サザンカの見える窓のある部屋 公演情報 サザンカの見える窓のある部屋」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.7
1-20件 / 24件中
  • 満足度★★★★★

    いい芝居です
    記憶の操作ができるというSFの設定がありますが、これは父親と息子たちの話なのですね。親としてよかれと思うこと(もちろん多少のエゴは入っています)が、子供にとってはいいとは限らない。当たり前ですが、ついやってしまいます。葛藤と承認。身につまされます。父親と息子たちを支える女性たちもいい。劇団員5人だけの充実の75分。満足です。

  • 満足度★★★★★

    初観劇
    ストーリーをじっくり楽しむことのできる舞台でとても良かったです。
    客席の都合上、いくつかのシーンで役者の表情など見えないところがありますがストレスなく観劇することができました。
    印象的な部分もところどころあり短い時間ながら、見ごたえがありました。

    ネタバレBOX

    あのクライマックスは見事でした。
  • 満足度★★★★★

    私の見た,ベストのカムヰヤッセンだ!
    3公演目ですが,自分的にはかなり良い!
    ともすれば,難しくなりがち?な北川作品ですが,それを救ったのは(今回は)甘粕・遠藤両女優か?優しさ満載でしたね。
    最近劇団の形態での公演が減り,客演に頼るとか,プロデュース的な公演が多いのですが,そういうとき原点に回帰して,本当にやりたいこと,本当に伝えたいことを確認されたのではなかったか?
    北川作風ってもの少しわかった気がする。簡単に泣かせてお茶を濁すとかではなく,言いたいことを最優先して語る。それゆえ,解りにくい・難しいといわれることもあるかと思うのです。
    今回,小さいハコで地味だったとは思うんですが,確実に株は上がったなと感じました。家族の話をSFっぽくしちゃうのが,さすがは○大の皆さん。
    私は,精一杯応援したくなりました。

    忘れちゃいけないのが,照明の力!是非,これに触れておきたい!
    見る角度からかなり変わっちゃうのでは?と思う楽園であのパフォーマンス!ちょっとしたライティングだけで,「あ,シーンが変わった」と解るあの照明!

    照明さん,表彰モノですぞ!!!
    今後の作品に期待しています!!

  • 満足度★★★★

    とても優しい。
    初カムヰヤッセン。
    悪い芝居での熱演が記憶に残ってる北川さんがどんな話を書くのか、期待して劇場へ。
    始まってビックリ、まさか近未来SFとは。
    派手ではないけど、すごく優しくて心温まる作品だった。
    楽園という、使い方が難しそうな劇場もすごく心地いい空間になってた。
    75分という上演時間もちょうどいい。

  • 満足度★★★★

    和やか
    記憶を通して家族を問いかける。この劇団らしく独特の味わいのある芝居。
    よかった。

  • 満足度★★★★

    記憶にまつわるエトセトラ
    カムヰヤッセンらしいSF風味の利いた人情劇。
    ミニマムな番外公演も悪くないが、
    北川大輔には大風呂敷を広げた壮大な物語をひそかに期待している。
    女優陣がナイススマイルだったなぁ。

    ネタバレBOX

    記憶チップを説明する寸劇が妙に楽しかった。
  • 満足度★★★★

    劇団員の成長ぶりがうれしい。
    番外公演、そして劇団員だけの公演ということがあってか、肩の力が抜けた感じ。カムヰヤッセンのいいところが凝縮されたような芝居になっている。カムヰヤッセンお得意の近未来SF仕立てになっているが、中身は家族の物語。ほろっとさせどころが上手い。

    主宰の北川大輔が役者としてもいい味を出しているが、やはり4人の役者が魅力的。それぞれがいい役者に育ってきた。

    細部に荒削りなところがあり、まだまだ成長過程だが、今後を期待させる劇団だ。

  • 満足度★★★★

    劇団の力量がしっかりと伝わる
    ちょっと複雑な物語も
    すっきりと伝わってきました。

    キャラクターの伝わり方が
    とてもしなやかで、
    それゆえに、
    物語のコアとなっている「記憶」の形状
    鮮やかに観る側に訪れました

    ネタバレBOX

    劇団員だけの舞台、
    登場人物は5人。

    物語は、現代をすこしはみ出した
    近未来の態で描かれていきます。
    記憶をチップに収めるという
    今の技術ではありえないけれど、
    すいっと観る側に存在してしまう
    その仮定がまず秀逸。
    それを戯画化しての説明にも
    何かをシンプルに伝える手練が感じられて。

    しかも、チップ化という概念は
    次第に記憶そのものの確かさや危さ、
    さらには自らの記憶のありようや、
    そこに紡ぎこまれた恣意の姿にまで
    観る者を導いていきます。

