えみのにゅの観てきた!クチコミ一覧

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ニューシネマパラダイちゅ

ニューシネマパラダイちゅ

合同会社シザーブリッツ

劇場HOPE(東京都)

2014/08/23 (土) ~ 2014/08/31 (日)公演終了

満足度★★★★★

これにて千秋楽~:Aチーム
とうとう終わってしまいました…8/23-8/31までの11日間、ただ観てただけって言えばそれまでですが、何か生き甲斐みたいなものを感じることができていた時間でございました。今回は舞台そのものに加えて魅力的な役者さん達と出会えたことも自分の財産となりました。
まず、この舞台が、脚本、演出演、役者の方々、そして劇場も、全てが上手く揃っていた、めったに無いものであったことを再度述べさせて頂きます。
この舞台については、これまで何回も欠かせて頂いたので、今日は千秋楽を観ながら感じたことを順不同で書かせて頂きます。

私的には終わってしまって一番残念なのは、来週からはもう岸田修に会えない事です!勿論、笠原さんにはまた会えるのですが・・岸田さん、とって魅力あるひとでしたねえ!!
一条隼人の吉岡さんは、本日はいっそうの気合が入ってスタートの表情から違ってましたし、和興さんが演じた田舎の親○は、今日は最前列に御婦人がいたこともあって絶好調でした!1000円の高額ラージサイズブロマイドもカッコ良いいです!平井役の新藤さんは和興さんと絡む役柄を見事に演じていまして、それは終演後の彼とはまるで別人でした(当たり前ですが・・)。伊藤亜斗武さんは、映画を作り上げようとする意思の強さと口先三寸な性格とが同居する黒澤監督を好演。最終シーンで自分達で映画を完成させようと呼びかけるセリフは観客の胸を打ちました。荒木さんは初コメディとのことですが隼人や麻奈夫との絡みはとても面白かったです。そして麻奈夫役の藤井さんは無口(?)なヒロインとの会話(?)の場面を実に上手いタイミングで楽しませてくれました。

毎回、微妙に演技を変えることが強要される「え○の○○○つ」を客席と出演者両方の期待通りに大暴れで演じた高橋明日香さんは、忍者のような身のこなしと中国京劇変面レベルの瞬間表情変えで観客の心を鷲掴みにしていました。本日は、例のシーンで仰向けにひっくり返ったときに(観客からは見えない安心感からか)御自身大笑いしてたように見えましたが私の見間違いでしょうか?

ヒロインの伊藤えみさんは、持前の表情演技力をコメディならではの多彩さで遺憾なく発揮。大分すると3つのモードがあり、標準モード(ややコメディ寄り)、映画出演中の歌舞伎レベルの大芝居モード、もうひとつは映画のラストシーンで見せる、ヒロインの背負った重い運命を思わせる悲しく美しい表情。この時は彼女の瞳は潤んでキラキラしていました。こういう場面では最高の演技を見せる伊藤さんです。
不思議なことに、今回のAチーム豪華女優陣の伊藤えみさん・高橋明日香さんは年齢は違いますが誕生日が同じ日です!それも何かの縁ありそうですね~お二人の今後の大活躍を、きっと神様も期待しているのではと感じます!!
そして、お二人とも映画の衣装、とってもお似合いでした!


最後に、演者のかた方、脚本・演出、そして関係された全ての方々に、楽しい時間を持たせていただいたことを観客席側から感謝いたします。次回、期待しております!

ニューシネマパラダイちゅ

ニューシネマパラダイちゅ

合同会社シザーブリッツ

劇場HOPE(東京都)

2014/08/23 (土) ~ 2014/08/31 (日)公演終了

満足度★★★★★

(号外)ニューシネマパラダイちゅ 私的女優論:女優さんの顔が輝くのはいつ?
もう終わった公演だし、公演そのものの話ではありませんので、ネタバレへいれときます。写真も掲載できないのですいません。

ネタバレBOX

ニューシネマパラダイちゅ を観て思ったんですが、女優さんの顔(表情)って、とっても変るものなんだとあらためて感じました。この劇がコメディであることで色々な表情が観られるのは勿論ですが・・

8/31は「ニューシネマパラダイちゅ」の落日で、BマチネもAソワレも観たのですが、当日はマチネ開始が12:00、ソワレ開始16:00で、マチネの上演時間がカーテンコール込みで約2時間、そのあと客席での出演者と観客との歓談が約30分、ソワレの開場が開演30分前とすると、ソワレAチームメンバーが舞台でミーティんグできるのは、1時間程ということになります。しかも地下の小劇場で観客と役者さんの舞台への通路も共用だったのではと思います。

という状況での出来事です。

この出来事は、ここで起こりました!写真は別の時刻の撮影ですが・・
   ↓
お花

その日、マチネー公演が終わった後、玄関への階段を登っていくと上階から伊藤さん(のような)声が聞こえてきました。階段を登りきって玄関脇のお花部屋に行ってみると、そこには伊藤(えみ)さんと共演者の方とが、地下の会場が空くのを待って歓談してらっしゃったのでございえ~ます。 え~、言わずもがなですが、私、幸運・・

で、そのお花を飾った小部屋で、ほんのちょっぴりだけお話をしたのですが、驚いたのは、その時の伊藤さんがあまりにも美しかったことです!

女優さんが綺麗なのは当たり前だと思われるかもしれませんし、舞台に立って共演している方々には、却って判らないのかも知れないですが、その時の伊藤さんの表情は(舞台で演技している時は別として)舞台以外でお会いしたなかでは、今まで見たことの無いキレイさ&美しさで正直ビックりいたしました! 勿論、その場で彼女に、それを伝えることはできませんでたが・・

それが何故なのか? これまで少なく無い回数お会いしている伊藤さんですが・・・
今、考えてみれば、舞台開演直前、しかも本日千秋楽・・のタイミングでお会したことは、一観客である私には無かったことでございます。
この舞台の初日を観た日のブログにも書いたことですが、舞台初日の伊藤さんの表情は、とってもキラキラしていて魅力的でした。公演全体の完成度は、その後のものに比べれば正直言って、まだまだでしたが、初回の緊張が彼女の表情を、そういうふうに変えていたんでしょうね!その点、初日を観た人は幸せだったかも・・

やはり、初日と千秋楽ってのは役者さんには特別で、その緊張感が彼女の表情を輝かせていたんだと思います。

この話は、演技そものもの話は除いての事で、今回の舞台の上で彼女が見せてくれた表情の素晴しさは、これまで書いた通りです!

いつも真剣で新鮮な演技を観るせてくれる伊藤さん
これからも色んな役でイロンナ表現を観せてください!

簡単に言ってしまえば人間の真剣なときの表情は、とっても美しいということだと思います
緊張はストレスでもありますが、その時の表情は、見る人に感銘を与えるものを持っているものでもございます。それは人類の進化の過程で遺伝子に刻み込まれているものだと思います。親類の進歩は真剣に何かに取り組んだひと達がもとらしたものでしょうから!

