えみのにゅの観てきた!クチコミ一覧

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ROSE GUNS DAYS

ROSE GUNS DAYS

進戯団 夢命クラシックス

俳優座劇場(東京都)

2016/09/21 (水) ~ 2016/09/25 (日)公演終了

脇役の話? その2
◆今回は、2列目で観られたので、これまで見えなかった低い位置の演技もよく見え、やっと意味が判ったような場面もありました。敬礼寺(伊阪達也)の悪夢場面の夢の内容も初め見えました。彼の心理を理解するのには結構大事なシーンでした。作品後半には悪夢場面以外にも彼の家庭(?)の場面は何回かあるけど、アクションとは違う意味で見ごたえあるシーンです。
◆御家庭場面は、アマンダ役(伊藤えみ)の見せどころでもあって『普段から爆弾みたいなキャラクター』の伊藤えみが大人の演技で存分に見せてくれます。でも部隊役者って爆弾持っていればこそやれるような気もしすけど・・。ちなみに『』はパンフの関係者対談からの引用です。それから昨日のコメントの補足ですが「脇役」ってのは、この対談中で茜谷さんも伊藤さんも演じてみたいと発言しているメリル役に関しての発言です。主役って不自由でしょうから自由奔放な役も演じてみたいとのことですが、そういうのも面白いかも。でもやっぱり主役で観たいなあ。

ROSE GUNS DAYS

ROSE GUNS DAYS

進戯団 夢命クラシックス

俳優座劇場(東京都)

2016/09/21 (水) ~ 2016/09/25 (日)公演終了

脇役?
◆観劇2回目です。2回目は、お話しの方は判ってるので自然に役者さん達の演技に目が行くんですが、タイトルロールのローズ灰原(茜屋日海夏)やフライヤー筆頭のレオ獅子神(鮎川太陽)が主役なんだけど、準主役陣(物販パンフ中の対談では脇役って言ってるけど・・)の演技が見ごたえがあって楽しい。敬礼寺宗平(伊阪達也)、ミゲル倉敷(井深勝彦)、アマンダ雨宮(伊藤えみ)は勿論ビジュアルもあるけど、何と言っても演技が面白くて目が離せません!お三方の舞台演劇的な演技があってこそ、逆にアクションシーンも際立つというものかと思います。
◆敬礼寺(伊阪達也)は、この作品の裏主役で妻のアマンダ(伊藤えみ)も同様。脇役ならではの複雑な人物設定・心理状態を、立ち居振舞い・声・表情・目の動き等...舞台役者ならではの演技で十二分に見せてくれます。もし自分がこの作品に出演して自由に役を選んでいいってなったら敬礼寺やってみたいです!それに超コミイッタ人物設定で異常人格的なミゲル倉敷(井深勝彦)は、ビジュアルや演技位置(戦場)の関係で、なかなか表情が見えなくて少々ストレス感じましたが、最後の挨拶の時にやっとお顔を確認できまてナルホド‥って判った気がしました。この役も演じるの面白いでしょうね!
◆というようなわけで、2回目の観劇では、3時間という長時間が、始まるとすぐ最終場面になっちゃったのでございます。1回目は6列目、今回は4列目だったんですが、やっぱ役者観るには前のほうがいいですよね!

ROSE GUNS DAYS

ROSE GUNS DAYS

進戯団 夢命クラシックス

俳優座劇場(東京都)

