Project BUNGAKU 太宰治 公演情報 Project BUNGAKU 太宰治」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.2
21-38件 / 38件中
  • 満足度★★★★

    好企画!
    まず、この企画に万歳三唱。

    最初に仮チラシで、参加団体とテーマを見て、「これは行きたい!」と思わず叫んでしまうほどのインパクト。
    そして、実際に目にして、耳にして、「行ってよかった」と心から思える公演だった。

    アフタートークを入れて2時間という時間配分も、気が利いている。

    ネタバレBOX

    ■広田淳一『HUMANLOST』
    ひょっとこ乱舞でいつも見せているような言葉や動きのアンサンブルが美しい。しかし、いつもの「ひっとこ乱舞フォーメーション」と思わず呼んでしまうようなほどのスタイリッシュさまでには昇華しきれてない恨みが残る。
    つまり、いつものように、ダンスや言葉の重なり合い(音楽のようなリズム感)を、グルーヴにしてこちら側に届けてほしかった。

    題材自体が、淡々とした日記形式ということと、広田さんが一から書き上げたものではないので、世界の広がり方が足りなかったのかもしれない。
    それは、狂人たちの「脳内」へ広がりを見せるような方向へ、広田さんが持つであろう、理系のチカラで、原作を再構築(破壊した上で)してほしかったということでもある。

    金魚鉢に石を放り込み、突き抜けるような声で日付を刻むスタイルは秀逸だった。



    ■吉田小夏『燈籠』
    独自の手法による、時間と空間の構築と交錯が見事で、それが美しいと感じるまでに仕上がっていた。それはいつもの小夏ワールドと言っていいだろう。
    そして、短編とは思えない濃厚な世界が広がっていた。

    太宰の作品なのに、女性ならではの視点が効いていて、強い意志と根底に流れる情念を見事に表現していた。
    着物での所作もきちんと計算されていたし、文楽を彷彿させるような動きや、シーンごとのキメ(見栄)も美しい。

    福寿奈央さんの一気呵成の台詞には「凄い」の一言。感情の高め方というよりも、内側への籠もらせ方が見事。

    しかし、前後に流れたエゴ・ラッピンだけはしっりこなかった。彼らの曲は主張が強すぎて、せっかくの余韻をわざわざ消してしまったようにしか思えない。


    ■松枝佳紀『ヴィヨンの妻』
    先の2本に比べると、ごく「普通」に、ストーリーを見せてくれた印象。

    猥雑の裏側にある、「聖」なるものが、ときおり顔を出す演出がうまい。

    ただし、『燈籠』の後だったせいもあるのだが、動きなど、全体的に雑さがつきまとっていたのが残念。
    また、衣装は、ヤフオクで「本物」を落札して使ったとのことだが、本物使うのならば考証も「本物」にすべきではないだろうか。本物を使えば本物になるわけではないのだ。


    ■谷賢一『人間失格』
    構造がうまい。
    現代に物語を寄せつつ、いつの時代にでもある、普遍性を露わにしていた。

    主人公の陰にいる男の設定が効いていた。照明などが効果的で、登場人物たちの動きにより、舞台に広がりが見えていた。

    主人公を女性が演じるという設定は面白いと思ったが、彼の時間(年齢)の経過が(表現・演出として)イマイチ伝わらなかったのが惜しい。



    4つの演目を観て感じたのは、やはり、ひょっとこ乱舞と青☆組の舞台が自分には合っているということだ。それを強く再確認したと言ってもいい。

    今回の企画の目玉の1つでもある「順位付ける」については、順番ではなく、持ち点10点を配分するほうが、好きだったものとそうでなかったものとにはっきり差が出たし、どっちもよかったものに対しては、同点を付けたりできたので、もっと気持ちを反映できたように思えた。

    とは言え、4者4様で、その要素を凝縮した舞台が観られたのはよかった。ぜひこの企画を続けてほしいと思う。
    Project BUNGAKU というタイトルではあるが、そのときには、文字だけで作者のイメージを広げやすいBUNGAKUではなく、マンガなどをテーマにしてはどうだろうか。とても困難なものになりそうなだけに、観る側の期待も高まるのではないだろうか。手塚治虫とか藤子不二雄とか梅図かずおとか岡崎京子とか、水木しげるとか(笑)。
  • 満足度★★★★

    谷作品はうれしい
    短編はいいですね、アフタートークで辛酸さんもいいてたけど、90分拷問のこともあるから、リスクが少ない。
    で、それぞれのカラーがよくわかる、違いのみれるいい企画でした

    ネタバレBOX

    胸もまれる菅谷さん、あー。水着のハマカエ、わー、でした。
  • 「HUMAN LOST」が良かった
    4種類の太宰治芝居。全然違いました(笑)。トークに出演させていただきました。ありがとうございました。

