蜜月の獣 公演情報 蜜月の獣」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.2
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  • 満足度★★★★

    心の疵の深さが心に突き刺さる
    出だしは典型的なダメカップルのハナシ風でニヤニヤしながら観ていたが、後半で明かされるそれぞれが持つ心の疵の深さが心に突き刺さり胸が痛む。
    なお、ファーストシーンからのいくつかの推測がことごとく的中して、ヒントの出し方も巧みだな、と。

  • 満足度★★★★

    初めての劇団、観劇
    客席は二列。舞台と近く。芝居が進むにつれ、いつの間にか同じあの部屋に座り相手の話に耳を傾ける。時系列の交差が、会話のテンポの良さとあいまって引きつけられる。独自の世界観だ。河西裕介、今後も演じてほしい。

  • 満足度★★★★

    うまいっ!
    この粘着質の恋愛劇、生々しくて、実にうまいっ!ちょっと混乱する部分もあったけど、それでも全然面白い。これで打ち止めなんて言わずにもっとやってくださいよ。

  • 毎回、破滅。でも今回は‥
    彼の芝居は、毎回ケツの穴は小さいけど死ぬほど切実なエゴからミステイクをしてしまう作風。それが身に沁みつつ笑えてたが、今回は三人芝居故かエゴは分散され、誰もミスを犯してないのに…というやりきれなさへ到達。カップルの呑気な卓袱台会話から、映画『ブルーバレンタイン』の如き擦り切れる展開へ変化する瞬間が、肝。

  • 満足度★★★★

    面白かった
    90分という長さを感じない。重たい内容だが、見応えがある。前半と後半の違い。是非。

  • 満足度★★★★

    みてきた
    社交ダンスからのところが最高潮、と思いました。
    が作家さんは最初のところがやりたかったそうです。

  • 満足度★★★★

    会話が絶妙
    この種の劇の生命線である会話が絶妙で役者もとても良かった。しかしストーリーは辛くて切ない。
    開演に遅れてしまい案内してくれた人が根本女史によく似ているなと思っていたが、ご本人だったようだ。みんなで盛り立てている様子が伝わってくる。応援したくなる劇団(芝居人?)だ。

  • 満足度★★★★★

    今のところ今年観た中で一番好き
    笑ったり鳥肌立ったり。受付に贔屓にしてる劇団の根本宗子さんがいらっしゃってその豪華さに驚きつつ、あ、この公演絶対面白いなって思ってたらやっぱり面白かった(根本さんとのアフタートークも観たかった…)

    ネタバレBOX

    セリフ回しもセンスがあってクスクスしながら終始テンポよく進んでいきます。河西さんの演技がよくてぞくぞくしてました。そんな経験はないけどなんだかとてもケンジに共感してしまうくらいによかったです。
    最後の虎舞竜から大塚愛の演出はCD流し出したときに予想はしていたんですがすごく自然な流れであれだけポップなさくらんぼがとても怖い曲に聞こえるいい演出でした。今年初の星5です。
  • 満足度★★★★

    ご苦労様
    設定に苦労したんだなと余計な詮索をしてしまいました。

    ネタバレBOX

    レイプされた経験を持つ女性とレイプで妻を殺された過去を持つ男性のギクシャクした恋愛話。

    そうであってもそうでなくても二つに一つなのですから、お芝居の原案となるような経験は無くなったなどとは口が裂けても言うべきではないと思いました。

    昔からイライラさせるのが得意だったもう一人の男性は、真面目に女性に迫りましたが、トラウマの影響か、イライラさせたのか刺されてしまいました。

    下手と中央、中央と上手で時間や場所を分けたり、同じ居間でも相手の男性を変えたりして時間を変化させるなど工夫が見られましたが、一人が刺されてからの二人の出会いの時系列など少し分かりづらい面もありました。
  • 満足度★★★★

    こんなテイスト好きです
    ☆4.3
    キャスト、空間、演出、音響等どれも良く、最後まで楽しめました。昨年も同様のテイストの作品を他劇団公演で幾つか観ているが、やっぱりこんなん好きです。

  • 満足度★★★★★

    笑いのシリアスさの絶妙な匙加減
    今まで以上に笑いとシリアスさのギャップが激しく、前半はお腹を抱えて笑っていたのに後半で一気に重い展開になって身に詰まされました。
    その前半部分も単に笑いを取ることだけを目的としたパートではなく、登場人物(特に主役)の闇の部分を顕していたのだと後半になって気付かされ、なるほど!と構成の巧さに唸りました。

    ネタバレBOX

    今回小西さんは脇に回って、河西さんがこれまでの作品で小西さんが担っていた役割を演じることで開いた作品に、よりパブリックなものになっていたのがとても良かったです。

    あと、男性がお好きなDVDのパッケージをああいう風に加工していたのはウケを狙ったのか女性客への配慮かは分りませんが(笑)、いずれにせよああいうことを出来る小西さんはとても品のある方だな~と思いました。
  • 満足度★★★★

    独特のグルーヴ
    独特のグルーヴがあって面白かった。

    作品が問いかける内容も、心に迫るものがあった。
    自分の中に潜む男の暴力性を突きつけられた。

    ネタバレBOX

    日常の一断面を切り取った場面という設定を考えると、
    作者の内面を言葉にして表出しているようなモノローグ的な部分が見えて、ダイアローグとしては上手くないなと感じる部分も多々あったが、
    一方で、そのちょっとギクシャクした感じこそが、妙なグルーヴを生んでいたとも思う。
    作者の意図か、偶然の産物かはわからないが、私にはその点がとても面白かった。

