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風琴工房
ザ・スズナリ(東京都)
2008/05/09 (金) ~ 2008/05/18 (日)公演終了
満足度★★★★★
胸に沁みたり突き刺さったりする台詞
水俣病をテーマにしているということで「重いのでは?」という予感があったが、抱いていた懸念としてはハズれ(なんと笑える部分も少なからずある)、込められたメッセージや得た感動が「重い」…いや、「重量級」と言った方が的確か。沢山の台詞が胸に沁み、いくつかの台詞は胸に突き刺さる。
なお、16日にB列5番で再見。
若手演出家コンクー2012 最終審査
一般社団法人 日本演出者協会
「劇」小劇場(東京都)
2013/03/05 (火) ~ 2013/03/10 (日)公演終了
満足度★★★★★
劇団チョコレートケーキ「親愛なる我が総統」
ナチスを悪、ユダヤ人を被害者とするステロタイプでなく「それぞれを追い込んでそうさせたもの」は何であったか、さらには「人(あるいは人道)」とは何かまで考えさせるストレートプレイ。
配役も的確でズシリとした観応え。
真夜中のフォークロア
UNITレンカノ
ウエストエンドスタジオ(東京都)
2007/10/05 (金) ~ 2007/10/08 (月)公演終了
満足度★★★★★
総じてオッケー
意外にもシェイクスピアの『真夏の夜の夢』を下敷きにしたコメディ。芝居のウソ」にしてもちょっとキビしい部分が1つ2つあるものの、総じてオッケー。本編も非常に楽しいが、エピローグがまた「画竜点睛を打つ」感じで見事。さらに帰宅後に原典について調べたら、登場人物の名前にも引用があり、そこにも感心
5/5 (gobun no go)
シネマ系スパイスコメディAchiTION!
中野スタジオあくとれ(東京都)
2007/02/24 (土) ~ 2007/02/25 (日)公演終了
満足度★★★★★
構造が秀逸
単なる5編オムニバスではなく、それらをつなぐエピソードがあり、5編目がそのエピソードにつながるという構造が巧い。また、笑いあり、ハートウォーミングありという各話の構成も良い
竹蔵さんのおくりもの【多くのお客様にご観劇頂きました。ご来場誠にありがとうございました!】
劇団ぺブル(ペブル・グラベル)
ワーサルシアター(東京都)
2013/03/28 (木) ~ 2013/04/01 (月)公演終了
満足度★★★★★
いわば「小劇場界の良心」?
基本に忠実、オーソドックスな人情系の物語、安定感があって安心して観ていられることに好感。
昔観ていた「落ち着きのあるオトナが書いた芝居」ってこんな感じだったよね、な懐かしさアリ。
主要人物はもちろん、1シーンだけの人物にいたるまで丁寧に描かれているのもイイ。脚本・演出・演技の三位一体と言えるであろう。
また、一番の泣かせどころであるクライマックスの後の暗転を長くする心遣いがニクいばかりでなく、最後に余韻にひたるための長い暗転があったり(チャイコフスキーの「悲愴」の終わり方を連想)場転の暗転時に先に台詞を聞かせるとか、暗転の使い方も巧い。
サクラソウ
SPIRAL MOON
ザムザ阿佐谷(東京都)
2006/12/06 (水) ~ 2006/12/10 (日)公演終了
満足度★★★★★
いつもながらお見事
登場人物それぞれの“かかえているもの”や互いに対する優しさがじんわりと心に沁みてくるのが心地良い。また、いつもながらこの小屋の独特な内装を活かした舞台美術もステキ
笑える部分が多かったのはちょっと意外かも?
カバディ
劇団Peek-a-Boo
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2007/03/28 (水) ~ 2007/04/01 (日)公演終了
満足度★★★★★
カバディの試合シーンが圧巻
終盤のカバディの試合シーンが圧巻。冒頭で基本的なルールの説明があるので初めて観てもわかるのはもちろん、レイダー(攻撃)・アンティ(防御)それぞれが様々な実戦テクニックを使っているところまでちゃんと見てとれるという…
なんでも正式の選手から手ほどきを受け、しかも劇団内のチームで大会にも参加したということなので、その本格ぶりは推して知るべし。
しかも、張り出しステージをうまく使って、コートを俯瞰しているように見せているのがナイスアイデア。
はなと5つの願い
劇団やったるDAY!
