めっこの観てきた!クチコミ一覧

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花のゆりかご、星の雨

花のゆりかご、星の雨

時間堂

ギャラリーLE DECO(東京都)

2009/06/02 (火) ~ 2009/06/14 (日)公演終了

満足度★★★★★

ストレート過ぎるくらいの想いにほろり。
本当に素敵な空間。芝居を観に行ってこんなにもてなされてる感を味わえることはそうそうない。(椅子のすわり心地は悪いけど。)心からくつろぎたいと思いながらの開演。本当に素直にゆったりと空間に浸り、びっくりするくらい切なくもまっすぐなお話に心洗われました。

外部での演出も多い黒澤さんなので、どのあたりで差別化していくのかも興味があったけど、劇団としての再出発にあたってのあり方、作風、見せ方、しっかり考え抜かれてこうした、という感じの信念を感じ、これなら追いかけて行こうと思いました。さらけ出してこうなんだよ、って言われて、こっちも開かなくちゃいけないようなどきどきと、そうしても大丈夫と思える安心感、両方を感じることができました。

時間堂カフェがあるとは知らずに行ったのはちょっと失敗だったな。その気で行ったらもっと楽しめたのに。ビールやジュースだけじゃなく、お薦めワインや自家製梅酒、コーヒー紅茶まで揃っているのは素晴らしい。何度も観て毎度入り浸りたい雰囲気でした。

ネタバレBOX

私が母娘ものに弱いっていうのもありますが、後半の娘が母・祖母の人生を振り返るシーンには大河ドラマのようなロマンを感じました。前半とのバランスをどうとったのか、気になるところ。結構しっかり雰囲気を変えるので。私は前半が若干長く思えましたが。

少人数の劇団員でまわしていたこともあり、現代の役と回想シーンの一人数役。そこも含めて俳優さんの魅力が形を変えて伝わりました。私は女優さんは回想シーンが、男優さんは現在のシーンがおもしろかったです。

いろいろな道具を使った生音もよかった。ギャラリーならではの姿の消し方と音の使い方が。

脚本としてはいろいろなところでの再演がみられたらおもしろそう。
プリンで乾杯

プリンで乾杯

劇団競泳水着

王子小劇場(東京都)

2008/12/10 (水) ~ 2008/12/16 (火)公演終了

満足度★★★★★

王道のすばらしさ
さすがこの道を極めています、この劇団。大きく笑ったり心を動かされたりっていうわけじゃないけど、細かい部分での巧みさにうなります。若くて素敵なキャストとこういう丁寧な作品が作れるって言うのは今後が楽しみです。ぜひ同じ路線で攻めて行ってほしいです。

ネタバレBOX

舞台をいくつかの場面に分けて同時進行で進めて行くうまさもこの劇団の特徴なんでしょう。転換というほど大げさではなく、テンポよく場面が変わって、時間や場所が行ったりきたりするのはすごくわくわく心惹かれます。

やっぱりバーの場面のコメディ仕立てがうまい。ドラマでもこういう脇役、こういうシーンあるよね、っていう邪魔にならない適度な笑いを作って。さらにキーとなる主役の恋愛にも絡むような会話も交わされたり。

他の劇場で公演してもぜひアフターでのバーは続けてほしいです。
成れの果て

成れの果て

elePHANTMoon

サンモールスタジオ(東京都)

2009/05/21 (木) ~ 2009/05/26 (火)公演終了

満足度★★★★★

おかえりなさい。
待ち焦がれて初日に行っちゃいました。よかった、幕が開いて。で、結果大満足です。elePHANTMoon節は健在です。

ある意味引くかもしれない物語にかなり細かい演出、それにぴったりよりそう俳優の力、バランスよくて一瞬たりとも気が抜けません。

ネタバレBOX

あらすじは説明のとおり。そのままなのにこんなにわくわくする。

テーマとしては強姦した・されたそれぞれのその後、なのでそれほど目新しいわけではない。だけど一瞬一瞬の空気の張り詰め方がハンパなく。説明しすぎない脚本・演出っていうのはいいですね。どうも近頃わかりやすくみえやすいお話が多いから。想像させるけどミスリードがなく、腑に落ちるけどドキドキする結末までもっていく。

どの俳優さんもきちんと役割をこなし、みせてくれます。見せ場での一瞬の目の動きや表情、身体、仕草、すべてがすばらしいんです。

なによりelePHANTMoonらしさが見えたのはラストシーン。強姦された妹をずっと見守るだけだったお姉さんがこのままなはずはない、と思っていたら裏切らずにきっちりオトシマエつけてくれました。本当に握った拳が痛くなる。
喧嘩農家

