じべ。の観てきた!クチコミ一覧

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十二人の怒れる男

十二人の怒れる男

劇団東京乾電池

ザ・スズナリ(東京都)

2023/01/05 (木) ~ 2023/01/09 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2023/01/07 (土) 14:00

同一演目としては二桁回数観ており熟知しているだけに特に支障なく感じたが、言われてみれば確かに「深剃り」的に削り過ぎた部分があった感は免れ得ない。特にラストのあの印象的な台詞を削ったのは承服し難い。
その一方、いかにも「あの頃のアメリカ人」っぽさ(偏見含む)を感じさせた衣装と役者の立ち居振る舞いは見事。
あと、作品初見のお客さんが多かったのか期せずして笑いが起こる場面が時々あったのは興味深い。

すずめのなみだだん!

すずめのなみだだん!

やみ・あがりシアター

駅前劇場(東京都)

2023/01/06 (金) ~ 2023/01/08 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

多分に哲学的、というかやみ・あがりシアター流の信仰論/思想論/幸福論か。今までに何度か観た作品それぞれテーマや描き方が異なり笠浦さんの「引出しの多さ」に驚愕。
また、タイトルの(もう一つの)意味を明かすラストの詩的な台詞、「その映像が見えるよう」だったことも含めてステキ。まさに「画竜点睛を打つ」的な。

過負荷の蟲 他二編

過負荷の蟲 他二編

美貴ヲの劇

エビスSTARバー(東京都)

2022/12/01 (木) ~ 2022/12/04 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/11/02 (水) 14:00

スナック「生活」の常連客3人それぞれの奇妙な体験……という体の短編3編。
各編とも有名作品の換骨奪胎だがそれぞれにパターンが異なるのが巧みで「そう来たかぁ」的なツクリが愉しい。
ただ、全面的にこちらの非ながら「山月記」を予習して行かず今一つピンとこなかったのが残念……ってか「山月記」って折に触れてWikipediaで予習したりするものの、なかなか印象に残らないのは何故だろう?(爆)

蒲田行進曲【クロジカ】

蒲田行進曲【クロジカ】

演劇ユニット クロジカ

王子小劇場(東京都)

2022/12/07 (水) ~ 2022/12/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/12/09 (金) 14:00

【海田バージョン】
古屋敷銀ちゃんと海田銀ちゃんで「バックグラウンドの違い」を感じた。
古屋敷銀ちゃんは「叩き上げてスターの座を獲得したがその過程であれこれ失くした」感じ、海田銀ちゃんは「根が小心者なのに大物ぶっている」感じ。
そういう意味でダブルキャストの面白さを実感。
ところで演出・演者の意図はどうだったのかしら?(笑)

蒲田行進曲【クロジカ】

蒲田行進曲【クロジカ】

演劇ユニット クロジカ

王子小劇場(東京都)

2022/12/07 (水) ~ 2022/12/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/12/08 (木) 14:00

【古屋敷バージョン】
映画では観たものの原作舞台は未見だったので観終えてまず思ったのは「映画は原作にかなり忠実だったのか!」だったが、後に演出のフジタさんから「シーンの構成などは原則映画版準拠」と伺い「そういうことか!」と納得。
とはいえそれは全体像のハナシであり、この公演独自のものであろう箱馬などを上手く応用した「舞台表現」は巧みで面白く、そこに原作自身の魅力や映画版の懐かしさなども加わり大いに満足。

オイコラケンジ~何しれっと帰ってきてんだよ~(仮)

オイコラケンジ~何しれっと帰ってきてんだよ~(仮)

オイウチケンジ製作委員会

中板橋 新生館スタジオ(東京都)

2022/12/24 (土) ~ 2022/12/24 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/12/24 (土) 14:00