ウエストエンドスタジオ(東京都)
2007/03/28 (水) ~ 2007/04/01 (日)公演終了
満足度★★★★★
主人公と周囲の人々を丁寧に描いて
突然の弟の出現に戸惑いながらも次第に打ち解けてゆく主人公と、それを温かく見守る周囲の人々を丁寧に描いているのがジワジワ効いていて、クライマックスでは積もり積もった涙で堤防決壊、みたいな。
龍宮物語~Ryu-Kyu Story~
劇団BOOGIE★WOOGIE
麻布DIE PRATZE(ディ・プラッツ)(東京都)
2007/04/17 (火) ~ 2007/04/22 (日)公演終了
満足度★★★★★
劇団として大きく進歩
従来の作品(の大半)と同様のコメディ調で始まりながらも、やがて環境破壊問題なども取り込んで物語が大きくうねり出し、壮大なテーマにたどり着いて締めくくるという構成に「成長したなぁ」と感動。
ラストでは劇団としての大きな進歩・飛翔を感じ、その直前にあった「龍宮号」が飛び立つシーンに重なって見えてホロリ…。
0:44の終電車~ゼロヨンヨンのしゅうでんしゃ~
劇団6番シード
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2007/04/19 (木) ~ 2007/04/22 (日)公演終了
満足度★★★★★
2時間半がアッと言う間
ゆるやかに始まりながら次第に加速して、それと同時に徐々に真相が見えてくるというスタイルのクライム系サスペンスで、舞台劇としては非常に多い場の数と、そのスピーディーな転換を可能ならしめた装置が相俟ってテンポも良く、2時間半がアッと言う間。
スイーサイズ・ハイ
UNITレンカノ
阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)
2007/05/18 (金) ~ 2007/05/20 (日)公演終了
満足度★★★★★
コメディかと思いきや…
とあるビルの屋上で偶然にも自殺志願者が5人も鉢合わせしてしまう、というシチュエーションからすでにコミカルなのにもう1つ別な要素まで上乗せされてさらに笑える前半からやがてハートウォーミング系に転じ、しかしそのまま安易でありがちなハッピーエンドへは向かわずに、前半でちりばめた伏線をキッチリ活かしたミステリー風味のパートやハードでヘヴィーなクライマックスを経て泣けるエンディングへという、盛り沢山でゼイタクなツクリを通して謳う「自殺批判」と「幸福な最期のときの迎え方」。
若干粗削りな部分もあるし、前半をもう少し整理すれば申し分ないが、個人的には推します。お時間がありましたら是非!
軍鶏307
劇団桟敷童子
すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)
2007/05/20 (日) ~ 2007/05/27 (日)公演終了
満足度★★★★★
ほぼ完璧な重量級感動作
戦争が人々の心に遺した深い傷を生々しいまでにえぐり出してまざまざと見せつけるというハードな作品ながら、ほど良く笑える部分を絶妙のバランス・タイミングで配して緩和するというテクニックもあって、グイグイとひきつけられる。
花音-canon-
進戯団 夢命クラシックス
ウエストエンドスタジオ(東京都)
2007/06/21 (木) ~ 2007/06/24 (日)公演終了
満足度★★★★★
反戦をテーマにした秀作
部分部分は類型的だったり既視感があったりするが、それらを組み合わせることにより新しいモノを創り上げるという感じで、心の片隅にでもやさしさ(小さな命=花を愛でる心)がありさえすれば闘いもいつか終わらせることができるというテーマがイイ。
さらに、それぞれキチンと人物が描かれているキャラ設定が巧いし、高度なアクションやヴァイオリンの生演奏などをここ一番のところのみに使って安売りしないし、ギャグも節度があってしつこくないし、時として文語調の台詞を使って格調高く感じさせるのもイイ。
櫻の園
ネルケプランニング
青山円形劇場(東京都)
2007/06/24 (日) ~ 2007/07/01 (日)公演終了
満足度★★★★★
まさに珠玉の名作
