レドモン 公演情報 レドモン」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.6
1-20件 / 25件中
  • 満足度★★★★★

    レドモン
    好きです。とても良かったです。人を思いやるという気持ちの大切さを教えてくれる、重要な作品と思います。ありがとうございます。

  • 満足度★★★★★

    差別?区別?
    社会派のテーマ(差別と区別)と家族愛を軸にしたSFチックな作品。ただ、SF感はそれ程なく、宇宙人として人種差別を扱った様に感じた。設定にいくつか疑問を覚えましたが、役者陣の熱演で見応えのある舞台でした。特に各人の心情の動きが垣間見れ、背負うもの、考え方の違い等での齟齬が、観ていて苦しくなる場面もあった。
    ロープを使った演出には、賛否両論ありそうですが、個人的には面白い演出だと思います。
    この作品の初演が7年前という点も驚きで、今でも色あせない作品だと感じました。

  • 満足度★★★★

    対象を見る目
    異物を排除し差別する人間を描いたSF作品だが、
    台詞に繊細な人間関係がにじむところがリアル。
    例えば厚労省の女と新聞社の男、夫と妻、親と子、そして少年少女・・・。
    ただ差別の根深さは解るが、設定があいまいな伝わり方だったのではないか。
    最後の小さな台詞に決壊した如く涙があふれた。

    ネタバレBOX

    舞台上高い位置に宇宙空間が広がるようなセットがあり、暗転の時が美しい。
    中央のスペースのほか、両脇の舞台下も上手く使っている。
    送電線のようなロープとそれを結びつける支柱のようなH鋼は
    人間関係の距離感を表すのかもしれないが、無くても十分表現できている。
    流れるような場面転換が素晴らしく、尺を感じさせないスピーディーな展開。

    しっぽがあるということだけが人間と違う地球外生物「レドモン」。
    排除しようとしたり、共存しようとしたり、紆余曲折を経て
    ようやく今は混血である「マジリ」を法的に認めようという声も上がって来ている。
    今はまだレドモンであることが露見すれば強制送還(?)されてやがては死ぬ。
    だが現実的には、密かにレドモンと結婚している人間も多い。
    新聞記者立川もその一人だが、思春期にある娘のルルカをめぐって悩みは尽きない。
    そんな時同僚の男が不正な方法で国の情報を入手、
    そこから社会も立川も大きな変化に飲み込まれていく…。

    「マジリ」の子どもはみんな「ひかり学習会」という塾に通っている。
    それは社会的に秘密裡ではなさそうなのに、
    レドモンと結婚していることは職場に隠す、という設定が良く解らなかった。
    マジリが法的に市民権を得ても尚、親であるレドモンが強制送還される、
    という結末もイマイチ心から納得できなかった。
    “差別なんてしない振りして、実は差別する”人間の本性を描いているのか?

    人間であろうがレドモンであるが、描かれるキャラクターがリアルで身につまされる。
    出来過ぎない父親立川(辻貴大)、おおらかに受け止めるその妻(宍泥美)、
    そしてピュアで利発なルルカ(ししどともこ)が秀逸。
    塾の先生も人間味があってとても良かった。
    帯金ゆかりさんは出てくると場をさらうようなその破天荒なキャラが
    もう一人の教師である温厚な渡邊りょうさんと絶妙なバランス。
    立川家とママ友の笠井里美さんが、潔く温かい母親を演じていて素敵だった。
    差別する側の代表である公安の男(小林樹)のいやらしさが光っていた。

    妻の命を守るため、市民権を得た娘を置いて両親は逃げる。
    「お前は大丈夫だ」と父が繰り返せば繰り返すほど、その根拠のなさが心細い。
    ラスト、ルルカは大好きな少年(橋本博人)に「どんな食べ物が好きなの?」と聞かれ
    「お母さんのお弁当」と答えながら涙声になっている。
    それを聴いて私も一気に涙があふれた。
    物語の冒頭、反抗期のように母の作ったお弁当を拒否してみたりしたルルカが
    両親と別れた今、どんな心細い気持ちだろうと想像するとたまらなくなる。

    対象を見るとき
    「違いを数えるより、同じところを見つけよう」
    そんなメッセージが伝わってくる作品だった。






  • 満足度★★★★

    良いお話し。
    社会性のある骨太なテーマを、
    SF味を加えさらりと見易くした感じのヒューマンドラマ。
    共に生きる、血のつながり、尊厳の戦いが、
    ほのぼのした愛の物語につつまれ、判り易く解きほぐされてゆく。
    他者との関係性、考え方、差別特別の捉え方など、
    自分とは異なる思考部分もあったが、
    物語の展開としてのエンターテインメント性が優れていて見ごたえがあった。
    展開的には結論への導きが性急で、
    流れがアリバイ的になり残念な部分もあったが、
    舞台美術や場面転換の手法など、
    テンポの良い展開と演出はカッコ良かった。


