うみがめくれる 公演情報 うみがめくれる」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.8
1-5件 / 5件中
  • 満足度★★★★

    拘りみたいなものは感じる
    創り手の拘りみたいなものは感じるが、まだまだ伝わらない。特に場転が分かりにくく時間経過が把握し辛い。傍編と本編の相関関係も理解できなかった。分からないカオスの心地良さもないので、正直ちょっと困った。結果、演者眺める状態に。

    ネタバレBOX

    柳瀬晴日は端整な顔立ちの上にメイクもバッチリ決まってて美しさが印象的だった。更に声に独特な雰囲気があって、これからもっと人気出そう。事前にツイキャス聴いてなかったから、前説流れてきた際に声聴いてホントに吃驚した。

    青海アキは当たり前だがレティクル東京座と全く違う姿を観せてくれた(同じだったら逆に怖い)。ただ、眼力というか、視線の力強さは、メイクにかかわらず伝わってくるのは魅力的。演出の違いで印象がガラッと変わるのが好印象。

    シミズアスナの劇中の存在感はある種異常だった。今作へのハマり方が尋常ではない。オーディションで選ばれた学生さんらしいが、こういう巡り合わせは大切なのでもう少し役者続けてもらえると観る側としては楽しみな存在。
  • 無題1217(14-265)
    16:00の回(晴)。会場横に1列で待ち、15:31受付(チケットレス)、開場。入口側が客席、柱/左2列、右3列の椅子席。舞台左右に白い布、手前に白い岩のようなもの(珊瑚らしい)。上手、天井に光ファイバーでできたカーテン"のような"もの、ところどころ氷結(氷柱)しているように見える。15:45前説(放送:柳瀬さん、青梅さん?75分)、16:03客席前でも前説、多めのスモーク、16:05開演、波の音、〜17:25終演。台本を購入。

    嵯峨さんですが、「観たい!」に書きましたように、以前、d’UOMO ex machinaというユニットの「Délire à deux — うはごとをふたで」他に出ていらしたのを観ています(短いですがYouTubeに映像あり)。「d’UOMO」はとてもユニークな演出(題材、発声、動き、照明…どれも)で、数回見に行きましたが、そこに出ていた役者さんを他の劇団で観るのは二人目(丸房さん「ティティプー見聞録(2013/12)」)です。

    セーラー服の女性が6人…よーし観ようか…とは思わないのですが、そこは嵯峨さん、最後の回を観に行きました。フライヤーのままの衣装、【現実】編「私立海渡学園高等部(1〜3年生)」と【深海】編決して綺麗ではない小魚の旅とを重ね合わせた物語…最後に【地上】編。

    お客さんは同年代の方が多かったように思います。「百合」をウィキってみると「櫻の園」くらいしか知りませんでしたが(但し、1990の映画版)、「ナチュラル・ウーマン2010(2010/4@イメージフォーラム)」という映画を観たことがあります。亜矢乃さんが出ていて、その後、マコンドーなどの芝居を観に行きました。

    【現実】がかなりあっさり仕上げてあった(と感じた)のと【深海】でのひたむきさの方が好みだったので、作者の意図とは異なった受け取り方になったかもです。もっと「百合」に絞って深味を出さないと、どこにでもあるパズルの組み合わせにみえてしまいます。例えば、実は先輩のことは…という設定には違和感、取ってつけた感がいっぱい。

  • 満足度★★★

    うみ
    面白い。75分。

    ネタバレBOX

    かえで(嵯峨ふみか)…高二。美術部。作品のテーマ「愛」がわからず苦戦。みやこと百合になり失踪。
    みやこ(柳瀬晴日)…高二。ささから真剣に好きじゃないと突き放されかえでと百合に。哲学好き。
    ささ(山本沙和)…高三。モテる。妹のちづるが好きなシスコン。なるべく人を傷つけないよう振舞うが。
    ちづる(シミズアスナ)…高一。美術部。きりかに憧れているが、きりかが彼氏といるとこを見て傷つく。
    きりか(青海アキ)…高三。美術部部長。モテる。彼氏あり。同性愛に理解はない。
    とも(田中佑果)…高二。美術部。明るい性格。同性愛に理解はない。

