こしらえる 公演情報 こしらえる」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.4
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  • 満足度★★★★

    トークでの作・演出の女性は見知った顔、STスポットでの公演に昨年出演もしていたと思うがそれはともかく・・
    演劇という言語を使いこなす現代の若い才能だと思った。ドラマ構造、俳優の機能、そして場面を創出するため二つを繋ぐ何らかの理論が、あるやに思うが、最終的な形は俳優の仕事を介するため「理論」は厳密には実証され得ない・・と、説明してみる所のこの理論を、この人は感覚的に知悉し器用にこなして、演劇の理屈に叶った「形」を作ってみせたという事のように思う。この印象は、異質な演技モードによる場面が自然な移行で接続されていく作りに依る。才能にとってガチ勝負になるのは冒頭と最後に山縣氏が呟く散文(詩)の部分で、芝居全体を言葉で総括する構成とした結果と思うが結語に収まりづらい感あり。
    だが奇想天外の展開を笑いに帰着させる事なく、内なる衝動の裏付けを与えた(リアルな行動線を選び取った)、抽象(シュール)と具象(リアル)の絶妙な配合は美味であった。

  • 満足度★★★★★

    ■約90分
    次々出てくるぶっコワれた人たちがなぜだかリアルに、そしてまた愛おしく思えてくる、出色の人間ドラマでした。

    ネタバレBOX

    描かれるのは、とあるフランス料理店のスタッフたち、そしてその周囲の人々の人間模様。
    飲兵衛の腕利きパティシエが酔いどれて行き倒れそのまんまホームレスになっちゃったり、心に空洞を抱える主婦が夫の浮気相手を呼びつけて失踪した猫の代わりを務めるよう懇願したり、その浮気相手が申し出を快諾(笑)したり、ありえない行動に出る人たちが本作では相次ぐが、常識や世間体という枷さえなければそんな奇行に及んでも仕方がないほど人間誰しもしんどくて、松村翔子という人はいわゆるリアリズムを捨て、人間の精神の現実を描くまたべつの写実主義でもって“人間の本当”を描いたのだと本作を観て私は感じた。すなわち、彼らの奇行は彼らの内的現実を形象化したものであり、本作の作・演出家はそれを写実したわけだ。
    しかも、彼ら困ったちゃんたちに対する周囲の人々の対応がなんだか優しい。そこに松村さんの人柄がしのばれて、温かい気持ちになりました。

    そして最後に、無隣館若手自主企画の常打ち小屋・アトリエ春風舎でなく、STスポットで上演したのは正解! 春風舎でやっても多分、“瀟洒なフレンチレストラン”感は出せなかった。
  • 満足度★★★★

    鑑賞日2017/02/25 (土)

    青年団系としては、異色というか異例ともいえる、横浜STスポットでの公演。山縣さんのいすを使ったパフォーマンスもよかったし、ラストの島田さんのパフォーマンスもよかったし、とてもシリアスな90分でした。

  • 満足度★★★★★

    とても面白い!!

    ネタバレBOX

    飼い猫のノラが出て行ったと思い悩んだ妻との関係がおかしくなった夫は職場であるフレンチレストランのバイトの娘と浮気し、気付いた妻はその浮気相手を自宅に呼びノラという名のペットになってもらって不可思議な生活が続くという話を軸に、全ては流産が原因で妻は居もしない猫がいなくなったと思い込んだことが原因だったことが分かり、可愛がられたノラはその後自立しようと家を出て再びレストランで働くことになるという人形の家のようなパロディが入るは、終始舞台上を小難しいセリフを独白しながらウロウロしていた男は失踪したパティシエかと思っていたら、存在しないはずの猫だったという不思議感覚をたっぷり盛り込んだブラックなコメディ。

    小難しい話になるのかと思っていたら、不思議なコメディでとても楽しめました。
  • 満足度★★★★

    90分。発想が飛んでいて、真面目なような、不真面目なような、話がどこへ行くのかわからない面白さがあった。

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