赤い竜と土の旅人 公演情報 赤い竜と土の旅人」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.9
1-20件 / 28件中
  • 満足度★★★★★

    総合芸術
    初日を観劇。
    まさに舞台は総合芸術、ということを再認識させる素晴らしい作品でした。”舞台芸術集団”を冠しているのも納得です。
    ともかく表現力が凄い。役者のスキルが高いので、身体とちょっとした小道具で色々な表現ができる。20人もの演者がいて下手な人が一人もいないというのは驚異的ですらあります。
    音楽劇と銘打っていますが、無論、歌も音楽も素晴らしく、作・演出に加えて作詞・作曲までこなす伊藤氏の多才ぶりに驚かされます。

    ネタバレBOX

    あの大震災と、それに続く原発事故からちょうど5年が経つ今、このような作品が生み出されることに大いなる意味があるかと思います。
  • 満足度★★★★★

    若者にも観て欲しい
    実にシンプルな舞台背景。椅子しかない。衣装も茶系。客席とステージが近い。
    劇が始まると何もない背景が自分の頭の中で作られていくから不思議。役者さんが演技で背景を作っていくのです。そして客席とステージは近いためその場にいる臨場感。
    テーマは原発とか情報でみていたので、お硬い感じなのかな?と思っていましたが、青年(最初は少年ぽくて本当に可愛い)の素直さ可愛さ、竜はなんだろう?とストーリーの中に引き込まれていきます。青年を演じる村田さんの歌はとても素敵でまだ心の中、頭の中で流れています。
    人間のもつ汚い部分、欲望や自分さえよければという身勝手な所、自分の都合のよいように解釈するところが描かれ、でもそれと闘うのも人間しかいないということでしょうか。
    この劇に示唆される問題に目を背けないことは大切なことですが、他感な時期の若者の中には、学校教材的なリアリティあるドキュメンタリーは重苦しいく怖がってしまう子たちもいて(それではいけないのですが)、こういう劇なら抵抗なく引き込まれ、自分で気付き考えることができるかと。押し付けでなく自分で考えることができれば次の行動に繋がるかと。
    若い方にも観て欲しい作品です。

  • 満足度★★★★★

    無題1771(16-061)、1772(16-062)
    3/5(土)14:00(曇)、3/13(日)14:00(曇)の2回。

    13:00受付、整理番号あり、13:30開場。

    桟敷童子の造り込んだ舞台装置からは想像できない、素のフラットな舞台。客席はひな壇。

    役者さんが客席誘導(足もとに機材があるが、お客さんはなかなか注意しない)、あるいは自由に過ごしている。

    茶系の衣装のなかで野田さん(おひとりだけ雰囲気が違う)と田代さんは黒。左右に白い椅子、中央奥は黒の椅子。

    毎回ビジュアル的には異なった印象を受けますが、お話しの本質は変わらないのではないかと思いました。

    SFを読み始めた頃、それはa long time ago in a galaxy far far awayの頃のこと、ジュブナイルものやNHKの少年ドラマシリーズに夢中になっていました。
    きっとそのときのテイストと同じものを感じるのだと。

    「OLと魔王(2011/1@BIG TREE)」から7公演目。

  • 満足度★★★★★

    これを見たら音楽劇にハマる
    まず衣裳が素晴らしかった。そして竜の作り方、椅子の使い方など演出も面白かった。

    難しいテーマに挑み、そしてなにより、「皆で唄う」ことで昇華されるものがあるのが素晴らしかった。

  • 満足度★★★★★

    MVPは
    個人的には商人の妻ガレ・タンレ役の鎹さやかさんだった。
    再演もあるかもしれないので、以下はネタバレに下記致します。

    ネタバレBOX

    主要な登場人物の中で、物語の最初と最後で彼女が最も考え方も感じ方も
    姿勢も変わった人物であったように思う。
    その移ろっていく心情変化を見事に演じていたように感じた。
    特に、醜聞を聞いた帰宅後の演技は、初日、3日目、楽日と3回観劇したが、
    3回ともに胸に迫るものがあった。特に楽日の演技は全2回とは違い、
    特に胸に迫る感情の爆発があった。とても素晴らしいものを拝見できました。

    また、直前に代役となった、商人ヤビン・タンレ役の奥田努さんも大変素晴らしかった。ほんとに直前での登板だったと聞いていましたが、初日でも、
    全く遜色がなかった。言われないと誰が代役だったのかわからないくらい
    でした。多少のセリフトチリはご愛敬でしょう。楽日に台本通り「蒸気機関」
    と聞けて、台本を頂いた自分としては、余計に楽しめました。

