投げられやすい石 公演情報 投げられやすい石」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.2
1-20件 / 40件中
  • 満足度★★★★★

    20110128
    (^・ェ・^) おおおおおもしろいぃぃ

  • 満足度★★★★★

    「今あそこにいるのは自分だ」と思ってしまうと、笑えなくなるのではなく、笑うしかなくなる
    つい、と言うか、思わず笑ってしまうけど、ヒリヒリして笑えない、でも笑ってしまおうと思う、とても辛い(はずの)喜(悲)劇。
    4人の役者さんたちが本当に素晴らしい。
    「間」と「タイミング」と「愛想笑い」と。

    ネタバレBOX

    画家を目指していて、たぶんその才能らしきものがあった山田。そして、一種の時流に乗ったために脚光を浴び、天才と言われていた佐藤の2人の学生。さらに佐藤の恋人でそれほど才能はなかったが、絵を描いていた美紀。
    彼らは数年後再会する。山田も美紀もすでに絵を描いていない。佐藤はまだ描いている。

    山田や美紀の行動は、いかにもありがちだ。学生時分の無責任な状況では、自由に絵を描いていけたが、状況が変われば、あっさりとそれをやめてしまう。絵でも音楽でも何でも。それは非難されることではない。
    しかし、今も続けている佐藤が現れることで山田の気持ちはざわつくのだが、佐藤の有様を見てしまうと続けたほうがよかったのかどうか疑問に思えてくる。

    続けることは、(たぶん)みっともない。つまり、その世界で成功したのであればそんなことはないが、ただ続けているだけの姿は、みっともないと思っているのだろう。それは病魔に冒された佐藤が具体的に見せてくれる。
    たぶん、それは本当に作者自身の姿とダブるのかもしれない。
    まさにその役(続けている佐藤の役)を、作者自身が演じている。

    病魔に冒されて、見た目も精神もボロボロになっているし、描き上げた絵も不気味で何だかわからない(昼間っから布団に入ってテレビを見ているような絵)。本人にしかわからないレベルながら、日常の辛さが全面に溢れているような絵だ。しかしその絵は、本人にとっては「完成」してはいない。キャンバスの上から次々に絵を描いていくという佐藤。それでは完成するはずもない。それは、自分の精神状態の行き着く先が見えていないということであり、まだ自分の本来の力が発揮できていないということなのだ。「続けていくこと」への迷路にある佐藤。

    こういう言い方は失礼かもしれないのだが、今、インディーズでモノを創り上げようとしている人たち、例えば音楽をやっている人、例えば演劇をやっている人、そういう人々の多くは、本業は「音楽」「演劇」と言いながら、バイトで生活をしている。
    そういう状況には、いろいろ理由があるだろう。いろいろ理由があるにせよ、それは本来の自分ではない、という思いがしているのは当然だ。「完成」してないと。
    つまり、この舞台は、そうした人々への(作者自身へも)メッセージが込められているように感じた。
    それは「続けることは、みっともないことである」というメッセージだ。そして「それでも続ける」というメッセージも同時にあるのだ。

    と同時に、もちろん、モノを創ることを生業としている(としたい)人だけへのメッセージではないことは明らかだ。それは「夢」のようなものを持っていた(いる)人々にも同じメッセージを送っている。
    すなわち、「続けることは、みっともない」そして「それでも続ける」ということ。

    続けることをやめてしまった山田と美紀は、自分のことだ。そして「続けて、みっともない」のも自分のことだ。
    つまり、「今、舞台の上にいるのは、この自分」なのだ。そう思ってしまうと笑えなくなるのではなく、逆に笑うしかなくなる。思い切り笑えるか、力なく笑うかの差はあるにせよ。

    佐藤は、自分で編み出した変な石の投げ方を山田に伝授することで、なんかそういうことも伝えたかったというのは、深読みしすぎか。

    山田を演じた松井さんの「普通さ」がいい。そして佐藤を演じた岩井さんは、凄すぎる。さらに美紀を演じた内田さんの(佐藤の恋人だったことの)哀しさ、コンビニの店員を演じた平原さんの重圧がとてもいいコントラストを描いていた。
    彼らの作り上げる、なんとも言えぬ「間」と「(台詞などの)タイミング」の凄さを体感した。そして、知らず知らずのうちに、誰もがやってしまう「愛想笑い」と。
    友だちとか男女間の微妙さもナイス。