2016/09/21 (水) ~ 2016/09/25 (日)公演終了

圧倒されました!
初日、観て参りました。圧倒されました!原作も原作者も、この舞台の台本作者も存じ上げないので、以下、今日の舞台を観た限りの感想です。
◆戦争をテーマにした舞台や映像作品は登場人物の生き死にに焦点を当てたものが多いのですが、この作品は個々人の生死よりも、戦争によって引き起こされる様々は事象を訴えてきています。特に日本人にとって戦争が何であったかという問いかけが、この作品の真のテーマであるように感じました。
◆日清・日露・日中と大陸で泥沼化した戦争を続けた後、東南アジアや太平洋にまで戦争を拡大し、初期の欧米諸国に対する戦勝、植民地の引継ぎ、アジア諸国の統治、敗戦・米軍による被占領、戦後の一部軍人の戦闘継続&旧支配国に残っての独立支援、敗戦国の国民、戦場を体験した軍人の心・ひいては戦勝国側の一方的な歴史感への疑問・・といったものを架空の物語設定、且つ御町内の裏社会の権力闘争というように矮小化してエンタメ作品の華やかな舞台のオブラートに包んで問いかけています・・いえ正確に言うと、そのように感じました。上演時間も異例の3時間という壮大な作品になっています。
◆私自身は、作品のストーリーが問いかける意味を味わうよりも役者の演技を観たいほうなので作品に対する際立った感想を持つこと自体が極めれて稀なのですが、今回ばかりはズッシリ心に食い込んみました。見る前は、もっとオチャラケタお話しだと思ってたものですから。
◆とは言え、やはり舞台は基本的にはエンターテイメントですから、そっちの話も少々...この舞台、カッコいい男性役者が揃っていることもあって今夜は女性客が多かったような気がします。私は男性なので、男性役者陣の活躍の話は女性観客の皆様に譲ろうと思いますが、役者陣は全体的にオーソドックスな正統派の演技でストーリーこそブッ飛んだ話なのですが、演技は極めてマットウで安心して楽しめました。一方、女性役者陣は安定した芝居できっちり演じてましたが、私が、この舞台を観に行くきっかけであったアマンダ役『伊藤えみ』は登場メンバー中最も派手な衣装を纏いながら心理的に複雑な芝居を演じる訳ですが、男を誘惑(?)する表情や役に合わせた声使いは、彼女の美しい顔立ちもあって説得力十分で、彼女にとっては新しいタイプの人物でしたが、今回も役柄が憑依するような変身能力を存分に満喫させて頂きました。実は、顔色も役に合わせて暗めのドーラン使ってるのかなとも思いましたが、後でロビーでお会いした時は、いつもの色白の顔色で、暗めの顔色は照明の効果だったのか演技による紅潮だったのか・・いずれにしても舞台上との印象差が大きいものいつもの通りでございました。それからステラ役の舞原さんもチョッピリ気になりまして、他作品でも見てみたいなあと思いました。
◆以上、初日の感想でございます。

緋色の刻印

緋色の刻印

激嬢ユニットバス

ワーサルシアター(東京都)

2016/09/07 (水) ~ 2016/09/11 (日)公演終了

ホントの上演開始はいつなのか?
開演前に座席に座っていて不思議に思ったのは、フライヤーの筆頭(アイウエオ順?)に名を連ねるソワレ氏(昨年から気になってたソワレさんです~)自らが開演0.5秒前まで客席で観客の誘導をしているということでした。◇それが実用の世界の役割を兼ねているのは、それはそうなのですが、そのホントの理由は後程劇中で明かされます・・ってことは客席の私も作品の一部で作品に出演したってことでしょうか??・・こういう始めかたの舞台を観たのは随分久しぶりでございます。◇このユニークな芝居中でのソワレ氏の役廻りは更にユニークでした。ナツイテル姿は妙に説得力あったし、一転、本来の姿に戻る場面も面白く、照明に良く映える透けるように真っ白な肌と、彼女の演技上の最強アイテムである長~い付け睫毛で強調された眼の使い方は仮面効果(?)もあってか強烈な印象でした!◇作品全体は、徒にハイテクな照明を使うことも無く音源も電子音源ではないもので、これもまた独自路線でありました。◇登場する人間集団同士の関係を完全に理解するのは初めて観た私には少々難しかったけど・・・まだ上演中だしボカした書き方でスイマセン。

従軍看護婦~女たちの戦場~

従軍看護婦~女たちの戦場~

サン・マルガン

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2016/08/09 (火) ~ 2016/08/14 (日)公演終了

しっかり伝わってます!
女達の戦場は男達の戦場でもあるけど敵との闘いよりも南方の孤島での極限状況下の人間模様から人の魂のあり方を描く作品。それを役者さん達全員が全力で真剣な演技でみせてくれました。個々の演技を楽しむというより作品をみる要素が大きい舞台です。そういう訳なのでネタバレ無しだと、この舞台の魅力は書きにくいのです。

(以下は明治の作詞)

真白に細き手をのべて
流るる血しお洗い去り
まくや包帯白妙の
衣の袖は朱に染み

味方の兵の上のみか
言(こと)も通わぬあだ迄も
いとねんごろに看護する
心のいろは赤十字

花からの手紙

花からの手紙

Xカンパニー

シアターKASSAI(東京都)

