満足度★★★★★
くろねこちゃんとベージュねこちゃん
谷さんがファミリーものを書くなんて!笑
そしてそれがこんなにも秀逸だなんて!!!
お父さんの気持ちも、お母さんの気持ちも、猫の気持ちさえわかる様な気がして観劇いたしました。
本も演出も、何より役者陣が素晴らしい☆☆☆☆☆
「演じる」って何だろう?と考えながら帰路につきました。
リアルではない母のリアルさ。
人間なにゃんこちゃん達。
役者の素晴らしさがまた、本を高みに押し上げています。
小さな小屋でやってるのが勿体ない!
もっと多くの人に観て欲しい。
本当に素晴らしかった。
恥ずかしくてうまく喋れない位、良かったです☆
満足度★★★★★
POPでおしゃれなふりをして・・・
作品としては、最近のダルカラの公演の中ではちょっと毛色の違うテイスト。開演前に舞台上で観客に紅茶をサービスしたり、かわいいネコが出てきたり、いかにも今回はPOPでおしゃれな作品に挑戦!かと思えた。
しかし、後半になると、さすがの谷賢一作品、どこにでもある家族の問題を独特の目線で、しっかりと奥深く描いている。ネコがあまりにかわいいので、コメディタッチの作品かと誤解してしまうが、実は本格派の作品。最後にはぐさっと心をえぐられた。
主役である母親役をダルカラの演技派俳優大原研二に演じさせている。ここら辺も谷演出はさすがである。
満足度★★★★
観に行って良かった!
観に行った友達から『面白かった!』と聞いていたけど、期待以上に良い公演でした。何がよかったのか上手く言えないけど、なんか観てたら色々考えちゃう響く公演でした。アフタートークも面白くて、もっとたくさん聞きたかったなぁ~もう一回観たい公演!
満足度★★★★
言葉の不思議
嘘の言葉が人の心を天国に連れて行き。そして本当の本音の言葉が人を(自分も)深く傷つける。 観終わった後に感じた事の一番は言葉って魔術のようなもの。
家族の関係は綺麗事だけではない嫌味な部分を見せつけられ、ちょっとうんざりもしましたが、お母さん役の人とネコが巧みに入れ替わりながら進行していく劇はオシャレで新鮮でまさにポップな感じ。今までに観た事のないスタイルで新鮮でした。役者さんの演技も熱かった!!
満足度★★★★
谷賢一 外見に?騙されるな!
唐突に存在する2匹の猫がストーリーを動かしたり,時間を上手く使ったり。女優が演りそうな役をあえて男性が担当したりと,ダルくなるかもしれない家庭の話を新しい感性で脚色してた気がします。やはり,谷感性から目が離せない。クロムを『押し出しが強い役者が揃っている』と書いた気がしますが,ダルカラは『sensitive な役者が揃ってる』と書ける気がしました。 なお,私の中の谷さんのpublic image は修正致しました!
満足度★★★★
家族モノど真ん中
ある意味で家族モノど真ん中。
終盤で「イイ話」に向かい、谷さんってば結婚して作風が変わったか?(爆)と思いきや、最終的な落とし所はやはりダルカラ風でまんまと騙される(笑)。
また、ある場面では母に対して自分も(意味として)同じことをしていたことに気付いてハッとさせられる。
こうして俯瞰して、あるいは他人事として見るとワカるけれど、自分でやっている時は気付かないんだよなぁ。
それにしてもこれといい、ラフメーカーといい、遺書がポイントとなる作品を中2日で観るとは…
満足度★★★★
母親という人生
お母さんの闇サイドの描写はリアル。家族としてひとつ屋根の下に暮らしていても感じる孤独。失われる自分。広がらない世界。どこにでもあるような珍しくない人生。
醜悪なまでの家族の心のぶつかり合いを描いていながらも、嫌悪感やエグさは感じませんでした。抱きしめてあげたいくらい。私が女性だからかもしれません。
開演前の猫カフェ、キュートな猫ちゃんたちにおもてなしされたかったけど、ちょっと勇気が足りませんでした(笑)
満足度★★★★
父親の悲哀
設定とほぼ同じ家族構成の「母親」として、興味深く観ました。
日常の「あるある」が満載でしたね。夫や子供の成功を通してしか自己実現できない母の愚かさ、悲しさが分かりやすく、やや誇張気味に書かれていました。
以前観た舞台「ハーパーリーガン」の主婦ハーパーは、家を飛び出しますが、この母親は家族・家庭という全世界の中で、もがく姿が悲しい。
でも、今どきあそこまで家族に感情を吐き出せるお母さんはむしろ貴重かも。羨ましささえ感じました。
対比して描かれる父親が秀逸。妻に初めて本音を吐露した後に1本の煙草さえ許されずに味わう深い孤独。悟った表情の父親役の塚越さんが素晴らしく、胸に迫りました。
あそこは妻として黙って火をつけてやらにゃ!と思わず心の中での突っ込みに力が入ってしまいました(笑)
こちらの劇団は初見でしたが、脚本の谷さんがお若い男性なのでビックリ。ここまで母親の感情にリアルな脚本、実生活での関係が良くないと逆に書けないんじゃないかなあと余計なことを思っていたら、アフタートークを聞いて納得。谷さんのお母様、素敵な方ですね。
また機会があれば観たいと思う劇団でした。
満足度★★★★
「名は体をあらわす」
DULL-COLORED POP という劇団名は、ちゃんとやっていることを伝えているなあ。人間の見たくないような醜い部分、それをあくまでPOPに描くって。
・・・正直、見たくないものを見た感じです。私が(娘として)自分の母に言ったこと、母から言われたこと。あるいは、私が(母親として)子供たちに言っていること。結構、出てきました。笑えるほど・・・。母親って、病の一種かもしれません。男性が母親役、また母親の回想シーンはネコが代弁することで、「生々しい痛み」は少し和らいでいる気がします。
「人生って甘いもんじゃないのよ、我慢よ。」なんて台詞、そういえば「ガラスの動物園」のアマンダの台詞でも同じようにあったかも。
満足度★★★★
さすがの出来
文句なく引き込まれて楽しんだ。
家族について考えさせられて、共感したり怖くなったり堪能した。
一つの芝居を作る過程を全て公開した試みに脱帽。続けて欲しい。
満足度★★★★
「お母さん」という生き物
「お母さん」という生き物は、家族の中でも人一倍「よかれ」と思って行動する人なのではないでしょうか。その頑張りには当然、勘違いもあれば、間違いもある。この作品はそんな「お母さんの頑張り」の苦さ、痛さを克明に描き出しながら、「家族の絆」のあり方を鋭く問うものでした。
満足度★★★★
嘘かよ!
