演劇で言う“第三の壁”がカッチリあって、観客がいないフリをしている劇ではない。

繰り返していることがわかる様に、動作とか直前の効果音や鍵になる台詞など細かく決めてある。比喩的に「エントロピー」が増えると摩擦熱の煙があがる。ゲーム部分は稽古の積み重ねがあり、いくつか層がある。

打ち上げの時、9月埼玉公演の場所がほぼ決まりというニュース。
Sarah Kane’s ブラスティッド

Sarah Kane’s ブラスティッド

SPAC・静岡県舞台芸術センター

舞台芸術公園 稽古場棟「BOXシアター」(静岡県)

2009/06/13 (土) ~ 2009/06/21 (日)公演終了

満足度★★★★

自分のケツのことばかり考えてるな。
2004年キタムラアラタ演出版が日本初演。今から考えてもなかなか冒険していた。美術と、インターバルにキーボード演奏。早乙女宏美さんのキャスティングなど。
こちらは最新(といっても2005年)のフランス公演版。白人の男の演技設計と最終場面の造型が工夫してある。

ネタバレBOX

舞台劇風の声を張らせていない。ク・ナウカの俳優さんたちがささやくように話すという珍しい展開。
お前はいつまでたっても自分のケツのことばかり考えてるな。
この台詞と女が材木で作る十字架が決定的な場面。
さすがに若書きだからか、中年男がずいぶん幼稚に感じられるし、三文冒険小説風の設定らしい上、シーンとシーンの繋りがうまく取れない感じが強く呆気に取られる作品。
過剰というかオーバーな残酷描写が続くが、終わり近くなると写実に象徴性が焼付けられているのが分かる。古典的なテーマで理解しやすいと思う。
ただちに犬 Deluxe

ただちに犬 Deluxe

劇団どくんご

岡山ドーム南側・多目的広場(岡山県)

2009/06/04 (木) ~ 2009/06/06 (土)公演終了

満足度★★★★

ツアー初年度のどくんご。
日本縦横断ツアー初年度のどくんご。尺2時間10分。
一昨年暮の松本パイロット版に比べ、不条理劇臭が隠され丁寧な進行。大道芸の要素が入って来てカラフル。
始まりは強風。まだ野外夜は冷える時期なので上着も用意したほうがいい。

ネタバレBOX

全員の場面と個々の場面で重層的な劇になっており、各役者の場面は、現代人の“脳内”妄想が自分でほころぶ、または暴力的に他人が侵入してきて、てんやわんやになる情況が描かれているのではと、現時点では解釈しておきます。
その文脈では「健太×みほし」場面(アドリブ部分がどれだけあるのか)死ぬほどおかしい。お中元場面も傑作。

岡山。蹴球代表サポーターとかで周りが騒がしかったが、部活の子供など、風景に取り入れてしまっていた。

唐十郎劇だとテント幕の向うに脱出口が見える。
旅団/野戦系だと水やら炎やらの四大元素がたけり狂っているのが見える。

どくんごのテントはだんだん透き通ってくる。
その向うに何が見えるといっていいのか。
世界を包む銀河だろうか。
闇の中で輝く舞台と客席のユニット。集っている自分たちが見えるような気持ちになるのは確か。
伝統的には芭蕉『奥の細道』冒頭の言葉に回収されそうなものもあるだろう。

レイモンド・ウィリアムズ《ドラマ・イン・パフォーマンス》を読む #01

レイモンド・ウィリアムズ《ドラマ・イン・パフォーマンス》を読む #01

トランス-アバンギャルド・シアター・アソシエーション (TAGTAS)

フリースペース・カンバス(東京都)

2009/05/15 (金) ~ 2009/05/15 (金)公演終了

満足度★★

準備不足。
--大貫隆史さん。釧路公立大学准教授。西洋比較演劇研究会。2008/03/22「《モダン・トラジディ》再考」発表など。
--レイモンド・ウィリアムズ Raymond Williams (1921 - 1988)。《文化と社会》《長い革命》《田舎と都会》《キーワード辞典》《ブラック・マウンテンの人々》など。イギリス労働党、左翼の活動家でもあった。文化理論・近代研究の大著で著名。小説も書いた。...演劇関係の著作は、忘れられていたものが、最近検討され始めたらしい。《ドラマ・イン・パフォーマンス(上演における演劇)》(1954) がとりあえずの議題。学外の社会人教育のためのテキスト。