2016/06/28 (火) ~ 2016/07/03 (日)公演終了

最終回
火曜から楽しかったです。
皆様ありがとうございました(^^)


◆ストーリーは書かないけど、日常生活で客席側の人間にも起きる可能性があるストーリー。コメディじゃなくてトラジェディ...って言うより現代深刻劇とでもいうものでした。

◆主演は『伊藤えみ』
彼女の演技については諸氏がツイッター等で絶賛していますが、以下、私的な感想です。

『伊藤えみ』独特の演技スタイルは、台本というの異次元の世界に存在している人物の人格を、自分の内に呼び込んで、その人物に成りきって演じる演劇発祥原点のシャーマン式変身演技です。今回の『花からの手紙』では、それが良く出ていたと思います。

◆話が飛びますが、昔のイタリアオペラではヒロインを演じる歌手には、お約束の『狂乱の場』が用意されていて、正気を無くしたヒロインがリアリズムから解放された自由な立場で、舞台上に独りテクニックの限りを尽くして演じる(歌う)ものです。今回の『花からの手紙』では図らずも同じように半狂乱の早苗を『伊藤えみ』が演技力の限りを尽くして演じました。
とはいえ、演技にしろ歌唱にしろ演者の自己満足では意味が無いのは勿論で、客席の心を揺さぶってこその演技価値です。その意味でも今回の彼女の演技は素晴らしく、客席の公演参加者にも舞台上の人物への感情移入を実現してくれました。

◆更に、『野村龍一』さんや『鎌田亜由@iroha_aizawa ご連絡頂いた同日に予約担当の方からも予約完了のメール頂きましたが、予約担当の方から頂いたものと美』さんも十分以上の演技で楽しませてくれました。演じている時の野村さんは(前説の時とは別人の)イヤなオヤジそのものだったし、『伊藤えみ』早苗と真っ向勝負だった『鎌田亜由美』野村も見事でした!

花からの手紙

花からの手紙

Xカンパニー

シアターKASSAI(東京都)

2016/06/28 (火) ~ 2016/07/03 (日)公演終了

椿チームを観た2回目です
◆この舞台はキャストの一部がダブルになっていてエンディングの台本も違うものになっている。とは言っても主役はシングルだし台本も殆どは同じ。でも観劇後の印象は結構違います。椿チームの舞台は蘭チームと比べ穏やかな印象が残るのに対し、蘭チームは、伊藤えみ(早苗)と鎌田亜由美(中野)の女優対決を中心にハードな感じ。◆また、主演の伊藤えみ(早苗)には一人芝居的な場面も設定されていて、この作品の中では唯一の静かな見せ場になっています。場面の後半では夫婦共演にはなるものの二人の間に絡みは殆ど無く実質一人芝居が続きます。そこで早苗が歌う子守歌には早苗に突きつけられた残酷な現実と、それに目を背けて信じ込みたい虚構の現実とが複雑に織り込まれていて、それを子守歌の歌い方・声の使い方だけで表現しなければならない役者の演技力の見せ処にもなっています。これが上手く決まると客席にも物の哀れを強く誘って男性でも嗚咽が... 勿論、客席を泣かせりゃいいって事ではないけど、それは役者と演出家の成果ではあるとも思います。

花からの手紙

花からの手紙

Xカンパニー

シアターKASSAI(東京都)

2016/06/28 (火) ~ 2016/07/03 (日)公演終了

蘭チーム(観たのは2回目)
◆この芝居は男性役者陣にも激情を吐露する場面は用意されていますが、脚本は女性に焦点があって女性群像劇的な側面を強く持っています。早苗(伊藤えみ)・中野(鎌田亜由美)・真美子(関谷真由)は、自分の内面や周囲との関係に葛藤を抱えている女性の役で、伊藤さん・鎌田さん・関谷さんは、夫々の役回りに相応しい演技を十分に見せてくれます。◆特に彼女たち同士が女性の本音で対峙するシーンは役者演技の見所になっています。持てる演技力の全てを投入して全力で演じる続ける伊藤えみ、表面的にはクールな中野を巧みに演じる鎌田亜由美、女子高生の若さ故の悩みを熱演する関谷真由(電話聞いちゃったシーンの表情印象的でした)‥このメンバーのキャラと演技力とが脚本の本質を成立させているように感じました。◆また、島田を演じる川村舞さんは初舞台とのことですが魅力的な容姿もあって人生の先輩的な役を上手く演じられてましたし、女性役中で唯一女性の悩みは抱えていない増田役の大和田晴菜さんも達者な演技で舞台を駆け回って楽しかったです!

