ハンダラが投票した舞台芸術アワード!

2013年度 1-10位と総評
小豆洗い-泥を喰らう-

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小豆洗い-泥を喰らう-

鬼の居ぬ間に

 シナリオ、タイトルと内容、表象の完全一致度、キャスティング、演出、演技、舞台美術、照明、音響どれも素晴らしかった。バランス感覚の良さ、丁寧な作り、完成度の高さで総合1位。

『タガタリススムの、的、な。』

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『タガタリススムの、的、な。』

舞台芸術集団 地下空港

 斬新な感覚と鋭い洞察、奇抜な演出や実験性に進取の気性を見る思いがする。

月の岬

3

月の岬

SPIRAL MOON

 方言を用いた表現の深さと主演女優の上手さ、難しい人間関係の微妙な綾を巧みに丁寧に描いて秀逸であった。この一位から三位までは、殆ど、差が無い。

愛とその他

4

愛とその他

劇団東京乾電池

 シナリオの良さに加えて巧みな演技、間の取り方の絶妙感、音響、照明の技術の高さなど、流石である。

某日快晴ワレ告白セリ

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某日快晴ワレ告白セリ

タッタタ探検組合

 いつも何か新しいことをやってくれるタッタタ探検組合、喜劇で此処まで、毎回チャレンジする精神性の高さ、頭の良さ、志の高さと研究熱心にはいつも感心させられる。

蝦夷地別件

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蝦夷地別件

ピープルシアター

 船戸氏自身から全作品上演許可を得ているピープルシアターらしく、舞台化不可能と言われた大部の傑作を削ぎに削いで良く纏めた。スピーディーでドラマチックな舞台に仕上がっていた。

六丁目金山ビル・おみまめ

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六丁目金山ビル・おみまめ

劇団芝居屋

 主宰、増田さんの姿勢が良い。「良い劇団は若手を育てますね」と申し上げたら、即座に「その為にやっています」とおっしゃった。実際、増田さんが舞台に上がると、場面が締まる。厳しい師匠でもあるが、愛のある厳しさである。これからも、どしどし、良い舞台人を育ててやって頂きたい。

サークル

8

サークル

劇団光希

 看板女優の森下 知香さんが素晴らしい。座長の一所懸命な姿勢を劇団の皆が分かち持っている。とにかく、まじめに、熱く取り組む劇団である。

ハイエナ

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ハイエナ

沢井正棋プロデュース

 2010年度、若手演出家コンクールで最優秀賞、観客賞のW受賞を果たした金 哲義くんのシナリオ。在日の人々の困難、苦悩が今、当に自分のアイデンティティー問題として捉えられていて、シナリオからは血が噴き出すようである。金くんは、大阪が活動の中心なので、中々、東京で公演を打つことは難しいが、彼の主宰する劇団が演じると、また一味違った味がでるだろう。ぜひ、Mayに、東京で演じてもらいたい作品もである。

『銀ちゃんが逝く』『熱海殺人事件』-売春捜査官-

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『銀ちゃんが逝く』『熱海殺人事件』-売春捜査官-

シアターX(カイ)

 これらの作品は、フィルムである。それで10位にした。但し、このうちの1本でも本舞台作品であったなら1位になる可能性がある。またフィルムでも10位に入れたのはつか こうへい理解に大切な一次資料と考えたからである。

総評

 以上のほかに30歳になった少年A、桜の森の満開の下、韓国からの作品群などの秀作があった。ことに韓国からの作品群は、構造的にも役者の技術でも高いものが多く、いつ10位以内に入ってもおかしくない作品が目白押しであった。

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