っと最後に突っ込まずにはいられない。谷節健在。
以前から大原さんのコミカルな演技を観たいと思っていたので存分に楽しませて貰った。ネコちゃん二人(匹?)も大変キュートで可愛いかった。
満足度★★★★
再始動後の初見
「心が目を覚ます瞬間~4.48サイコシスより~」以来のDULL-COLORED POP。いよいよ再始動。っていうか再始動2作目か。谷賢一さんの作品は「ヌード・マウス」以来なのでつい最近だ。
面白かったですな。圧倒的なエグさ。人の弱さを観せ過ぎている。擬人化されたネコたちの、時たま空気を読まない存在。それでいて全てを一番近くで見ているのは彼ら(彼女ら)なので、逆に人間の悲壮感とイタさを掘り下げる起爆剤になっていた。
A cat has nine lives. しぶといというか、母親の執念=ネコっていうところに、谷賢一さん作品の真骨頂を観た気がする。母親が真実を知った場合どうなっていたのか・・・も観てみたい気がした。堀奈津美さん演じる息子の妻も、実はネコでした。
百花亜希さん、かわい過ぎるだろう。
満足度★★★
面白かったです
開演前から猫ちゃんたちのお茶会があって、まったりした雰囲気から始まるのは面白かったです。始まるときは観客も緊張するものですが、そういうのがなくてすんなり芝居の世界に入ることができました。その後は徐々に盛り上がっていき、素直に物語の世界に入ることができました。
猫たちの演技も面白く見ることができましたが、ぼくがいちばん面白く感じ役者は息子役の方でした。素直な感じで舞台に立つことができているのだと思いました。立っているだけでも魅力を感じることができました。お母さん役の方は、狙いをよく考えて作りこんでいるのでしょうが、グロテスクすぎて好きになれませんでした。(そういう役なのかもしれません)
機会があったらまた見たいです。
台本を買いたかったのですが、なんとなく買いそびれてしまいました。
満足度★★★
グロポップ?
初見の劇団でした。おもったよりグロくもなく、ポップでもなく(照明がポップ?)とてもストレートな演劇という印象を受けました。普通に楽しめました。次回も観てみたいと思います。
満足度★★★
演劇の特性を活かすアグレッシブな演出
開演前の数十分は2人の女優さんが猫耳や尻尾をつけた可愛らしい衣裳でお茶をふるまい、舞台上でお客様との触れ合いタイムが繰り広げられました。最前列に座っていたのですが、私はちょっと入って行きづらかったです。開演時刻になると会場案内をしていた劇団員の方々も舞台上に出てきて、日常から地続きにお芝居が始まる演出になっていました。会場の空気を和ませ、観客が舞台を身近に感じてきたところで、さらにグっと惹きつける巧みなオープニングだったと思います。
父、母、息子、娘の4人家族のお話でした。父が突然事故で亡くなり、一人になった母は家政夫に家事をまかせ、2匹の猫と会話をしています。母役を男性が演じるので、さっきまでお茶を淹れていた女優さんが猫役を演じても、無理なくファンタジーとして受け入れることができました。
葬儀のために帰ってきた息子と娘には猫の姿は見えません。幻想の猫と堂々と話をして、家政夫に対する態度がコロコロと豹変する母は精神を病んでいるようにも見えるのですが、猫たちが元気に軽快なムードを作るので過度な深刻さは生まれません。娯楽性を重視する演出が成功していたと思います。
亡くなった父も登場する回想シーンでは、猫たちが当時の母を演じ、その回想を母が外から見守る構造でした。ひねりが入った劇中劇で虚構性が増し、家庭内の確執を暴く痛々しい場面でも、冷静に観察できたのが良かったです。
以上のような工夫をこらした演出は刺激的でしたが、谷さんの作品をほぼ10年観てきた者としては、戯曲に物足りなさを感じました。いわばステレオタイプな家族の物語で、私の想像力の及ばない境地へと連れて行ってくれなかったのが残念です。役者さんの演技がおぼつかなくて、私にとっては正視に堪えない場面もありました。私が谷さんの実績と比較してしまうせいなのでしょうが、1人を除き出演者を劇団員だけにしたことで、演技力の未熟さが表面化したようにも思います。
カラフルな照明で空間を派手に、賑やかにしていたのが良かったです。ただ、ある部分だけを照らして空間を分けるような効果も、もっとあっても良かったのではないかと思いました。日本語の歌詞の曲が流れていましたが、邪魔にならずポップなムードになっていたのが個性的で楽しめました。でも音楽が特に印象に残ったこと自体は、作品全体として良かったのかどうか悩むところです。