arugoが投票した舞台芸術アワード!

2022年度 1-10位と総評
荒人神 -Arabitokami-

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荒人神 -Arabitokami-

壱劇屋

実演鑑賞

*壱劇屋さんのワードレス殺陣芝居は総合芸術だと思うので、アクションなんて興味無いよって人にもぜひ一度見てほしい*

五彩の神楽第五弾。
あんまりにも良すぎて、もう少し観ようかなって思ってた今年の他の観劇を全部取りやめました。
この余韻のままで年越しまでいたいと。

ここまで興奮させられたのは、やはり前4つの芝居を追ってきたってのが大きいとは思います。
4ヵ月連続で凄いもの、しかも芝居の色がそれぞれ違うものを見せられて、高まりに高まった期待を更に超えて見せられたんだから。

そんなわけで単体作品とての正確な評価は出来ないってのが本音ですが。
決して『荒人神』単体でも置いてきぼりにされるような作品では無いです。

光と闇。絶望と再生。英雄たちと闇の軍団の最終決戦。
でも描かれるのは、寄り添えるシンプルで大切にしたい気持ち。
言葉にすると陳腐になりそうだけど、圧倒的な身体表現、照明、音響。
ワードレスでセリフが無いからこそ、呼び覚まされる想像力。
それは確かに舞台上に”出現”するのです。

犬の刺客

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犬の刺客

大川企画

実演鑑賞

これ、傑作だと思ってます。
脚本・演出の友池さんはお笑い芸人であり、ここ10年くらいは小劇場で演劇をやられてるんですが。
そんな経歴の方が初めて、お笑い芸人を題材にした4人芝居。
だからこそ書けるリアルさが詰まってる。
役者4人とも素晴らしいのですが、国崎恵美さん演じるヒロインには泣かされました。

だからビリーは東京で

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だからビリーは東京で

モダンスイマーズ

実演鑑賞

コロナ禍以後、演劇そのものや演劇にかかわる舞台って増えたと思うんですが、そんななかでも上質だったなあって印象に残ってる一作。

グリーン・マーダー・ケース×ビショップ・マーダー・ケース

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グリーン・マーダー・ケース×ビショップ・マーダー・ケース

Mo’xtra Produce

実演鑑賞

自分は好きですが今となっては古色蒼然としてるヴァン・ダインの古典ミステリーを、鮮やかな新鮮味もある舞台として、令和の時代に見せてくれたのは、本当に素晴らしかったです。

最果てのシュラ

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最果てのシュラ

劇団ゴールデンタイム!

実演鑑賞

これは面白かった。
濃いキャラたちが入れ替わり立ち替わり、色んな関係性で戦いまくる。
ジェットコースターのように進む。強烈にドラマチック。
殺陣も本当に頑張ってて良かった。

十三月の混沌

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十三月の混沌

中野坂上デーモンズ

実演鑑賞

めちゃんこ面白かったです。
自分はこういう訳わからないけど、一生懸命でパッションがさく裂してるのって大好きなんだよな。
ある意味、凄いピュアな物語かも。自分は泣けた。

空蝉

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空蝉

あやめ十八番

実演鑑賞

誤解を恐れないで書くと、こんなにも豪華で巧みで繊細で……なのに中身無いのが最高だった。

「青空トコロにより」「夜空トコロにより」

8

「青空トコロにより」「夜空トコロにより」

ハグハグ共和国

実演鑑賞

4つのオムニバス×2なので、人によって刺さる物語が違うかと。
「青空トコロにより」「夜空トコロにより」出来れば両方観てほしい作品。
両方観ると、非常に繊細な構成の美しさが浮かび上がってきます。
ハグハグ共和国さんの長編に比べるとインパクトは弱いけど、じわじわとした良さがある感じです。

瞬きと閃光

9

瞬きと閃光

ムシラセ

実演鑑賞

自分が観るには……まぶしすぎるんじゃって思いつつも、結構感情を持っていかれた。
当事者意識を持てる人なら、更に響くんだろうなって。
日常の描写、写真関連の細部描写、そのあたりがしっかりしてるから、深刻な部分もより真に迫ってくるのかな。

怖え劇

10

怖え劇

劇団スポーツ

実演鑑賞

今、この12月の時点で振り返ると、コロナ禍とパワハラ、忘れたいけど目をそむけられない現実に直球勝負の芝居だったなあって。
舞台と客席を反転させたりとかも意欲的でした。
見逃さないで良かった芝居だったと思います。

総評

予断は許さず、まだ中止とゆう目にしたくない一文を見る機会も多いのだけど、それでも表現してくれる、舞台に立ってくれる、作ってくれる、裏で支えてくれてる、方々に感謝しかありません。
熱がある面白い芝居多かったです。
良いのかはわからないけど、”演劇”そのものや”演劇にかかわる意義”がテーマになってる芝居を目にすること多い。

そんななか、自分のなかじゃ2022年は”壱劇屋 東京支部 ”さんの存在がずば抜けてました。
五ヵ月連続公演の”五彩の神楽”を誰一人欠けること無くやりきってみせたのは、感嘆と称賛しかありません。
(今、公演をやりきるには、当事者の頑張りだけでは無く幸運に恵まれる必要もあるのでしょうが……)

投票は一作だけ、総決算として『荒人神』に入れましたが。
2022年やった7作全部に投票するってのもアリだったくらいの存在感でした。

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