G-kunの観てきた!クチコミ一覧

161-180件 / 384件中
遠心力の求め方

遠心力の求め方

こわっぱちゃん家

ワーサルシアター(東京都)

2017/06/09 (金) ~ 2017/06/11 (日)公演終了

満足度★★★★★

狭い舞台いっぱいに広がる美術セットは奥行き感が感じられる夢空間的なPOP調。
これでどんな物語になるのかワクワク感高まる。
障害者を抱える家族、仲の良い姦しい三人組、悩みを抱える町工場、
部活の後輩、外国人労働者、目標とする仕事場・・・様々な人と状況がクロスするアンサンブルが
見事に織りなす心地よい物語。
促され、考え、共感し、うなずく・・それぞれの想いが巧妙に描かれ、
個性的な役者さんによって丹念に紡がれる想いが心に響く。
喜怒哀楽の描き方がバランス良く丁寧で脚本家さんに脱帽。
贅沢言うならば、哀の涙を誘う展開を一歩踏み込めたならと思う。

ネタバレBOX

上手の中央のに掲げられた絵が素敵だった。
巧妙な物語に即した巧妙な美術セット。サイドの切れ目がイスとなり、
重なる話の展開に奥行き感をもたらしていた。
人間の多面性を改めて突き付けられ再認識する。
状況、タイミング、環境、様々な要素で人の評価や印象は変わり、
みる視点と立脚する支点によって感じられ方が違うだけで、振り回すされるの関係も、
それぞれが絶え間なく回っているのではないかと感じられる。
様々な事を考えさせられる物語だった。
降っただけで雨

降っただけで雨

ねこのした

新宿眼科画廊(東京都)

2017/05/26 (金) ~ 2017/05/30 (火)公演終了

満足度★★★★★

軽快でジャブの効いた台詞と、リズミカルで心地よい演出が活きる。
独白的なブリッジのBGMが高めで聞き取りにくいのはご愛敬?
ステロタイプ的な若者像を前面に、判り易い展開は見やすくて気持良い。
なかなか良くできた楽しい舞台でした。

ネタバレBOX

凸凹理論は面白い。自然と俯瞰で疑問を呈する人なんだと感じる。
世界の中心で正論ぽい我儘を叫ぶ男、妙に冷めたヒーロー、金髪ブラコンの妹、白痴のヒーロー見習い・・・中々面白くキャラ立ちする面子。
熱いキャラっぽい事務員姉さんには、もう少しスポットが当たると良かった。
結構笑える構成かつ活きた台詞が効いていた。
ももこ役の井本さん、るみこ役の津嘉山さん同様に、
デスクの岡村さんにももう少し見せ場がっても良い感じもする。
眼鏡の件で異様な大爆笑になったが、身内の内輪受けは興ざめ。
GIRLS(大好評終演御礼!次回MUは11月コメフェス、2018年2月下北沢駅前劇場・下北沢演劇祭へ参加!)

GIRLS(大好評終演御礼!次回MUは11月コメフェス、2018年2月下北沢駅前劇場・下北沢演劇祭へ参加!)

MU

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2017/05/24 (水) ~ 2017/05/30 (火)公演終了

満足度★★★★★

Aプロ『めんどくさい人』+『スーパーアニマル』
練り込んだ脚本と表現力豊かな役者がそろう秀逸な舞台。
三人の女の三女三様の乙女心との謳い文句。
『めんどくさい人』はマジ面倒な女以上に、男心が前面に出た感じ。
金に振り回される女を演じる真嶋一歌さん良いですね
話をもう少しタイトにして乙女心の振れ具合を前面に観たかった。
『スーパーアニマル』のショートな感じが心地よい。
奇麗に撮ってほしい・・そんな乙女心が可愛く見えた。
でもそんな単純ではないんだろうな、とも思う。
援交JKの温井美里さんも幅広い表現力が魅力的。
3人目の小島望はキャバ嬢役だけでしたが振り切れ具合が面白い。
時間が合えばぜひBプロも観てみたいところ!
“GIRLS”ながら、男性陣の濃さと存在感に圧倒された。

ミュージカル 人間の条件

ミュージカル 人間の条件

劇作家女子会。

座・高円寺1(東京都)

2017/05/18 (木) ~ 2017/05/21 (日)公演終了

満足度★★★★★

ミュージカル!とのタイトルに娯楽的な展開を予想していたら
思った以上に考えさせられる重厚な内容。
4人の思考が交差し、なにが人間で何が不必要なのか?
シーンごとに考えさせられる。
しかしリーダー坂本鈴さんの軽快なエロがエッセンスとなり脳内を緩和する。
音楽、ダンス、振付、ミュージカル・・・っぽくなっていたが
歌詞が判りにくいところが多々あったので、プロジェクターなりで
表示してくれると優しかったと思う。