    あたかもチップのごとく厳然とした記憶があって、
    その一方で記憶自体が
    抹消されたり改変されていく姿に
    人が自らについて積み上げていく物語の
    書き込みや読み込みの不完全さの必然が浮かび上がる。
    その絵姿や感覚に
    観る側が柔らかく深く閉じ込められてしまうのです。

    語り口がとても安定していて、
    決して単純な物語ではないにも関わらず
    内包されたロジックにそのまま惹きこまれる。
    コンパクトに観る側の掌のサイズに組み上げられ
    その中に彼らが共有する真実が
    しなやかにその場をうずめていきます。
    ちょっとした仕草をトリガーに
    天井に吊られた物たちがその場に降りて
    記憶がメインメモリーに蘇る刹那が
    驚愕にとどまらない
    インパクトをのせた切っ先としてやってきて。
    終盤のサザンカとボタンの散りゆく姿の比喩も
    観る側に語られた「記憶」の肌触りを
    すっと形に束ねて観る側においていく。

    様々な表現に込められたニュアンスの
    ひとつずつがほんと秀逸。
    しかもそれらが単発で訪れるのではなく
    重なりあって
    生きることの質感にまですら昇華していくのです。

    しかも、この舞台、
    役者たちの出来が本当によくて・・・。
    カムヰヤッセンの役者たちひとりずつが
    単にシーンを支え広げる筋肉のようなものに加えて
    空気の粒子を個々に染めていくような繊細な表現を
    しっかりと身につけていることを実感できました。
    客演などで鍛えられた側面もあるかもしれません。
    とにかく観る側がそれぞれのお芝居へと
    そのままにゆだねられるのです。

    父子の物語として、3人の男優がきっちりと
    個々のキャラクターを作り上げていきます。
    2人の女優は物語のなかでは
    傍系の位置にあるのですが、
    彼女たちの醸し出す空気が
    物語の枠や色をしなやかに編み上げていく。
    それぞれがそれぞれに映えるようなバランスのとり方が
    しなやかで、安定していて、ぶれない。

    初日ということで
    多少のギクシャクらしきものはあったものの、
    作品全体としてはまったくの許容範囲。
    作・演出の才能の発露に加えて
    劇団としての演じ伝える実力を
    しっかりと感じることができる舞台であったと思います。
  • 満足度★★★★

    80%の深みがいい感じ!
    とっても重要な問題を問う話ですが、80%の深みがいい感じ!

    ネタバレBOX

    記憶を体内に埋め込んだチップに記録して、入出力ができるようになった近未来のSFで、脳にはメインの記憶を記録しなくなり、記憶のカスしか残されなくなったことから起こる悲喜劇。

    良くも悪くも、現在の人間は忘れてしまったり憶えていたりするものですが、チップだと故意に記憶を消去してしまうということが可能になる怖さがありますね。

    訪ねて来た若手科学者が例えばチップ反対派で、こうした行為の是非を問うような方向に進むのかと思いきや、そうした方向には進まず、記録から消去されてしまった家出息子だったという辺りで止めているところが、何とも深さ80%という感じで、ありだなと思いました。

    くちゃくちゃ、くちゃくちゃ、私も嫌いですが、そういう記憶のカスで思い出すってことありますね。記憶がドサッと戻るシーン、本当にドサッでした!

    先日の磯川家も観ましたが、甘粕さん可愛かったです!!
  • 満足度★★★★

    記憶
    人間の記憶は案外、曖昧だったりする。苦しいことや悲しいことは記憶から消去しようと努力するのが脳の働きだから人間は絶望的な出来事を経験しても、どうにかして生きていけるのかもしれない。

    今回の物語はある家族の情景を「記憶」というキーワードをもとに描いた近未来的な作品だった。

    以下はねたばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    人間の脳にチップを埋め込み都合の悪い記憶を改ざんする事も、新しく加えることも出来る研究者・宮下は自分と自分の子供達にチップを埋めて人体実験を続ける傍ら、ある日、同じチップの研究をしているという夫婦が訪れる。

    彼らは実は宮下の長男だったが宮下には肝心の記憶がない。それは遠い昔、長男が勘当同然で家出をしたその日に、宮下の次男がデータを改ざんし記憶を消してしまったからだった。

    改ざんした記憶から本来の脳の記憶を引き出して消してしまった記憶をどのように再生するかを扱ったテーマだが、物語が進むうちに次男が父親に対する深層心理やら、長男の過去の出来事、宮下の過去の出来事が徐々に暴かれていく。