最後の大げさな事を書いてしましましたが、伊藤さんで無くても、どの役者さんにも、そして舞台に立つことは無い私達にも同じ事なんでしょうね~
スポーツ選手が人気なのも同じ理由かと思います。

え~と・・例によって長くなっちゃいましたが、以下、劇場HOPEの玄関写真の特集(?)でございます!

HOPE










以上でございます

暫く忘れていた演劇の世界に、再び私を呼び戻してくれた伊藤えみさん・・の話でございました

ここまで、お読み頂いてありがとうございます!
ブラックジャックによろしく

ブラックジャックによろしく

幸野ソロ

ワーサルシアター(東京都)

2013/12/20 (金) ~ 2013/12/23 (月)公演終了

満足度★★★★★

伊藤えみ 涙の演技!
この作品の内容を聞いたときには、こんな強力な題材を演劇でどういう表現にするつもりなのか、正直なところかなりの不安を感じました。
人間の生死を扱う作品は、それ自体の持つ重さのために多大な興味を観客に振りまきます。戦争もの、難病もの、ドクターもの果ては殺人事件もの・・その題材はTVにも映画にも溢れていて、しかもそれなりの視聴率を稼ぐようです。
しかしこの作品には、それらと明らかに違っている点があります。そういう作品の殆どは、主人公が自分自身の困難を克服して行くストーリーなのですが、今回の作品はそこがは違っています。生命の危機にあるのは二人の未熟児で、当然彼らにセリフはありませし配役すらされていません。
彼らの生命と障害を背負った人生の生殺与奪を握っているのは父親、母親、そして医師たちなのです。その他人の命を決める選択の葛藤が描かれるのが、この作品です。他人の生命と人生のありかたを自分の行動が決めてしまう。しかも躊躇している時間は与えられていない! その一方で、ナースという同じ空間にありながら自らは決定を許されない人達の苦悩も描かれています。

実はこの作品は、私としては始めてのジャンルの演劇で、且つ自分自身が好きな種類のものではないと思っていたのですが、結局は、とても良い時間を待てたと思っています。

ここまで書いたことは投稿タイトルとは一致しないのですが、ネタバレBOXに演技・演出について感じたことを書きたいと思います。

ネタバレBOX

原作が有名作品がであることもありストーリーは省略して、印象に残ったシーンについて書きます。

まず、投稿タイトルにしたヒロイン伊藤さんの涙の演技について。
彼女がいろいろなシチュエーションで見せてくれる表現は其々とても印象深いものなのですが、今回の作品ではこれまでは見たことがない様々な涙の表情を見せてくれました。
作品の前半は未熟児を出産した母親としてのうつむいた虚ろな表情の場面が殆どなのですが、後半では様々な涙の表情を演じてくれました。自らが出産した双子の兄が死亡し、ダウン症の弟を生かすための手術を拒否する夫と離別してでも残った弟を育てる決心をしたときに、彼女が夕日を見ながら「命ってきれいね・・」というシーンはこの作品のクライマックスでもあるのですが、その場面は海辺の夕日の淡いオレンジ色の光に包まれて演じられ、伊藤さんは彼女の内面を美しく深い表現で見せてくれました。そのときの彼女の瞳はうっすらと濡れてはいましたが泣いる訳では泣く、それは命の持つ美しさとこれからの人生を見詰めている瞳でした。
そしてこの後の場面で、彼女は夫との離別を医師に告げ手術を頼むのですが、医師に会って夫との離別を告げるときには伏せていた目を、手術を依頼する言葉のときには医師に向かって上げて行きます。その時、医師を見つめる彼女の瞳は、ゆっくりと涙で覆われていくのですが、最後まで決して涙を零すこと無くそのシーンを終えます。ここは前述の夕日のシーンを凌ぐ今回最高の名演だったと思います。 でも右側に立つ医師に向かって演じられた関係で、舞台上手の前方の客席からしか、それが見えなかったであろうことは大変残念です!
実は、それとは別に実際に落涙するシーンもあるのですが、その時には彼女の右目から落ちたひと粒の涙が空中で照明に反射してキラっと強く輝いたのが私の強烈な印象に残っています。これは今回の彼女の涙の演技を象徴する出来事なのかなあ・・・と。

一方、夫との回想シーンでも海辺の夕日の場面があったのですが、そちらは彼女としては珍しく(?)恋人との愛を確認しあうシーンとなっていました。こちらも良い感じでした!

作品全体の演出で印象に残ったことも書きたいと思います。
まず、開場時刻になって劇場に入っていったときに目に入る光景は烈です。そこから既に芝居が始まっている感じでした。舞台奥には未熟児が入る保育器が左右に置かれ、上からの青い光に照らされています。その奥の壁には妊中の胎児の動画が投影されているのですが、左側の胎児は右側の胎児よりかなり大きく、逆に右側の胎児は体は小さいのですが足を蹴るように動かしています。でも右側の胎児は動きません。この左右の2つの保育器は芝居が始まった後、左側には死亡する兄が、右側にはダウン症の弟が入れられるのですが、壁の動画はそれを象徴しているようでした。

それから、今回の作品では照明と投影する動画が大変効果的かつ斬新に使われていました。照明の色は感情を表現していましたし、舞台には常時霧が漂っていて幻想的でありながら
逆にシリアス感を持たせる上手い使い方です。

兄が死亡した場面ではナース達が保育器を黒いベールで覆い、保育器をそのまま棺として葬送の場を演じます。先頭の二人のナースが棺を運び、それに続く他のナース達は其々の
手に葬送のローソクを持って棺に続きます。その時はナース達によってアベ・マリアが厳かに歌われます。ユニゾンではなく合唱です。ナース役のなかに音大出のかたもいて葬送の場面の格調を歌のうえでもしっかり出していました。他にアメージンググレースが歌われる場面もあり重いシーンが続くなかでの歌は心を揺さぶります。

他にも書きたいことは沢山あるのですが、既にかなり長くなってしまってますので、この辺にいたします。

演じた方々と関係の方々には、今回、大変豊かな時間を持たせていた事を感謝いたします。
「幕末!天命、投げ売りのクマさん」「ニコニコさんが泣いた日」

「幕末!天命、投げ売りのクマさん」「ニコニコさんが泣いた日」

演劇企画ハッピー圏外

TACCS1179(東京都)