    舞台装置の黒い椅子に関して。
    私見ですが、舞台背景が大黒幕のように真っ黒であったため、
    黒い椅子は「目を凝らさないと見えない非日常のモノ、人工的なモノ」
    というとらえ方を最終的にしました。
    その対比として、「日常の風景や自然」を白い椅子で表現されていたと
    思っています。

    穴があいたモノが見つかるたびに、黒い椅子に砂が落ちていく、音としての
    違和感は感じているが、正体を見破れない。忍び寄ってくるもの。
    最後に旅人が舞台の前方に黒い椅子をもってきますが、これは、
    「ほら、こんなになるまで気づかなかっただろう。目の前の日常に目を奪わ
    れて、本質を見ようとしない。目の前にだされるまで気づかない。
    日常のみにとらわれず、物事の本質に目を凝らせ、違和感を感じたら
    目を凝らせ」という観客への問いかけがあの最後の黒い椅子だったのだと
    私は感じています。
    問いかけはシンプルではありますが、人間が生活していく中で、
    普遍的な命題だと再認識した舞台でした。

    最後に、鎹さやかさん、奥田努さん、大塚由祈子さん、野々目良子さん、檀上太郎さん、綾坂なんりさんの他の舞台が是非観劇したいと感じました。
  • 満足度★★★★★

    震災を思い出させる
    日本の風潮をあらわしていて、人によって見方が別れる、考えさせてくれる感動劇でした。
    個人的には、流されずに自分の意見持たないといかんな、家族を大切にしようと改めて思い起こさせてもらいました。

    ネタバレBOX

    ミュージカルを普段みていませんが、生の歌が心に響きました。
    合唱している感じも好きです。

    2時間15分があっという間にすぎていきました。
    最後に家族や恋人を大切にしようとするメッセージ?が個人的に嬉かった。
  • 満足度★★★★★

    「生きぬく」ことの重み
    背景もなければ小道具もない。
    幕さえもないのだ。
    だから本番直前にそれぞれ気を高める出演者の様子がいやでも目に入る。
    当初はその意図がわからず大いに戸惑った。
    が、
    劇が進むうちに腑に落ちてくる。
    そもそも最初の前口上で、その意図らしきものも述べられている。

    「伝えたいものは『想い』だ」と。そして「皆さん、俳優でも観客でもなく、皆で一緒に考えましょう」ということなのだろう。

    そしてその意図は、登場人物の極めてリアルな人間関係と、俳優の熱演によって、見事に達せられている。

    ネタバレBOX

    「黒い竜」は明らかに「原子力」だ・・・単に原発に止まらず原爆をも含む、本来人間の手に余る巨大な力だ。
    そして、その力を利用しようとする「商人」も「役人」も登場する。

    では、その「商人」や「役人」を倒して万々歳というストーリーなのか?
    正義の味方「赤い竜」によって、無事に「黒い竜」を倒してめでたしめでたしという結末なのか?

    どちらでもない。
    sの、凡百の「反原発もの」と異なる展開こそが、本作の大きなポイントだろう。
    「商人」も「役人」も、思ったほど悪人には描かれていない。
    人々も、罪を背負おうとする人々も存在する一方で、誰かのせいにしたがる人もいる。
    「赤い竜」は「黒い竜」と相打ちとなり、その声は最早聞こえない。町は人の住めない土地となってしまった。
    ・・・何ともリアル過ぎる結末ではないか。

    そんな中、主人公達はこの現実に雄々しく立ち向かおうとする。
    何とも強かなことに、利益のみを追求する「役人」の思いを利用しようとさえする。
    「赤い竜」の声はもう聞こえないが、「いつか必ずまた聞こえる」と信じる。
    そして、
    今は住めないが、「必ずここに帰る」と固く心に誓う。

    ・・・気負った様子もなく、
    上から目線ではなく、作り手も観客も同じ立場の者同士として、語りかけ、問いかけるのだ。

    ようやく「原発」に真正面から向き合い、決して逃げ隠れしようとしない作品が生まれた。
    そのことが、嬉しくて仕方がない。
  • 満足度★★★★★

    鑑賞日2016/03/04 (金)