    シンプルな装置も効果的。

    本当に素晴らしい作品だ。
  • 満足度★★★★★

    素晴らしかった!
    観劇史上でもかなりの上位の作品に。
    演者それぞれ感情が美しくて、打たれました。
    ハイバイは初めて観ましたが、笑いの感覚が気持ちよくて、
    這い上がれる絶望感が心地よかったです。

  • 満足度★★★★★

    気まずさの極地
    これだから演劇ってやめられない。
    訳あって幼少から「ひきこもり」の青年達を数多く見てきた。『ヒッキー…』で岩井秀人の「ひきこもり」の身体を観た時、そのあまりのリアルさに眼が離せなくなった。
    言い知れぬ怯え、力の入り、目線、微妙に過剰な自意識。その後他の人が同じ役を演じていたが、圧倒的に岩井秀人の「ひきこもり」は本物だった。
    ただ、個人的には物語としての『ヒッキー…』はあまりピンときてなかったのだが。
    だが今作はすごい。すさまじい。岩井秀人の実体験から得た特異な身体性の抗い難い魅力が最大限に活用された。
    あれは本当に、岩井秀人の身体でしか表現することができない。
    また、「友人」関係のぐらつきも、実際交流が深く信頼関係があるのだろう松井周との間でしか表現できないだろう。
    物語性に重きを置く人にとっては、この作品はほとんど何も起こらず最後だけ少し盛り上がるものとして映ったかのもしれない。
    けれどそうじゃない。身体を通してでしか表現されない微細ななにものかが隙間に見える部分に網を張り、するすると観客をラストに向かって運んでゆく。この濃厚さ。
    岩井は自ら「生涯最高傑作かも」と口にしているようだが、それも納得の公演。これは、うん、すごい。演劇ってすごい。

  • 満足度★★★★★

    なんで
    こんなに泣けてしまうのか。
    初めから終盤までほぼ男二人の気まずいやり取りが続く。正直以前に観た「て」、「ヒッキー・カンクーン~」と比べストーリーの起伏にやや物足りなさを感じながら観ていたんだけど、不意に、本当に不意に涙腺を強烈に刺激される箇所がいくつもあった。そして逆に思わず笑ってしまう場面もあった。
    そして終盤は・・・・涙こらえるのが大変でした。

    ネタバレBOX

    「お前は今何者だ?」~「お前はたけのこ好きだろ?」のくだりはなんだか今思い出しても泣けてきます。
  • 満足度★★★★★

    ハイバイ、岩井ワールド!!
    平日のソワレにもかかわらず客席は立見もでていました。
    ハイバイへの関心度が高いんですねぇ。。
    息苦しくなるくらいの弱者への偏見や、もどかしさなどを岩井さん自らが好演!!

    何気ない普通の会話の中にもそれぞれの立場の内面が伝わってきました。
    90分があっという間過ぎた感じです☆

  • 満足度★★★★★

    みた
    岩井作品は、おねがい放課後、て、四谷怪談、ヒッキー、演劇入門と見てきた。今作が一番好きだ。前のめりで見た。

    自意識を鍵にしているから、他の作品に重なるところがあるけれど、またかとは思わなかった。

    笑う観客笑わない観客それぞれに理由があり、こちらに書き込む皆さんの意見にもそうした事が反映されていて興味深い。
    笑っていいのか戸惑い、周りの笑いに救われた人や、逆に違和感を味わった人もいたはずで、これは舞台ならではのこと。完全に他の客を閉め出せないから味わう共感と不安。苛立ちと安心。

    平田オリザが、観客の半分が笑ってもう半分が笑わない場面を書くのが理想、とかそういったことをどこかに書くか喋るかしていたと思うけれど、岩井秀人はそれをやってのけていると思った。

    演劇を初めて見る人には勧めにくいところがあるけれども、演劇好きを自認する方には是非見てもらいたい作品。

    ネタバレBOX

    わざわざ客席に向かって実体のあるものを投げるのは、舞台と客席の間に隔たりは無いという意味だと思った。他の方はどう感じたのだろうか気になる。
  • 満足度★★★★★

