満足度★★★★★
総合芸術
初日を観劇。
まさに舞台は総合芸術、ということを再認識させる素晴らしい作品でした。”舞台芸術集団”を冠しているのも納得です。
ともかく表現力が凄い。役者のスキルが高いので、身体とちょっとした小道具で色々な表現ができる。20人もの演者がいて下手な人が一人もいないというのは驚異的ですらあります。
音楽劇と銘打っていますが、無論、歌も音楽も素晴らしく、作・演出に加えて作詞・作曲までこなす伊藤氏の多才ぶりに驚かされます。
満足度★★★★★
若者にも観て欲しい
実にシンプルな舞台背景。椅子しかない。衣装も茶系。客席とステージが近い。
劇が始まると何もない背景が自分の頭の中で作られていくから不思議。役者さんが演技で背景を作っていくのです。そして客席とステージは近いためその場にいる臨場感。
テーマは原発とか情報でみていたので、お硬い感じなのかな?と思っていましたが、青年(最初は少年ぽくて本当に可愛い)の素直さ可愛さ、竜はなんだろう?とストーリーの中に引き込まれていきます。青年を演じる村田さんの歌はとても素敵でまだ心の中、頭の中で流れています。
人間のもつ汚い部分、欲望や自分さえよければという身勝手な所、自分の都合のよいように解釈するところが描かれ、でもそれと闘うのも人間しかいないということでしょうか。
この劇に示唆される問題に目を背けないことは大切なことですが、他感な時期の若者の中には、学校教材的なリアリティあるドキュメンタリーは重苦しいく怖がってしまう子たちもいて(それではいけないのですが)、こういう劇なら抵抗なく引き込まれ、自分で気付き考えることができるかと。押し付けでなく自分で考えることができれば次の行動に繋がるかと。
若い方にも観て欲しい作品です。
満足度★★★★★
無題1771(16-061)、1772(16-062)
3/5(土)14:00(曇)、3/13(日)14:00(曇)の2回。
13:00受付、整理番号あり、13:30開場。
桟敷童子の造り込んだ舞台装置からは想像できない、素のフラットな舞台。客席はひな壇。
役者さんが客席誘導(足もとに機材があるが、お客さんはなかなか注意しない)、あるいは自由に過ごしている。
茶系の衣装のなかで野田さん(おひとりだけ雰囲気が違う)と田代さんは黒。左右に白い椅子、中央奥は黒の椅子。
毎回ビジュアル的には異なった印象を受けますが、お話しの本質は変わらないのではないかと思いました。
SFを読み始めた頃、それはa long time ago in a galaxy far far awayの頃のこと、ジュブナイルものやNHKの少年ドラマシリーズに夢中になっていました。
きっとそのときのテイストと同じものを感じるのだと。
「OLと魔王(2011/1@BIG TREE)」から7公演目。
満足度★★★★★
これを見たら音楽劇にハマる
まず衣裳が素晴らしかった。そして竜の作り方、椅子の使い方など演出も面白かった。
難しいテーマに挑み、そしてなにより、「皆で唄う」ことで昇華されるものがあるのが素晴らしかった。
満足度★★★★★
震災を思い出させる
日本の風潮をあらわしていて、人によって見方が別れる、考えさせてくれる感動劇でした。
個人的には、流されずに自分の意見持たないといかんな、家族を大切にしようと改めて思い起こさせてもらいました。
満足度★★★★★
「生きぬく」ことの重み
背景もなければ小道具もない。
幕さえもないのだ。
だから本番直前にそれぞれ気を高める出演者の様子がいやでも目に入る。
当初はその意図がわからず大いに戸惑った。
が、
劇が進むうちに腑に落ちてくる。
そもそも最初の前口上で、その意図らしきものも述べられている。
「伝えたいものは『想い』だ」と。そして「皆さん、俳優でも観客でもなく、皆で一緒に考えましょう」ということなのだろう。
そしてその意図は、登場人物の極めてリアルな人間関係と、俳優の熱演によって、見事に達せられている。
満足度★★★★★
鑑賞日2016/03/04 (金)
作者が英国ウェールズで取材した、ウェールズ国旗のデザインにもなっている、赤い竜の伝説
当地で建設が進められている原発プラント(日立や東芝が関係しています)への反対・推進両派の対立
を基に作られた寓話的音楽劇。
赤い竜は「大地の意思=自然」を、黒い竜は「原発に代表される、人々の暮らしに大いなる利便を与えつつも、一つ間違えればカタストロフィを招く人類の英知」を、象徴したもののようです。
最後、赤い竜・黒い竜は、もみ合いながら消滅していくのですが、(うがちすぎかもしれませんが)その姿は、大地の意思と、人類の英知とが、まるで手を合わせて未来のために祈っている…ように、私の目には映りました。
社会的に様々な意見のある問題ですが、対立ではなく、互いの意見を昇華した先の、未来への希望…勝手ながら、作者の意図をそのように解しました。
作品自体への感想。
メロディアスでノスタルジックでもある出演者たちの唄
荒波や放牧された牛などを表現していく、白い椅子を用いての巧みな描写
イギリス南部の貧しい住民そのものの衣装
2時間強の上演時間を感じさせない、テンポの良いストーリー展開
そして何よりも、活き活きと舞台で演じ・唄う出演者たち
2016年の個人的ベスト5にカウントさせて頂いた、素晴らしい舞台でした。
満足度★★★★
素晴らしい! これこそ舞台芸術!