    作者が英国ウェールズで取材した、ウェールズ国旗のデザインにもなっている、赤い竜の伝説
    当地で建設が進められている原発プラント(日立や東芝が関係しています)への反対・推進両派の対立
    を基に作られた寓話的音楽劇。

    赤い竜は「大地の意思=自然」を、黒い竜は「原発に代表される、人々の暮らしに大いなる利便を与えつつも、一つ間違えればカタストロフィを招く人類の英知」を、象徴したもののようです。

    最後、赤い竜・黒い竜は、もみ合いながら消滅していくのですが、(うがちすぎかもしれませんが)その姿は、大地の意思と、人類の英知とが、まるで手を合わせて未来のために祈っている…ように、私の目には映りました。

    社会的に様々な意見のある問題ですが、対立ではなく、互いの意見を昇華した先の、未来への希望…勝手ながら、作者の意図をそのように解しました。

    作品自体への感想。
    メロディアスでノスタルジックでもある出演者たちの唄
    荒波や放牧された牛などを表現していく、白い椅子を用いての巧みな描写
    イギリス南部の貧しい住民そのものの衣装
    2時間強の上演時間を感じさせない、テンポの良いストーリー展開
    そして何よりも、活き活きと舞台で演じ・唄う出演者たち
    2016年の個人的ベスト5にカウントさせて頂いた、素晴らしい舞台でした。

  • 満足度★★★★★

    赤い竜と土の旅人
    作品の壮大さに度肝を抜かれました。時代的緊急性、構想力、緻密な設計、舞台装置の美しさ、セリフ、どれを取っても一流です。

  • 満足度★★★★

    素晴らしい! これこそ舞台芸術!
    自分たちが制御し切れないような力を人間が持つ事への警告。そして、自然の怒り。
    本作を観て自分が感じ取ったメッセージは、今年1月に観た劇団ショウダウンの『錆色の瞳、黄金の海』と共通するものでした。こうした寓話性のある作品が相次いで上演されるのは、世の中が不安に包まれている中で、多くの人が演劇の力を信じてやまないからなのでしょう。

    しかし両作品とも、決して重いテーマを観客に押し付けるような事はしません。何を感じとるかは観る人それぞれに任せつつ、そっと祈るように、心に投げかけて来ます。

    純粋に演劇として充分に面白い作品です。だからこそ、そこに含まれたメッセージは、役者に強い口調でぶつけられた激しい台詞よりも、ずっと心に響き、残り続けます。

    ほとんど舞台装置も無い素舞台に近い空間で、椅子と役者が密集したり散開したりしながら、時には波になり、時には船になり、羊になり、窯になり、そして、竜になる。観客の想像力を掻き立てるその手法には、劇団ではなく「舞台芸術集団」と冠しているのも納得です。

    役者の熱演だけでなく、歌唱も本当に素晴らしいものでした。

    終演後、思わず上演台本を購入しました。
    (他の劇団と比べて高額な上に、A4横向き印刷が縦に綴じてあって読みにくい…。)
    これを読んで、またあの独特の世界を堪能したいと思います。

  • 満足度★★★★

    初めての地下空港
    がらんとした舞台で、椅子を使って表現。小道具や舞台装置を使いすぎるより、こちらの方が好みです。皆さん思った以上に歌がお上手でびっくりしました。とても楽しめました。