  • 満足度★★★★★

    まず、このような企画が実現できてたことが凄い
    このような企画が実現できてたことが凄い。破格な付加価値のついた公演。

    これから観る方は、「HUMAN LOST」 はあらかじめ読んで臨んだほうがいい気がします。

  • 満足度★★★★

    青☆組の新たな華やかさ!
    4団体の共演、しかも太宰を20分でどうまとめるのか興味津津でした。
    結果、それぞれのカラーがはっきり出ていて大変面白いものになっていました。私の中では、青☆組「燈籠」(「葉桜と魔笛」「待つ」「女性徒」を少しづつ加え再構築)の脚本の完成度の高さと美しさ、そして役者さん達のすばらしい演技に何度も我を忘れ、心奪われました。また「人間失格」のコロさんの熱演にも圧倒されました。
    今回のユニークな公演は十分に楽しめるものでしたが、ただ、好みや動員数が大きく係わるであろう順位付けを毎日公開する必要があったのかどうか?(やるとしても、最終的に総合計の結果発表ぐらいで良かったのでは?)
    『芸術に順位付けが不粋であるのは重々承知。しかし敢えてやった。』との松枝さんのお言葉もありましたが……、 
    純粋に演劇を楽しみたい者にとっては、少し悲しい思いが致します。

  • 満足度★★★★

    いいですよ、ゼヒ見に行ましょう。
    4者4様それぞれ個性のある作品で、
    順位を付けはしましたが底辺は高いです。
    三田佳子さんと主催さんのトークはとても楽しかった!
    三田さんの回でも半分程度の入りなのが残念、
    悩んでる方はぜひ平日昼公演がオススメですよ!
    これから見る方の順位に影響はないかと思いますが、
    感想ブログは週末UPする予定です。
    原作を知ってるのと、知らないので別の楽しみ方になりそう。
    理想は知らずに見て、原作読んで、また見る。なんてね。

    10・10ブログUPしました(リンク済み)
    ここまでの投票を見てヒューマンロストの評価が
    毎回4位なんでなんか寂しいですね。

  • 満足度★★★

    特に太宰を知らなくても
    充分楽しめると思うし、かえって知らないで観るのも今の演劇かと。この日のアフタートーク永井愛さんの感想、解説は聴き応え有って良かった。

  • 満足度★★★★★

    4作品ともすばらしかったですが、「燈籠」に1入れました!
    小夏さんの作品、初めて拝見させて頂きました。
    私は学生時代、太宰治の「人間失格」の草稿や、「女生徒」の素材となった日記から創作過程を追うことに興味を持っていた現在31歳会社員の女性です。
    演劇はまったく分からないのですが、昨日拝見してとてもすばらしかったので、私も一言感想を投稿させて頂きます。
    「燈籠」は4作品の中では一番好みではない作品なので、選ばないだろうなと思っていた作品でしたが、演劇の方が小説よりよくなっているように感じ、「燈籠」を1番に入れました。小説では結末の水野の手紙から女性は救われない感じのする後味の悪い作品でしたが、演劇では少し和らげられて、また主人公の女性も共感の持てる女性に描かれているように感じました。
    また↓の方もおっしゃていますが、着物の美しさ、身のこなしの上品さ、音楽の効果的な使い方など視覚聴覚で舞台ならではの楽しさも味わせて頂きました。
    他の3作品は題材小説のみを扱っていましたが、「燈籠」は途中、「葉桜と魔笛」や「待つ」など他の女性独白体の小説も入ってきて、「燈籠」にはない妹の設定が入り、物語が作り変えられ、対象作品で一本勝負というルールなら別ですが、結果的に観客に感動を涌き起こし、実際の小説よりいい作品に仕上がっているように感じました。私は個人的に「葉桜と魔笛」が大好きなのもあって不覚にも号泣してしまいました。
    また俳優さん、特に女優さんたちが人間的に深みのある演技ですばらしかったです。
    しかし、小夏さんがどのようなきっかけで「葉桜と魔笛」などをリンクし、それらの作品をひっぱってきたのか気になります。私は「燈籠」の中の「葉桜」という言葉に「葉桜と魔笛」を想起してしまいますが、作り変えられ新たに創作されていく過程にとても興味がわきました。
    その辺り、今日のイベントで直接小夏さんに伺えればうれしいのですが、個人的にちょっと仕事で難しそうです。もしこの投稿に目を止めて頂けたなら、今度コメント頂ければとてもうれしくおります。すばらしい作品をありがとうございました(*^_^*)♪