喧嘩農家

劇団HOBO

新宿シアタートップス(東京都)

2008/10/28 (火) ~ 2008/11/02 (日)公演終了

満足度★★★★★

この写真はそういういことだったのね。
旗揚げ公演ということでどんな方向性かとすごくわくわくしました。ただ力のある俳優さんたちが集まって楽しいことしようってだけじゃない、ちゃんと演劇と向き合う姿勢がすごくよかったです。終始温かい気持ちで舞台を楽しめました。これは観ておくべき。

ネタバレBOX

難をいえば、どこからみても俳優さんたちの表情に死角がありそうだったこと。これだけ芸達者な方々だから、しゃべってようが黙ってようが眉の動き一つを見のがしたくなかったのに。狭い舞台上で掘りごたつを囲む形が多かったから。

東京裁判

東京裁判

パラドックス定数

pit北/区域(東京都)

2009/11/13 (金) ~ 2009/11/23 (月)公演終了

満足度★★★★★

やはりやはりやはり
この作品はすばらしい。裁判の仕組みも軍事裁判の意味もまるでわからなくても、そこに存在する男どもの生き様だけで十分。息が苦しくなるくらいの濃密さを体感できる。

初演も観ていて、膨れてはじけるくらいに期待が大きかったのにそれを全く外すことなくすべてを超えて存在してくれたのがうれしくてうれしくて。

ネタバレBOX

普通席から観ました。

ずいぶん書き変えたらしいですがそれに気づかない自分はどうなのかと。。。

変わったと言われれば確かに弁護団全体の雰囲気は軟らかくなっている気はします。もっと中で揉めながらやっていたような気も。でもちゃんとそれまでの生き方や出自も含めて人間がしっかり描かれているので、ディテールが変わっても作品としてのすばらしさは変わらない。

おそらく原爆に関する部分とかは新たに加えたんじゃないかと思うんですが、それ関連の弁論で涙涙でした。

観劇環境としてはものすごくよくないけど、自分も何回でも観たいし、多くの人に味わってもらいたい作品だと思います。今後も再演をしてほしいし大きい劇場でも通用するだろうけど、ぜひpit北で、ってのを続けて欲しい。ここくらいの息遣い、距離感がぴったりだから。
レドモン

レドモン

カムヰヤッセン

王子小劇場(東京都)

2009/01/16 (金) ~ 2009/01/19 (月)公演終了

満足度★★★★★

演劇としての魅力たっぷり
奇抜なチラシの文章に惑わされたけど、これもきっちり本筋とつながる流れ。本筋はSF風でありながら人間に焦点をあてたしっかりした物語。これはおもしろい。客席は若く、後方でしゃべり続けてる人がいたり、器材トラブルで開演ガン押ししたりしてても。初日でこのレベルはすごい。

ネタバレBOX

なんといっても舞台の使い方がいい。壁に棚をしつらえただけの素舞台に近い形に、傘の骨を使って宇宙を表した上部、白線を一本引くことで住む世界の違いを表した足元、照明で表した室内やテレビ画面。このセンスは段違い。

そこにしっかりした脚本、ひっぱる形で板倉チヒロさんを配したことでアドリブ的な笑いから軸となる感情の動きもきっちりみえてきます。

舞台は長方形の2面囲み。私的にお勧めは入って左奥側、長方形の長辺サイドのやや奥。手前の短辺側も観にくくはないですが距離を感じるかな、と。
四畳半オアシスロケット

四畳半オアシスロケット

鉄割アルバトロスケット

SuperDeluxe(東京都)

2009/12/26 (土) ~ 2009/12/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

超楽しかった~
まったく時間を忘れてへらへらと笑い続けました。シュールにぶっとんで、違う世界で骨抜き。ゲストのcontact Gonzoもおもしろくてめっけもん。

「孤天」第一回 : 『例えば、皮膚』

「孤天」第一回 : 『例えば、皮膚』

コマツ企画

RAFT(東京都)

2009/06/11 (木) ~ 2009/06/14 (日)公演終了

満足度★★★★★

傑作だったかと思います。
二度にわたって書くのもなんか気が引けますが、恐ろしくよかったので。構成、わかっていてもぞくぞくする。自分にしかできない作品を自分で書いて、すべて自分でっていうのはかなりの冒険でしょうが、これは成功。究極の自己表現。

ネタバレBOX

絡み合って絡み付いて気持ち悪いまでに追い込まれていく後半のテンポが最高で、怖くて怖くて。

くだらないキャラばかりでさんざん笑わせられたのに、そのキャラがすーっと一つになっていく謎解きみたいな気持ちよさ。その人物たちが一つになっていく流れにはしっかりとしたメッセージを感じます。

