花嫁遊戯〜煉獄編〜 公演情報 楼蘭「花嫁遊戯〜煉獄編〜」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    解釈が広がる
    知り合いに連れられて観劇。こういったアングラ物は初めてかもしれなかった。
    ミュージカル的な要素もあり、また、真四角の舞台、二方向と上座席という劇場の特性を生かしていたと思う。90分だが、観ていて疲れなかった。

    若干声が聞き取りずらいところがあったので、改善してもらいたいところ。


    以下、勝手な解釈を。

    ネタバレBOX

    この作品は、鮮やかな対立によって描かれていると感じた。
    箱庭=少女=精神病=白
    箱庭の外=健常者=黒

    ところで劇中で箱庭のことを「地獄」と称しているが、本当は地獄ではないと思う、「死」が二人を分かつまでと言っているがすでに死んでいるのである、劇終で花嫁神輿に担がれ担ぐ人たちの向かう末は恐らく「死」であって、しかし箱庭にいる時点でもう地獄にいるとすれば、死んだ先に行くところはもう「天国」しかない。しかし、劇から考察するに行先は低語句ではないことは明らかで、それは地獄でないかと仮定する。
    つまり白のドレスを身にまとい、箱庭計画という非現実的な精神療法の元で暮らす箱庭での暮らしは本当は天国であるに違いない。
    百合は自分に適合しないこの世の生活を病院ごと焼き払い「天国」を作った。しかし白にはなりきれなかった。
    父と名乗る医師は自分の財産を奪われた憎しみから百合を苦しませようとする。

    また、現世が彼女たちにとって地獄という見方もできる。百合は地獄からの解脱を図ったのだ。この場合、地獄=黒であり、医師によって天国に招かれた健常者である、黒のジレを身に着けた花婿によって百合を地獄へと落とそうとした。
    しかし、彼は医師の思惑通りに事を進めることができなかったゆえに、黒を脱がされ、白衣へと衣を変える。

    赤という色もこの劇で重要だ。「少女時代の終わりを告げる赤い血」は紛れもなく現世現実の象徴だ。最後、赤い照明に照らされた彼らと彼女の行く先は、生命の在り処、もしかしたら生まれ変わりへと続いているのかもしれない。

    だから、この劇では、現実が地獄。箱庭が天国。行先は来世の現実ではないかと考えた。。。

    「死」が二人を分かつのではなく「生」が二人を分かつのだ。

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    2013/03/25 02:45

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