2016/04/01 (金) ~ 2016/04/14 (木)公演終了

満足度★★★★★

ニコニコさんは演劇
「ニコニコさんが泣いた日」初日昼公演観てきました。昨日の「クマさん」のほうは、ストーリの展開を見せるのがメインの作品で、坂本竜馬の後半生を史実に沿って約2時間で進めるのという展開な事もあり言葉でストーリーを進めざるを得ないし、幕末史に造詣がないと話を理解するのが少々難しいような処もあるのですが、本日の「ニコニコさんが泣いた日」は、これも昭和史の出来事を土台ではあるものの、昔、日本がアメリカと戦争して東京が爆撃で焼け野が原になった事くらいを知っていれば十分理解できる判り易い作品でした。「クマさん」はテレビドラマや映画にしてもいいような作品でしたが、「ニコニコさん」は映像化不可能な劇場空間ならではの作品であることも感じられて、2作品を交互に上演するってのも面白い試みだなあと思います。
話を「ニコニコさん」に戻します。演劇にしろテレビ・映画にしろ、病院ものや戦争ものというジャンルは確実に存在していて、それは人間の生き死にを扱っていて、それ自体が非常に強力な題材であるため、それに頼ってしまっている作品は世の中にかなり多いと思います。テレビの2時間ドラマの○○XX殺人事件なんかもその一種だと思いますし....。今回、土台になっているのが上野動物園で実際に起こった有名な話なのは容易に想像できた事でもあり実際に劇場で観るまでは正直あまり気が進みませんでした。でも実際に観はじめると想像とは違ってリアリズムの枠には収まらない劇場演劇ならではの作品であることがすぐ判って楽しませて頂きました。前半はエンターテイメント要素も大きく、いろんなお笑い場面に加え、伊藤えみ・西崎瑠美の姉妹役コンビによる芸能史上有名なセクシーピカピカ衣装ダンスのサービスシーン(?)もありでしたが、このダンスはビックリもので舞台でここまでやるって超レアですよね~楽しめました!
そして後半は一気にシリアスモードに移り役者さんの演技を十分楽しめます。ここで伊藤さんは、この芝居で一番ツライ設定の場面を様々な表情と声色を使いながら役に入り込んだ見事な演技でミツのココロを客席に伝えてくれました。ミツのこのシーンは作品全体を凝縮したものでもあり、また彼女の演技力との相性も良く、客席も彼女の演技に引込まれて至るところで嗚咽が…。終焉後にホールでお会いしたときの伊藤さんは、役者や演奏家が満足したステージを終えたの独特の表情で、これって男女を問わずとても魅力的。しかも滅多に見られない貴重なもの。もともと綺麗な女優さんでもビックリするほど美しく感じます! 一方男性陣のクライマックスを演じるのは千住さん。実は彼、この場面まではあまり活躍しないのですが、最後に舞台の中央で作品全体を締め括るセリフを客席に向けて単独で語ります。しかし役柄設定上、豊かな表情は使わずに、逆に無表情ともいえる顔でこのセリフを語します。これも十分に客席を納得させるものでした。
というようにイロンナ要素が入っているお芝居でした。来週も両作品とも参上する予定なので、どう進化しているか楽しみです。

ジャガーの眼

ジャガーの眼

新宿梁山泊

花園神社(東京都)

2014/06/14 (土) ~ 2014/06/22 (日)公演終了

満足度★★★★★

3度生きるジャガーの眼
久しぶりに大芝居を楽しませて頂きました。役者さんがた、関係者の方々、ありがとうございました。田口、トビラ、しんいち・・男性陣の皆さんとってもカッコ良かったです。大熱演でした。なかでも申大樹さんは、怪しい美青年みたいな役でも見て見たいと思います。それから少年役の大鶴美仁音さんの演技も、とても印象に残っています。何だろうあの感じは…。 千秋楽は桟敷席で見たので、前日階段席の脇の補助席で見たときには気がつかなかったサラマンダーが最後に流す血の涙もしっかり見えて体育座り3時間のかいがありました。そして芝居の最後にテントの奥が開いて登場人物が夜の中に去って行き、更に役者さんの挨拶が終わった後にも開いたままになっているその空間がこの芝居をみた私に何かを訴えているように感じてなりませんでした。

ネタバレBOX

これが、3度生きるジャガーの眼を観た3回目です。正確には今回2夜見たので4回ですが。 それぞれの間隔は数年~20年も開いてます。今回は6/14に花園神社を通りかかってテントを見つけ、帰ってネットで調べてみたら「ジャガーの眼」だったというわけです。しかもこの場所で! 時代は流れて男性陣は昔の役者さんに比べるとカッコ良すぎて、この作品の登場人物の持っている怪しい感じが出ないんですが、それもあってか今回の上演は、昔の(唐式とも言うべき?)様式感は、かなり薄くなっていました。それも時代から時代へと生き続けるジャーガーの眼の宿命なのでしょう。でもドクター弁が登場すると、その場面は昔のハイテンション・ハイテンポで役柄が役者さんに獲りついたようにじゃべり続ける唐さんの様式感に戻るんです。そこも面白かったです~。金さん、30年間また観たいと思っていたものを実現化して頂いてありがとうございました。とってもとっても感激です。それから是非、若い世代の方々も平成のジャガーの眼を育てて行ってください。また観たいです。道論、桟敷席で。
改訂の巻「秘密の花園」

改訂の巻「秘密の花園」

劇団唐組

花園神社(東京都)

2016/05/07 (土) ~ 2016/05/15 (日)公演終了

満足度★★★★★

花園神社公演
◆唐十郎作品は、日本的な情感を土台として成り立っているものの物語自体は現実的なものではなく、この作品も同様です。日常生活のなかに普通に存在する色んな物品が物語のキーになっているのも共通です。でも唐さんは、なんでこういうことを思いつくんでしょうね・・??? 登場人物・物品は、戦後昭和の街の怪しいひと達、霊界、水、火事、指輪、ローソクの灯ったケーキ・・
◆今回は辻さん、藤井さんを中心に物語が廻っていて、辻さんが怪演、藤井さんが二役(・・っていうのかどうか??)を熱演するという見ごたえタップリの舞台でした。舞台装置も怪しく不可思議な物語うまく展開できるものになっていました。藤井さんの美しさも今回効果的でした。ちょっと驚いたシーンもあったけど・・・
◆それにしても夏の初めの夜って、テント芝居に良く似合いますよね。外から聞こえてくる車の音なんかもテント独特の雰囲気でございます。美仁音さんにも3年連続、初夏の花園神社でお目にかかってますが随分オトナっぽくなりましたね~これからの御活躍期待してます!

衝撃ジョー!!!

衝撃ジョー!!!

ブレイクアレッグ

ウエストエンドスタジオ(東京都)

2013/01/31 (木) ~ 2013/02/03 (日)公演終了

満足度★★★★★

「衝撃ジョー」観劇レポート
実は私、演劇大好きなひとなのでございます!