終わってしまったのが残念でなりません。いずれ、その時の気持ちに沿った形で再演してほしい。
汝、隣人に声をかけよ

汝、隣人に声をかけよ

コマツ企画

王子小劇場(東京都)

2009/02/06 (金) ~ 2009/02/15 (日)公演終了

満足度★★★★★

まずは普通Ver.
すごーく感想の書きにくい作品でした。感じることはとてもたくさんあり、考えたりすることもたくさんあるんだけど、感覚が言葉にできない。静かでシンプルで、いろいろなモノがそぎ落とされてるからシャープに心が震えます。身体が素直に反応しました。

ネタバレBOX

俳優さんたちが暴れないのは、とってもむずがゆくなるんですけどね。多少なりとも壊れた状態を外に出すのはこまつさんだけ。あとはすべて内へ内へ。言葉だけじゃないコミュニケーション、っていうのが作品の中でもいわれていましたが、舞台と客席の間にもそれが成立していたように思いました。
雨と猫といくつかの嘘

雨と猫といくつかの嘘

青☆組

アトリエ春風舎(東京都)

2008/12/17 (水) ~ 2008/12/23 (火)公演終了

満足度★★★★★

忙しい年末にじっくりと。
ほっこり温かく、つややかなお芝居。良質、と言う言葉はこういう作品のためにあるんだろうと思っちゃう。あっさりとしながらもずっしり響く。

ネタバレBOX

還暦を迎えた男の誕生日。雨の季節の誕生日。いくつになっても誕生日って無条件に自分も周りも幸せにしてくれる魔法の日なんだな。

子供のころの誕生日、親の顔が暗くても望みどおりのプレゼントじゃなくても幸せ。娘が生まれ、息子の命も宿っていて家族が揃ってるだけで幸せ。

そして還暦。一人ぼっちで迎えてもやっぱり気にかけてくれてる家族はいるんだなって。ぎこちなくてもその思いだけで幸せ。

雨の日にもう一回観たいな。
「班女」「道成寺」

「班女」「道成寺」

三条会

三条会アトリエ(千葉県)

2008/10/25 (土) ~ 2008/10/31 (金)公演終了

満足度★★★★★

毎回ですけど。
そんな発想もあったのか、と感心させられます。演出ってすごいな、と。元を知ってればものすごくおもしろい、けど、知らなかったらどの程度楽しめるものなのかっていうのはちょっと気になるところですが。どうしても楽しみ方としてはこの作品をこういうふうにできるんだ、っていう驚きが大きくなっちゃいます。

ネタバレBOX

当日パンフにもあるとおり、2作品を織り交ぜて話が進みます。配役を見てダブっているのが立崎真紀子さんだけってわかってても、後半への展開は予想もつきません。

大川さんと榊原さんの力比べが最高におもしろい。
LOVE2009 Fujimi preview 

LOVE2009 Fujimi preview 

東京デスロック

富士見市民文化会館キラリ☆ふじみ(埼玉県)

2009/06/10 (水) ~ 2009/06/10 (水)公演終了

満足度★★★★★

条件反射なのかしら。
このところデスロックを観ると、涙腺の緩み具合と笑いの噴出ぐあいが我ながらおかしくなる。ふとした瞬間に笑っちゃうし泣いちゃう。自分でもわからない部分でくすぐられる気持ち悪さがあります。今回も、LOVE自体初体験でしたけど、幸せなひとときになりました。愛を感じては泣き、感じられなくて泣く。どの部分をとってもデスロックの基本路線であり、集大成でした。

ネタバレBOX

人間としての根本的なコミュニケーション。それが演劇になってしまうっていうのが脅威です。出てくる人たちは、普通に目を見合わせ、そこでの意思疎通を喜んで笑い、意思疎通ができないことで怒る。戯曲はなくそれだけなのに、不思議に引き込まれてしまいます。

踊り暴れる俳優さんたちの影が壁に映し出されるのが、すっごくおもしろい。コミュニケーションはリアルなのに、影ばっかりわいわい楽しげなのが夢みたいで。

アフタートークで多田さんが言ってましたが、周りの人の反応も楽しみたい。隣の人がなんで笑って、なんで泣いて、なんでいびきをかいてるのか。どの人も反応を起こす場所が違うって言うのがあるから劇場に行く意味があるってとこですよね。このプレビューでもいびきをかいてる人がいて、それにおいおいおい、って突っ込んでる人がいたり、暴れるシーンで地団太踏んで声上げてる人がいたりしたけど、それすらもおもしろくなっちゃいました。
孤天 第二回「ボクダンス」