  • 新鋭演出家四人のガチ勝負
    原作は一つも読んでいません。唯一、人間失格だけは高一ぐらいの時に読もうとして、半分も行かずに放った気がします。多分それ以降太宰は肌に合わないという先入観が作られ、食わず嫌いです。良くないですね。感想は長いですが特にネタバレしていません。

    『HUMAN LOST』演出:広田淳一(ひょっとこ乱舞)
    物語はまったく意味がわからなかった。ただ空間の中での役者配置、動きを含めた舞台上のヴィジュアルの見え方、計算された音の入りが美しい。僕は途中から話を理解することを止めて、その場で起こっていることを楽しむことにした。でもきっとそれは僕がいろんな演劇を観ているからこそ、見方を変えることが出来たのであって、ふつうに観たとしたら話が理解出来ないというのは大きなハンデになる。
    公演後に話を聞くと、原作も意味がわからないらしい。それでも説明的な台詞を作るのは全力で避け、わかりやすさを排除したとか。「出演者含め総スカン覚悟」であったものの、原作を読んでいる人にとってはとてもうまく構成し直してあると感じられ、人気が高くて意外だったとのこと。これから観に行く人は、読んでからの方が楽しめるかも知れない。

    『灯籠』演出:吉田小夏(青☆組)
    観ながら何度か鳥肌の立つ瞬間があった。僕は芝居を観ているとき、話の筋と関係なくとも照明や音響、舞台の作りが好みにぴったりと嵌ると、その度鳥肌が立つほどの感動を覚える。小劇場の芝居では珍しい。「忘却曲線」しか観たことがなかった僕は、小夏さんがこのような演出もすることに驚いたし観ていて非常に面白かった。みな着物を着ているが、所作がきれいである。日舞をやっている人が役者の中に何人かいたからこそ、短期間で仕込めたのだという。着物を着た芝居はプラスに作用すれば大きいが、マイナスにも作用する恐れがあると思う。この芝居では良さを活かし、断然プラスに持って行けていたのではないか。

    『ヴィヨンの妻』演出:松枝佳紀(アロッタファジャイナ)
    何度もリプライズされるHaendelのSarabandeが芝居の間をきれいに埋めていく。統一感がありつつも、様々な録音が楽しい。一度稽古場のお手伝いをした際に、通し稽古を見させて頂いていたのだけれど、話のおもしろみが以前に増してギュッと凝縮された印象。何度か観ていたこともあって、台詞一つ一つが「あ、そうか」と腑に落ちた。その腑に落ちた言葉がとても重要であったりした。最後のシーンがとってもすき。稽古場で初めて観たとき、ぞくっときた。

    『人間失格』演出:谷賢一(DULL-COLORED POP)
    もうなんか転換の曲が流れ始めた瞬間に谷さんワールドが全力展開していて、面白い。広田さんに話したら共感してくれて「谷のターン!って感じだよね」と。上演しながら、舞台上にいろんなものが雑然と撒き散らかされていくあたりも谷さんらしい。作風はご自身で語っている通り、ダルカラ色が強い。僕は「幸せの歌を歌う犬ども」「幸せを踏みにじる幸せ」のようなふざけ方が実は苦手だったので、やはりこういう作風が好きだ。完全に僕の好みの話で申し訳ない。でももうこれはダルカラの新作みたいなもんだから、ダルカラのファンは絶対に観に行くべきである。
    どこまで自己投影したのかわからない。途中で、どストレートに谷さん自身と葉蔵が被ってきたので、それはそれで驚いた。『心が目を覚ます瞬間』といい、谷さんが自己投影をした作品には、深く観客の精神世界に切り込んでくる力を感じる。有無を言わせず、心を揺さぶる力を感じる。サンモールスタジオで同時上演されている谷さん脚本の『悪魔の絵本』も観に行かないわけにいかなくなった。
    お前は谷さんの子分だから、とか事情は抜きにして、はっきり僕はこの『人間失格』が四作品の中で圧倒的に好き。『灯籠』で鳥肌が立っていたのでどうなるものかと思っていたけど、完全にやられた。変な言い方だけど、一番にせざるを得ないものがそこにはあった。

  • 満足度★★★★

    関係者様へお願い
    アフタートークがすごくよかったです。充実の内容でした。
    しかし、アフタートークのメンバーの豪華なこと。
    全部の回のアフタートークが聞きたい!!
    撮影されていたようなので動画をネットで流していただけるとほんとうにありがたいです。