自分たちが制御し切れないような力を人間が持つ事への警告。そして、自然の怒り。
本作を観て自分が感じ取ったメッセージは、今年1月に観た劇団ショウダウンの『錆色の瞳、黄金の海』と共通するものでした。こうした寓話性のある作品が相次いで上演されるのは、世の中が不安に包まれている中で、多くの人が演劇の力を信じてやまないからなのでしょう。
しかし両作品とも、決して重いテーマを観客に押し付けるような事はしません。何を感じとるかは観る人それぞれに任せつつ、そっと祈るように、心に投げかけて来ます。
純粋に演劇として充分に面白い作品です。だからこそ、そこに含まれたメッセージは、役者に強い口調でぶつけられた激しい台詞よりも、ずっと心に響き、残り続けます。
ほとんど舞台装置も無い素舞台に近い空間で、椅子と役者が密集したり散開したりしながら、時には波になり、時には船になり、羊になり、窯になり、そして、竜になる。観客の想像力を掻き立てるその手法には、劇団ではなく「舞台芸術集団」と冠しているのも納得です。
役者の熱演だけでなく、歌唱も本当に素晴らしいものでした。
終演後、思わず上演台本を購入しました。
(他の劇団と比べて高額な上に、A4横向き印刷が縦に綴じてあって読みにくい…。)
これを読んで、またあの独特の世界を堪能したいと思います。
満足度★★★★
初めての地下空港
がらんとした舞台で、椅子を使って表現。小道具や舞台装置を使いすぎるより、こちらの方が好みです。皆さん思った以上に歌がお上手でびっくりしました。とても楽しめました。
満足度★★★★
代償!
ふしぎな窯=原子炉を示唆。
人間の私利私欲の為の核利用はその代償に自らを破滅させ、平和的利用には世代交代が必要と思わせる。
白い椅子を小道具にイメージを作らせる見せ方が印象的で、挿入曲もメロディアスで村田・田代両名の歌唱、そしてアンサンブルも美しく、力強い。
ただ、旅人が黒い竜=黒い窯を修復させようとする時の両サイドの台詞に時差があり聞きにくかった。
満足度★★★★
観てきました!
正直、 こちらでの評判がイマイチだったので あまり期待せずに拝見したのですが、 思いのほか良かったです☆
”音楽劇” というだけあって 歌うシーンがたくさんあるのですが、 その歌が なんとも いい感じで 自分は好きですね~ ☆
満足度★★★★
難しい問題
アーシーでシンプルな舞台だけど、メッセージ性が強いですね。セットの椅子の使い方が実に巧みです。やっぱり竜=原子力は人の手に負えないのかな。
満足度★★★★
もっと毒を盛っても良かったかも?
赤い竜は、なにを象徴しているか? 考えながら見ると面白かろう。土が何を象徴しているかは明らかだろう。食と住処、飲料水など生きてゆくための必要条件だ。
満足度★★★★
原発、難民問題などを力強いファンタジーに
ある田舎の島に漂着した旅人が持っていた“釜”の不思議な、巨大な力が、人々の暮らしを一変させます。釜の力の由来や、それを利用しようとする勢力、やがて起こる大きな災害…。物語に日本の原子力政策や東京電力福島第一原発事故、そして事故後の世界を映していることは明らかです。
そんな社会派と言い切っても問題ないお芝居ですが、オリジナルの楽曲とイスを使った表情豊かなステージング、工夫を凝らした身体表現によって、躍動感のある娯楽作に仕上がっていました。衣装とヘアメイクが凝っていて、役の区別もつきやすく、デザインも良かったです。
ドローンを用いた予告編ミュージック・ビデオのクオリティーの高さに驚きました。クラウドファンデイングで資金を得て、3/12(土)19時の回は英語字幕付きで、Ustreamで無料中継されました。この作品が生まれるきっかけとなったイギリス・ウェールズ国立劇場のスタッフもご覧になったようで、国境を超えたアーティスト同士のつながりを維持する努力が素晴らしいと思いました。
本番直前に病気降板になった俳優に代わって、奥田努さんがタンレ役で出演されていました。タンレはいわゆる悪者として物語を引っ張っていく主要人物です。奥田さんが所属されている劇団Studio Lifeは中劇場ツアーも行っている、数十年の歴史がある劇団です。奥田さんは大勢の俳優を抱える同劇団で主役も経験されています。中堅舞台俳優の底力を見せていただけたように思いました。
満足度★★★★
目先の利得ばかりを追い求めて『深く関心がなかった』人たちは加担者となる
テーマはそこにあるような気もしました。
何も引っかからず周りに同調している人が殆どで、そういう見えないもの、空気の怖さを感じたりもしました。
さっきまで味方だったのにって。
音楽劇であるが故、歌詞にはとても大事な意味があります。
そこがちゃんと聞き取れなかったことが唯一悔やまれる点だと思う。これがリアルタイムに解っていればと。
もちろん好き嫌いはあって良いと思う。
それでも、今、非常に観る意味があると思うし感じることができて良かった。そう思います。