ネタバレBOX

--口頭でのレクチャーと討議。...文学(詩)と演劇といったジャンルの違い。サント=ブーヴ、I.A.リチャーズ、リチャード・シェクナー...といった「学説・業績」の時系列の順序、様々な訳語がはっきり確定されていない、などなど、かなり未整理な内容の講義なので、展開が追えないまま、やたら言葉が多くなってゆく。あっちゃこっちゃからの一言引用もやたら多い。
--作業仮説としての四つの型。「アクトされたスピーチ(アクティング・スピーチ)」。「ヴィジュアル・イナフトメント」。「アクティビティ」。「ビヘイビア」。
--成功している批評としては、ブレヒト《肝っ玉おっかあとその子供たち》と観客の「黙諾」の件か。既存のシアターの形式と「ネゴシエート」する芸術の創造過程。
--ウィリアムズさんは、政治的には、「代議制」の進行と「自然主義の行き詰まり」の相関関係を述べているそうだ。一番最後に出てきた。おいおい。
--英国での近・現代演劇の研究は、作者が故人のもの、評価が定まったものだけをアカデミズムで扱うのだ、という伝統が根深く、ケンブリッジ等学内での研究は出来なかった。立ち遅れ(ギリシャ悲劇、シェイクスピアの研究は除く)。
--討議になって鴻英良さんらが発言し、だんだん整理がついてきた(*鴻さんは、翻訳が難解で日本語になってないとか言う人もいたが、まあ、まともな人に見えた)。
さよならね。

さよならね。

みやしろ演劇パーティ/平原演劇祭プロデュース

取手市立福祉会館(茨城県)

2009/05/10 (日) ~ 2009/05/10 (日)公演終了

満足度★★★★

60年代
筑豊炭鉱の大労働争議の一部を指揮、加担していた詩人・革命家「谷川雁」は、争議の敗北・解体後、東京に戻って、さる企業の取締役として、今度は資本家の一員として労働者にあたることになった。
さらに十数年後、ラボ・パーティという子供のための文化活動を組織。分裂を経て「ものがたり文化の会」を発足。黒姫山に拠点を移すなど、活動を広げていたが、1995年に死去。
活動は、日本各地のテューターたちにより、継続されていった、というのが今までの状況ね。

ネタバレBOX

--紫竹あかね。バッハのチェロ曲に詞をつけた「おぼろ月」独唱初演と斉唱練習。
--高野パーティ最終メンバー『ざしき童子のはなし』リーディング。
--榎本元。ギター弾語りで2曲。
---休憩25分。
--斎藤トモヤ(ボギリ)+鈴木コースケ(ex. 時々自動)(口琴/パチカ/トランペット/ホーメイ)他でセッション。
--根本コースケ。「ベビー・ピー」で京大吉田寮で初演したばかりの『道が塞がれている』(出演者3人強)を一人で上演。途中で観客から出演者を引込む。...実は登場人物は全員人間ではないことが途中から判って来る。
--近況報告の続き。姉妹関係にある「ねもとパーティ」の紹介。
---休憩10分。
--谷川雁 + 新実徳英の合唱曲集『白いうた青いうた』より4曲を合唱。「青い花」「自転車で逃げる」「小さな法螺」「ねむの木震ふ」。
--みやしろ演劇パーティ + 根本コースケ『烏の北斗七星』。...何故か「蒲田行進曲」風の設定で、根本さんが走り回って進行にからみ、混沌とした様相になってくる。
--「FOMALHAUT」3人編成Live(8曲)。
--おまけや久三。新作落語『ツェねずみとクンねずみ』。出囃子はFOMALHAUT。
--バッハ「おぼろ月」全員斉唱。
--記念写真撮影。形見分け(読書会で使った本を分ける)。
トライアルE