ネタバレBOX

終盤の殺傷シーンは
相模原で19人が殺された障害者施設の事件を思い起こされる。
まさに人間の条件とは何なのかとの問いを一人一人に突き付けられる様で
己の疾しい心を見透かされた感じがした。
表現方法、演出方法、様々有るかと思うが、
異色の4人の演出家がせめぎ合う舞台の今後にも期待しています。
四つの多重人格者や、単純1テーマ四様のショートオムニバスなど
面白い舞台を待っています。
想い出を消しながら君は恋をする

想い出を消しながら君は恋をする

inlandsea インランドシー

ザムザ阿佐谷(東京都)

2017/05/12 (金) ~ 2017/05/14 (日)公演終了

満足度★★★★★

温かみとワクワク感に包まれる素敵な舞台。
初めて観たアフレコ劇は、これまで観た事のある朗読劇の進化系のよう。
想像力をソフトにかきたてられ、物語に惹きつけられる。
登場する役者陣のレベルも高く、気持良く楽しめた。
ぜひ他の作品も観てみたくなった。

絶句するコンテクスト

絶句するコンテクスト

劇団なのぐらむ

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2017/05/11 (木) ~ 2017/05/14 (日)公演終了

満足度★★★

閉鎖的異空間の職員室で展開される人間模様。
駆け落ちで失踪する生徒と、地域のイベント準備が交錯して物語は進む。
良く練られて面白い物語であり、後半の怒涛の展開も面白い!
楽しい舞台でしたが・・・何か足りない感じ。
出役の頭数が必要以上に多く、役どころを把握するのに追われる。
物語の根幹である職員室の設定の曖昧さも感情移入できないポイント。
何故?と疑問に思うとお話がとまってしまう。
そして何より役者陣のレベルの差がありすぎた。
物語の流れを止めてしまう役どころがしばしば・・
せっかくの面白い話なのにもったいない。
役者を厳選、頭数も整理してまとめるとかなり面白く楽しめると思う。

Rは決して爪を噛まない

Rは決して爪を噛まない

かーんず企画

千本桜ホール(東京都)

2017/05/03 (水) ~ 2017/05/07 (日)公演終了

満足度★★★★

発達した人工知能を搭載した人間と変わりないロボット、通称R。
ロボットとの生活は、そう遠くない時代に現れそうな演目。
人間との共存が上手く行かない場合はそうなるんだろうと思わせる。
しかし、シリアスすぎてもう少し笑いがあっても良かったのではないか?
その部分で少し楽しめなかった気がする。

疚しい理由

疚しい理由

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2017/05/12 (金) ~ 2017/05/16 (火)公演終了

満足度★★★★★

たった1時間足らずの時間と、テーブルと椅子だけの舞台。
そこで展開される物語に否応なく振り回される心地よさに浸る。
舞台の神髄は脚本の面白さと役者の演技力であると再認識させられる。
役者さんの表情の繊細さを伺えるあの狭い空間だからこそ生きる演出も光る。
簡素ながらも心の闇を上手く表現するかの如く
暗闇に浮かび上がる絡み合った真っ赤な紐。
物語、美術、役者、演出がきっちり決まった気持良い舞台だった。

ネタバレBOX

トランプマジックから始まる妖しい雰囲気に包まれる。
淡々と描かれる人間関係と置かれた状況が紐解かれてゆくが、
誰が騙し騙され、疾しい奴は誰なのか・・・
物語は後半一気に畳み掛けるように進む。
息をつかせぬ。どんでん返し。怒涛の展開。裏切りと共謀。
全ての要素が凝縮して投げつけられる。
Fooood!!!

Fooood!!!

酪農劇団 須藤兄弟

須藤牧場ひみつの舞台(千葉県)

2017/05/05 (金) ~ 2017/05/07 (日)公演終了

満足度★★★★

牧場の一角の野外ステージ。藁のベンチはこれまでのどの劇場のシートより気持ち良い。
近所の家族連れ、子ども中心の客層は、ショッピングセンターのフードコート。
食にまつわる物語は良く練られ、子どもたちも飽きさせない演出は面白い。
大道芸も織り込み上手くまとめた展開は、見どころたっぷり。
年に一回といわず、広くみんなが見られる機会を作るのも面白い

僕は僕する

僕は僕する

劇団天動虫

要町アトリエ第七秘密基地(東京都)