花からの手紙

花からの手紙

Xカンパニー

シアターKASSAI(東京都)

2016/06/28 (火) ~ 2016/07/03 (日)公演終了

6/30 昼 蘭チーム

◆この公演、主演の「伊藤えみ」が全場面手抜き無しのシリアス系演技モード全開で、演ずる役が憑依したような彼女の演技は壮絶でした。トークショーでは、この作品の前に出演した公演から二週間しか開いてなくて人間女性に戻るが大変だった(?)とコメントしてましたが昨日は見事に変身完了してました!◆客席では女性は勿論、男性も泣いていて作品からの手紙は観る者に見事に届いておりました!◆エンディングまで違う一部ダブキャスト体制のこのお芝居、ストーリーも役者の演技も濃厚な舞台です。

花からの手紙

花からの手紙

Xカンパニー

シアターKASSAI(東京都)

2016/06/28 (火) ~ 2016/07/03 (日)公演終了

椿チームの初日
椿チームの初日観て来ました、主演の『伊藤えみ』は揺れ動く女性心理を的確に演技として表現しているし、高校生役の若い役者さん達も含め全キャストがこのリアリズム寄りの作品内容を十分に客席に伝えて来ます。舞台セットも本物的で現実感のある世界を舞台で実現しています。一部、ダブルキャストになっていて、それぞれのチームで異なる結末になっているとのことなので欄チームの日も観るつもりです。

新・二都物語

新・二都物語

新宿梁山泊

花園神社(東京都)

2016/06/18 (土) ~ 2016/06/27 (月)公演終了

満足度★★★★★

若手女優さんたちも奮闘
主演のベテラン役者さんは勿論、若手メンバーの気合の入った演技も見所の今回作品。海老根寿代さんは「さちこ」を好演。最後は、ふてぶてしさまで見せる強めの「さちこ」で舞台映えする容姿もあって、なかなかの適役だったと思います。もう一人強く印象に残ったのが有栖川ソワレさん・・だと思うんですが、フライヤーの写真で舞台上の役者さんを特定するのは、なかなかに困難で間違いだったスイマセン。今回最後の全員紹介無かったし(^^;; 赤い長い布を持って舞台奥で立ってる場面で上手側にいた方です。その立ってるだけの場面で彼女が演じた眼の動きに一目惚れしました!その眼の動きが脳に刺さった感じです。あの眼の使い方は只者に非ず。舞台役者の演技のそのものでした。フライヤーによると先週末は彼女がさちこを演じたとのことで観られなかったのはトテモ残念。◆最後、リーランが去って行く最後のシーンは最高に美しくて濡れるのも構わず見惚れてました。赤い衣装が水煙とライトに映える幻想シーン。余韻で帰りの地下鉄、危うく反対方向に乗っちゃうところでした〜

新・二都物語

新・二都物語

新宿梁山泊

花園神社(東京都)

2016/06/18 (土) ~ 2016/06/27 (月)公演終了

満足度★★★★★

篠突く雨より濡れました!
◆昨年の二都物語の続編という理解でいいと思うけど、二都物語が湛えていたおどろおどろしさは殆ど無くて、そのあたりは続編の難しさなのかなと思いました。戦時中の実在人物を思わせる役名も登場するけど、物語はあくまで唐さんワールド。言葉の洪水と歌と大芝居で物語は進んでいきます。客席には若い人が多く外国の方もいらしていて観たい感満載でした。今回は高齢者パワーと若手パワーの交錯するパワフルな舞台で、若手劇団メンバーは勿論、高齢ゲスト陣も大活躍します。その意味では役者って凄い職業ですよね。引退なんか無いんですね!そもそも金さん自身が超溌剌で年齢不詳です。
◆私的には新宿梁山泊は2年前の夏に同窓会の帰り道で偶然通った花園神社で発見しました。しかも演目は「ジャガーの眼」だったのでビックリして翌週にキャンセル待ちで観劇して以来のお付き合いです。しかしながら、この劇団の劇団員の皆さまは、この2年間で物凄くパワーアップしてきているように感じます。作品的にはお約束の難解ストーリーで、この作品の前に観た「キャプテンハーロック~次元航海~」に続いての難解作品観劇月間になってます。でもどちらも作者の思いが詰まっていて、演技と歌と大芝居のある王道演劇で大好きです。アングラ演劇はエンタテイメントってどこかに書かれてたように思うけど、アングラでも、そうでなくても舞台ってエンタテイメントなんだと思います。更に、この舞台が始まる前には「アングラなんで自分の身は自分で守ってください」という楽しいPRのもと、桟敷前列にはビニールシートとカッパが配られるのもお約束通りでした。金曜夜の篠突く雨より濡れたなあ…