    ネタバレBOX

    「私たちは何も知らないで釜の力を使ってしまった。」「いいえ私よ。私沢山の人を呼んで釜に入れたもの。」
    胸にきました。
  • 満足度★★★★

    「原発こわい」と口で言ってみよ。
    印象・・・真剣さ、誠実さ、若さ。

    ネタバレBOX

    最近「原発」の話題を避ける風潮があり、その結果被ばく地域の住民保護や移住の権利を云々したり、より正確な実態を究明しよう、といった話に繋がるようなドキュメントやドラマも、敬遠されている。
     そうした心情が多くの日本人を支配している理由を、「言わずもがな」と一蹴せず、考えて言語化したほうが良いと思うのは、禁忌の領域が拡大させることは自分の首を絞めるに等しい愚かなことだと思うゆえだ。
     で、端的に言えば被ばくは健康の逆だから、触れたくない。だが、本当に健康に注意するなら、放射能被害の実態を可能な限り知ろうとするはずだ。実際には人々は「健康であろうとする」選択肢を奪われている、ないしは放棄している訳である。
     そこには、曖昧なら触れるまじ、という基準はありそうだ。例えば、放射能は測りづらい、という事情。しかしそれ以上に、放射能に言及すべからず、という「空気」から、正確な情報を得る可能性が低いことを悟っており、結果「判らないのなら触れないほうが良い」、という判断なのだと思う。つまり、「放射能問題に触れるまじ」との「圧力」に、負けているという訳なのだ。
     だが、そういう事では身も蓋もないから、例えば反原発派が「必要以上に騒ぎ立てている」といった説を採用し、後ろめたさを回避している、という事もあるだろう。 ただ、国内に間違った意見を持つ者が勢力を得ているなら、本気で彼らを諭し、原発推進を唱えるべきだ。そうしないのは「反原発派が必要以上に力を持っているから」「自分が悪者にされる」と、ここでも言い訳に使われるが、実際にはそれを本気で信じていないからだろうと思う。
     ・・・こうした奇天烈なあれこれは、結局のところ「被害の実態を明らかにする」という方針を実現できていない、という既成事実から、「風桶」式に導かれている現象なんだろう。

     自民党改憲案がもし通ればこれは歴史的な「えらいこと」だが、これが如何にえらい事かを見るより、野党共闘を人々が応援するのかどうかと、風見鶏のように「空気」を読んでいる。でもって当然ながらマスコミはこれを白々しい視線で報じるので、「空気」としては自民党支持が多数派と見える(日本ではテレビ報道を信じる人の割合が8割と言われる。諸外国では50%以下)。 大樹になびく心情が巷を漂うさまが見えるようだ。 

     遠大な前置きが果たして相応しいかどうか・・・だいぶ引かれそうだが、今回の地下空港の舞台で、久々に「原発」の恐怖に触れたと感じた。それだけ、如何に普段この話題が遠くなっているか、という証左なのだろう。
     イギリスはウェールズの西端の島には原発があり、2013年、経年劣化した原発を新調する取引相手に日立製作所の名が挙がった。 この地を作品製作のために訪れ(助成により)、今回の作品が出来たという。

     岬に行けば竜(赤)の声が聞こえるという片足の青年ロイの物語は、「旅人」がその村に持ち込んだ「窯」、その窯に棲む竜(黒)の存在、青年が恋をする旅人の娘、青年のおばさん(母は昔死んだ)、窯の力がもたらす「経済効果」に目をつけた事業家、その妻、息子、村長、役人その他を巻き込み、紡がれて行く。 劇団桟敷童子の拠点すみだパークスタジオが、ややなだらかに組まれた客席以外はがらんどうに椅子だけがあり、役者は開場時刻から場内で発声練習しながら案内などをやっているが、いざ劇が始まると無駄の無い統一した挙動に入る。椅子を使った場面転換、本域の歌をはさみながら、最初牧歌的にみえた「物語」が徐々に暗雲が垂れ込め、最終的には悪夢の様相を呈するに伴い、語られている「窯」が、原子炉の隠喩である事が明白になる。
     このお話が含んでいる警鐘は、日本では既に起きてしまった原発事故についての言及を促すが、恐らく観客は受け止めがたい思いで劇場を後にしたのではないか。俳優の演技に拍手を送りつつも。
     もし、この歪な状況を変え得るとすれば、やはり「語ること」「言葉を見つけること」で、息をするしかないのだと思う。
     日本は今危うい所にいる。実際の危機より、その危機への対し方について。

     「敢えて」語ってみせた地下空港の今作には、その意味で驚き、「語られない」奇妙さが、改めて思い出された。 そして「語らない」のは自分も同罪である。
  • 満足度★★★★

    代償!
    ふしぎな窯=原子炉を示唆。
    人間の私利私欲の為の核利用はその代償に自らを破滅させ、平和的利用には世代交代が必要と思わせる。
    白い椅子を小道具にイメージを作らせる見せ方が印象的で、挿入曲もメロディアスで村田・田代両名の歌唱、そしてアンサンブルも美しく、力強い。
    ただ、旅人が黒い竜=黒い窯を修復させようとする時の両サイドの台詞に時差があり聞きにくかった。

  • 満足度★★★★

    観てきました!
    正直、 こちらでの評判がイマイチだったので あまり期待せずに拝見したのですが、  思いのほか良かったです☆  
    ”音楽劇” というだけあって 歌うシーンがたくさんあるのですが、 その歌が  なんとも いい感じで  自分は好きですね~ ☆

    ネタバレBOX

    ここの劇場には何度か来たことがあるのですが、 こんなに ガラ~ンとした 舞台セットらしいものが何もない芝居を観たのははじめて。 
    普通は舞台袖があって、 役者が舞台上から完全に見えなくなる場所があるものですが、  この芝居は それがないのです! ビックリです!  
    左右に椅子があって、 演技を終えた役者は そこで待機しているのです。
    最初から最後まで 常に客の前にいるわけです。  
    やってる方は なかなか大変だろうな~って思いました!   