    ネタバレBOX

    会場が大きかったのか、このキャパを考えた演出でなかったのか、少々残念。
    下手ブロック中段からは上手のBARの展開が見えず、台詞もききとりにくい。
    物語終盤、施設に収容されたルルカと幸太郎の切ないとても良いシーンで、
    ルルカが全く見えず…。明転後しゃべり始めるまで存在も判らなかった。
    舞台上の事だけでなく、
    観客がどう見るかどう見えるかも演出に生かしてほしいと思います。
  • 満足度★★★★

    もう少しリアリティが欲しい
    人類と宇宙人との地球上での共生という題材は、否応なしに現実の人種差別やヘイト問題を思わせます。

    本作で描かれる、人類社会にいつの間にか紛れ込んだ「レドモン」と呼ばれる宇宙人たちも、発見され次第、故郷の星に強制送還させられるという設定です。赤い尻尾があること以外は人類と全く変わらない姿と知能を持ちながら、市民権を得られず、差別され、排斥されようとしているという設定から、現実の社会問題を想起させられた観客は少なくないでしょう。

    しかしどういうわけか、登場するレドモンたちからは、いつ捕まってもおかしくない、捕まれば強制送還させられるという緊張感が全く感じられません。悠々と食事やおしゃべりを楽しんでいたり、レドモンと人類の混血である「マジリ」専用の塾に子供を通わせたりと、レドモンである事を秘匿している様子すら全くありません。

    恐らく、宇宙人という設定に気をとられがちですが、そこに必然性は無く、本作の真のテーマは家族愛だったのではないかと思います。家族の絆の物語としては、本当に良い作品です。ただ、設定にもう少しリアリティと必然性が欲しい。そうすれば、物語はより説得力を持ち、もっと泣ける作品になったでしょうし、主人公が最後にとった選択にも納得がいったのではないでしょうか。

    再再演して頂ける事を強く希望します。ただ、その際はもう少し設定に深みを与えた上でお願いしたいと思います。

  • 満足度★★★★

    差別
    少し劇場が広すぎたのではないかということ、「レドモン」と人類の関係がいまひとつあやふや。というスッキリしない部分はあるのですが・・・それを忘れてしまいそうになるくらい、台詞の微妙さが上手い!特に人の心の中の曖昧さを表す台詞、間合いもいい。対し、痛いくらい疑問をぶつけてくる子供の言葉の痛みも感じる。異物を怖れ、嫌悪する、それは別人種だけでなく、すぐそばにもあること。“差別はしない”そう言いつつ、現実社会に起こる差別。観ながらいくつもの差別が頭の中に浮かんだ。

  • 満足度★★★★

    考えさせられる
    これ、地球人と宇宙人のお話なんだけど、
    これを現在の社会問題等に置き換えられます。
    なので、見ていて色々と考えさせられました。
    クライマックスも好みが分かれるとは思いますが、
    私は涙目でずっと見てました。
    面白かったです。

  • 満足度★★★★

    120分弱
    犬畜生と同じ弱肉強食の世界を志向しつつあり、弱者までがそれに気づかず弱肉強食化に加勢しつつある現代日本への警鐘。
    できるだけ多くの人に観られるべき作品。

    ネタバレBOX

    弱者がより強く被差別意識を持っている分、劇世界のほうが現代日本の実社会よりいくらかマシだと感じた。
    結末にもう少しキレがあれば。。。
  • 満足度★★★★

    泣けるSF
    ちゃんとテーマ性もありつつ設定が練られていて楽しめた。こういうSF的な世界観は舞台ならではの自由さがあっていい。

    個人的には親子の物語に感動した。

  • 満足度★★★★

    レドモン
    そもそもレドモンが地球に来たのは何年前なのか?その時地球人はどのように彼らを迎えたのか?その後レドモンはどのようにして地球人の中に入って行って家族まで持つようになったのか。帰される星で生きて行けるのか?・・・等々。普通ならこういう事が気になってしまうたちなのですが、今回はそんなことは全く気にせず見る事ができました。家族のあんなやりとりはどこにでもあることです。地球人、いえ、日本人同士の家族でもなかなか難しいのだからまして・・・。宇宙人でなくても、他国の人じゃなくても、日本の中にでも差別はあって、自分はそんなことないと思っていても、気がつかないところで差別したり憎んだりしているのかもしれない。宇宙に行けるんだと、何も知らずにはしゃぐデルを見ていたら涙が止まらなくなりました。