2017/05/03 (水) ~ 2017/05/07 (日)公演終了

満足度★★★★★

暗闇の世界に現れた何物にも染まらない白い言霊たちが発する
偉大な作家が記した言葉の数々が心に突き刺さる。
ノンストップで走り続け言葉を口にする事で生を感じさせその先に希望を見出す。
何かの想いを投げかけるというより、役者の想いを引きだすような演出が面白い。
八人の役者がこれから歩むであろう道、今抱えている想い、
これまでの生き方をさらけ出すような濃密な時間。
そんな天動虫の世界観がとても好きです。

ネタバレBOX

完成度の高いアフターイベントも面白い。
毛皮のマリーの欣也と紋白。表現力抜群の2人の世界に引き込まれる。
そして一人芝居のスクスクも妙な味に溺れる。
役者陣一人一人の個性が生きる舞台を楽しめた。
グリーンミュージカル「LADYBIRD,LADYBIRD」

グリーンミュージカル「LADYBIRD,LADYBIRD」

アリー・エンターテイメント

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2017/05/03 (水) ~ 2017/05/07 (日)公演終了

満足度★★★★★

GWにふさわしい、子どもたちが主役のミュージカル。と軽く考えていたのが甘かった。
5年に渡り上演されているだけあり、練られた物語と見せ場の数々。
それぞれの役柄の重要性、虫たちとひとくくりにされた演者さん達のスキルの高さ
全てに脱帽の楽しさと面白さ。
しかしながら客席には、家族やお友達の姿が多数。
ミュージカルが広く身近なものになるためにも、このレベルの公演が一般化され
ミュージカルファンや芝居好きが集う場になる事を望みます。

ネタバレBOX

子どもたちのストレートな芝居をサポートし、厚みを補うように引っ張る大人のキャストさんはじめ、物語の世界観を想像させる歌声に魅了させる。
メインどころのテントウムシ、ハチ、モンシロチョウの3人はもちろん
虫たちがみな、踊りも歌も表現力も高く、重要な役どころと存在感を示し
物語の厚みを増していた。
しいて言えば、2時間強ではなく、
1時間45分くらいに収められると良いのかもしれない
河童村ブルース

河童村ブルース

ものづくり計画

赤羽会館(東京都)

2017/05/03 (水) ~ 2017/05/07 (日)公演終了

満足度★★★★★

過疎化する集落が抱える社会問題、村社会の人間模様、家族愛、男女の恋、
てんこ盛りのパーツが上手くまとまり判り易く楽しめる舞台。
登場人物も多く出だしは相関関係を把握するのに追われたり
展開の辻褄や整合性に疑問を持つものの、物語が進むにつれ引き込まれる。
話の本筋で観客をひきつけられる演出と演技力は素晴らしい。

ネタバレBOX

終盤の河童のダンスシーンは圧巻。
また、蓮城まことさんのキレのあるダンスと動きは他を圧倒する存在感。
だからと言って蓮城さんの舞台ではなく、出演者相互のバランスが良く
物語の良さが引き立つ舞台だった。
恥ずかしげもなく、テーマは愛。(再)

恥ずかしげもなく、テーマは愛。(再)

冗談だからね。

RAFT(東京都)

2017/05/02 (火) ~ 2017/05/07 (日)公演終了

満足度★★★★★

。無限ループのように折り重なる虚構と現実。
何処まで本気で、何処までフェイクなのか・・・団体名の通り「冗談だからね。」と
観る者を煙に巻く姿勢は、本心をさらけ出せない照れ隠しのよう。
それらを含めて活動全体を観るのも(面倒くさい)面白さの一つ。そんな気がする。


ネタバレBOX

試行錯誤も芸のうち?
赤字は解消されたのか?でも好評の様なのできっと大丈夫。
主宰&代表の舞台も観てみたかったけど
くわのくんとの絡みは、心地よい感じで面白かった。
1999の恋人

1999の恋人

NICE STALKER

駅前劇場(東京都)

2017/05/04 (木) ~ 2017/05/08 (月)公演終了

満足度★★★★★

判り易い物語と軽快な台詞回し、脚本と演出が冴える秀逸な作品。
人間が内に秘める性癖をソフトに晒し、役者自身の持てるポテンシャルを
面白ベクトルに引き出す感じが心地よい。
GW公演だけに中高生が多くみられたが、やっぱり料金100円効果か?
若い世代に拡散させる試みは素晴らしい。