    良かったのは、 歌と、 あと照明の使い方が なんか良かった。 それから椅子を使って 波や いろんなものを表現するのも良かった。 釜のまわりで手を組んでる役者たちが ぶるぶる体を震わせる演技は、とても面白かった。  
    気になったのは、  開演前から舞台上で役者が練習というか、声出したり、ストレッチしたりしていたこと。  あれは あまり観たくないです。
    あと、 ところどころ、マイク音声になったこと。  このくらいの劇場なら 生声で十分なのに なんで?? って思いました。  

    まあでも  全体的には 良かったので、次回の公演も行ってみようかと思います。 
  • 満足度★★★★

    難しい問題
    アーシーでシンプルな舞台だけど、メッセージ性が強いですね。セットの椅子の使い方が実に巧みです。やっぱり竜=原子力は人の手に負えないのかな。

  • 満足度★★★★

    象徴的な
    舞台装置としての

    ネタバレBOX

    黒い椅子の意味を個人的には、認識、咀嚼できたように思う。
    黒い椅子が後ろの黒い壁の前にあり、日常は対して白い椅子で
    表現されている、というのが、今回の主題を暗示していると
    感じた。
    楽日で自分の答えを出そう。。。

    ちなみに、釜の時の鎹さんの揺れ方が可愛くてツボでした。
    対照的に、大塚さんの釜が、文字通り『揺れてる』が表現されていて素敵でした。
  • 満足度★★★★

    もっと毒を盛っても良かったかも?
     赤い竜は、なにを象徴しているか? 考えながら見ると面白かろう。土が何を象徴しているかは明らかだろう。食と住処、飲料水など生きてゆくための必要条件だ。

    ネタバレBOX

     確証破壊の痕、後にヒトが人らしく生きたいという望みを最終部に描いている点に救いがあると同時に人間的である。

    By the way,
     ヒトは制御できない技術を使うべきでもなければ持つべきでもない。作・演出の伊藤氏は、イギリス、ウェールズ国立劇場の日本人招聘プログラムに初めて選出された人物だ。学生時代から11か国を回ったという。当然、国際的視野は持ち合わせているから、セラフィールド、ラアーグの核燃料再処理工場の海洋汚染の凄まじさや、近隣で発生している癌、白血病他の健康被害についても良く知っていよう。核物理学に疎い日本人の多くは、原発での核利用と兵器としての核利用に本質的違いがあると勘違いしているようだが、核燃料の純度をどのくらいにするかという点だけが大きく異なっているのと兵器にすることを目的に作られているかいないかという差があるだけで核技術そのものと核物質を燃やすことで起きる弊害に於いて、総ての生命を危険や死に晒すという意味で大差はない。何故なら、命の設計図であるDNAや細胞同士がくっつきあう力に対して、放射性核種が発するエネルギーは桁違いに大きく、総ての生命の基本構造に大打撃を与えるからである。このことが、この段落の最初に挙げたヒトは制御できない技術を使うべきでもなければ持つべきでもない、という主張の意味する所である。而も、現在地球上に生息する生き物の食物連鎖最上位に位置する我々、ヒトは他の総ての生命に対する責任を負っている。更に核技術はヒトが開発した技術だから猶更なのである。
  • 満足度★★★★

    原発、難民問題などを力強いファンタジーに
     ある田舎の島に漂着した旅人が持っていた“釜”の不思議な、巨大な力が、人々の暮らしを一変させます。釜の力の由来や、それを利用しようとする勢力、やがて起こる大きな災害…。物語に日本の原子力政策や東京電力福島第一原発事故、そして事故後の世界を映していることは明らかです。

     そんな社会派と言い切っても問題ないお芝居ですが、オリジナルの楽曲とイスを使った表情豊かなステージング、工夫を凝らした身体表現によって、躍動感のある娯楽作に仕上がっていました。衣装とヘアメイクが凝っていて、役の区別もつきやすく、デザインも良かったです。