映画(90年)で一目惚れ、原作を読み舞台版も初演・再演(ともに94年)と観ていた身にとってはまさに珠玉の名作。 原作からのもの、オリジナルのもの含めて名台詞・名場面の宝庫で、次の台詞が事前に思い出されたり、映画版での構図や演技が目に浮かんだりする自分の記憶力にも驚く。
大ニンゲン展
モノヅクリズム ソラトビヨリ。
荻窪メガバックスシアター(東京都)
2007/07/04 (水) ~ 2007/07/08 (日)公演終了
神様の夜〜プログラムD「さようなら」
KAKUTA
ギャラリーSite(東京都)
2007/07/07 (土) ~ 2007/07/15 (日)公演終了
うれしい悲鳴
アマヤドリ
吉祥寺シアター(東京都)
2012/03/03 (土) ~ 2012/03/11 (日)公演終了
満足度★★★★★
3日目ソワレ
プラスチックモデルで喩えれば、初日ソワレはまだバリやランナーとの繋がり部分が残っていたのにこの日は水ペーパーで仕上げたように滑らかで、しかしランタイムは5分ほど増の130分。(ダブルコール含む)
楽はやはりシアターガイド通り150分か?(笑)
RED LINE
劇団BOOGIE★WOOGIE
麻布DIE PRATZE(ディ・プラッツ)(東京都)
2007/08/08 (水) ~ 2007/08/13 (月)公演終了
満足度★★★★★
個人的にはほぼ絶賛
前半はコメディでありながらしかし背景に「戦争の不条理さ」や「分断された国家の悲劇」などが見え隠れして、じんわりとメッセージが伝わってくる…ってか読もうと思うとかなり深読みもできて、胸に迫るモノあり。
さらに終盤、ある展開があってシリアス系に転じそこで強調される家族の絆と、不条理な国境を越えるものがあるとすればそれは…というテーマがイイ。
しかも名台詞の固め撃ちまであって、良かったなぁ。
コメディ部分に若干楽屋落ち気味の部分があったりもするので、評価は分かれるかもしれないけれど(その意味では『BACK from BACK』の方がバランスは良いかも)、個人的にはほぼ絶賛。
ハートのレシピ♪
円盤ライダー
アイディアヒューマンサポートサービス東京渋谷駅前校(東京都)
2008/08/27 (水) ~ 2008/09/01 (月)公演終了
満足度★★★★★
観客準参加型
現実のセミナールームがそのまま劇中のセミナールームであるばかりでなく、観客も受講者役を演ずる(?)という観客準参加型。客電が落ちることもなくひたすら明るい中で芝居は進行し、出演者も大半が受講者役なので、観客のすぐトナリの席に座ったり、観客の間近で演技したりするのは画期的
上演する劇場をそのまま劇中の劇場として使い、観客も劇中の観客に見立てられる芝居はいくつかあった(双数姉妹の『オキュパイ』(03年、THEATER/TOPS)とか FUTURE THEATER MOVE の『劇場ジャック』(05年、アイピット目白)とか)が、それをさらに進化させたってところか?
カムイノミ
演劇ユニット東京スタイル
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2008/06/19 (木) ~ 2008/06/22 (日)公演終了
満足度★★★★★
アテルイ!
タイトルやフライヤーデザインからアイヌものと思いこんでいたらアテルイの物語で、そういえばチラシなどに「亜弖流為」の文字はあったワケで、それを読むことができていれば予習してきたのに…みたいな。
がしかし、6年前のInouekabuki-Shochiku-Mixの記憶が若干残っており、しかも非常にわかりやすい上にOPとEDのほか劇中にも生歌があるし、和太鼓の生演奏はあるし、イリュージョンも使うしという演出が良く、さらに殺陣担当がATTの根本太樹でATTメンバーも3名出演など、魅力たっぷりで休憩なし2時間40分という長尺も体感時間は2時間程度。
和太鼓やイリュージョンも使いすぎるとクドくなるところ、「もうちょっと使えばいいのに」と観客に思わせる程度にとどめる潔さもイイ。
また、テーマもσ(^-^) の弱点の1つ(笑)である「戦いの無益さ」で、「ヤマト軍も北の民だ」なんて台詞が印象に残る。