マレーヒルの幻影 公演情報 マレーヒルの幻影」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.2
1-12件 / 12件中
  • 満足度★★

    岩松了
    こだわらない男。

    ネタバレBOX

    少なくとも、私が観た回の観客は置いてけぼりだった。
  • 満足度★★★

    麻生久美子
    観想としては、彼女を生かしきれていないような歯がゆさが残った。しかし、それが彼女の実力か?逆に他の出演者の方がとても良かった。正直、麻生久美子さんだけ他の役者に替われば、とても良い作品になったような気がする。これも、舞台経験の差かもしれないが。麻生久美子さんの今後に期待。

  • 満足度★★★★

    翻案の妙。さすが、岩松了。
    原作の世界をそのまま使わず、在米邦人のコミューンに
    翻案したのが興味深かった。
    自分が最初に宝塚での「華麗なるギャツビー」舞台化に
    求めたのも結局こういう手法だったと思う。
    小池修一郎が菊田一夫賞を受賞した直後で“第二の菊田
    一夫”みたいに注目されていた時期に「ギャツビー」を
    手がけたので、菊田の得意とする日本的な翻案を期待
    したのだが、結果としてそうはならなかった。
    岩松了の「マレーヒルの幻影」のほうが、むしろ菊田の手法に近い。
    菊田はヨーロッパ旅行中に新聞のわずか数行の地元の結婚ニュース
    に興味を持ち、舞台設定はそのままに、ハッピーエンドの記事をまったく違う悲恋物に作り変え、名作「霧深きエルベの辺り」を生んだ。
    舞台や登場人物はヨーロッパだが、うまく日本人の感覚にマッチ
    させた話になっていたのだ。
    映画を観た世代の自分にはやはり、ロバート・レッドフォード
    とミア・ファローのイメージが強く、原作通りなぞると比較して
    違和感を感じてしまっただろう。
    ヒロイン三枝子がデージー単独ではなく、作者の妻ゼルダを重ねて
    いる点も、原作の愛読者には嬉しい。

    ネタバレBOX

    鉄柵状のパテーションをうまく使った舞台美術が印象に残った。
    この柵が橋や家の門や墓地の囲いに変化する。柵は三枝子を抑圧し、
    絡めとろうとする運命の罠にも見えた。そして、この柵が登場人物を
    幻影に見せる効果もあった。
    三枝子(麻生久美子)のデージーのイメージを雛菊(デージー)に託している。冒頭の墓地の場面で「こんな墓地に雛菊が咲いてるなんておかしいだろう」という台詞があった後に三枝子が登場したり、ソトオカが訪ねた
    三枝子の家にも雛菊が飾られ、器が割られて蹂躙される。
    今回はキャスティングが成功した。それぞれ適役だ。
    「われわれはどんな状況-人とうまくコミュニケーション
    できていようが、できなかろうが、基本的によくいつもわからないものに
    対してリアクションしてる」「結局、人は誰とも会話していない」という岩松の考え方がよく出ている芝居だったと思う。
    私などは単純なので、舞台を観る時は当然、人物の会話を追って状況を
    理解しようとする。だが、岩松作品には、それはあまり意味がないようだ。
    登場人物はめいめい勝手に自分の思いを披瀝する。とらえどころのない人物ばかりでてくる。外人俳優3人もしかり。英語が理解できればそれなりに楽しめるだろうが、岩松の手法でいけば、英語の台詞はノイズとして聞き逃されてもかまわないのだろう。言葉のキャッチボールはほとんど成立せず、不協和音をずっと聴かせられるような不安が襲う。しかし、それで岩松作品は成立しているようなところがある。
    そういえば、自作に岩松が出演するとき、彼はそこで交わされる会話以外
    のものに目を向けているような不可思議な笑みをたたえていることが多い
    否、自作に限らず、俳優としての岩松はたいていそんな表情を浮かべており、それがどこか「油断のならない奴」「食えない奴」に見えて印象に残る。
    この芝居で、唯一、キタ(三宅弘城が好演)は必死に会話のボールを正しい方向に投げようと努めている人物に見えた。そして思うようにならぬもどかしさを嘆く。観客がキタに感情移入できるゆえんだろう。
    フジオ(松重豊)は悪魔のような存在だ。性格が悪魔のような男という意味ではなく、役割そのものが悪魔なのである。人間としてはせいぜい底意地の悪い駄目亭主なのだが、結果的にすべてを破滅に追いやってしまう。ソトオカの会社の封筒に入れてスージー(市川実和子)に金を渡すのも、誤解や結末を意図した行為ではなく、自分の中の小さな悪意に過ぎなかったはずだが運命を決めることになる。岩松自身が出演するならフジオ役だろう。
    生活の芯などまるでないかに見えたタナカが最後は怒りから思い切った行動に出る。荒川良々は気のいい純情な役も似合うが、風貌からこういう役もとてもいい。市川は根無し草の雰囲気がよく出ていた。
    ソトオカ(ARATA)は2人を案じて忠告するキタにさえ、三枝子との交際に反対した母親を重ね合わせて反発するが、これもキタと会話しながら、キタとは関係ない社会的な差別に怒りを向けている。
    そしてタナカに撃たれたソトオカに銃弾でとどめを刺すのは三枝子だ。
    愛しているはずなのに、ソトオカの呪縛から逃れようとしている。
    彼女はフジオとの生活に終止符を打ちたいのではなく、だれの愛からも逃れて本当の自由がほしかったのだと思う。
  • 満足度★★★