    ド直球の命の讃歌
    若い現代美術画家たちが登場する4人芝居。初演とキャストが2人変わってます。やはり涙なしには見られない。後半はまだ残席あるようです。終演後のロビーで『その族の名は「家族」』の先行販売あり。

    ネタバレBOX

    山田(松井周)のぬるっとした感じ、美紀(内田慈)のほんわかした感じ、井口(平原テツ)のボテっとした感じが、初演とはまた違う密度。佐藤(岩井秀人)はやはり切れ味鋭く、顔のしわが変化するだけでギリギリと胸が締め付けられる。
    上演時間は約1時間15分。
  • 満足度★★★★★

     
    観劇

  • 満足度★★★★★

    一度も笑えなかった
    もしかしたら笑うところかと思うところもどうしても笑えなかった。
    突き刺さってくる、ぐさぐさと。心の中で泣いてしまった。
    そんな作品なのに、もう一度必ず観たいと思ってる。
    最高です。

    ネタバレBOX

    自信過剰な男の末路、
    親友だったはずの男の逃げ腰、
    情けないほど軽い女、
    私も同じだ、軽い投げられやすい石なんだ。
  • 満足度★★★★★

    その緻密さで
    「人間」をそのまま突きつけられた気分に。
    福岡公演、毎年来てほしいです!

    ネタバレBOX

    このクオリティの作品が3000円で観られる幸せを噛み締めております。
  • 満足度★★★★★

    初体験
    カラオケのシーンで歌い出した瞬間、わけもわからず涙があふれた。
    全く理由がわからない。こんなことは初めてだった。

  • 満足度★★★★★

    リアル過ぎて怖い
    リアル・トゥエンティーフォー!
    ぬらろとした・・・・・・・痛い話だった。

    そう、
    あまりに痛い話。


    しかも僕はリアルに同じような感じの友達がいるのも怖いと思う要因のひとつだ。

    そうか!

    僕は周りからこう思われているんだ!と感じた。。。。。ああ!

  • 満足度★★★★

    いろいろな意味で「いたい」
    会話の中でのとりあえず「話をあわせないといけない」という気まずい
    空気感がたまらん。
    自意識過剰さがいろいろな意味で「いたい」

    アフタートークの回だった。
    ハイバイのアフタートークは、直接関係ないの事もどんどん聞けるから
    楽しい。

  • 満足度★★★★

    理不尽だらけ
    私も見ていて笑えない部分が多かった。身につまされるというか、自分ならどうするだろうと。結構誰にでも起こり得るシーンもあり、単なるネタと終わらせられない深さがあった。弱さなんて当たり前だが相対的なもので、理不尽な扱いを受けて弱者に見えていた者が、いきなり他人に理不尽な行動をしたりと、全体的に理不尽ながら、それが自然と受け入れられる不思議さがあった。
    ただ、見ていて辛くなったりムカムカしたりする部分が多いのがつらい。

  • 満足度★★★★

    四様のキャラクターの立ち上がりが凄い
    特に岩井の演技が素晴らしい。弱いものを演じる凄さは独特だ。

    以下はねたばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    画家を目指していた佐藤と山田、佐藤の恋人で佐藤の七光りにあやかって絵を描いていた美紀。三人のポジションはこの時点で上手く回っていたが、佐藤がある日突然、失踪してしまったことで山田と美紀は何となくくっついて、結婚した。尤も山田は美紀を以前から好きだったのだが・・。

    しかし数年後、山田は佐藤に呼び出されて再会する。このシーンで登場する佐藤のメイク、風情はまるで病める浮浪者だ。ここで苦い笑いが起こる。そしてコンビニ店員から濡れ衣を着せられても強く反論できない佐藤は人間の本来持ち合わせた性質の強弱を露呈させ、なぜか、コンビニ店員が正論を吐いてるように強引にねじ伏せてしまう。いつの世も強いものが勝ってしまう不条理さの表現が秀逸だ。