  • 満足度★★★★

    うちゅう人
    物語の中の宇宙人が様々な立場で苦しんでいる在日外国人と重なって見えた。

    ネトウヨやヘイトスピーチが大手を振る昨今、この作品の問いかける意義は大きい。

    高史明さんの息子で12歳で自死を選んだ岡真史さんの詩「ぼくはうちゅう人だ」を思い出した。

    ネタバレBOX

    設定はとても素晴らしいと思うが、内容には不満が残った。

    全体として、予想していた物語を裏切らなかった。物語を単純に構造化しているため、人間の複雑さの細部までは描かれていない。そう思ったが、おそらくそれは、私がこの作品を、現在の社会問題と重ねて見すぎているせいだと思う。それに私が批判的に見た部分こそが、エンターテイメントとしての完成度を上げている点でもあるのだから、必ずしも悪い側面だけではない。

    また、最後に両親が娘をひとりにして逃げるが、その点にリアリティが感じられなかった。この作品に描かれる親が、そんなに簡単に娘を残して逃げられるとは思えない。状況から、他に選択肢がないにしても、本当ならもっともっと痛みをともなうはずだ。その点において、父親が相当冷酷な人に見えてしまった。そこに人間の冷淡さ(両義性)を描いていると言われれば納得するが、全体として他のシーンはそういう複雑さを内包していないため、そこだけが変に引っかかってしまった。

    と、厳しいことを書いたけれど、この設定で作品化したの意義はとても大きいと思う。
  • 満足度★★★★

    他人の宇宙(ソラ)似。
    ハイブリッドは、差別し差別されて生きるのさ。なんて同情が、それすなわち線引き。はい、尻尾でたね。

  • 満足度★★★★

    再演観劇が ここのところ多いでんす
    異種との付き合い方を描いた話ですが
    いろいろと時間が経っても答えは見つからないのかなぁと考えさせられた
    約2時間~

    20分ほどのアフタートークは
    主人公を演じたツジ氏の宇宙話でありました
    ブラックホールの話が本屋さんと合わないのがチョット笑えました♪

    <パンフの間に挟んである人物相関図・用語集は参考になりました>

    ネタバレBOX

    故郷の星の資源枯渇で地球に移住してきたらしい”レドモン”と言われる異星人=砂を食べ赤い尻尾を持ち人類と交配可能であり、生まれたハーフ=まじりとか地球人純潔種や、とりまく環境での法改正等を掲げたストーリーです。

    種族・民族の争いに通じる話であり、いつまでも無くならない問題ですよね。


  • 満足度★★★★

    軟弱すぎる嫌いが有るものの
    重すぎず、滑稽なものをギリギリのところで楽しくセンスも光る作り。
    小劇場を中心に活躍する大好きな劇団が吉祥寺シアターで公演を打つと、往々にして良さを失いそこの独自性が薄らいでしまい退屈な作品が多い。
    そんな中、最後まで飽きさせぬ工夫が為されていたと思う。

  • 満足度★★★★

    タイムリーだ・・・・・
    これ7年も前に書かれた脚本なんですね。今現在上演することに劇団は大きな意味を見出しているのだろう。左右が広く、高さのある吉祥寺シアターを敢えて分断したかのような美術が面白く、天井に据えられた美術がわずかに宇宙的な雰囲気を感じさせて美しい。SFはちょっとしたテイストになっているが、描かれる世界はまさに人間世界の悩みとエゴそのものだ。異質なものへのヘイトと憐れみ、根底に流れる、愛する者への断ちがたい感情など、すごく普遍的なものを感じた。様々な境界を表すロープが越えがたい壁をよく表現していたが、ちょっとしつこい感じがしたかな。ロープなど無くても俳優さんの演技力で十分に表現できたと思う。最後のシーンだけでも十分だったのでは。それにしても、どんなに異質な文化であろうが個体であろうが、そこに愛する感情があり、共に過ごした思い出がある限り、人はやはり共生できるものなのだな、と思ってしまう舞台でした。

    ネタバレBOX

    新聞社の内幕やバーでのシーンなど、わりと社会派なネタも多い反面、ひかり学習会などの存在で、「あれ?レドモンって十分に個体数など把握されてないと、こういう塾ってありえないよね。」と矛盾を感じる所も多い。当然そこの生徒の親の少なくとも片方はレドモンなわけで・・・・。特に娘が隠れ住んでいる様子もなかったので、ここら辺が説明不足で、レドモン狩りの恐怖が感じられにくい。また、マジリ改正案がパスするためには、例えばレドモン二代目は繁殖力が極端に弱いとか、断種手術を受ける条件付きとか、何かあるはずだと思ったが、こういうところもそれなりの整合性が欲しかったですね。SFって何でもできるからこそ、細かな設定が大事なのではないかと思います。
  • 満足度★★★★

    鑑賞日2016/04/09 (土)