この企画の発端となった8年前の「オイウチケンジ」の中の1編を見せてから今回出演者の一人がそれ以降のいきさつを語り……というスタイルで始まる連作短編集。
そんな構成が巧みだし各編が名作映画オマージュやシュールなものなども含めて作家性がモロに出た色とりどりだしアッパレなプロデュース公演でありました。
喩えて言えば、みたらし・ごま・あんこなど味が異なる……と言うより選りすぐった銘店の代表的な団子を1本の串に刺したような?(笑)

老いた蛙は海を目指す

老いた蛙は海を目指す

劇団桟敷童子

すみだパークシアター倉(東京都)

2022/12/15 (木) ~ 2022/12/27 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/12/20 (火) 14:00

微かな光がないでもないが大半は観ているのがしんどいほどの悲劇。でありながら目を逸らせないどころか惹き込まれてしまうのはあの装置の中での演技合戦とも言うべき熱演の賜物か。
特に本作は強力客演陣と劇団員(レギュラー的な客演者含む)の「がっぷり四つ」感が強烈。観ていて「嗚呼、今、舞台演劇(と言うより桟敷童子)を観ているんだ」と何度思ったことか。また、ラストシーンの美しさ/ダイナミックさと言ったら!

G線上のアリア

G線上のアリア

PSYCHOSIS

新宿スターフィールド(東京都)

2022/12/16 (金) ~ 2022/12/20 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

月蝕歌劇団のオリジナル版を知らないので推測の域を出ないが、温故知新、スタンダードナンバーのロックアレンジのようなものではなかろうか? そして「解剖台の上のミシンと蝙蝠傘の偶然の邂逅」ならぬ舞台上のフランス革命と島村抱月・松井須磨子の邂逅はまさに高取戯曲の真骨頂。それまで差し挟まれていた島村・松井エピソードとフランス革命パートが融合する終盤のブッ跳び具合たるや!(笑)
あと、衣装も良かったなぁ。(坪内逍遥の表現は爆笑モノ!

ネタバレBOX

終盤で考えたのは「一連の内容は死に瀕した島村抱月の走馬燈的な幻想ではないか?」ということ。
そういう解釈も成り立つよね?
凪の果て

凪の果て

動物自殺倶楽部

雑遊(東京都)

2022/12/14 (水) ~ 2022/12/18 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/12/17 (土) 14:00

年初の旗揚げ公演「恋愛論」は「裏・鵺的どころか鵺的とは真逆」と感じたが、本作は鵺的の延長線上と言えるか? 離婚調停の当事者夫婦とそれぞれの代理人弁護士の会話をひとしきり見せてからの後半はその真相編と言おうか「実はこういうことでした」と明かす構成が面白い。
そして序盤では複数の人物の極端さに頬が弛むが観ているうちにそれが次第に実在感をもってくるというか、実際にいそうと思えてくる恐ろしさ。観客全員が固唾を飲んで観ている感もまた格別。濃厚な観劇体験でありました。

ネタバレBOX

長めの暗転を経て始まる後半は時を遡っての夫側弁護士と夫の不倫相手との面談に妻も加わり……という展開。夫が知らない事実や弁護士の思惑などを見せて前半部分の種明かしをするという。しかし弁護士のアレ、発覚したらヤバくないか?(笑)
気が澄むまでここにいる

気が澄むまでここにいる

チャミチャム

日の出町団地スタジオ(東京都)

2022/05/05 (木) ~ 2022/05/08 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

2泊3日の仙台・松島紀行(強ち誤りではない(笑))。
本作にしてもかるがも団地作品にしても藤田脚本とσ(^-^) の相性が良いのか、会話/台詞も話の流れもごく自然で無理がなくて心地よくもうそのまま受け入れてしまう。喩えて言えば「ヨギボー芝居」?(爆)
随時投影される写真と音響効果(と照明効果)がその場を具体化したり、本役以外は口調や方言などで明確に区別したりするのも妙案。いやホント、脚本・演出が巧みだわ。
なお、それを実体化して演じて見せた演者も、というのは言わずもがなにして絶品。

