正夢 公演情報 正夢」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
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  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    頑張っていた。
    ・・というコメントは一番無粋な類だとは思うが、見たそのままの感想が出た。五名の劇作家のラインナップは目を惹くが、書き下ろしとなると贅沢な反面「出来」も気にかかる。もう一つ別の舞台と散々迷ってこちらを観た。どっちが良かったとは判定できないが、結果的に良かった。北池袋駅周辺の長閑な地区に降り立ってすぐの新生館という空間も駅も初めての場所で、昼下がりに池袋駅方面へ歩く道行きも新鮮で久々に旅気分込みの観劇であった。
    演目の方はそれぞれの劇作家らしさのある作品、10〜15分程度の、と当初書いたらしい宣伝文句の中にあったが、前説で115分と案内される(とすると一作15〜20分の勘定)。テーマ設定がない分、この星歌なる若輩のパフォーマーにインスパイアされて書いたと思しい作品が多い。手作り感のある劇場には星を誂えた美術が、最後の演目(柴幸男)に寄せたのかとも思ったが、「星歌」に寄せたのだな。ムシラセ・保坂萌の作はゾンビがいるディストピアな未来に、一人でやってるラジオ放送を聴きながら「読まれる」はがきを書こうと頭を捻る少女の話、笑いを好む作者らしい内容。続くMCR櫻井智也は先頃別れた彼氏の悪態をつきつつ想念から離れない二律背反に悶える女性の話、オノマリコの作品が最もスケール感とスピード感があったのは意外だった。続く鈴江敏郎は友達から聞いて作った物神との対話(自己問答)、柴幸男のは宇宙を旅する者の語り。「他者」が出て来ないほぼ独白は詩の朗読の域で、ラスト2つ抽象的舞台が続いて体力もそろそろで眠気が襲ってしまった。見て判りやすいものが三つ続いた後でもあり、順番的にどうだったかな、と。体力さえあれば終盤に抽象度の高い世界に入るのも悪くはないが・・。
    しかし全体として中々なレベルであった。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    オノマリコ作の「19才」が出色。「女はコントで男役ができないからお前とはコンビを組めない」と星歌に言い放つ若手男芸人を星歌が演じる。

    ネタバレBOX

    当日パンフレットにオノマが「若手芸人の有様などを含んだ話をいろいろ聞いた」と書いていることもあり、「うわー、こういうホモソ芸人いそう……」と思ってしまうのだが、そこから話はその若手芸人が年上の業界関係者らしき人物に性的に搾取される話に転調していく。搾取する側される側の性別をステレオタイプなそれから反転することでイメージをずらしつつ、観客はそこにそれを演じている星歌に対する搾取の可能性をも、単なるドキュメンタリーや暴露とはまた別の形で読み込むことになる。暴露でも説教でもないかたちで観客に性的搾取をめぐる思考を促す戦略が巧み。
    一方、櫻井智也作の「je t'aime★je t'aime」と鈴江俊郎「私は、恋をした。」の2作品では、年上男性が年下女性に当て書きし書き下ろしたのがどちらも「一人の男に執着する女の話」であることの気持ち悪さを感じてしまった。オノマ作品がラインナップに含まれていることもあってより一層その気持ち悪さが際立って感じられてしまった面もあるがそれはオノマがいい仕事をしているということでしかない。

    演技も巧みな星歌だが何よりこれだけの劇作家陣に書き下ろしを依頼しその上演を実現した企画力・実行力に脱帽。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    鑑賞日2024/03/29 (金) 14:00

    120分。休憩なし。

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