あつひろの観てきた!クチコミ一覧

1-9件 / 9件中
Cherry Lady

Cherry Lady

劇団パラノワール(旧Voyantroupe)

pit北/区域(東京都)

2015/05/14 (木) ~ 2015/05/18 (月)公演終了

満足度★★★

分かり易さ
扱うテーマが凄く良くて台詞回しも凄く良く、脚本の完成度がかなり高かったのですが、どこか内容の分かり易さを感じてしまって、そこが若干期待を裏切られた感じがしました。

地球の軌道をグイッと 【ご来場ありがとうございました!!次回は2014年5月吉祥寺シアターです。】

地球の軌道をグイッと 【ご来場ありがとうございました!!次回は2014年5月吉祥寺シアターです。】

ぬいぐるみハンター

小劇場 楽園(東京都)

2013/11/06 (水) ~ 2013/11/17 (日)公演終了

満足度★★★★★

神戸ちゃんは地球だ
舞台装置はシンプルで、照明もシンプル。前回のベッキーの憂鬱とは全く違った。が、前回よりも私は面白く感じた。
すごく合わせるのが難しいであろうきっかけで役者たちの動きが組み合わさっていたのは、素晴らしく感じたし、勉強になった。

ネタバレBOX

この舞台における神戸ちゃんはおそらく地球だ。
超天才である彼女は自分の進む道に障害はなく、殆どきめられたともいえる成功のレールの上を走っている。その自らの人生の軌道を「ぐいっと」変えようとしたに違いない。
彼の周りの人物たちは、地球を囲む惑星だ。神戸ちゃんの近くにいれば、とにかく軌道に乗れて、何不自由なく人生は進んでいく。近くにいなくてはならない、いないではいられない。エベレストで死なずに済んだ。
しかし神戸ちゃんから離れようとすると、結局は地球の重力によって動く存在、人生はうまくいかなくなる。ラーメン屋もつぶれた。
その結果、やっぱり会社は倒産したんだろうし、はじめっから神戸ちゃんは孤独だった。

ハッピーバースデーとは、なんだったのだろう。惑星の誕生、ビックバンか?周りを巻き込む大爆発である、ビックバンのことかもしれない。


ほら、役者の数も、太陽系の惑星の数とおんなじ
エクステ

エクステ

法政大学Ⅰ部演劇研究会

法政大学市ヶ谷キャンパス 外濠校舎多目的室2番(東京都)

2013/07/12 (金) ~ 2013/07/15 (月)公演終了

満足度★★★★

観劇後なんだかすっきりする。
割と流行りのテーマをストレートに表現した作品。社会風刺といえばそう、だが深さ浅さ関係なくストレート。もしかしたら、限りなくポジティブな社会風刺なのかもしれない。
舞台はカラフルで、視覚的には見ていて飽きなかった。
役者たちは息が合っておりパワフルだった。また、特に音響の使い方がよかった。

ネタバレBOX

強いて言うと、ギャグであるところのセリフがするっと読まれすぎて、「あれっ今笑うところだった?」とワンテンポ遅れて気づかされるところがいくつかあったのが残念。
【ご来場ありがとうございました!】渇望

【ご来場ありがとうございました!】渇望

ロ字ック

nakano f(東京都)

2013/07/12 (金) ~ 2013/07/15 (月)公演終了

満足度★★★

良くも悪くもリアル、だが
今回の劇場はバーという固定設定に縛られてしまう故に、内容はリアルなものであらざるを得ない。本公演は、その点でリアルさが欠けていた。しかし、気持ち悪い部分はリアルで、その辺ふわふわした気持ち悪さを体現しえてはいたものの、それだけで、いざよく考えてみると深くはない、リアル、というよりかは、ありきたりで、あるあるを綴った作品。
また、超小劇場の特性といかハンディキャップとして観客が近すぎるために舞台装置面、小道具の安全性は再考慮すべきであると思う、本筋とは関係ないところで気になってしまう(ハラハラしてしまった)部分があったのは残念。

ネタバレBOX

例えば不自然なところと言えば、後々わかったことだが、バーに来ているのにお酒がなく、水もなく、コンビニへまで行かなければならないことに誰も疑問を持たない不自然さ。または、単に説明不足だけではないと思われる蛇足な部分。

あと、役者たちが素晴らしかったせいで、女子たちのトークがリアルだったのはいいが、その会話群は男から見るとイライラするわけであり、「見ていてつまんない」わけであり、無論それが舞台としてのつまんなさに直結しないことは明らかであると理解はしているが、話のメインに近いその部分に魅力を感じられなかった点については残念である。
不思議の国のアリスより