    特に前半の笑いの要素が多い部分でそのグルーヴは活きていたと思う。
    日常のテンポの中で、日常的ではない言語の表出が、妙なズレを生んでいた。空転しつづけるスベり芸のような面白さがとても良かった。

    前半はそのように、笑いの要素が多く、コメディかと思っていたら、
    後半、極めてシリアスな問題が起ち上がってくる。

    冒頭で「?」を示し、その「?」が物語の展開とともに徐々に明らかになっていく作りも見事だと思った。この点はとても上手いと感じた。
    特に、作者(役者)がそれを言葉で明示するのではなく、観客自身が「あぁ、そういうことだったのか」と発見できる作りになっていて、とても良かった。

    ただ、これは私の個人的な趣向の問題なのかもしれないが、
    あこそまで劇的な物語にする必要はなかったのではないかとは思う。
    日常の断面の描写を積み上げて創った物語であり、そのリアリティが核心にあるのだから、物語としてのスペクタクルに向かわずに、その細部の中に同質の問題を見出していく作りの方が良かったのではないか。

    それでも、物語としては大仰であったけれど、観客の私の心に残ったものは、微細なものがきちんと残ったので、とても良かった。

    私自身は、この物語で語られるような行為(レイプや暴力など)をしたこともなければ、自分が大切に思う人がそのような事態に巻き込まれたこともない。そういう意味で自分と関係がある話とは一見思えないのだが、この中で語られている暴力性は、小さなレベルであっても私の中(どんな男の中)にもあるのだということを突きつけられたような気がした。これは性や肉体的暴力だけの問題ではなく、言葉の暴力や力学としての暴力性という意味でも。

    (そういう意味で、この作品を女性が観たらどう思うのかというのはとても気になった。)


    役者さんも3人とも、とても良かった。

    特にオールラストでの、河西裕介さんの眼がとても印象的だった。
  • 満足度★★★★

    切ない狂気
    ひとり芝居というのはユニット名だそうで、第四回公演となる今回は三人芝居。
    軽そうなキャラと会話のリズムにいつもより笑って観ていたら
    中盤から一気に小西モード全開、重くてじっとり行きつく先は切ない狂気。
    登場人物が抱えるトラウマが明らかになった途端
    それまでの場面が違ったものに見えて来る展開と
    時間軸をずらす構成が上手い。
    優しさには自己チューがもれなくついてくる感じの、3人の会話が絶妙だ。

    ネタバレBOX

    ケンジ(河西裕介)、ショウヘイ(小西耕一)、ミツコ(宍戸香那恵)の3人は同い年。
    バツイチのケンジにミツコを紹介して付き合うように勧めたのはショウヘイだ。
    二人は同棲を始めたが、ミツコは心配性なケンジの束縛にうんざりし始めている。
    だがケンジの心配性には深い理由があり、それにはケンジの元妻が関わっていた。
    一方ミツコにも大きな秘密があった。
    そして実はミツコのことがずっと好きだったショウヘイは
    ケンジと距離を置くミツコにある決意を打ち明ける。
    それがきっかけでこんなことになるとは思いもせずに…。

    セックスをめぐる深いトラウマが、人生に大きな影を落とす話。
    そのトラウマに触れずにいるうちは、優しい関係が保たれるのだが
    ひとたび過去の記憶が現実に重なると、もう制御不能になってしまう。

    簡単に打ち明けたり共有したり出来ない悩みは
    次第に歪み曲がりねじれながら何度となく反芻され、濃度が高くなっていく。
    異様な言動の最初のひと言は、さらりと“変なヤツ”程度に描かれるのだが
    後にあれが狂気の片鱗であったかと思うと戦慄する。
    時系列を入れ替えることで、行動の理由が後から判明するのがとても効果的だ。

    3人の、それぞれひとりよがりで思い込みが強く、
    思考の悪循環を断ち切ることができないキャラクターが際立っていて面白い。
    ケンジ役の河西裕介さん、繊細で優しく、妻を救えなかったことで
    自分を責めながら同時に自分以外を攻撃する複雑な表情が上手い。

    ただ3人中2人までもが、犯罪被害者又は犯罪被害者の家族であるという設定は
    ちょっとドラマチック過ぎて感情移入しにくい気がした。

    小西さんの書く脚本は、ひとり芝居でも相手の台詞が聴こえてくるようだった。
    二人芝居では現代のすれ違う会話が降り積もって行く様を描いた。
    三人芝居になったらぐっと空間が広がって会話が豊かになった。
    会話の“遊び”みたいな、空気感も含めてそのやりとりが可笑しくて笑った。
    笑った分、後半の“暴走する個人的行き場の無い感情”の怖しさが際立った。
    個人を掘り下げることで、繋がることが難しい孤独な時代が浮び上ってくる。

    当日パンフに“ワークショップオーディション”の告知が載っていたが
    次は“劇団ひとり芝居”的に人数が増えるのだろうか。
    相変わらず早々とタイトルも決定していて、次回7月の公演が楽しみでならない。

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