    更に、山田と美紀の現状をなかなか、佐藤に報告できない。それは美紀が佐藤の元カノで、山田の今妻という気まずさと佐藤を気遣う感情に起因する。

    しかし現在の二人の状況を隠したばかりに、事態はますます悪化してしまう。佐藤は山田の目を盗んで、元カノの美紀にセックスを求め、美紀の服を強引に脱がせようとし、これに同意したかのように、美紀も嫌がらない。

    人間の心理とは実に複雑だ。佐藤は自分の命の期限を知ってるかのように美紀に最後のセックスを求め、盛りのついた犬のように美紀のスカートをめくる。これに気付いた山田は美紀を佐藤から離そうとし、美紀は二人の男の間で「けんかはやめて~♪ふたりをとめて~♪わたしのためにぃ~争わないでぇ~♪状態になっちまうわけだ。

    山田の焦り、佐藤の焦り、美紀の焦りはそれぞれ違う種類だ。そして三人はそれぞれ勘違いしながら佐藤の最後を見てしまうのだが、佐藤を掴もうとするカラオケ店員が大きな鎌を持った死神のように見えたのはワタクシだけだろうか?

    美紀が誰かの人妻だと知った後にも執拗にセックスを迫る佐藤も哀れだが同時に美紀自身も哀れだ。どっちでもいい女。迷える3匹の獣達は心に空洞を抱えたまま、自分達のフィクションを作り上げる。美紀は死んだ佐藤を送るかのように高らかに歌い、山田は佐藤を抱える。

    自分というものを持たない三人はまさに投げられやすい石そのものだ。

  • 満足度★★★★

    ヒリヒリと痛い
    とても痛い芝居でした。怖くて笑いがヒリヒリと。

  • 満足度★★★★

    リアルにイタイ、でも何だろこの愛しさは
    もっと笑い飛ばしていいようなおかしみのあるシーンがいっぱいあったのに、イタイ内容だけに私の観た回の観客は固まりがちでしたね。楽しい話ではないしリアルな間の悪さ(←これを表現できる役者さんスゴイ)を見せつけられるので、好き嫌いのはっきりする作品だと思う。楽しい映画しか観ないという人には薦められない。自分自身の間の悪さも思い起こされ居心地悪く冷や汗出ました。イタイイタイの連続ですがラストすうっと登場人物が愛しくなります。まるで実在する人物のように。

  • 満足度★★★★

    石を投げられた。
    開演時間を勘違いしたせいで15分ほど遅れて立ち見。

    スタッフが笑っていると思われたら申し訳ないと我慢したけど、笑いすぎだったかもしれない。
    とにかく、笑った。
    っていうか、人を、こんなに、笑いものにしていいのか?と思う罪悪感が無いのに驚いた。

    同じシーンを見て、泣いている人と大笑いしている人が同時に存在するすごさ。
    笑っている人も、ただビジュアル的に笑えるという部分もあるだろうけれど、とにかく、「笑わせる」というより「笑われている」一抹の悲しさに、涙がにじむほど笑った。

    女が女から見て、リアルすぎる。
    自分に何にもない女がブランド品や流行の品を身につけて、自分も何者かになれたような錯覚を味わったり、無難に収まったり、まだ何かがあるんじゃ?と期待したり。
    そういう心理がイヤ~な感じで伝わってきた。
    駄目押しのあの歌。歌詞を知っている自分には結局、一番強い(神経が太い)のは女やなー。と、感じさせられました。

    ネタバレBOX

    再演だから、いいかな?

    最後に本人が「投げられる石」の形態になって去っていくのがもうたまらない。
    衣装担当がそこまで考えて、あの配色の衣装にしているのかな?と思いました。
    でも先ず、「手、そこに突っ込むんかよ!」で笑い「そんでお前、支えるわけでもないのに付いていくのかよ!」でも大笑いした。
    で、「そんな有様の石」になった彼を笑いものにした。

    髪を、綺麗な形に剃ってるな~とは思ったけど、わざわざ美容院で剃ったというのは…え~…って…

    ところで石。
    途中から、狙われているんではないかと思うほど飛んできた。
    おかげさまで、バッチをいただきました。
  • 満足度★★★★

    なるほど
    ハイバイは2回目だったけど、内田慈さん観たさで行きました。

    役者陣の熱演には頭が下がるし、リアルなシチュエーションも良い。

    でも、何かがしっくりこない。うまく表現できないけど。

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