トライアルE

笛田宇一郎演劇事務所

フリースペース・カンバス(東京都)

2009/05/07 (木) ~ 2009/05/10 (日)公演終了

満足度★★★

足が痺れた。
冒頭からしばらくは、

ネタバレBOX

外国の劇場で撮影された、俳優だったホームレスの男の映画。劇自体の仮設性を際立たせる役目の映像か。
その上映に繋る形で劇が演じられる。「ク・ナウカ」の寺内亜矢子さんに「錦鯉タッタ」の男優氏二人(岩崎健太・山田零)。

寺内さんは例の特異な体の使い方とメイク、衣装などでギトギトした感じの女性像を演じる。
「錦鯉タッタ」の2人はホームグラウンドの方がやはり面白い。窮屈そう。

登場人物が相当紛わしい設定で二役で演じられる(亡霊役という事らしい)。分かり難さを生む設定も、脳内妄想的な色合いを強調する役割なのだろう。
ラストにフランスのベルナール=マリ・コルテスからの引用あり。

前半話を省略し過ぎた感じで、狂気の場面までは王様が軽薄な間抜けに見える。
性的な場面は練れていない。
思わせぶりで内向きの妙な劇ではないが、理に落ちてる感じ。
またたび

またたび

演劇集団嘘憑堂

party(福島県)

2009/03/14 (土) ~ 2009/03/15 (日)公演終了

満足度★★★

ゆうれいさんもヤホーで検索
20年前の災害で廃墟になった山間のホテル。廃墟愛好家のシマパンは、webで知り合った男の案内で夜の探索行中、幽霊の格好をした女たちに脅され、動けなくなった。

ネタバレBOX

最後まで見て、まるで化かされた様に感じる収束なのだが、背景となる奇怪な情況設定(横溝正史の現代的なブラッシュアップ?)。人格、幻想、記憶の「分裂」を一致させる劇的な場面(こういう造形をするという発想)。何人かが正面を向いて演技するその意味合いの振幅(鏡を見ている設定、お客さんに本当に話しかける、ネット空間に向かっての独白?)。廃墟論・現実論。

ノンシャランな部分も確かに多いと思うが、これなかなか凄いんじゃないでしょうか。

また、動く喋る「湯座章子」座長を始めて見る。声が通ってなかなかいい役者。
△

劇団三角(仮)

群馬県立女子大学(群馬県)

2009/03/06 (金) ~ 2009/03/07 (土)公演終了

満足度★★★★

時計シリーズ!!
群女のOGと現役のユニット。
女性4人の出演。皆バレエの素養がある。
フランス風にいうコントをいくつか。ダンスパフォーマンスで間を繋げる構成。
関西の劇作家・久野那美さんの作品に始めて触れる。

ネタバレBOX

稲垣足穂、寺山修司、ある種の童話といったマイナーポエットの系譜にある作風だがテーマ性が際立つ。日常の事物を扱いつつ宇宙や生命といった生活からかけ離れた次元ものが人の上に落す影が描かれる。あらゆる一つ一つのモノのかけがえの無さが胸に迫ってくる。極上の詩的な演劇体験。「時計屋」のシリーズは特にモチーフがピシッと嵌まっていて素晴らしい。芸術作品として超Aクラスじゃないでしょうか。

--「おしまい」...横たわって夜景を見ている女(死にかけているのか)。
--「時計2001」...老朽化し壊れかけた時計にどんな意味があるのか。
--「月夜」...夜道で月と擦れ違った。
--(「~花葬~」オリジナル)...花と立方体とダンス。
--「ゆうびんの話」...白山羊さんと黒山羊さんの手紙のやり取り。
--「時計1999」...大晦日に時計屋を訪れた少女は動かない時計に。
--「ある三角」...三角が悩みながら歩いていると燃えている花を見つけた。
--「満月の猫」...光と戯れる猫。
--(カンバスと額を使ったインターバル)
--「おしまい」...シャボン玉の世界。
--(光るワインを飲み干す)。
深瀬でくまわし

深瀬でくまわし

深瀬でくまわし保存会

深瀬でくまわし保存会館(舘畑公民館)(石川県)