キャプテンハーロック~次元航海~

キャプテンハーロック~次元航海~

ビッグファイタープロジェクト

新宿村LIVE(東京都)

2016/06/08 (水) ~ 2016/06/12 (日)公演終了

満足度★★★★★

いつの間に?
キャプテンハーロック観て参りました。コリッチにハーロックのページ、出来てたんですね?公演中は気付かなかったので、遅ればせながら感想を書かせて頂きます。

◆◆初日には、まさかの原作者松本零士さんの挨拶があり『ハーロックの骸骨の旗は骨になっても戦う』ことの表現であるという解説から始まったこの舞台は、アクションあり歌ありダンスありプロジェクション動画もありで、素晴らしい衣装に身を包んで役に成りきって演じる役者さんたちの芝居を存分に楽しめました。原作のある作品を、ここまでやった舞台は観たことありません。◆幕開きはミーメの語りと歌から始まります。『柴小聖』さんは、この妖精をとっても良い雰囲気で演じました。なんといっても雰囲気そのものがピッタリ合ってます。琴を弾きながらの歌声も自然でノンビブラートな美声。芝居冒頭で全体の印象を引っ張る大事な場面を魅力的に演じてました。歌は女王ラフレシアも歌うのですが、これを演じる『扇けい』さんの声は中低音に特化した発声のビブラートも使う独特の様式感のあるものでミーメの歌とは対照性。扇さんは舞台での女王の威厳を歌と演技とで見事に表現していました。舞台終焉後の出演者挨拶で御本人が『私は役の性で怖い人だと思われてみたいだホントは違います‼』って言って笑いを誘ってましたが、逆に舞台での演技が女王そのものだったという事だと思います。◆扇さんと並んでハーロック役の『林野健志』さんも貫禄十分で、出てくるだけで絵になってたのは流石です。ハーロックの衣装、かなり重そうに見えましたがアクションシーンも見ごたえある動きでした。マントを翻した時に起こった旋風は客席まで届きました!後程、林野さんが物販を担当されたときに間近で見ると舞台で見る以上にホント背高いですねえ..◆ダイバーゼロ『ヒロム』はサイボーグ感よく出てました。ああいう特殊な役を体のちょっとした動き方で表す方法ってよく考えられてる演技なんだなあと思いました。でも今回の男性陣の一部は顔の露出面積が少ないのと全体暗めの演出でホントの顔が判んないというのも感じましたが‥◆マゾーン役者さん達ですが、四天王が王女ラフレシアの御前に控えるシーンは四天王役の皆さんの伸長がきれいに揃っていて、ラフレシアが中央で大きく見え舞台の絵として最高でした。マゾーン役の役者さんは戦闘シーンでは演技に加えてダンスもアクションも要求され、しかも素晴らしい出来栄え。ダンスも入るアクションシーンは、この舞台の華でございました。それはアルカディア号乗組員も同じで、あまり人間の役がない(人間女性2名?)この物語でドハデ衣装で目立つ有起蛍『山本夢』戦闘隊長以下のマゾーンとの戦い振りには圧倒されました!ヌレーム『西条瑠美』は早期に灰と化す役でしたがマゾーン服姿はスタイル抜群で、後程ちょっぴり復活してたのも嬉しくありました。また、クレオ『羽渚さやか』の「女王の午前である、控えよ」は、もう水戸黄門なみの名セリフで今でも耳に残ってます。「うなぎ」さんって名前も強烈!◆地球マゾーンの波野静香は動的な表現の多いこの芝居で唯一複雑な心情を持つ設定の難役ですが、これを『伊藤えみ』が好演。自分の生い立ちを打明けた後、ハーロックと会う場面で流した涙の真意は何なのか?…ここはこの芝居中もっとも複雑な心境を演じるシーンなのですが、単に悲しい運命を呪うだけではない静香の心を抑まえた表情と涙とで見事に演じていました。その後、まなじりを決して艦橋で前方を見つめる強い眼差しや操舵輪を操る姿は、その後のストーリー展開を考えるととても深い意味があるものでした。この場面は眼に焼き付いてます!
◆◆この作品、原作を知らない私には、かなり難解なストーリーで、回を重ねる毎に理解は深まったものの、千秋楽が終わってから教えて貰って理解できた事もいくつかありました。ワグナーのニーベルングの指輪では、さえない鍛冶屋のおじさん役のミーメが妖精役になっていたり、波野静香という戦中派感満載語感のネーミングがあったりで、最初は少々違和感もあったのですが、舞台をストーリーを追うものとしてでは無く、役者の演技を観て楽しむ私にとっては、この舞台、最高のものでした。最終日に多数設置されていたムービーカメラで捉えた映像は是非公開してください!