ネタバレBOX

妹役の山本さんの微妙に揺れる感情表現と、ストレートにパンチを繰り出す友達の帯金さん、表裏一体自分に忠実な幼馴染の池田さん。
個性的な女優陣をさらに魅力たっぷりに見せつける演出手腕は素晴らしい。
今回は特に妹の山本さんが引き立っていたように感じる。
個性際立つ役者陣の中でも、飛び抜けた感じのイグロヒデアキさんと藤本紗也香さん、
今回は抑えた感じで、少々もったいない気もしたけど、
全体がまとまってる感じがあって良かったのかも。
出役が10人っていう少数なのも要因か。
「おいでやす     京都・春編」

「おいでやす 京都・春編」

劇団グスタフ

シアターグスタフ(東京都)

2017/04/28 (金) ~ 2017/04/30 (日)公演終了

満足度★★★

判り易い展開の人情喜劇。
昭和の香り漂う鉄板展開の継子関係、死別、先代への恩義、店の乗っ取り
これでもかの定番活劇は老若男女に伝わりやすいものの、こすり過ぎた内容。
劇中のお料理に力が入りすぎて大事なお話のディテールがぼけて、
話が軽くなってしまった感じが残念。

ネタバレBOX

・お店の契約、オーディション、デビュー、テレビ的リポートなどの
 ディテールをしっかり描くと説得力が出るように思う。
・衣装や小物などにこだわったのか、あの舞台で下駄やヒールはうるさすぎで
 台詞が聞こえないのでは本末転倒。
・物語のラストが良くわからなく、流れでお料理の時間?になって少々困惑
 なにかしら説明してほしかった。
・確かにお腹の空くような面白い展開なだけに、
 ちょっとした気遣いと工夫でもっと面白くなるのでは。次回に期待。


空と雲とバラバラの奥さま

空と雲とバラバラの奥さま

クロムモリブデン

吉祥寺シアター(東京都)

2017/04/20 (木) ~ 2017/04/30 (日)公演終了

満足度★★★

人間の心根にある悪意とその救済。己の業の免罪符のごとく他者の悪意に火を付ける。
観る者が様々な想いを抱き、考え、咀嚼する物語は、
もっと役者の表情が伺える小劇場がふさわしいと思われる。
舞台全体、役者相互の動きを俯瞰に観る大きな劇場では、
もっと理解しやすく賛否の感覚を持ちやすい展開が良かったと思う。
物語自体は興味深く楽しめたのですが。

フールオンザヒル

フールオンザヒル

劇団もっきりや

ART THEATER かもめ座(東京都)

2017/04/13 (木) ~ 2017/04/16 (日)公演終了

満足度★★★★

大学生の演劇を観た翌日に鑑賞したせいか、とろみのある円熟感を一層感じられる。
やりたい事を詰め込みました感も押しつけがましくなくソフト。
しかしながら、当事者の思い入れがストレートに伝わりにくく
当日パンフに様々な説明があったが、
舞台上で軽い説明的なサジェストがあると一層解りやすいかもしれない。
良く言えばアットホーム。
悪く言えばショッピングセンターのフードコートの様な
身内の集まり的な雑然さと客席の落ち着きのなさは一見の芝居好きにはちょっと辛い。
内容は、とても面白く興味深い。コーラス隊のみなさんも素晴らしい。
通常のお芝居もあるそうですが、それも観てみたいところ。

手、向ける

手、向ける

劇団あの窓

CCAAアートプラザ四谷三丁目ランプ坂ギャラリー(東京都)

2017/04/14 (金) ~ 2017/04/16 (日)公演終了

満足度★★★★

教室の様な小さな立方体空間に凝縮された人間の成長物語。
母娘の同性である関係性の軋轢と葛藤。半径5mの人間関係。
今まさに当事者が吐き出したような生声を体感する。
役者、演出、制作それぞれ荒削りながらも若い感覚の良さにあふれていた。

独立愚連飯店

独立愚連飯店

トツゲキ倶楽部

「劇」小劇場(東京都)

2017/04/19 (水) ~ 2017/04/30 (日)公演終了

満足度★★★★

敵も味方もなく仲良く飯を食わす独立愚連飯店。
物語のプロットもキャッチーで骨太なタイトルもとても良かった。
魅力的な役者さんも多く楽しめる作品。
しかし出役が多く、関係性を築くプロセスが余計かも。
主要メンバーのエピソードに絞って深めると
もっと入りやすいような気がする。

あるいは友をつどいて

あるいは友をつどいて

ハツビロコウ

【閉館】SPACE 梟門(東京都)

2017/03/28 (火) ~ 2017/04/02 (日)公演終了

満足度★★★★

重厚で圧倒する演技に圧し掛かられ、言葉の破片が突き刺さるようなステージ。
物語のベースが実際の事件だけに、観客それぞれが受け取る展開に差異があるよう。
言葉の力と演技の力を感じられる良い物語だった。

このページのQRコードです。

拡大