    どちらかというと中盤から後半にかけての記憶の操作ごっこのような描写が絶妙で観ていてワクワクした。終盤、どうしたって長男を思い出せない父親が長男の癖でイラつき注意する場面で、記憶を蘇らせる展開は見事だった。ここで一気に今までの本当の過去が走馬灯のように駆け巡る。それは上から下がっていた記憶の小道具が落ちた瞬間と同時だ。

    記憶チップの意味と同時に家族という血の繋がりも表現した舞台で終盤、ホロリ・・とする。温かみのある人間くさい物語だ。良いと思う。

    もしも、記憶がなくなったとしたら、それは空洞の世界だ。そんな事を考えるとアナ恐ろしい世界だが、近未来はそうなるのだろうか?素敵な記憶しか知らない楽しい世界が・・。
  • 満足度★★★★

    人が記憶するということとは
    三鷹での前回公演の多くの出演者で大きなストーリーを成功させ、今度は劇団員だけで、それも楽園という小さな空間で、もう一度自分たちは何故このメンバーと芝居をするのかということを再確認するかのような、コンパクトながらも凝縮された作品でした。

    ネタバレBOX

    人の記憶というものをキーにして、テクノロジーの進化により記憶というよりはメモリーするといった方がしっくり来るような状況の中で、それでも人が記憶することとは、ということを家族というものの存在意義やその重みを問う作品になっていたと思います。この先にどのような大きな世界を見せてくれるか、今後の活躍が楽しみです。
  • 満足度★★★★

    頭脳派らしいストーリー
    ストーリーが展開されていくにつれて、さすが頭脳派集団らしい内容だなって思えた作品。それでいてわかり辛くもなく、楽しめた。

    記憶がテーマとなる本作品繋がりで、記憶は徐々に忘れていくものだが、ずっと貯めていられればいいのにーと以前私はよく思っていたけれど、それはそれで辛いことなんだろうなってある時期からそう思えるようになった。なんだかんだいって、人間の脳は人それぞれ違うにせよ人工的に手を加えて性能を良くするよりは、今のままで丁度いいんだと思う。

    話が脱線してしまったが、ストーリーの良さもさることながら役者さん達も皆が皆個性の光る役ではなかったがとても好感が持て、今後も応援したくなった。

    逆に失礼になってしまうかもしれないが、あえて言うと無難に楽しめる作品でした。

    ネタバレBOX

    これを書く頃には最後の回も始まってるし、ネタバレになるのかわからないけど
    1点わからなかったのが、最後の方の父親と息子(弟)とやりとり。

    あのやりとりで、長男の存在が記憶から消えてしまったってことなんだろうか・・。
  • 満足度★★★★

    SFの顔をしたホームドラマ
    SF的設定を用いて、記憶をモチーフに家族の愛憎という古典的テーマを描いた作品でした。タイトルからは想像できない展開でしたが、真面目なテーマを時折ユーモアを交えながら丁寧に描く充実した内容で、楽しめました。

    回想シーンが何度もあるのですが、物語の設定上そのことに必然性があって、説明的なシーンには感じられない脚本が巧みでした。専門用語で早口バトル、劇中劇、一人芝居、パロディーなど、色々な要素を盛り込んでいたのも良かったです。
    個人的には後半は少し冗長に感じました。もっと余白がある終わり方でもテーマは十分に伝わると思いました。

    ノスタルジーを感じさせる舞台美術が作品の内容にマッチしていて効果的でした。

    繊細な雰囲気の金沢啓太さん、小島明之さんと、ユーモラスな要素の強い役を演じた北川大輔さんの対比が良かったです。

    終盤、暗転した後に照明がつかなくなってしまうハプニングがあってハラハラしましたが、役者たちは動じずに暗闇の中で台詞を続けて、中断することなく復旧しました。上演する側からすると痛いトラブルだったでしょうが、かえって劇団員たちの結束力を見ることが出来たように思います。

  • 満足度★★★

    良い意味で
    手作り感のある劇団だなーと思いました。演技、演出、いろんな面で。

    ストーリーとしてはSF要素を交えるとことか、キャラメルボックスを観ているみたいだと思いました。きらいじゃないです。

    ネタバレBOX

    でも誰もが共感しやすいテーマを扱っているわりに胸に響いてこなかったかな。
  • 満足度★★★

    温かい小品
    記憶を外部化し、保存・編集できるようになった近未来の物語。消去されてしまった記憶はどこへ行くのか、家族をつなぐ絆を復活させることはできるのか――。
    こじんまりした空間で、劇団5人だけで挑んだ小品。
    やさしい雰囲気の漂う作品で、かつ丁寧に作られているなと感じました。