改訂の巻「秘密の花園」

改訂の巻「秘密の花園」

劇団唐組

花園神社(東京都)

2016/05/07 (土) ~ 2016/05/15 (日)公演終了

満足度★★★★★

鬼子母神でも観てまいりました!
◆本来なら鬼子母神公園の方のページに書くべきなんでしょうけど、前に書いたものとの繋がりもありますので、こ敢えて、こに書きます。
◆前回は花園神社で観ましたが、今回は鬼子母神です。 雑司ヶ谷鬼子母神は住宅街の中にあって花園神社よりも静かで、極論すれば江戸の風情も残るところ(?)でございます。前に書いたときには、車の騒音もテント芝居の風情なんてことも書いたように覚えてますが、勿論、静かなほうがいい事は言うまでもありません。とは言え、鬼子母神は賑やかさというか華やかさが無くて芝居打つのには少々寂しい気がしたもの事実でございます。
◆今回は早めにチケット受け取って最前列の上手の端に鎮座。端っこでも最前列はいいですね!
◆お芝居は花園神社で観たときと同じ印象でしたが、場所のせいか終わった後は何か寂しいものがありました。勿論、役者さん達の精一杯の熱演は前と変わらずではありましたが、回数を重ねてチョッピリながらも慣れた感じが出ちゃってるようにも思います。こればかりはどうしようも無い事とも思うものの、若い役者さんにWキャストでチャンスをあげるみたいな事があってもいいのでは? その時は金額変えればいいんじゃないですか? 勿論、上手い安定的な演技は基本ではありますが、その一方で、挑戦する芸術であるテント演劇は新鮮さを無くしてはならないとも思います!

改訂の巻「秘密の花園」

改訂の巻「秘密の花園」

劇団唐組

花園神社(東京都)

2016/05/07 (土) ~ 2016/05/15 (日)公演終了

満足度★★★★★

花園神社公演
◆唐十郎作品は、日本的な情感を土台として成り立っているものの物語自体は現実的なものではなく、この作品も同様です。日常生活のなかに普通に存在する色んな物品が物語のキーになっているのも共通です。でも唐さんは、なんでこういうことを思いつくんでしょうね・・??? 登場人物・物品は、戦後昭和の街の怪しいひと達、霊界、水、火事、指輪、ローソクの灯ったケーキ・・
◆今回は辻さん、藤井さんを中心に物語が廻っていて、辻さんが怪演、藤井さんが二役(・・っていうのかどうか??)を熱演するという見ごたえタップリの舞台でした。舞台装置も怪しく不可思議な物語うまく展開できるものになっていました。藤井さんの美しさも今回効果的でした。ちょっと驚いたシーンもあったけど・・・
◆それにしても夏の初めの夜って、テント芝居に良く似合いますよね。外から聞こえてくる車の音なんかもテント独特の雰囲気でございます。美仁音さんにも3年連続、初夏の花園神社でお目にかかってますが随分オトナっぽくなりましたね~これからの御活躍期待してます!