不思議の国のアリスより

劇団パラノワール(旧Voyantroupe)

サンモールスタジオ(東京都)

2013/06/20 (木) ~ 2013/07/01 (月)公演終了

満足度★★★★

RRR観劇
疾走感のあるコメディ、まさに小劇場らしいコメディだ
それでいて、観ていてあまり疲れを感じさせなかったのは良かった。

シュルレアリズムを掲げるハイジャックだが、このくらいシリアスな部分を覆い隠しているくらいの方が面白いんじゃないか…?

ネタバレBOX

舞台装置がやけに簡単で、あの後ろの幕が全部取っ払われる演出があってもおかしくないレベルだと思っていたがMの方を見た後どうやらそれはMのためであったと解った。

マイノリティとマジョリティの話。この劇についての自分なりの解釈を。

マイノリティとは大人になると失われるものである。だからアリスは時を止めた。かわいさとはまさにマイノリティだ、そして老いればかわいさ=マイノリティを失う。
そしてそのマイノリティを維持する、つまり時を止めることの手段として、「立つこと」を選んだ二人。「止まれ、お前は美しい」ファウストについてこういう解釈があるとは知らなかった。
同じく時を止める要素として、教養、ユーモア、喋ることがこの舞台では登場しそれは偶然にも、ゲーテやカフカが生きたドイツ近代におけるドイツ独自の文学的特徴「教養小説」と似通っている。
ネイサンと姉さんは同一人物で、マイノリティを求める子供と、マジョリティに染まった大人に分裂したのだと思う。姉さんは裁判官であり、物事にランクをつける至極合理的な存在、まさしく現代の姿だ。

要するに、まだ神話なるものの面影が残るメルヘンな近代と、合理主義に基づく痛烈な二項対立が潜んでいる作品ではないかと、
勝手に解釈いたしました。

コメディでもこういった深読みできる芝居は面白い芝居だと思います。

最後のシーン、ウサギが壁をぶち破るシーンは、そう来たか!と思わせる演出だった!俗っぽい解釈になるのかもしれないのですが、あの瞬間、ウサギ、アリス、ネイサン含め、ぞろぞろと出てきた人物は死を迎えていて、若さとか老いとかそういうものを超越した次元に辿りついた、って解釈でいいでしょうか…?
きれいなお空を眺めていたのに

きれいなお空を眺めていたのに

こゆび侍

王子小劇場(東京都)

2013/06/19 (水) ~ 2013/06/30 (日)公演終了

満足度★★★★★

好きな芝居だった
(主観だが)いい芝居とは2つ3つの出来事が、一見バラバラに進行するように見え、そして実際バラバラなんだけど一瞬でも接点を持ち、メタファーとかパラレルで繋がってたりするものじゃないかと。
そして、コメディな部分でちゃんと笑える雰囲気を作り出すこと、また、後半にかけこのセリフが前半にあればストレートにコメディなセリフを、ある種のブラックユーモア、ぞっとするセリフと化す、その見せ方が、非常にうまかった。
舞台装置は、現実的、具体的だけど、色のなくて、抽象的。中間だった。

鳥肌を立たせる舞台。

ネタバレBOX

一見骨組みをよく見ると解りやすい話の流れとなっていて、「パーに勝つチョキを出す」っていうのも奇抜突拍子ではない発想の展開だけど、そういう脚本にありがちなのが役者個人の能力に頼りすぎてしまい、いわゆるコメディな部分はすごく面白くてもシリアスな部分がないがしろにされ客を置いてきぼりにするという舞台がままある。
しかしこの公演では、役者と演出のどちらの裁量も素晴らしいのだろう、普通なら「天気予報でパーが降る確率70%」などと出てきたら、絵本の「はれ、ときどき、ぶた」のようにほんわかチックなコメディ調なシーンで用いられるだろうが、この舞台は大きくシリアスに持って行った。もちろんそれを笑い飛ばす役も存在するがそれらはメインではない。
サルマークに関するストーリーもそのように、笑もありながら闇を持つ存在となった。シリアスな部分を大事にされていた。しかも露骨なシリアスではない、自然に鳥肌を立たせるシリアスだ。