この芝居、かなり自分好みの芝居だったこともあって、この日はメチャ楽しめました。 覚めないうちに感想書いておきます。

続きはネタバレBOXで・・字が多くて読みにくいかも、スイマセン

ネタバレBOX

その小劇場は商店街の某ビルの地下にあって文字通りアンダーグラウンドな劇場でした。とは言っても、その演目がアングラ演劇だった訳ではありません。でも劇場自体が地下にあることもあり、私的にはかなりそんな想いで観劇しておりました。
でもアングラって言葉は、ちょうど漢字の「暗」という字の音読みと訓読みとをつなげて、「あん」+「くら(い)」という感覚を連想させることもあり、近年では、あまりウケの良い言葉ではないようです・・

まあそれはともかく脚本がかなり面白かったこととチームワークの良い役者さん達とのお陰とで、とても面白いお芝居になっていました。

演劇空間は約6メートル四方くらいの空間+その脇の階段というかなり狭いもので、演技空間と同じ床にパイプ椅子を並べての客席を設けていました。客席は階段状の席配置になっているので後方席でも良く見えるようになってました。でもその階段も
工事現場のヤグラ風に組んだものではありました。ちなみに最前列に座ると役者さんが演技する空間との距離は50センチくらいしかなくて、結構なアクションもある芝居なので演じるほうも客席にハミださないように、それなりに気を遣っていたのではないかと思います。

演目のストーリー展開は、あまりにも複雑なので説明は省略させていただきます。興味あるかたは、こちらを御参照ください。
http://stage.corich.jp/stage_done_detail.php?stage_id=41589
あえて言えば、弱小劇団の出来事を描いた奇想天外なストーリーなのですが、お涙ちょうだいの人情ものでは勿論無く、大掛かりな装置を使ったアクションものでもなく、現実的にありそうな題材をもとにして現実には絶対有り得ないようなところまでストーリーを膨らませたユニークなものでした。そんな筋立ての中で、真剣な感情を演ずる場面もあり、お笑いもあり、パロディもあり、アクションもありというもので、 社会への挑戦とか新しい演劇価値観の創造とか、そういったトガッタものはありませんが、見ていて考えさせられるところも多々あるという独自の世界が展開されていました。

ということで、一般的な感想は、やはり
ttp://stage.corich.jp/stage_done_detail.php?stage_id=41589
を御参考頂くとして、あとは私が感じたことを個人の感想として自由に書いてみたいと思います。

まず、このお芝居で印象的だったのは、小劇場演劇ならではの役者さんや脚本家との距離の近さでしょうか? 実際の演劇空間も客席との距離は、これ以上は無理なほど近いのですが、精神的な距離感な役者さんと観衆との距離感も、とっても近いものでした。 そんな訳で、役者の伊藤さん、渡辺さん、(脚本も担当された)木田さん、とは短い時間ながらもお話する機会が持てて、自分の思いをお伝えすることもできました・・そんなことができる環境が演劇大好きな私のようなひとにとっては堪らない魅力になっているのです!

これから印象に残ったシーンを羅列的に書いていきたいと思いますが、主要場面の感想は、他のかたの筆にお譲りして、ホントに私の個人的な感想のみにしたいといたします。

・喫煙のシーン
文章での説明は不可能なのですが、その小劇場的感覚がタマンナく嬉しかったです!

・ヒロインがひとりでお稽古しているシーン
これは里久鳴祐果さん演じるヒロインが芝居のお稽古を一人でしている場面ですが、そのセリフは、いかにも昔ふうの演劇のセリフで私的にはかなり可笑しかったです。これって昔の伝統演劇の パロディなんでしょうか? ねえ、脚本の木田さん、そうなんですか?

・渡辺さんの演技 
渡辺さんの自己紹介で御自身の属してらっしゃる団体名を聞いたときにはビックリしました。 え? ホントに??  って感じでした。そういう考えって偏見なのかもしれませんが。
演技の基礎がしっかりしていれば何でも自由に演じられるってことなんでしょうか? ・・って書きながら、でもそういうことじゃなくて渡辺さんの個性なんでしょうかとも思います。 渡辺さんには、是非これからもこっちの世界のお芝居に出演して頂きたいものです。彼のお芝居はとても(自主的で)楽しくて、彼のおかげで特に千秋楽は観客一同&他の役者さんも、かなり楽しませて頂きました。でも役者さんの方はタイヘンだったのかなあ??  最終日のマチネーの後に、夕方からのはもっとハチャメチャにやってくださいと・・・・
それから渡辺さんと伊藤さんは実に声質が良くて聞いて心地良かったです。渡辺さんの発生は完全に演劇向きの発声でした。
プロですね!

・中津育美さんの怪演
今回の演者のなかで目立ち度No1が彼女であるのは異論のないところでしょう。 お芝居終了後の自己紹介の場面での彼女が、かなり役柄とは違っていたのが印象的でした。でも、それは当たり前ではあります。あの役柄が地だったらタイヘンです!

・伊藤さんの表情の演技
ヒロインじゃないけど主演の伊藤さんが見せてくれた様々な表情は、今回とても楽しめました。もともと彼女が主演した映画のポスター写真の彼女の表情に惹かれたのがきっかけで伊藤さんに入れ込んでる(?)私ですが、 今回、特に体の動きもセリフも全く無く、ただ階段の上に立ってるだけの30秒間ほどの場面で彼女が見せてくれた表情は、私、生涯忘れられません! 彼女が演じたイシカワヤスコの孤独や苦悩がとてもよく表されていたのにも驚きましたが、こんなに美しい表情というものは実社会でも映画でもTVでも、私、これまで見たことありません! 階段の上での演技だったのでオペラグラスで見たのですが、オペラグラスを覗いたとたんに言葉を失いました。 その表情は、カワイさというものが入り込む余地のない壮絶なまでの完全な美しさでした! 大げさなこと言うと思われる出しょうが、ホントに感動しました! 衝撃ジョーでのNo1衝撃はこれでしょう! その一瞬であれだけのものを見せるのですから舞台に立った女優さんってスゴイですね! 次の場面に移ったときにはもう普通の表情に戻ってましたから。勿論、普段の伊藤さんも綺麗でカワイイかたなのは確かなのですが・・。階段の一番上から下を見てる場面なんて客席からは遠いので手抜きで演じてもバレないはずですが、それを真剣に演じているのがまたステキじゃないですか! (でも、それを見てたひと、あまりいなかったなあ・・) 勿論、体の動きを伴った熱演的な場面も良い響きの声を効果的に使いながらオモシロ場面も真剣な場面も実に良く演じられていました。

お芝居全体に対する感想ですが、やはり私はこういうお芝居が大好きです。私の演劇の知識はかなり古いところで止まっているのですが、当時新しい演劇の創造を目指していた流れが、現在の小劇場演劇に引き継がれているのではないでしょうか?現実世界と架空世界が入り混じった真剣であっておふざけでもあり、コント的なものが入っても真剣さの崩れることのない今回の衝撃ジョーのスタイルは私が愛した演劇世界の再現でした。そういえば伊藤さんが主演したキラーモーテルという映画も同じようなノリで、小説と現実の世界が複雑に交差するストーリー展開だったので、こういう非現実の世界で思い切り演技するのって伊藤さんにはピッタリなんでしょうね! 脚本の木田さんとはBALの忘年会でお会いしてお話していたこともあり、イシカワヤスコという伊藤さんの演じた役名が私の実名と良く似ているというしょ~うない理由もあって今回は期待大でしたが実際とても面白くで楽しくて、あっという間の4日間でした。終わってちゃって寂しい限りですが、次回に期待して祭りの後の寂しさから立ち直ることといたしましょう・・
いろいろ長々と書きましたが
★小劇場っていいですねえ!
★また行きたいです!
★また観たいです!