The Card

The Card

Beginning

新木場1stリング(東京都)

2016/05/07 (土) ~ 2016/05/08 (日)公演終了

土曜ソワレ参上しました!
ジャーマン・スープレックス・ホールドお見事でした。相手にも優しく見栄えがする素晴らしい技です!お芝居とはいえ見事に決まってました。実は女子プロレス見たのは初めてですが、ここまでやるんですね~
お芝居としては全周囲客席なのでリング下での展開が見えにくい場面もありましたが、それよりも音響的にキツすぎてセリフが半分も聞き取れないので、最初の内はどういうストーリーなのか理解出来ませんでした。最後まで見れば、どんな話か辛うじて判りましたが、この点は次回はなんとか改善して下さい!芝居の性質上マイク使用は無理かとも思いますが、あの音響じゃ役者さんも辛いと思います。
和興さん「ちょいブス」発言相変わらず決まってました(?)ね〜。日里さん、新しいものに誘って頂いて有難う。楽しかったです。次の公演待ってます(^^)

「幕末!天命、投げ売りのクマさん」「ニコニコさんが泣いた日」

「幕末!天命、投げ売りのクマさん」「ニコニコさんが泣いた日」

演劇企画ハッピー圏外

TACCS1179(東京都)

2016/04/01 (金) ~ 2016/04/14 (木)公演終了

満足度★★★★★

ニコニコさんが泣いた日 大千秋楽
ヤエ役の西條さんのバカワニとバカライオンを迎える場面。これまでは天界の慈母のような微笑みの演技でしたが、今日は人間的な感情を表した演技で千秋楽を感じました。終わっちゃいましたね〜
新選組の近藤・土方コンビ(矢野さん・高橋さん)ニコニコさんでも強力でした!でも新選組ファンに夜道で刺されないように気を付けてください~
ジョンの安野さん、♪ティリリリ・・と座頭市楽しかったです。花子の原さん、宮崎県人として今後も大いに活躍してください。
ニコニコの千住さん、本物にしか見えませんでした!でも考えてみれば「泣いた」のは見てないなあ・・
ミツの伊藤さん、これからも出演作品の幅を広げて色んな演技を見せてください。待ってます。
演出の原田さん、久しぶりに演劇ならではの舞台を観せて頂いて感激しました!6月の新宿村LIVEへも参上いたします。よろしくお願いします。
最後に、この舞台に携わってこられた全ての方々、とても楽しいニ週間を有難うございました。

「幕末!天命、投げ売りのクマさん」「ニコニコさんが泣いた日」

「幕末!天命、投げ売りのクマさん」「ニコニコさんが泣いた日」

演劇企画ハッピー圏外

TACCS1179(東京都)

2016/04/01 (金) ~ 2016/04/14 (木)公演終了

満足度★★★★★

ニコニコさんが泣いた日 夜公演
今回は、動物さん達のことも書きたいので一応下のネタバレコーナーにいれときますが、ストーリーバレは無いつもりです。

ネタバレBOX

夜公演、観てまいりした。あと1回を残すのみです。
という事でもあり、既にツイッターでいろんな情報が出ている事でもあるので、ややネタバレ系かとも思いますが、作品に登場する登場人物ならね登場動物の事を書きたいと思います。
実はこの作品の登場動物は動物園の人間に限り会話が出来るというアッと驚く設定になっています(^^;; 実際に観劇するまでは、まさかそういう設定だとは思わず、この有名な話をどう演劇化するのか想像もつかなくて悲惨なだけのお話なのかな…イヤだなあ…って思ってました。
という訳で人間と動物が絡みながらドラマは進んで行くのでございます。
動物役者陣で、兎に角ハデで目立つのは◯◯ライオン役の矢野さん。この◯◯という言葉はライオン最後のシーンで大きな感情的効果を発揮する事になるのですが、矢野さんは実に味わい深くこの役を演じてらっしゃいます。特にライオン最後の言葉は日本人の心に刺さります。一方もう一人(一匹?)の肉食獣メンバーのワニ役の上杉さんは、賢くてヘンに判っているオトボケワニさんを控え目に且つ確実に演じていてお芝居の枠組を支えている感じです。聴きやすい発声なことも手伝って淡々としたオトボケ姿はストーリー進行に効果的だと思いました。最後に、このお話の主役でもある像さんチームですがチーム編成3頭です。リーダー格のトンキーを演じる高橋さんはケレン味なんかの全く無い確実で安定した演技で像ドラマを引っ張っていて、現実世界でもリーダー的な役のかたなのかなあと思いました(私の勝手な想像ですが)。ジョン役の安野さんは、綺麗な歌声と芝居っ気タップリの演技で楽しませて貰っています。基本をしっかり押さえながらも、特定の数字にコダワるシーンやバットの応用演技場面はとても楽しく見せてくれます。何回か引っ張って頂いてその点でもお世話になってます~。歌声と芝居声との切り替えって、どうやるんですか?高い声になる時に自然に切り替るんでしょうか?お見事です!そして花子を演じるのが原さん。この話、実話的には像の花子の話として流布されているので実は原さんが影の主演者?ベテラン組と混ざってもシッカリやっていて好演です。彼女の、滑舌というよりも滑口って書いた方が良いような、早いセリフ廻しでも良く聞き取れて崩れないおしゃべり術は持って生まれた才能でしょう。今後も様々な役での御活躍を!
最後に動物達を導いていくヤエ(人間役)の西條さんですが、その最後の場面での落ち着いた演技は安らぎ感が良く出ていたと思います。自分も、そういう時にはどなたかに手を引いて欲しいなあ...と思わせ演技でした。ミツヤエ姉妹で激しさと安らぎ感を上手く分担した配役なんですね。ダンスシーン決まってましたし!
以上勝手なこと書きましたが、木曜の最後の舞台も楽しみにしています。
「幕末!天命、投げ売りのクマさん」「ニコニコさんが泣いた日」