孤天 第二回「ボクダンス」

コマツ企画

APOCシアター(東京都)

2009/12/03 (木) ~ 2009/12/07 (月)公演終了

満足度★★★★★

必見
ニンゲンが表現したい欲求ってこういうことなんだな、ってなんだか妙に納得させられた。自分は何も改めて表現したいなんて思うことはないけど、普段ぐちぐちつぶやいているようなことや、ぐわぁって思っても発散するタイミングをもたずにいるようなことを形として表すとこういうことなのかなって。些細なことであればあるほど、それだけわっと迫った時の爆発は大きい。

ネタバレBOX

一度観た味わいと二度目に観た迫力が全然違いました。何回も観ることに耐える強度のある作品だと思いました。っていうかこっちの心構え次第でどんな捉え方もできる自由度の高い作品。

キャラ勝負で笑うこともできれば、ストーリー的なものを追う事もできる。ダンスを楽しむこともできるし、ダンス評論を考えることも出来る。家族に思いを馳せることも出来るし、学生時代の先生を思い出すこともできる。

それらをつなげて意図を読み取ることもできるし、場面場面の面白みで観終わることもできちゃう。

たいそうな事をやってるのに脱力してクダラナイ感じがたまらない。

一月三日、木村家の人々

一月三日、木村家の人々

青年団リンク 二騎の会

こまばアゴラ劇場(東京都)

2009/05/23 (土) ~ 2009/06/02 (火)公演終了

満足度★★★★★

沈黙がどうしてこんなにおもしろいのか。
2回観ました。初回は脚本的・ストーリー的な部分を追ったからそれほどのインパクトを受けませんでした。けど、多田さんの演出だけに後半確認せば、ともう一度。ハンパなくおもしろくなっていたのにびっくりしました。

ネタバレBOX

ストーリーを追えば、普通に家庭での介護の話。女としては実際の介護を担う長女の気持ち重視で兄や次女の身勝手さを納得できない、笑えない、っていうのが初回観た時のもやもやでした。脚本はコメディとして書かれたとのことでしたけど、そのあたりもすっきり笑える感じではなく。

が。やっぱりだいぶ変化ありました。笑えるところは十分笑えるようになってるし、そこから涙がにじむし。

兄の演技にいい抑揚がついていて、そこが笑いにつながっていったように思います。重苦しく暗い感じだったのが、怒鳴りつけてくれて。そこでいい軽さが生まれてました。

どうにもわくわくするのが静かな場面です。黙ってるだけのところが醍醐味です。目配せや様子伺い、逃げ、その辺りは客側の勝手な想像なのかもしれないけど、そういう言葉のない会話から目を離せませんでした。ものすごいハラハラするし、心配になるし、笑えるし。多田演出には言葉はなくてもいいのかもしれない。

今回は脚本のよさでも楽しめるし、演出の味わいでも楽しめるし、やっぱり何度観に対しても耐える強度がある作品でした。
ジンジャーに乗って

ジンジャーに乗って

快快

王子小劇場(東京都)

2008/05/15 (木) ~ 2008/05/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

セグウェイ乗るべし、乗るべし!
一回観たら乗りたくなりませんか?そのためにしゃかりきになって早く行ってみました。楽しい楽しい。一人で行っても夢中で楽しめます。行くべし。

ネタバレBOX

一回観た後でも、確実に二回目も楽しいです。ネタ増えてます。セグウェイももっと広い場所で乗りたくなります。意外に空いているので、劇団の方ともお話ができます。そしてセグウェイを乗りこなす天野くんがよりかっこよく見えてきます。

すみません、演劇的な感想じゃないですね。。。
今日もいい天気

今日もいい天気

渡辺源四郎商店

こまばアゴラ劇場(東京都)

2009/11/05 (木) ~ 2009/11/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

とってもとっても幸せになれる時間。
どうしてこんなにも温かい気持ちになれるんだろう。そこに人がいて、世界が出来上がって、っていう本当に普通のことを、普通にそこに置いておいてくれている。俳優さんたちは演じているというより、そこに生きている。

立ち姿を思い出すだけでひどく泣けてくる作品ってなかなか出会えないと思います。

ネタバレBOX

一家の太陽、サザエさん的存在を失った男ばかりの4人家族のちょっと不思議な一日。シンプルな物語だけでも味わい十分。

男4人の侘しい雰囲気から、謎の女が入った華やぎがいとおしくなります。

食べるシーン、リアルにカツオ節やカレーの匂いを客席へ。この辺りも五感をくすぐられ幸せ。
図書館的人生vol.2 盾と矛

図書館的人生vol.2 盾と矛

イキウメ

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2008/10/24 (金) ~ 2008/11/03 (月)公演終了