帰り際に主演の伊藤さんと握手を交わして劇場を後にしたのですが、そのときの彼女の手が、とっても暖かかったのが印象に残っています。

ここまで読んで頂いてありがとうございました
ニューシネマパラダイちゅ

ニューシネマパラダイちゅ

合同会社シザーブリッツ

劇場HOPE(東京都)

2014/08/23 (土) ~ 2014/08/31 (日)公演終了

満足度★★★★★

本日の感想&想い:Aチーム
実は私、役者さんが早口でしゃべり続けるようなハイテンションなお芝居が大好きなのですが、この舞台はそういう意味でも役者さんのレベルが揃っているという意味でもスーパーウルトラ大好きです。それでは以下、本日の感想&想いです。

高橋明日香さん:公演前に読んだ芸能記事に.....高橋明日香ら女性アイドルや、戦隊ヒーローを務めた俳優たちが出演する舞台「ニューシネマパラダイちゅ」....って紹介があったし、ツイッターなんかのお写真拝見しても、その紹介記事に対する違和感は無くて、いわゆる集客目的のアイドルさんが入ってるんだなあって思ってました(スイマセン!)。ですが実際の舞台を観たら、この人、なかなかやるなあ、タダモンじゃないかも?って思って、それでWikiで調べてみたら、ナントビックリ2009年から時代劇なんかも含め既に39の舞台を踏んでいて、今回で40作品目ということです!それなら大納得です!!
そして今日も、もはやこの公演最大の「予定調和」とも言える例のシーンを期待通りにやってくれました!他の役者さんからの指示を聞いて、舞台にうつ伏せになった姿勢で見せる困りながらの苦笑い・・みたいな表情は毎回なかなの見もの(?)です!でもそんなベテランの彼女でも、御自身のツイッターによると「今回の舞台は、終わったあとでお腹が痛くなる」とのことで、お芝居するときの精神世界って奥が深いなあって思いました。そんな高橋さんの演劇魂にこれからも期待します! まずは明日!!

笠原さん:この劇のなかで一番私の愛するキャラである岸田修を作り上げてくれて有難うございます。あのメイクなのでホントの表情はなかなか見え難いのですが、笠原さん御自身も、かなり楽しんで演じられているんじゃないかと思います。この人物は説明セリフはお嫌いみたいですが、実はこの人物自身が、登場人物たちが作りあげようとしている映画が、どれだけ「リアル」でないかを説明する役回りでもあります!

伊藤えみさん:妙にあの衣装が似合いますよね~。今日は私も(たぶん他の客席も)、かなり物語り入り込んじゃっていたので、朋子が○○○を思い出せない場面なんか、一瞬、こっちもアレ・・って思っちゃったくらいで、あ、そうだ演技なんだっけ・・ってこともありました。そしてラスト近くでヒロインの悲しい運命を表情だけで静かに表現するシーンは本日もお見事でした! それはこの舞台が、今回Aチームの特徴のひとつである派手な女優陣の伊藤さんと高橋さんの其々の持ち味を実に上手く活かして組立てられていることの証でもございます。どなたがキャスティグを決定したのかは知りませんが流石です!

「幕末!天命、投げ売りのクマさん」「ニコニコさんが泣いた日」

「幕末!天命、投げ売りのクマさん」「ニコニコさんが泣いた日」

演劇企画ハッピー圏外

TACCS1179(東京都)

2016/04/01 (金) ~ 2016/04/14 (木)公演終了

満足度★★★★★

ニコニコさんが泣いた日 夜公演
役者さんが思い切り演技できる作品は大好きです。
若手の役者さんから場数を踏んできた役者さんまで役者歴は様々なんだろうとは思いますが、この公演では登場人物&登場動物の全員(&全動物)が上手く配役されていて、役者さん達の個性がうまく発揮されていると強く感じます。
これ以上の配役は無いだろうと思うニコニコさんの千住さんなんかは、いったい次には何を演じるのかが心配になるくらいの適役ですし、同じく戦時中の学生をうまく演じる景山さんは痩せた顔立ちもあって演技は勿論、外見的にもうまく戦時中の学生に見えます。
また、好青年風の小林役の田口さんと、作中で唯一官憲側立場の塚田役の今井さんとは両極の立場の役まわりですが、それぞれの役の心情を客席に伝える十分な演技で好演です。
一方動物陣では後藤田さん演じる〇〇ワニは派手な場面こそないものの全場面を通じて作品のテーマの根本を支えています。
一方で派手な見せ場のある 千住さん(ニコニコ)は、今回かなり特殊な役であるにも関わらず最終シーンの説得力は見事です!
同じく派手な持ち場のある 伊藤えみ(ミツ)の演技は「泣き演技」と言われていますが、勿論泣いている事そのものが素晴らしいのではなくて、そこに至るまでのミツの感情の揺れ動きを表情とセリフの言い回し(&音色)で的確に表現して客席の心を捉えている事こそが見事です。まるでミツが取憑いたような彼女独特の演技は凄いと思います。

作品自体の後半は重い場面が続きますが、エピローグの全員で演じるシーンは観る者の救いになっています。この宗教的ともいえるシーンを最後に配したのは脚本作家の名演技と言えると思います。

本日の夜公演は前半は、セリフのテンポがとても良くて大変楽しめました。
あと3回なんですね・・

「幕末!天命、投げ売りのクマさん」「ニコニコさんが泣いた日」

「幕末!天命、投げ売りのクマさん」「ニコニコさんが泣いた日」

演劇企画ハッピー圏外

TACCS1179(東京都)

2016/04/01 (金) ~ 2016/04/14 (木)公演終了

満足度★★★★★

ニコニコさんが泣いた日 大千秋楽
ヤエ役の西條さんのバカワニとバカライオンを迎える場面。これまでは天界の慈母のような微笑みの演技でしたが、今日は人間的な感情を表した演技で千秋楽を感じました。終わっちゃいましたね〜
新選組の近藤・土方コンビ(矢野さん・高橋さん)ニコニコさんでも強力でした!でも新選組ファンに夜道で刺されないように気を付けてください~
ジョンの安野さん、♪ティリリリ・・と座頭市楽しかったです。花子の原さん、宮崎県人として今後も大いに活躍してください。
ニコニコの千住さん、本物にしか見えませんでした!でも考えてみれば「泣いた」のは見てないなあ・・
ミツの伊藤さん、これからも出演作品の幅を広げて色んな演技を見せてください。待ってます。
演出の原田さん、久しぶりに演劇ならではの舞台を観せて頂いて感激しました!6月の新宿村LIVEへも参上いたします。よろしくお願いします。
最後に、この舞台に携わってこられた全ての方々、とても楽しいニ週間を有難うございました。

「幕末!天命、投げ売りのクマさん」「ニコニコさんが泣いた日」

「幕末!天命、投げ売りのクマさん」「ニコニコさんが泣いた日」

演劇企画ハッピー圏外

TACCS1179(東京都)