2009/02/22 (日) ~ 2009/02/22 (日)公演終了

満足度★★★★

白山山麓の人形浄瑠璃
「三番叟(源氏烏帽子折・初段を改変)」「源氏烏帽子折・二段」「同・三段」「同・四段」を上演。石川線の駅までが読めないのと、天気が悪くなってきたので最後の段は見なかった。

ネタバレBOX

--人の背丈と同じ高さの舞台。横木に幕が吊ってあるという構造か。語りに合わせ、向こう側で木偶人形(案山子状の人形)を担ぐ様にして足踏みして揺らす。浄瑠璃、実際はやや単純化して(からっとしているが)御詠歌の節回し的な朗誦に。人形は手が動いたりしないが顔は精巧。大きさの秩序があるのかないのか。義経は子供みたいに華奢。お姫様の方が大きい。動きについては登場人物の男女差をはっきりだしている。装置も抱えられる程度のものと、小道具しかないが、芸が細かい。沢山の飴玉を客の桟敷にむかって投入れる等の演出もあり。大太鼓の音で締める。
--仙台の「歴民マチゲキ」で実演を見た東北人形浄瑠璃は『傾城阿波の鳴門』(明和年間)だった。あちらは今で言う「マペット」。手が可動する。一方こちらは「近松」の初期の頃の外題だから歴史の古さがうかがえる。人形も案山子型。どこも可動部分が無いからこそか。対話劇というよりも場面ごと全部デュオの舞踊の様な感じ。神社絡みでない純粋な娯楽なので愛嬌があるというか。原型をいじらないまま時代が進んで、やや矛盾する演出が入ってきて味になっているのかも。
--発祥としては、江戸時代に旅回りの一座が雪に降込められて冬の間に住民に教えたものであるとか。近松の浄瑠璃が半分土着化。伝統芸能の様に継承される。1975年。ダム水没のため住民たちの集団移住にともない山裾の平地に移りそこで継続。
--やはり後継者不足に苦しんでいるとか。その関係で「北國新聞」に直前に記事が出たとかで、会場満杯。取材陣も入る。客層は、子供からかなり高齢のお婆さんまで、役員さんの話の最中とか、会場の端っこで勝手に話し込んで盛り上がる様子も。壁に代々の会長やメンバーの写真がずらりと並んでいる。
--(12:50-13:05/.../13:15-13:42/13:45-14:18/... ¥0-) @石川県白山市 石川線 道法寺/曽谷「深瀬でくまわし保存会館(深瀬新町公民館)」。...歩きなら「曽谷」駅からの方が10分程度近い。「道法寺」駅は自動車のロータリーがある(徒歩30分位か)。あるいは地元では「道法寺」の方が通りがいいのか。
「重力/NOTE」第二回公演『戸口の外で』

「重力/NOTE」第二回公演『戸口の外で』

重力/Note

シアターバビロンの流れのほとりにて(東京都)

2009/01/28 (水) ~ 2009/02/01 (日)公演終了

満足度★★★★

ロスジェネ演劇
ヴォルフガング・ボルヒェルト。60年程前のロスジェネ演劇。“時代の潮目が変って”そのリアリティが再生して来ているという現象を目の当たりに。とてもエキサイティングな感触。思い切った演出も違和感なし。

ネタバレBOX

十数年前に戯曲だけは読んでいましたが、毒ガスマスクの眼鏡のだけ掛けているところ。何人かの人と順繰りに会ってゆくところなど、意味がよく掴めなかったし、事件など、パターンを踏まえているようにしか感じられなかった。
やはり実演を見るのは重要だし、時代の空気で伝わる伝わらないというケースがありうるんだということを改めて感じましたよ!!

マイナーポエット扱いされてるんですが、西欧の芝居の伝統というか水準恐るべし。滅茶苦茶に破壊されて、尚、これだけ(ある部分を)寓話的に昇華して書けるとはどういうことだ。

「戸口を閉めることで僕を見殺しにしたんだ」と上の世代を責める場面。「俺たちの生きられる場所をお前らがどいて作れ」というロスジェネの叫びのまんまなので震撼しました。

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