秒で飛びたつハミングバード

秒で飛びたつハミングバード

かるがも団地

OFF OFFシアター(東京都)

2022/12/15 (木) ~ 2022/12/18 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/12/16 (金) 14:00

二十代後半となり自分の生き方・あり方に迷いが生じた面々を中心とした群像劇。シリアスな主題ながらユーモアを交えた見せ方はかるがも団地の真骨頂か? また、意外と近かった人間関係も計算しつくしてのものという印象で巧いんだなぁ。
主要人物以外のモブを各演者が早替えで演ずるのも劇中の自虐的な台詞も含めて愉快。
なんだかんだでじーんとした。

ネタバレBOX

肉付けが全く異なるので気付くまで半日かかったが、群像劇の中心というか芯となる部分が劇団鋼鉄村松「超科学戦闘機スーパーホーク1号の着陸」と通ずるのではないか?
片や二十代後半を中心とした群像劇、片やヒーローもの(のスピンオフ?)と全く異なるタイプだが「挫折して冴えない日々を送っていた人物が新たな活路を見出すという点が共通で、後味が良いのも然り。こういうの、好きなんだなぁ。
骨、噛み

骨、噛み

ーヨドミー

四谷3丁目ドリームシアター(東京都)

2022/12/14 (水) ~ 2022/12/18 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

盲目の絵本作家である母とその息子を中心としたヒューマンドラマ。
悲劇ではあるものの不思議と後味は爽やかと言おうかスッキリと言おうか。
もちろん悪いヤツやダメなヤツも登場するが、人間味のある人物が何人か配置されているためか?
その意味では「後味の悪さが快感」という普段の作風とは真逆?(笑)
しかし「アンビバレンツ」というのは共通で、当日パンフレットの「いつもとかなりテイストが違うようで、同じようで」という藤丸さんの言葉通りか。(真顔)
また、祥子と深瀬の口論場面の真実味と盲目役の方々の演技も見事。

超科学戦闘機スーパーホーク1号の着陸(再演)

超科学戦闘機スーパーホーク1号の着陸(再演)

劇団鋼鉄村松

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2022/12/08 (木) ~ 2022/12/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/12/11 (日) 17:00

ヒーローもの(のスピンオフ)の体をしているが芯は挫折した男がそのトラウマを克服して新たな道に活路を見出す感動作。笑い・熱血・感動と少年ジャンプの王道漫画の舞台化みたいな?(笑)
そんな物語に加えて演技・演出と衣装で人物に妙に現実味があり、シンプルな装置・照明がそれを引き立てて見事。

うわつら

うわつら

殿様ランチ

駅前劇場(東京都)

2022/12/07 (水) ~ 2022/12/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/12/10 (土) 14:00

2011年(初演?)、2014年に次いで三度目となるが色褪せない珠玉の名編。人の死を真摯にしかもユーモアも交えて描き「登場人物と共に一人の人間としての作家を看取った」感覚。何年か経ったらまた観たい。
また、「報道センターの斉藤さん」が伝える開演前諸注意と本編導入部を兼ねたニュースのセンスの良さよ! これだけでも一聴の価値があるのでは?(半分真顔)

ネタバレBOX

そのニュースの内容は「芝居の上演中にスマホなどの電源を切ることを義務化する法案」「芝居の上演時間や休憩の有無の事前告知に関する裁判の経過」「本編の主人公である作家の訃報」。このアイデアとニュースっぽい言い回しが秀逸。
ANAΓKH -宿命の女神-

ANAΓKH -宿命の女神-

劇団天動虫

シアター711(東京都)

2022/12/07 (水) ~ 2022/12/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/12/11 (日) 13:00

劇団天動虫featuring野村ようすけ流切り裂きジャック考察。
事件と同時代に書かれた小説とを絡めているのが妙案だし、それらをヒントに真相を明かしてゆくあたりのゾクゾク感たるや♪
また(劇中の)現実と虚構の境界が曖昧になってゆくあたりに夢野久作「ドグラ・マグラ」に通ずるものを感じる。