2016/04/01 (金) ~ 2016/04/14 (木)公演終了

満足度★★★★★

ニコニコさんが泣いた日 夜公演
今回は、動物さん達のことも書きたいので一応下のネタバレコーナーにいれときますが、ストーリーバレは無いつもりです。

ネタバレBOX

夜公演、観てまいりした。あと1回を残すのみです。
という事でもあり、既にツイッターでいろんな情報が出ている事でもあるので、ややネタバレ系かとも思いますが、作品に登場する登場人物ならね登場動物の事を書きたいと思います。
実はこの作品の登場動物は動物園の人間に限り会話が出来るというアッと驚く設定になっています(^^;; 実際に観劇するまでは、まさかそういう設定だとは思わず、この有名な話をどう演劇化するのか想像もつかなくて悲惨なだけのお話なのかな…イヤだなあ…って思ってました。
という訳で人間と動物が絡みながらドラマは進んで行くのでございます。
動物役者陣で、兎に角ハデで目立つのは◯◯ライオン役の矢野さん。この◯◯という言葉はライオン最後のシーンで大きな感情的効果を発揮する事になるのですが、矢野さんは実に味わい深くこの役を演じてらっしゃいます。特にライオン最後の言葉は日本人の心に刺さります。一方もう一人(一匹?)の肉食獣メンバーのワニ役の上杉さんは、賢くてヘンに判っているオトボケワニさんを控え目に且つ確実に演じていてお芝居の枠組を支えている感じです。聴きやすい発声なことも手伝って淡々としたオトボケ姿はストーリー進行に効果的だと思いました。最後に、このお話の主役でもある像さんチームですがチーム編成3頭です。リーダー格のトンキーを演じる高橋さんはケレン味なんかの全く無い確実で安定した演技で像ドラマを引っ張っていて、現実世界でもリーダー的な役のかたなのかなあと思いました(私の勝手な想像ですが)。ジョン役の安野さんは、綺麗な歌声と芝居っ気タップリの演技で楽しませて貰っています。基本をしっかり押さえながらも、特定の数字にコダワるシーンやバットの応用演技場面はとても楽しく見せてくれます。何回か引っ張って頂いてその点でもお世話になってます~。歌声と芝居声との切り替えって、どうやるんですか?高い声になる時に自然に切り替るんでしょうか?お見事です!そして花子を演じるのが原さん。この話、実話的には像の花子の話として流布されているので実は原さんが影の主演者?ベテラン組と混ざってもシッカリやっていて好演です。彼女の、滑舌というよりも滑口って書いた方が良いような、早いセリフ廻しでも良く聞き取れて崩れないおしゃべり術は持って生まれた才能でしょう。今後も様々な役での御活躍を!
最後に動物達を導いていくヤエ(人間役)の西條さんですが、その最後の場面での落ち着いた演技は安らぎ感が良く出ていたと思います。自分も、そういう時にはどなたかに手を引いて欲しいなあ...と思わせ演技でした。ミツヤエ姉妹で激しさと安らぎ感を上手く分担した配役なんですね。ダンスシーン決まってましたし!
以上勝手なこと書きましたが、木曜の最後の舞台も楽しみにしています。
キャプテンハーロック~次元航海~

キャプテンハーロック~次元航海~

ビッグファイタープロジェクト

新宿村LIVE(東京都)

2016/06/08 (水) ~ 2016/06/12 (日)公演終了

満足度★★★★★

いつの間に?
キャプテンハーロック観て参りました。コリッチにハーロックのページ、出来てたんですね?公演中は気付かなかったので、遅ればせながら感想を書かせて頂きます。

◆◆初日には、まさかの原作者松本零士さんの挨拶があり『ハーロックの骸骨の旗は骨になっても戦う』ことの表現であるという解説から始まったこの舞台は、アクションあり歌ありダンスありプロジェクション動画もありで、素晴らしい衣装に身を包んで役に成りきって演じる役者さんたちの芝居を存分に楽しめました。原作のある作品を、ここまでやった舞台は観たことありません。◆幕開きはミーメの語りと歌から始まります。『柴小聖』さんは、この妖精をとっても良い雰囲気で演じました。なんといっても雰囲気そのものがピッタリ合ってます。琴を弾きながらの歌声も自然でノンビブラートな美声。芝居冒頭で全体の印象を引っ張る大事な場面を魅力的に演じてました。歌は女王ラフレシアも歌うのですが、これを演じる『扇けい』さんの声は中低音に特化した発声のビブラートも使う独特の様式感のあるものでミーメの歌とは対照性。扇さんは舞台での女王の威厳を歌と演技とで見事に表現していました。舞台終焉後の出演者挨拶で御本人が『私は役の性で怖い人だと思われてみたいだホントは違います‼』って言って笑いを誘ってましたが、逆に舞台での演技が女王そのものだったという事だと思います。◆扇さんと並んでハーロック役の『林野健志』さんも貫禄十分で、出てくるだけで絵になってたのは流石です。ハーロックの衣装、かなり重そうに見えましたがアクションシーンも見ごたえある動きでした。マントを翻した時に起こった旋風は客席まで届きました!後程、林野さんが物販を担当されたときに間近で見ると舞台で見る以上にホント背高いですねえ..◆ダイバーゼロ『ヒロム』はサイボーグ感よく出てました。ああいう特殊な役を体のちょっとした動き方で表す方法ってよく考えられてる演技なんだなあと思いました。でも今回の男性陣の一部は顔の露出面積が少ないのと全体暗めの演出でホントの顔が判んないというのも感じましたが‥◆マゾーン役者さん達ですが、四天王が王女ラフレシアの御前に控えるシーンは四天王役の皆さんの伸長がきれいに揃っていて、ラフレシアが中央で大きく見え舞台の絵として最高でした。マゾーン役の役者さんは戦闘シーンでは演技に加えてダンスもアクションも要求され、しかも素晴らしい出来栄え。ダンスも入るアクションシーンは、この舞台の華でございました。それはアルカディア号乗組員も同じで、あまり人間の役がない(人間女性2名?)この物語でドハデ衣装で目立つ有起蛍『山本夢』戦闘隊長以下のマゾーンとの戦い振りには圧倒されました!ヌレーム『西条瑠美』は早期に灰と化す役でしたがマゾーン服姿はスタイル抜群で、後程ちょっぴり復活してたのも嬉しくありました。また、クレオ『羽渚さやか』の「女王の午前である、控えよ」は、もう水戸黄門なみの名セリフで今でも耳に残ってます。「うなぎ」さんって名前も強烈!◆地球マゾーンの波野静香は動的な表現の多いこの芝居で唯一複雑な心情を持つ設定の難役ですが、これを『伊藤えみ』が好演。自分の生い立ちを打明けた後、ハーロックと会う場面で流した涙の真意は何なのか?…ここはこの芝居中もっとも複雑な心境を演じるシーンなのですが、単に悲しい運命を呪うだけではない静香の心を抑まえた表情と涙とで見事に演じていました。その後、まなじりを決して艦橋で前方を見つめる強い眼差しや操舵輪を操る姿は、その後のストーリー展開を考えるととても深い意味があるものでした。この場面は眼に焼き付いてます!
◆◆この作品、原作を知らない私には、かなり難解なストーリーで、回を重ねる毎に理解は深まったものの、千秋楽が終わってから教えて貰って理解できた事もいくつかありました。ワグナーのニーベルングの指輪では、さえない鍛冶屋のおじさん役のミーメが妖精役になっていたり、波野静香という戦中派感満載語感のネーミングがあったりで、最初は少々違和感もあったのですが、舞台をストーリーを追うものとしてでは無く、役者の演技を観て楽しむ私にとっては、この舞台、最高のものでした。最終日に多数設置されていたムービーカメラで捉えた映像は是非公開してください!