    ささを好きなみやこを応援するかえでは、愛が良く分らない。よく分らないがみやこと同性愛に落ち、ともに現場を見られ失踪する。
    女子高の話と小魚(嵯峨ふみか)が地上を目指す海中の話が交互に演じられる。小魚と傷を負った白魚(柳瀬晴日)が地上を目指し、最終盤で二つの話が混ぜ合わされるという構成。かえでとみやこが、幸せになるかどうかもわからない未踏の領域(同性愛)に踏み込んで幕。

    百合ってテーマ自体に魅力はあまり感じないけど、要所を押さえた舞台展開とか、海中の話の幻想的な空気と学園シーンのメリハリ感でもって飽きずに見ていられる。骨組のしっかりした舞台だった。

    かえでとみやこの関係が中心だけど、なにげにささとちづるの関係が見ごたえある。妹を大事に想う姉と自立心の芽生えた妹。先輩への憧れと現実を目の当たりにしたショック。姉は姉で、人を傷つけないようにしてきたことの考えに揺るぎが生まれみやこに率直な指摘をぶつけ、傷つく。
    ラスト、失踪したみやことかえでが裸足で飛び込むシーンも美しいけど、この姉妹の若若しさというのか不器用さというのか、に心惹かれた。
  • 満足度★★★

    可愛らしさを期待すると怪我します。
    なんて、古めかしい言葉ですが、その通りですね。
    女子高の美術部、一見普通の可愛い女の子達~
    部長が好きなシャガールから引用した作品テーマ「愛の色」。
    何気ない提案が切っ掛けで、抑えてた2つの愛情が弾け
    ひとつの衝動的かもしれないけど強い穿った愛が生まれる。
    平行で陸地(彼岸かもね?)を目指す魚の寓話が展開
    旗揚げ公演だったので、会話の間とか世界とかまだまだ部分あるけど
    結構、印象に残るシーンや言葉もありますね。(その辺は後のTBにて)
    役者さんが他で見たことない雰囲気を見せれくれたのもよかった。

  • 満足度★★★★★

    ウィトゲンシュタイン
     出演者は全員、女性。舞台設定は女子校である。美術部が中心ではあるが、そこは姉妹関係や女子校の先輩後輩、レスビアン、ヘテロ女子の校外異性交遊等々が絡み合う。
     一方、海の中の物語も同時進行する。

    ネタバレBOX

    ほぼ交互に演じられる海の世界と女子校の世界を通したテーマは、因習と革新とでも名付けようか。要するに、それ迄、誰もが当たり前のこととして盲従して来た社会の在り様や、その中での自分の「位置」を見直し、実際に冒険に出掛けて行こう、という決意を作品化した舞台である。
     海中では、小さな魚が生まれた深い海から長く苦しい旅をし、終に、浅い海に近付いた時、自分と同じ夢を持ち小さく、傷ついた魚に出会って2匹で陸を目指す物語であるが、読みようによっては、これが両生類への第一歩とも取れ、更に出会ったのが♂と♀として捉えるならば、女子高生の話のテーマ、愛とも繋がると同時に、地球上の生命進化という壮大なイメージも孕む。
     自分は、作品を観ながら、ずっとRimbaud のLe Bateau ivreを思い出していた。無論、Rimbaudほどラディカルではない。その代わり、ウィトゲンシュタインが援用されていた。自分の最も気に掛かる哲学者の一人なのだが、未だキチンと読んでいないので、自分流の解釈はできていないのだが、それでも、彼のテーゼを乗り越えようとする姿勢には、そして、その為にシナリオに記された科白の正当性については、高く評価すべきものがあると予感した。
     半面、チャレンジすれば、実際にチャレンジした人々より先に行けたかも知れない可能性を秘めた人々が安定を求めた結果、求めた人自身の“或いは間違っていたかも知れない”と自省するあたり迄描いた若い才能を、矢張り評価したいと思う。
     今後は、独自の、自分の選んだ道を歩いて欲しい。

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