満足度★★★★★

思いっきりのイキウメワールド
いやあ、堪能しました。オムニバスなのにこんなにおもしろいとは。ぞっとするけど根っこは人間らしいぬくもりがあるから救われる。けど絶対にぬるくはならない、いやーな感触が最高。

ネタバレBOX

4作品の並べ方も絶妙。うっすらとしたつながりもオムニバス形式の楽しみでもありますからね。

3話目の途中で切られたのはちょっとテレビの続きはCMのあとで、みたいな肩透かし感があったから、4話がおまけ的になっちゃった気はします。エンディングのもっていき方からするとそうせざるを得ないのかな。

て

ハイバイ

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2009/09/25 (金) ~ 2009/10/12 (月)公演終了

満足度★★★★★

増席ですって。
どこのどの場面を切り取ってもハイバイはハイバイで、笑って泣ける。家族って普遍的に通用するもので、一見特殊な他人の家族なのに、登場人物の誰かは自分で、どこかに強烈に共感してしまう。不思議です。作品自体は吸引するよりも突き放してくる印象なのに。

来週末しか観られない方は今がチャンスのようで。また予約をうけつけてるみたいですね。

ネタバレBOX

初演を観ているせいか、家族が全員集合する場面でもう涙があふれてきます。普通に集まったってだけなのに。呆けた祖母、はしゃぐ父、黙って見つめる母、全く無視する長男、おろおろする次男、カラオケを強いる長女、いやがる次女、傍観する人たち。どの人間を見ていてもおもしろく哀しい。誰にスポットをあてるのかは観る人しだいってとこが演劇としての醍醐味。だからおそらく何回観ても見どころ満載なんでしょう。


初演同様対面に客席ですが観難い席はまったくなさそう。どこに座ってもちゃんと看取れる気がします。

キドクラッチ

キドクラッチ

MCR

中野スタジオあくとれ(東京都)

2009/07/08 (水) ~ 2009/07/12 (日)公演終了

満足度★★★★★

すっばらしい座組みでかわいいお話。
めっちゃお気楽に観に行きましたけど、こりゃすごいですわ。あたたかくてやさしくて暴力的でぶっとんでて。どの切り口をとってみてもいい。

あまりに好みの俳優さんだらけだったのでつい2回観に行きました。笑えればそれで満足、的な甘甘な目線でした。けど、そんな期待を大きく外して、笑わせながら物語として包み込んでくれるっていう、主宰櫻井氏のすごさを思い知らされる作品でした。

一言一句逃さずに楽しみたい。そしてそこに込められた想いを感じたい。

ネタバレBOX

七夕らしい恋のお話です。

結末に向かうヒントが前半からぱらぱらと散らされてます。一度観てげらげら笑った挙句はっとして、二回目結末わかった上で観たらどこもかしこも切なくなっちゃって。笑いたいし泣きたいし、ぐるぐるといろいろな体験をした気分です。

有川マコトさんの笑顔があんなにかわいらしく見えてしまうのはマジックでしょう。有川さんとあずきさんのカップルはシリーズ化して欲しいくらいにキュートでノスタルジック。

今回は男性がとってもいたいけで抱きしめたくなるほどピュア。ごっつい強面ばっかりなのにね。大切な人を思う気持ちって、人をこんなにかわいらしくしちゃうんですね。

櫻井さん自身がこんなにストレートにいい人キャラを演じてるのが不思議です。いつも露悪的に見える役ばかりなのに。それもまたよし。
邪沈(ヨコチン)

邪沈(ヨコチン)

乞局

笹塚ファクトリー(東京都)

2008/11/06 (木) ~ 2008/11/10 (月)公演終了

満足度★★★★★

ひさびさに堪能
一年半前の媚励以来の衝撃でした。ねっちりとした雰囲気。ストーリー自体の気持ちの悪さとも相まって、満足いく乞局ワールドでした。

ネタバレBOX

地方に残る遺体の埋葬の風習の気持ち悪さを掲げながらもそれにジャストな焦点を当てるのではなく、背景に据えるだけ。夫婦や男女の関係のあり方にスポットが当たって、隠さない本性をギリギリな線で見せてくれるのがいい。だから遺体処理の気持ち悪い場面もいいエッセンス。

むき出しの感情の表現にわかりやすく暴力や絶叫を利用するのも、やり方によってはみっともないだけだけど、乞局流だとえげつなさは消え、ストレートさの印象が残ります。机やドラム缶を力いっぱい拳で叩き、その痛さに顔をしかめる様子が生々しくて好き。

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