「幕末!天命、投げ売りのクマさん」「ニコニコさんが泣いた日」

「幕末!天命、投げ売りのクマさん」「ニコニコさんが泣いた日」

演劇企画ハッピー圏外

TACCS1179(東京都)

2016/04/01 (金) ~ 2016/04/14 (木)公演終了

満足度★★★★★

ニコニコさんが泣いた日 昼公演
(例によって最初は某氏ツイッターのコピーですが御本人に了解は得ております。まあ御本人と私とは、後藤田さんと矢野さんとの関係と同じような…)

この作品、登場人物がそれぞれ自分の思いをぶち撒ける場面があり心を打ちますが、実はこの作品には登場動物ってのもあります。ネタバレ系かと思って書くの控えてたけど、そろそろいいかな〜

ツイッターコピーはここまでですが、動物園内の人間:動物の比率は1:1で動物さんにも人間同様の演技が求められているのが、このお芝居の特徴の一つでもございます! 像さん達や肉食獣さん達あっての展開になっていて、動物軍団には強力なメンバーが布陣しています。

…さて、ソワレが迫っていますので続きはまた。

「幕末!天命、投げ売りのクマさん」「ニコニコさんが泣いた日」

「幕末!天命、投げ売りのクマさん」「ニコニコさんが泣いた日」

演劇企画ハッピー圏外

TACCS1179(東京都)

2016/04/01 (金) ~ 2016/04/14 (木)公演終了

満足度★★★★★

ニコニコさんが泣いた日 昼公演
同じお芝居を何回か観ると、登場人物(今回は登場動物も)に、なんとなく親近感を感じるようになって、それが架空の人物(と動物)であることは判っているものの、会えなくなっちゃうと寂しくなります。ペットロスならぬ芝居ロス(?)。いつでも劇場に行けば会えるといいんですがタイムマシンが実現化されるまでは不可能ですよね~。

独演的な見せ場のあるニコニコ(千住さん)、ミツ(伊藤さん)、塚田(今井さん)、小林(田口さん)以外の登場人物(&動物)も同じで、激情を吐露する場面は無く冷静でなければいけない園長(水島さん)も抑えた感情をよく表現されていると思いますし、この作品の日本的感情を代表するライオン(矢野さん)の最後のセリフの演技は心に刺さりました。それは 伊藤えみ の壮絶演技の最中にさりげなく入ってるセリフですが、これがあってこその名場面でございます。

皆さん(人物&動物)とは、今はまだ会えるので今はまだ芝居ロスは大丈夫です!後半戦、期待してます!!

「幕末!天命、投げ売りのクマさん」「ニコニコさんが泣いた日」

「幕末!天命、投げ売りのクマさん」「ニコニコさんが泣いた日」

演劇企画ハッピー圏外

TACCS1179(東京都)

2016/04/01 (金) ~ 2016/04/14 (木)公演終了

満足度★★★★★

ニコニコさんが泣いた日 昼公演
今日は役者の皆さん、一段と気合入ってましたね!公演 始まった瞬間に感じました〜 お見事! 役者あっての舞台です。まだまだ期待してます。
それにしても魅力的な芝居です。

「幕末!天命、投げ売りのクマさん」「ニコニコさんが泣いた日」

「幕末!天命、投げ売りのクマさん」「ニコニコさんが泣いた日」

演劇企画ハッピー圏外

TACCS1179(東京都)

2016/04/01 (金) ~ 2016/04/14 (木)公演終了

満足度★★★★★

ニコニコさんが泣いた日&トークショー
まずは、某氏のツイッターを引用
◆心を揺さぶるお話。タイトルロールの千住さんの魂の叫びが瞼に残るし、まるでミツに取り憑かれたように演技を続ける 伊藤えみ は演劇がシャーマニズム起源だという説を実感させます。ダンス、歌、額のボール(?)…と言った演劇の楽しさ満載の舞台です!
。。。ということですが、「?」つきの額のボールってのは、園長役(水島さん)の額のボールのことです。この小物は、この作品が悲しさの淵に沈み込むのことへのストッパーの役割を存分に果たしています。たった半部のボールですが効果は絶大です。このセンスは凄いと思います。次にタイトルロールの千住さんの話ですが、あの外見制約のなかで最後のセリフを決めないといけないのは、ハピ兼走り以上に困難でしょう。でも、(外見の助けもあって)バッチリ決まってます。それから 伊藤えみ さんのシャーマニズム的演技は、まさに演劇の原点だと思います。男性の役者さんには決してできない演技です!

え~次も某氏のツイッターの引用ですが…
◆伊藤さんの演技、今夜も堪能致しました。ロビーで演出の原田さんともお話しましたが良いかたと出会いましたよね〜。今回は伊藤さんの演技力を存分に活かせる演出・作品です。役者と演出・脚本家との関係って興味津々ですが、同じ演出家のハーロックも期待します!
…ってことですが、ロビーでお話しした役者さんからも演出の原田さんについては「それぞれの見せ場をつくってくれる演出のかた」という話を伺いました。私も、役者あっての舞台演劇だと思いますので「役者の見せ場」はトテモ大切だと思いますし、深刻な、或いは、悲しい・・話であっても、踊り、歌、お笑い(悪ふざけ?)が同居できることこそ舞台演劇の醍醐味だと思います。なんと言っても演劇は祭りでありハレの場なのでございますから…でも、そうである為には少々の悪ふざけではビクともしないプロットの脚本が不可欠なのも事実です!
◆ということで、明日からも期待しております。ライオンさんが最後の場面で醸す情緒は流石でしたし、本日公演後にスピーチされた 原はるみ さんは、いじらしくカワイくて良かったです。今後も遠慮なく頑張ってください!