    え?DVDの特典映像ですか?
    うーん、ええ、ああ、買いますとも、DVD。

  • 満足度★★★★

    太宰のダは…
    ダメ人間のダ。小学生の頃の思い出。他意はないです。
    小劇場好きには堪らない顔触れの企画。
    期待以上とまでは言わないが見応えは充分。
    「HUMAN LOST」
    私的1位。短編はキレ味だと思う。佐藤みゆき良いなぁ。
    「燈籠」
    小粋で華やか。うまいこと作るね、まったく。
    「ヴィヨンの妻」
    オーソドックスというか、これくらい鈍臭いくらいが太宰っぽいと思う。
    「人間失格」
    物足りなさが残った。役者、滅私奉公。長編にした方がいいのでしょう。
    「ヴィヨンの妻」以外は技が勝ち過ぎている印象。
    太宰って短編向きじゃないのかな。
    前方から座敷2列、ベンチシート2列。背もたれのある椅子は後方でした。

    ネタバレBOX

    ハマカワフミエが下着になるよ。
    オパイ揉まれちゃうよ。
    まさに下種の極み(こんな事を嬉々として書いている自分がです)。
  • 満足度★★★★★

    “分かりやすく美しい台詞”の小夏ワールド
    吉田小夏の作品は、いづれも力作の他作品との対比で個性が際立ち、大満足。作者がブログで明かしているように、メインの『燈籠』に『待つ』『葉桜と魔笛』などを加え、その他の短編からも、太宰の名台詞をさりげなく潜ませて、オリジナルの小夏ワールドに仕立て上げた力量には敬服する。また、俳優諸氏が素晴らしい!特に福寿奈央の存在感と迫力は出色であり、魅せられてしまった。ファンは必見の舞台。

  • 満足度★★★★

    大満足!!
    観てきました~~!!小劇場の若手演出家4人が太宰治作品で競演するこの企画。かなり期待をしていったのですが、期待以上!!大満足でした!予定がつく方は是非!10日まで。

    ネタバレBOX

    僕は、太宰作品も好きなので4作品をどんな風に料理なさるのかとわくわくしてました。
    この公演いろんな楽しみ方があると思います。お気に入りを1つ選ぶのも良し!4作品をまとめて楽しむのも良し!
    因みに僕はドッチかというと4作品全体でたのしみました。太宰テキストの”破壊度”と、言うなれば太宰っぽさのバランスがそれぞれ微妙にちがくて、うなってしまいました。
    太宰好きにも、そうでないひとにも満足できる作品になっていると思います!
  • 満足度★★★★

    4作品4様
    4作品とも脚本・演出が違うということで
    特色が出ていて面白かったですね!
    あまり太宰作品は読んだことなかったんですが
    楽しめました。
    アフタートークの猪瀬直樹さんのお話がとても面白く、
    作品の解釈が深くなり作品自体の面白さも増しました。

  • 満足度★★★★

    (ノ*´Д`)ノオォオォ
    Project BUNGAKU 観てキ・キ・キ・キタ━━(゚∀゚)━━!!!! ソワレはアフタートークゲストの永井愛さん効果もあいまって超満員☆彡 演出家の個性が光る刺激的なコンペティション!見逃すな!

    谷賢一演出『人間失格』良かった。コロさん、塚越さんが特に。それにしてもそれを引き立てるために集めた俳優の顔触れの豪華さと、また起用のしかたの贅沢なコト(笑)

    広田淳一演出『HUMAN LOST』凄かった。なにがなんだかわからないんだが、スゴイってことだけが印象的。

  • 満足度★★★★

    文学ロマン演劇
    それぞれが独立していながら4作品を観終わった時には、自分の観た回のアフタートークゲスト猪瀬直樹氏がおっしゃっていた様に連作を観た気持ちになりました。
    そういった意味で、ラストの「人間失格」は、完結編のような感じがあり、太宰の集大成的人物である大庭葉蔵を演じたコロさんはそのイケメンぶりも含めて素晴らしかった。

    ネタバレBOX

    自分は、右側最前列に座ったのですが、4作目中盤以降目の前でずっとタバコを吸われているのは非喫煙者者で背広組としては結構きつかったです。
  • 満足度★★★★

    太宰という人
    各作品の出来栄えもさることながら、企画、立案、そして実行に移すまでの情熱に惚れました。4作品を通して初めて太宰という人物が浮かび上がってくる。そんな印象です。お奨め作品!

  • 満足度★★★★

    演劇の鉄人たちの饗宴!
    若手を代表する4人の演出家の競演、そしてその題材が太宰となるとたまらない。今回の企画、観客に1位から4位までを付けさせるというコンペと、アフタートークゲストに一番気に入った作品を選ばせるという二重のコンペになっている。これでは4人が燃えないわけがない。

    才能あふれる演出家が腕によりをかけて競い合うという素晴らしい企画。観客としては、どの作品も感銘をうけて、順位付けするのが難しいくらい。

    ひとことでこの公演を表すと、生きのいい公演。堪能した。

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