    演出はあんまり好みじゃなくて、柱とかチューブとか最後までよく分からんかったし、登場人物が多くて拡散気味だったけど、設定の上手さと俳優の力技で終盤ボロ泣きしてしまった。ちょっとズルいぞ辻貴大。あと小林樹は、ああいう役やらせると抜群に映えるな。印象強烈過ぎ。

  • 満足度★★★★

    表層的には地球人と地球外生命体(=レドモン)の共存共栄が成り立つのか、そんな投げ掛けがされているようだ。この投げ掛けは異文化との関わりであり、卑近な例をとれば移民・難民問題を提示していると思う。

    さて移民などの問題に関して、自分は、正義と秩序の守護神とされるギリシャ神話の女神・テーミスのように公平無私になれない。さしずめフーコーの振り子のようにその考えが定まらない。もっとも国レベルの政策から個人レベルの思いまで、各段階でもその捉え方は様々かもしれない。
    本公演は、対象となる者(地球外生命体として)と距離を置くことで客観的に物事を捉えている。その核心について考える材料を提示し、観客の思いに委ねている。

    なお、作品自体がSF風であることから、世界観を重視し物語(筋)における多少の違和感は卑小なこととして楽しんだ。

    ネタバレBOX

    舞台セットは、鉄骨(金属パイプで足場組み)という無機質な物で外形を作り、その内に人や地球外生命体という者の活動が見える。また上手側の主舞台から数段下に張り出したスペースを作り、酒場カウンターを設える。酒場という憩いの場が、この公演では思念の確認場のように思えた。

    核心と思える場面が、子供たちの学校での議論である。子供の無意識に発せられる本音、そのやり取りに思わず頷いてしまう。
    社会が異文化を前向きに受け入れること、その反面、差別や緊張感も併せ持つことも分かってくる。子供の物怖じしない”文化の違い”の言い合いは、無邪気ゆえに本質を突く。その中に、大人(両親など)の会話の受け売りが雑じり”公平無私”ならぬ”工兵無視”という怖い側面が見えてくる。その大人の立場が、新聞記者・行政(厚生労働省)さらには警視庁刑事という、一見良識と思えるような職業の視点で描くところが興味深い。

    レドモン=移民・難民の問題をユーモアと諧謔(かいぎゃく)でオブラートに包みながら、巧みに物事の本質に迫ろうとする。作・演出の北川大輔氏の人に対する鋭い洞察力をもって描き上げた作品を観客(自分)がどう受け止めるか?その思いは既に記したように曖昧だ。
    物語に潜ませた事は、時を越えても色褪せない普遍的なテーマのように思う。理性とユーモアを交え、思索を重ねて捻り出した結晶のような作品…秀作である。

    次回公演を楽しみにしております。
  • 満足度★★★

    レドモンとは
    舞台を幅広く、うまく使っている印象でした。

    ネタバレBOX

    レドモンとは生物の名前だったのですか。自分たちと異なる種を受入れることは難しいのですね。シーンの切れ目、切り替わりが絶妙です。2時間の長さですが、長さを感じなかったです。残念なのですが、足音が大きいのが気になり、また、ところどころセリフが聞き取りにくい箇所がありました。
  • 満足度★★★

    現代のSF
    地球外知的生命体<レドモン>と地球人とその混血<マジリ>の物語に、人種差別やヘイト問題や難民問題が透けてくる……現代的なテーマ性ある壮大なSFを演劇で、という意欲を感じる舞台でした。とはいえ、肝になっている家族のドラマが薄く感じられ「これが散りじりになっていく家族だろうか?」という印象のまま終わってしまいました。座った席が寒く、途中で一番後ろに移動したのですが(スミマセン)、上から全体を見渡したほうが、地下まで使った舞台美術がよく見え、ロープで境界線をあらわしていく演出が面白く感じました。

  • 満足度★★★

    もっと気持ち悪くしてほしかった。
    比較的穏当な内容。
    今回初めてカムヰヤッセンの作品を拝見し、小劇場演劇に特有の「訳の分からなさ」が少ないことに驚かされた。ストーリーと構造がはっきりしていて、その点、少し期を楽にして見ることができた。

    ネタバレBOX

    思春期の娘と家族をめぐる関係、大衆の差別意識、ひいては西山事件(外務省機密漏洩事件)と様々な要素をきれいにまとめていたように思う。

    ただし、あくまで内容は差別を扱っているだけに、はっとさせられたり、居た堪れなくなったり、気持ち悪さを感じたりする部分も多い。
    だが、穏当さゆえか、(良くも悪くも)割とあっさりとした印象を受けた。

    冒頭で小学生向け教育立体映像の試演があったが、その延長、と捉えるとちょうど良いように感じる。
    初演の様子や雰囲気、それとの比較も含めるともっと良かったのかもしれないが、一見の私としては、いささか物足りなさを感じた。

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