     ドローンを用いた予告編ミュージック・ビデオのクオリティーの高さに驚きました。クラウドファンデイングで資金を得て、3/12(土)19時の回は英語字幕付きで、Ustreamで無料中継されました。この作品が生まれるきっかけとなったイギリス・ウェールズ国立劇場のスタッフもご覧になったようで、国境を超えたアーティスト同士のつながりを維持する努力が素晴らしいと思いました。

     本番直前に病気降板になった俳優に代わって、奥田努さんがタンレ役で出演されていました。タンレはいわゆる悪者として物語を引っ張っていく主要人物です。奥田さんが所属されている劇団Studio Lifeは中劇場ツアーも行っている、数十年の歴史がある劇団です。奥田さんは大勢の俳優を抱える同劇団で主役も経験されています。中堅舞台俳優の底力を見せていただけたように思いました。

    ネタバレBOX

     片足の少年(村田慶介)、赤い竜(田代絵麻)、土の旅人(野田孝之輔)に込められた意味を探ろうとしたら、便利で危険な釜が登場し、必死で謎に食らい付いていこうとしたのですが、“釜と人間との契約”のところで頭がこんがらがってしまいました。テーマを盛り込み過ぎではないでしょうか。複雑なことも敢えてファンタジー、寓話として楽しむのも方法かもしれませんが、私は“とことん意味を知りたい病”を発症してしまいました。そして快癒できず…。

     釜に物を入れると新品になり、人間を入れると若返って元気になります。役人や豪商がその利権を独り占めしようとしますが、釜から出た人間に穴が開くことがわかります。昔、旅人は自分の故郷を破壊した黒い竜をしとめ、釜に閉じ込めました。そして黒い竜と、「釜に入れた物・人で、旅人の故郷を元に戻していく」という契約を結んだのです。釜に入った人間は元気になりますが、旅人の故郷の穴を埋める代わりに、その人間の体に穴が空くという設定でした。

     旅人の故郷は原爆が投下された街(広島もしくは長崎)だったとわかったところで、黒い竜の正体は原子力爆弾、原子力発電の材料となるウランであると予想がつき、日本が原爆をいつでも作れるように、原発関連施設を保持していることとつながります。
     キャパオーバーになった釜は黒い竜が焼き尽くして爆発。土の旅人の故郷と同じように、ロイの故郷も破壊されました。原子力発電所の輸出や放射性廃棄物の再処理工程を想像してしまいます。それは日本とウェールズをつなぐものでもあります。

     黒い竜がウランで、赤い竜が島に住まう神だとすれば、両方とも土から生まれたものです。私たちの故郷(地球)には常に善悪の種があり、どれも使い方次第。2つの竜のパペットがぶつかりあう戦闘場面は、不思議な感触のクライマックスでした。竜を操る複数の俳優(=人間)の懸命の演技は胸を打つものがありました。

     ほぼ何もない舞台で、俳優は両袖にスタンバイし、舞台に出ていない時も観客の目にさらされます。そういえば俳優は開場時間からステージに居て、それぞれ自由に発声、体操などのアップをしていました。開演まで30分あったのでしょうか。私には長すぎましたね、観ていてちょっと疲れてしまいました。

     俳優の中では、主人公ロイを演じた村田慶介さんの歌声が素直でいいなと思いました。ロイのおば・ミシェ役の野々目良子さんも声に説得力があり、力強い存在感でした。あとは先述の奥田努さんが印象に残っています。
  • 満足度★★★★

    目先の利得ばかりを追い求めて『深く関心がなかった』人たちは加担者となる
    テーマはそこにあるような気もしました。

    何も引っかからず周りに同調している人が殆どで、そういう見えないもの、空気の怖さを感じたりもしました。
    さっきまで味方だったのにって。

    音楽劇であるが故、歌詞にはとても大事な意味があります。
    そこがちゃんと聞き取れなかったことが唯一悔やまれる点だと思う。これがリアルタイムに解っていればと。

    もちろん好き嫌いはあって良いと思う。

    それでも、今、非常に観る意味があると思うし感じることができて良かった。そう思います。

    ネタバレBOX

    放射能で汚染された福島(穴だらけの住めない土地)で、なすがままに生きるのか、出るべきなのか、その様にも感じ取れました。

    いつか『シマに戻れたら』良いのになぁ、とは思います。

  • 満足度★★★

    ゆるりと低空飛行
    場内は暑く眠気を誘い、仕事帰りにはキツイ。演出に目新しさも無く音楽劇としての面白味を感じられず。

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