改訂の巻「秘密の花園」

改訂の巻「秘密の花園」

劇団唐組

花園神社(東京都)

2016/05/07 (土) ~ 2016/05/15 (日)公演終了

満足度★★★★★

鬼子母神でも観てまいりました!
◆本来なら鬼子母神公園の方のページに書くべきなんでしょうけど、前に書いたものとの繋がりもありますので、こ敢えて、こに書きます。
◆前回は花園神社で観ましたが、今回は鬼子母神です。 雑司ヶ谷鬼子母神は住宅街の中にあって花園神社よりも静かで、極論すれば江戸の風情も残るところ(?)でございます。前に書いたときには、車の騒音もテント芝居の風情なんてことも書いたように覚えてますが、勿論、静かなほうがいい事は言うまでもありません。とは言え、鬼子母神は賑やかさというか華やかさが無くて芝居打つのには少々寂しい気がしたもの事実でございます。
◆今回は早めにチケット受け取って最前列の上手の端に鎮座。端っこでも最前列はいいですね!
◆お芝居は花園神社で観たときと同じ印象でしたが、場所のせいか終わった後は何か寂しいものがありました。勿論、役者さん達の精一杯の熱演は前と変わらずではありましたが、回数を重ねてチョッピリながらも慣れた感じが出ちゃってるようにも思います。こればかりはどうしようも無い事とも思うものの、若い役者さんにWキャストでチャンスをあげるみたいな事があってもいいのでは? その時は金額変えればいいんじゃないですか? 勿論、上手い安定的な演技は基本ではありますが、その一方で、挑戦する芸術であるテント演劇は新鮮さを無くしてはならないとも思います!

ニューシネマパラダイちゅ

ニューシネマパラダイちゅ

合同会社シザーブリッツ

劇場HOPE(東京都)

2014/08/23 (土) ~ 2014/08/31 (日)公演終了

満足度★★★★★

とっても大好きになりました!
Bチームは月曜以来観れてなくて、その後どう進化したのか気になってるんですが、平日のマチネーはなかなかなか行けないのでございます。そういう訳で本日もAチームだけってことになってしまいましたが、日曜にはBチームを観られることになってますので楽しみです。
今夜観たAチームは、回を重ねて役者さんたちが、持っている個性を存分に発揮するようになってきた感が強いです。それにしても今回の舞台は、出演者の皆さん全員、実力ある人達が集まってるなあ・・って思います。これは観る側には大切なことです。
で、いつものようにネタバレ無しで書かないといけないので、今日は役者さんごとに感じたことを書かせて頂きます。

岸田役の笠原賢人さん:何回か見ているうちに大好きになりました。自分の理想と与えられた現実の間を揺れ動く悩める青年の心を見事に表現されてます・・・って、シリアスな芝居の感想なら、こう書くんでしょうね・・・複数のシチュエーションを姿勢や声まで変えて実に見事に演じてますね~。笠原さん演じる「野○」に来週から会えなくなるのは、とっても寂しいです! 突っ伏して泣くところは、こちらも泣きそうです(?)。ところで本日は足につけてる茶色の小さな衣装の位置が上のほうになっていたのは何故ですか?

真宮寺役の高橋明日香さん:日々パワーアップする過酷な要求に良く応えてますよね!高橋さんの個性ある演技は客席全員の楽しみでもあります。週末も期待に応えてください!

黒沢役の伊藤さん:コミカルな演技上手いですね~この役が単なるお調子者ではなく強い意志を持った人物であることが良く判ります。

矢島役の和興さん:怖いけどホントはとっても、ひとのいい田舎の親○を、矢島さん以外には不可能なやりかたで演じられていました。今夜は客席最前列にも優しかったんですね~

田村役の伊藤さん:伊藤さんってチーム内に2名いるんですね・・・今日は表情に巾が出てきてワンステップ登ったようです。コミカルなシーンでもティピカルな表情表現から一歩進んで伊藤さんならではの表現が出てきました。ラスト近くでの、ヒロインの悲しく美しい表情と、泣き伏す「野○」を慰めに向かった時の一瞬の表情は、とても素晴しかったです!

この素晴しい舞台、あと2日しか無いなんて・・・

「幕末!天命、投げ売りのクマさん」「ニコニコさんが泣いた日」

「幕末!天命、投げ売りのクマさん」「ニコニコさんが泣いた日」

演劇企画ハッピー圏外

TACCS1179(東京都)

2016/04/01 (金) ~ 2016/04/14 (木)公演終了

満足度★★★★★

2回目は役者さん!
「ニコニコさんが泣いた日」4/4夜公演観ました。「ニコニコさん」を観たのは今夜が2回目です。ストーリーは判っているので役者さんに集中して見て来ました。座ったのが役者さんの顔と自分の顔とが同じ高さになる席だったので、役者さんの表情を見るには最適でした。また、この作品の元ネタは広く知られている悲しいお話しですが、でも今回は単にシチュエーションをそこから借りて来て役者にイロイロな演技をさせる足掛かりにしているだけのように思います。この作品、決して平和や動物愛護を訴えるようなものでは無く、扱っているのは、もっと人間の根源的な情緒や感情です。しかも日本的な扱いです。それにダンスもお笑いもあってトテモ演劇的な構成になってるなあと思いました。その演技面では、この作品のクライマックスシーンを演じる 伊藤えみ は素晴らしかったと思います。前半ではお笑いもダンスもありで大いに楽しませてくれましたが、後半では一転、時代の要請により最も自分の感情に背く事を泣く泣く自ら実行せざるを得なくなったミツの心の動きを見事に表現して見せてくれました。物語の進行と芝居相手のセリフに沿って、ミツの悲しみや慚愧を、刻々と変わっていく悲しい表情で語ってくれました。あそこまで悲しみの表情に種類があるとは思いもしませんでしたが、勿論演技なので一定の客観的判断力を保っている事は確かですが、演技中は。それとミツの感情とが彼女の中で二重的に同時存在していたんでしょうか? 今夜は演技ということの不可思議な淵を覗いた気がしました。
え~最後に、「この作品の衣装に似合うでしょうアワード」を勝手に発表させて頂きたいと思います。アワード受賞者は、なんと言ってもニコニコさんの千住さんでしょう!丸刈りなこともあって似合いすぎ!!セピア色の写真にしたら当時の写真と言っても誰も疑う人は居ないでしょう~! 伊藤さんのモンペ姿が、どうも何かしっくりしないのに比べると際立つ完璧さです。
ということで(?)、皆さま、今後の公演も期待しています!

男・オブ・スティール

男・オブ・スティール

合同会社シザーブリッツ

上野ストアハウス(東京都)

2014/12/09 (火) ~ 2014/12/14 (日)公演終了

満足度★★★★★

皆様、ありがとうございました
直接楽しませて頂いた役者の方々のみならず、関係された全ての方々に深く感謝いたします!観客席を(勝手に)代表して感謝いたします。とても楽しい6日間でした。この6日間ずっと観ていると、例え舞台上の架空キャラであっても人情が移ってしまって、もう会えないのが寂しい限りでございす。今回は全ての役者さんが、しっかり役柄を演じているという稀有な公演で、今年の締めの良い体験と成りました。そして、この公演に導いてくれた伊藤さんは、今回も真剣な演技を見て頂き、ありがとうございました。響きのある美しい声も、瞳がキラキラするような場面で観せてくれた素晴しい表情も、しっかり記憶に刻まれています!
それから今回、新たに出会えた宮川さんと加藤さん、また別の場でもお会いしたいと思います。短い時間ながらも、お話できた事も嬉しい限りでございます。告知のあった新年の公演も、本日予約させて頂きました。今後もヨロシクお願いいたします。

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