ネタバレBOX

さらには「ジャックとジョセフは解離性同一性障害の異なる人格では?」という誤読まで……(笑)(某マンガ原作ドラマの影響?)
終盤で出てくる「借りものの言葉では感動は与えられない」という台詞は野村さんの作家としての信条なんだろうな、とも。
【兵庫公演中止】パンとバラで退屈を飾って、わたしが明日も生きることを耐える。

【兵庫公演中止】パンとバラで退屈を飾って、わたしが明日も生きることを耐える。

趣向

シアター風姿花伝(東京都)

2022/12/21 (水) ~ 2022/12/25 (日)公演終了

実演鑑賞

鑑賞日2022/12/22 (木) 14:00

チラシなどに「整理番号付自由席(購入順)」と「受付開始・客席開場=開演30分前」という相反する情報があり怪訝に思われている方がいらっしゃるかと思いますのでとりあえず速報です。
実際は「購入順の整理番号」どころかそもそもチケットがなく、当日受付順の入場です。
なぜこのような誤情報がチラシに記載されたのか理解に苦しみます。
今後このような凡ミスがないことを祈ります。

鏡の仮面はブラフにて

鏡の仮面はブラフにて

劇団ミックスドッグス

中板橋 新生館スタジオ(東京都)

2022/12/07 (水) ~ 2022/12/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/12/09 (金) 19:30

表裏一体的な二つの世界を併行して描き、しかも表裏一体的な人物が交錯するので確かにややこしいが、上衣などの着脱で人物を描き分け/演じ分けるのは妙案。
また、9つの椅子と鏡(枠だけ)という舞台美術にもセンスを感じる。ミックスドッグスらしさ満載。

『生きてゐる小平次』

『生きてゐる小平次』

楽園王

サブテレニアン(東京都)

2022/12/01 (木) ~ 2022/12/06 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/12/06 (火) 14:00

三角関係での殺人と霊、な既存戯曲と書き下ろし(?)。
「小平次」の影響で書かれたという「風」はまさしくアンサーソングと言おうか対照的でニヤリ。また、ある人物が実は霊だった、というオチは好きなパターンのひとつなので「うひょー♪」。
「小平次」は殺した筈の小平次が二度も現れるが果たしてそれは実際に不死なのか殺した側の良心の呵責かはたまた霊なのか?な見方もできて面白い。

蛍

第27班

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2022/12/02 (金) ~ 2022/12/11 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/12/04 (日) 13:00

併行する4つの軸の関係性が次第に見えてくる構成の巧みさよ!
「4つの軸」というヒントは初演時には明かされていなかったが今回は当日パンフレットで明かされており、所謂「観劇初心者」にもワカり易くなったような
また、萬劇場での初演に対して広い舞台となったことで異なる時空の場面を瞬時に切り替えることを可能ならしめた装置も余裕ができて、そちらの意味でもワカり易くなったと思うが、初演で衝撃を受けた身として物足りなさのようなものがないでもない。
が、今回の再演版を否定する意図は全くなく、「通向けの初演(オフィス上の空プロデュースだったし)、一般向けの再演」ということでどちらもアリと思う。
ところで初演のオシダってあんなにエキセントリックだったっけ?改訂した?

オーガッタジャ!

オーガッタジャ!

発条ロールシアター

阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)

2022/11/03 (木) ~ 2022/11/06 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

鑑賞日2022/11/05 (土) 14:00

廃ビルに潜り込んで偶然出くわした面々の物語。そのうちの一人(主人公)が「もう一つの世界」と行き来して、どちらが本当の世界か迷うあたりが「胡蝶之夢」的で好み。
また、得意パターンでもあるラストのあのシカケは考えようによっては「簡易版桟敷童子」的ではないか?

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