    ネタバレBOX

    印象的だったのは、過去のプレイバックのシーン。照明の切り替えだけで、これを分からせる手腕はなかなかだと思います。

    脚本もサザンカ/ツバキの件も含め、よく考えられていますね。家庭劇の背景にSF的世界を置くアイデアは◎。世界が広がります。

    ちょっとこう……「しっかり構成」に寄った印象もあり、個人的にはもうほんのちょっと、強い感情的執着や破綻、あるいはSF的怖さが匂ってもいいかな、とは思いましたが、「温かみ」という質も大事ですものね。

  • 満足度★★★

    セリフの選択が私のテイストではない
    記憶を保存するチップを埋めこめるようになっている近未来の物語。そのテーマがメインかと思わせておいて、実は家族テーマの物語なのだけれど、SF的な設定に気持ちが行ってしまい、家族の物語としての盛り上がりを充分に受け止めることができなかった。プロットやストーリーは面白いと思うのだけれど、それぞれのテキストの選択は私のテイストとは少し違うと思った。

  • 満足度★★★

    気づきの瞬間、肌に振動を感じた
     近未来の日本の地方都市を舞台に、ある科学者とその家族らの数日間を描きます。ヒトの記憶をめぐるSFで、設定をわかりやすく説明してくれるので難解さはありませんでした。

     言葉の意味や感情に忠実なタイプの演技方法ですが、セリフの背景となる過去の事実や現在の気持ちなどがはっきりとせず、役者さんの演技の精度の低さが気にかかりました。例えば若い夫婦が私には「夫婦」に見えづらかったです。あとは舞台中央奥に可愛い花(サザンカ?)があるのに季節が肌では感じられなかったり、出演者5名(=登場人物5名)以外の人々を想像しづらかったり。
     でも、装置と演技が一変するクライマックスの場面が素晴らしかったです。その一瞬間のためにこの作品があったと思っても、不満はないぐらいでした。

     折り込みチラシを挟む紙(帯と呼んでみます)が劇団手製のものでした。作り手、観客、そしてチラシそのものも大切に思う気持ちを受け取りました。ひょっとこ乱舞の手製帯もパンチが効いていてかっこいいですが、カムヰヤッセンの帯は穏やかな優しさが伝わってきますね。その精神が作風にもあらわれているのだなと思いました。

    ネタバレBOX

     ICチップを体(首の後ろあたり)に移植し、記憶を脳にではなくチップに入れることができるようになった近未来。息子と2人暮らしの研究者は自分だけでなく息子にもICチップを装着させています。2人の家を訪ねてきた夫婦の夫の方は、実は研究者の長男なのですが、ある事情で研究者(父親)およびその息子(次男)の記憶から、存在自体が消去されていました。鍵は舞台には登場しない、死んだ(いなくなった)母親が握っています。長男は自分のことを思い出してもらうため、妻とともに対策を練りますが、スムーズには行きません。

     父親の記憶が復活する瞬間は、偶然にやってきました。食事をする際、長男は口を開いたまま噛むので、くちゃくちゃと音がするのです。父親は我慢できず「みっともないからやめろと言っていただろ!」と叫んで、覚醒。父親の気づきと同時に、天井から吊り下げられていた子供用のおもちゃやランドセル、絵本、ぬいぐるみなどが一気に床に落ちました。やっと父と子としての再会を果たした2人の体は震え、驚きと喜びに満ちています。装置がダイナミックに変化し、俳優が感情をフルに使った演技を見せ、奇跡の瞬間を実感のあるものにしていました。思わずホロリと来ちゃう名場面でした。

     チップ内の記憶を再現する場面は、謎解きの要素もあって面白かったです。家族の愛憎を描いたシンプルな物語なので、例えば過去と現在を同時進行させたり、客席に向かって独白をするなどの、実験的な演出も成立しそうだなと想像しました。
  • 満足度★★★

    柔らかな記憶
    初カムヰヤッセンでした。
    近未来SF風味が意外に感じましたが、それがメインなのではなく、登場人物の気持ちを追うための一要素として上手く組み込まれていたので良かったです。
    クライマックス部分、私は展開が読めてしまったのですが、人の記憶というものがいかに大切で曖昧で柔らかく暖かいものであることが伝わってきました。

  • 満足度★★★

    「キョム!」に続き
    役者としての北川さん観たさに観劇。公演を観て人間は不思議だと新ためて感じる。

    ネタバレBOX

    「脳」「チップ」「記憶」の説明は解りやすく面白かった。
  • 満足度★★★

    今後に期待
    「キョム!」で北川さんに興味を持ったので、上京の予定があったので観劇。

    丁寧に作られたいい作品でしたが、作・演出・役者にもう少し特徴が出てくると面白いかなと思いました。

    東大出身の劇団という先入観からか、作品の父権的なテーマや、責任と権限や選択のような話はエリート的だなと勝手にこじつけていました。

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