    演出:岩松了+主演:初舞台の麻生久美子 観客がセリフに酔いながら組み立てて観る芝居。市川さん好演。
    麻生久美子さんの初舞台、市川実和子さんも出演なので鑑賞!
    演出:岩松了+主演:麻生久美子は、時効警察コンビです。

    「グレイト・ギャツビー」をベースにしているそうですが、
    舞台をアメリカでの”日本人コミュニティ”に設定して、
    そこで織り成される日本から渡米している男女の人間関係、
    破滅的な運命に翻案されています。

    岩松作品なので、今回は特にストーリーがわかりにくい。
    観客がセリフの洪水に酔い、楽しみながら組み立てて観る芝居。
    英語のセリフも結構あっても訳が無いのは、わからないところは、
    わからない状態を受け入れて観るものだということでしょう。
    登場人物のうちキタ(三宅さん)を除くほぼ全員が何かをたくらんで
    ぎらぎらしている。
    出てくる皆が激しい言葉を突きつけていて、しかも深いので
    いろいろ考えて、観ているほうも消耗して疲れる。

    男は皆女々しくて、給仕さんを初め^^)女は逞しい。
    変わらぬ本質かも。

    そして、突然訪れる意外なラストが哀しい。

    麻生久美子さんの初舞台なので鑑賞!表面では強がって皮肉
    めいたことばかり言うが、それでも内面は違うであろうことが
    想像できる。
    また、市川実和子さんも現実的でさばさばした役を好演し、
    2人とも非常に魅力的、また別の舞台を観てみたい!!

  • 満足度★★★

    外国人の力は素晴らしい
    外国の方がワクワクと芝居をしているのを見ると、
    こちらは笑ってしまう。

    ネタばれにならないようにしないといけないので書けないけども、
    やっぱり国が違うだけで表現方法が違うんだな、
    とハっとさせられた作品でした。

  • 満足度★★★★

    男って女々しいなあ
    男の女々しさと女のたくましさが身にしみた。

    個人的には麻生さんを生で見られて幸せ(笑)

    ネタバレBOX

    1幕の幕切れの場合が好きだ。2幕目が待ち遠しくてたまらなかった。

    三宅氏演ずる北さんがよいですね。あの人が居なかったら暗くてやりきれない話になったでしょうね。
  • 満足度★★★

    うむむむ
    わかりやすいヨーロッパ企画を観たあとでの観劇だったからか
    前半、人間関係と事件と時間軸を追いかけるだけで精一杯、
    ほとんどおもしろさがわからないままでした。

    後半はストーリーが動き出すので、なるほどなるほどという
    感じで観ることができましたが、難解に描きすぎた分、さほど
    心に残るほどの強烈な印象がありませんでした‥

    このあたりは作風の好みですかね。

  • 満足度★★★

    哀しく、優しさもない物語
    みなさん、上手い方ばかりなので3時間でも長いと感じる事無く
    静かな舞台を緊張の中(前半眠かったけど)見れました。
    古いアメリカの設定にあんまり入り込めない所もありましたが
    ひたすらに哀しい物語がじんわりしみこみました。

  • 満足度★★★★

    哀しき物語
    愛情のもつれの結末、と言えば簡単だが
    描ききれない人間の気持ちの表れが重苦しさだけでなく
    生きるつらさ、決断の苦渋さを見せつけてます。

    岩松作品、独特ですね~

  • 満足度★★★

    三宅さんの熱演!
    そんなややこしい話ではないはずなのに
    岩松作品の特徴なのか、いかんせん分かりづらい。
    舞台美術、音楽共にいい感じなのに、話はつまらん。
    それでも、過去に観た岩松作品よりは良かった。

    その要因は、三宅さんの熱演にあると思う。
    三宅さんが舞台全体をグイグイ引張っていっていた感じがした、
    そのおかげで約3時間(休憩15分込)の舞台もなんとか寝ずにすんだ。
    松重さんも良かった。
    麻生さんも
    初舞台にしてはなかなか頑張っていたなあ。

    ネタバレBOX

    謎の外国人3人の英語のセリフも
    そこまで意味があったとは思えない。
  • 満足度★★★

    つらい、お話ですね。
    華麗なるギャツビーをもとにしているそうですが、
    やりきれないお話ですね。

    役者さんは皆さすがでした。
    緊張感がずっと持続してました。

    英語がわからないと、おもしろくない部分があり、私は全然わからないので、眠くなりました。

  • 満足度★★★★

    華麗なる
    岩松了さんの作品って、観た後にあれれ…、なんか良かった。って思わせてくれる。いつもはパンフ買わないのだけど、休憩時間に欲しくなり買ってしまった。華麗なるギャツビーは、村上春樹訳で読みました。なるほど。そういう時代なのね。しかし、これからは英語もある程度理解できないと芝居楽しめないのかも~、とも思ってしまいましたよ。理解できない理解を楽しみましたが。舞台美術がこれまた良かった。転換がスムーズに流れるようにすすみ、シーンの違いがわかり易く感じました。

このページのQRコードです。

拡大