この舞台に於ける解りやすさは決して単に簡単にするだけの解りやすさではなかった。解りやすい舞台の成功例だ

それと何しろ終わりが良かった。終わりを含め、余韻が素晴らしい。


しかし若干暗転が長すぎるのでは?と思った箇所もいくつか見受けられたが、余韻や、適度なクールダウンをもたらすための間である ところも あった。
ひかる君ママの復讐

ひかる君ママの復讐

月刊「根本宗子」

BAR 夢(東京都)

2013/04/28 (日) ~ 2013/05/06 (月)公演終了

満足度★★★★★

小劇場コメディ
疾走感がありもう劇終かと思うが本当に30分しか無い!!
根本宗子はアテ書きの天才か!?次々に繰り出されるハイテンション掛け合い冷静な突っ込み、そして目と目が合い私を痺れさせた!役者との距離が30㎝(物理)しかないド迫力(物理)怒号(物理)張り上げるドタバタ超絶究極コメディ。
舞台としても最高で、勉強にもなった。
私が観た回は、緑川さんだったが、宮下さんも観てみたかった。

花嫁遊戯〜煉獄編〜

花嫁遊戯〜煉獄編〜

楼蘭

pit北/区域(東京都)

2013/03/20 (水) ~ 2013/03/24 (日)公演終了

満足度★★★★

解釈が広がる
知り合いに連れられて観劇。こういったアングラ物は初めてかもしれなかった。
ミュージカル的な要素もあり、また、真四角の舞台、二方向と上座席という劇場の特性を生かしていたと思う。90分だが、観ていて疲れなかった。

若干声が聞き取りずらいところがあったので、改善してもらいたいところ。


以下、勝手な解釈を。

ネタバレBOX

この作品は、鮮やかな対立によって描かれていると感じた。
箱庭=少女=精神病=白
箱庭の外=健常者=黒

ところで劇中で箱庭のことを「地獄」と称しているが、本当は地獄ではないと思う、「死」が二人を分かつまでと言っているがすでに死んでいるのである、劇終で花嫁神輿に担がれ担ぐ人たちの向かう末は恐らく「死」であって、しかし箱庭にいる時点でもう地獄にいるとすれば、死んだ先に行くところはもう「天国」しかない。しかし、劇から考察するに行先は低語句ではないことは明らかで、それは地獄でないかと仮定する。
つまり白のドレスを身にまとい、箱庭計画という非現実的な精神療法の元で暮らす箱庭での暮らしは本当は天国であるに違いない。
百合は自分に適合しないこの世の生活を病院ごと焼き払い「天国」を作った。しかし白にはなりきれなかった。
父と名乗る医師は自分の財産を奪われた憎しみから百合を苦しませようとする。

また、現世が彼女たちにとって地獄という見方もできる。百合は地獄からの解脱を図ったのだ。この場合、地獄=黒であり、医師によって天国に招かれた健常者である、黒のジレを身に着けた花婿によって百合を地獄へと落とそうとした。
しかし、彼は医師の思惑通りに事を進めることができなかったゆえに、黒を脱がされ、白衣へと衣を変える。

赤という色もこの劇で重要だ。「少女時代の終わりを告げる赤い血」は紛れもなく現世現実の象徴だ。最後、赤い照明に照らされた彼らと彼女の行く先は、生命の在り処、もしかしたら生まれ変わりへと続いているのかもしれない。

だから、この劇では、現実が地獄。箱庭が天国。行先は来世の現実ではないかと考えた。。。

「死」が二人を分かつのではなく「生」が二人を分かつのだ。

今、出来る、精一杯。

今、出来る、精一杯。

月刊「根本宗子」

駅前劇場(東京都)

2013/03/06 (水) ~ 2013/03/12 (火)公演終了

満足度★★★★★

本当に良いもの
初めて舞台で泣いた。人間関係の黒くて複雑な部分、僕の五臓六腑をかき回すようなずっしりとした人間関係を正に、描き出していた。
共依存の関係における、大きな物の共有は、お互いその認識が保たれているときにおいて、ある完成したものであるが、一度そのどちらかの認識が崩れた場合、それは他人をも巻き込むのですね。また、第三者にとって、彼らの大きな物はちっぽけな物にしかすぎず、理解できない。しかしその第三者でしか存在し得ない存在にも、「私は正しいと思います」と最後に。
役者さん達も本当に素晴らしく、舞台芸術も細かいところまで完成度が高かった。演出に関しては、余計な奇抜さは無く、でもどこか新しさを感じさせた。
本当に良いものを観れた気がする

このページのQRコードです。

拡大