とうやが投票した舞台芸術アワード!

2018年度 1-1位と総評
【愛知公演】劇団壱劇屋「独鬼〜hitorioni〜」

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【愛知公演】劇団壱劇屋「独鬼〜hitorioni〜」

壱劇屋

初演を観ていて、たのしみではありつつ内容は知っていたので正直「五彩の神楽終えて、二ツ巴も終えて、新しい演出がつくかなあ、殺陣がしっかりするんななあ」くらいの気持ちでもあったけれど、衝撃。
脚本の、シンプルながらうつくしい筋はそのままに、各演出が再演らしい安定感と、再演ゆえの磨き上がり。殺陣もアクションも、もちろんお芝居も、新しい刺激がてんこ盛りの、再演される説得力を感じる再演。一面舞台化で迫力が薄れるのではなど杞憂。濃化と変化が素晴らしい。箱に収まった時の美しさ、正面から迫力を浴びられる画作りで気持ちがいい…季節を、経年を、視覚で…光・色・表情・姿勢etc…様々な視覚で感じた。
ツアー公演すべての地で見て、大阪や東京が未完成だったとは決して思わないけれど(そのハコにあった素晴らしい完成形でした)、音の響きと、やはり細かに行われるブラッシュアップの集大成がバッッチリ決まりまくった名古屋公演に口コミを。

壱劇屋さんの色んな人に知ってもらいたい、学生にもその土地の人にも知ってほしい、という様々な取り組みや、ツイッターだけでなく予約者にむけてのメールでの細やかな案内、開始前だけでなく、終演後の興奮冷めやらぬロビーにお疲れだろうに出てきてくださってにこやかにお見送りしてくださる・かつスムーズさも忘れない場作りにもいつもうなります。そういう点も含めて総合的な満足度がとても高いです。

総評

新しい劇団等は開拓しに行かなかったな…と思いつつ、好きな団体のツアーきっかけで地方の劇団を観たり、好きな作品をきっかけに学生劇団を観に行ったり出来ました。

今回投票した作品にもある「再演」も含め、「既存の作品の上演」について思ったかもしれません。当時を観られなかったものについては新しい出会いですし、同じ本に対する解釈や演出・演技での挑戦など、中身を知ってるがゆえの余裕(というほどではないですが…)や比較でより深堀ができるのかもしれないなと思います。
最近は新作至上主義は無くなったのかもしれませんが、ver違いなどが好きな私としては、小劇場でも良い作品は(より丁寧に作るという前提で)再演をやってほしいなあと思いますし、各所で評価をするような方々も再演だからと優先度が下がることもわからなくはないのですが、無下にはせず、楽しみ方を教えていただければなあと思ったりしたなということも考えた年でした。

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