㐂(よろこび) 公演情報 㐂(よろこび)」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.2
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  • 満足度★★★★★

    繊細
    昨年末、奥山氏の春風舎でのワークショップの風景をみていたせいか、
    今までより物語の奥まで視えてきたように思います。

    それを踏まえて他の方の評価をみてみると、
    自分の考えよりは評価が若干低いようにも感じられたりもして、
    違和感があったりしました(苦笑

    今回の作品、今までの作品よりはだいぶ作者の繊細さが前面に出ている気がします。

    ・・ただ、その繊細さは以前から感じられていたことで
    あくまで同じ世界の別の面を見せてあげたにすぎないのです。

    というのも、これだけ登場人物一人一人のキャラをしっかり組み立てながら
    メリハリをつけて完璧な笑いに仕上げるのは、繊細でないと無理だからです。

    ・・たとえば自分が前日に観た青☆組ですとか、箱庭なんかと比べてみれば
    良く分かるのですが、
    奥山氏の舞台では、登場人物のひとりひとりがとても生き生きと(目のキラキラしっぷりが半端ない(笑)文字通り跳ね回っています。

    物語や世界観として捉えるなら、
    ひとつの流れとして目に見えるかたちは、
    青☆組や箱庭のほうがずっと美しく見えたりもするのですが
    (そこが評価の分かれ目になったりもするのかな・・?
    登場人物のその躍動感は、現在他のどの劇団をも圧倒的に凌駕しているようにも思うのです。

    以前はその原因が、ひょっとしたらただ単に奥山氏の周りに
    非常に魅力的な役者陣が常に自然と集まっているだけなのかと
    勘ぐったりしたこともあるのです(相当初期のころからその傾向が続いていたので(笑
    しかし、ワークショップをみてみて、
    勿論それも大いにあるのですが、
    奥山氏が登場人物一人ひとりのキャラクターを、
    役者たちといっしょに作り上げることに恐ろしく長けていることが大きいのだな、と気付きました。

    それは、何か特殊な演出法というよりか、
    多分演出家自身の、天性の人を見る目によるとでも言えばいいんでしょうか。

    今回の舞台を観ていれば良く分かるのですが、
    登場人物すべてが、
    「凄くバカなのに凄く一生懸命愛おしく生きている」
    のが、よく伝わってくると思います。

    作者は、悩み苦しみ、それでも生きる登場人物すべてを愛していますし、
    誰も決してバカにしていません。
    (当たり前な話ですが、想像力が豊かな人は決して
    一生懸命生きている人を馬鹿にしたりはしません。

    人によっては、
    政治家や大臣のような他人に命令できるような立場になって後世に名をのこすことが、
    人より優れた人生であると思い込んでいたりもするようですが、
    この作品には、
    そんな人に誇れるものなど何もなくても、
    他人から見れば失敗もあり、悲しくもある寄り道だらけの人生でも、
    それも愛おしくて素敵だと信じられる作者の愛が込められているように感じます。

    それこそが、自分が演劇に求めているものですし、
    この舞台にはそれを優しく表現できる
    若い役者とスタッフたちが揃っていた。

    もし百年たって、今回の脚本を元に上演しても、
    まるで別物になっているでしょう。

    自分にとってろりえは、
    トリュフォーのように繊細であるという点で、
    現在の東京の劇団の最高峰に位置するように感じられます。

    そして、それは他の東京のいくつかの劇団にみられるように、
    特筆すべきテクニカルな演出法とチームワークによって際立つというよりかはむしろ、
    細やかな感性とやさしい想像力によって際立っているという点で、
    異色であり、自分にとっては好ましい存在でもあるようにも思うのです。

  • 満足度★★★★

    世情
    ネタばれ

    ネタバレBOX

    池袋シアターグリーンにて劇団ろりえの【よろこび】を観劇。
    前作【三鷹の化け物】では等身大のゴジラ(上半身)を登場させて​度肝を抜いたが今作は何を見せてくれるか?

    ホモの為に村で爪弾きにされているカップルが捨て子の赤ん坊カヨ​子を見つけて育ていく。ホモの親でもカヨ子は愛情につつまれて、​子供~少女~大人へと立派に成長していく。そしてカヨ子も結婚し​て愛する夫が出来るのだが、突然の事故で夫を失い、茫然自失のカ​ヨ子は親と娘を残して上海に流れついてしまう。そして生きる為に​娼婦になるのだが、事件に巻き込まれ何十年振りに日本に戻ってく​る。そして残された家族と再会するのだが、カヨ子は癌に犯され余​命幾ばくもない状態だった・・・・。

    カヨ子の生まれてから死ぬまでの一生を3時間かけて描いていく。​不幸な運命の持ち主のカヨ子なのだが、周りの人達との関わりや生​きる喜びを見出しながら、負の面をあまり見せずに、己の人生に投​影するという行為を観客はしないでカヨ子の波乱万丈の人生を観て​いく。だが最後にカヨ子の葬式が終わって舞台の幕が閉じるという​終わり方には度肝を抜かれてしまった。始まりから終わり直前まで​は観客の感情をあまり動かさない芝居だったのが、最後に人生の一​生を終える瞬間がこの舞台の最大のクライマックスであり、ここで​初めて観客の感情を揺さぶり、己に投影させるように持っていくと​は・・・・。

    中島みゆきの【世情】が久しぶりに効果的に使われていた。金八先​生以来かも?
  • 満足度★★★★★

    憧憬。
    相変わらずのナンセンスギャグ満載のろりえワールド。ずっと笑わせていただいてお腹痛いww しかしその中から浮き上がる「女の一生」に。奥山さんは心底、女性を慈しみ女性を尊敬し、女性を愛し女性を憧憬してるのだなぁ、としみじみさせられました。ろりえ大好き。何時間でも、毎日でもずっとずっと観ていたい。3時間弱という時間を感じさせない素敵さでした。

    ネタバレBOX

    志水さんの存在感がグッと増し、前半の「生」を見事に背負っていました。梅舟さんも相変わらず素敵(特に声が好きです)。斎藤さんも安心感があるしと徳橋さんも可愛い。ろりえの女優さんはほんと皆さん素敵ですよね(*^-^*)

    そして今回、奥山さんの演技にびっくり。カヨ子との爽やかカップルが素敵すぎて、おば様方にモテること確実。

    あと、あの熊親子のリアルさ・・・笑 特注だそうです。ゴジラに続き、気合いの入れ方凄すぎですw
  • 満足度★★★

    癒しのろりえです。
    観たら、その意味がなんとな〜くわかったような…ちょっと、想像していた世界とは違ったけど、笑わせてもらったし、最後は、ジーンときました。ただ、ちょっと上演時間は長いかなぁ。もう一度観に行くので、どんな風に進化するか楽しみ♪役者さんは皆さん魅力的で、イイ味出してました!

  • 満足度★★★★★

    長時間ですが。
    ちょっとした小説を読み終えた感じです。笑わせたり、泣かせたり。ろりえの役者さん、みんなすごいです。人生って。。。しみじみできました。

  • 満足度★★★★★

    くっそぉ
    泣いちゃったよ。母親亡くしてると一際堪らん。
    必要な長さとは思わないんだけど決して不快ではない。
    にしても、ほんと団体芸だよなぁ。
    そして如何にも初日だった。

    ネタバレBOX

    使用楽曲ツボ(岩井関連多かったな)。
    エンディングも、KANさん…って感じです。
    二人一役はどうかなぁと思ってたんだけど、
    若者同士じゃ後半の情感は出ないわなと納得。

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