「幕末!天命、投げ売りのクマさん」「ニコニコさんが泣いた日」

演劇企画ハッピー圏外

TACCS1179(東京都)

2016/04/01 (金) ~ 2016/04/14 (木)公演終了

満足度★★★★★

ニコニコさんが泣いた日 昼公演
(例によって最初は某氏ツイッターのコピーですが御本人に了解は得ております。まあ御本人と私とは、後藤田さんと矢野さんとの関係と同じような…)

この作品、登場人物がそれぞれ自分の思いをぶち撒ける場面があり心を打ちますが、実はこの作品には登場動物ってのもあります。ネタバレ系かと思って書くの控えてたけど、そろそろいいかな〜

ツイッターコピーはここまでですが、動物園内の人間:動物の比率は1:1で動物さんにも人間同様の演技が求められているのが、このお芝居の特徴の一つでもございます! 像さん達や肉食獣さん達あっての展開になっていて、動物軍団には強力なメンバーが布陣しています。

…さて、ソワレが迫っていますので続きはまた。

「幕末!天命、投げ売りのクマさん」「ニコニコさんが泣いた日」

「幕末!天命、投げ売りのクマさん」「ニコニコさんが泣いた日」

演劇企画ハッピー圏外

TACCS1179(東京都)

2016/04/01 (金) ~ 2016/04/14 (木)公演終了

満足度★★★★★

ニコニコさんが泣いた日 夜公演
役者さんが思い切り演技できる作品は大好きです。
若手の役者さんから場数を踏んできた役者さんまで役者歴は様々なんだろうとは思いますが、この公演では登場人物&登場動物の全員(&全動物)が上手く配役されていて、役者さん達の個性がうまく発揮されていると強く感じます。
これ以上の配役は無いだろうと思うニコニコさんの千住さんなんかは、いったい次には何を演じるのかが心配になるくらいの適役ですし、同じく戦時中の学生をうまく演じる景山さんは痩せた顔立ちもあって演技は勿論、外見的にもうまく戦時中の学生に見えます。
また、好青年風の小林役の田口さんと、作中で唯一官憲側立場の塚田役の今井さんとは両極の立場の役まわりですが、それぞれの役の心情を客席に伝える十分な演技で好演です。
一方動物陣では後藤田さん演じる〇〇ワニは派手な場面こそないものの全場面を通じて作品のテーマの根本を支えています。
一方で派手な見せ場のある 千住さん(ニコニコ)は、今回かなり特殊な役であるにも関わらず最終シーンの説得力は見事です!
同じく派手な持ち場のある 伊藤えみ(ミツ)の演技は「泣き演技」と言われていますが、勿論泣いている事そのものが素晴らしいのではなくて、そこに至るまでのミツの感情の揺れ動きを表情とセリフの言い回し(&音色)で的確に表現して客席の心を捉えている事こそが見事です。まるでミツが取憑いたような彼女独特の演技は凄いと思います。

作品自体の後半は重い場面が続きますが、エピローグの全員で演じるシーンは観る者の救いになっています。この宗教的ともいえるシーンを最後に配したのは脚本作家の名演技と言えると思います。

本日の夜公演は前半は、セリフのテンポがとても良くて大変楽しめました。
あと3回なんですね・・

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