実演鑑賞
満足度★★★★★
自分は好きですが今となっては古色蒼然としてるヴァン・ダインの古典ミステリーを、鮮やかな新鮮味もある舞台として、令和の時代に見せてくれたのは、本当に素晴らしかったです。
実演鑑賞
満足度★★★★★
『グリーン・マーダー・ケース』のみ拝見。
5年前の初演を観たとき、もっと大きい劇場も似合うだろうと友人と話した。今回、天井の高い吉祥寺シアターの空間が虚構性の高い芝居によくハマっていた。それぞれ歪みや過去を抱える登場人物たちの描き出す濃密な物語がじんわりと切なく胸に響いた。
実演鑑賞
満足度★★★★
「ビショップ・マーダー・ケース」も面白かったのではありますが、鍛治本サイモンに心を奪われてしまったので・・・。2本立てもいいですが、ぜひ鍛治本サイモンで「ビショップ・マーダー・ケース」の再演を。
実演鑑賞
満足度★★★★
いま、ヴァン・ダインを舞台に乗せるとは随分大胆な企画だ。ミステリではすでに古典の名声を得ているが、それは創生期の本格ミステリ時代のことで百年も前。今はミステリも、時代も変わっている。「グリーン家」は再演だが、今回は、もう一つの名作{ビショップ」と合わせて相互公演だという。まるでヴァンダイン祭りだ。その「グリーン家」を見た。
「モクストラ」は初見の劇団なので、主宰の須貝英はどんな仕事を?をキャリアを見ると、早稲田キャラメル系。既に三十歳半ばを超えている。見ていて感心したものでは「オリエント殺人事件」のスタッフがある。
こういう名作を欧米戯曲をもとにしないで新しく作るのはかなり勇気もいるが、逆に思い切ってできるということもあるだろう。しかし、原作は、豪邸を舞台にした連続殺人事件の謎解きに論理をたてる本格ミステリである。
どうなることかと思って見に行ったが、驚いた。こちらの想像とは全く違った舞台だった。感想を列挙すると、
まず、名作・ヴァンダインの本格ミステリと言う原作の評価に物怖じしていない。
本格ミステリを、現代の舞台で面白く見せるにはどうすればいいかということに集中している。原作は、かなり複雑な人間関係の上に連続殺人が起きるのだが、その旧豪族家の大筋の遺産相続と殺人の順番などはほぼ原作を踏襲しているが、細かいトリックにはこだわらず大胆に話を盛っているところもあって後半の大捕り物などはオリジナルである。
いわゆる「ミステリ劇」(「罠」とか「スル―ス」とか)とも、「ゴシックホラー」(「黒衣の女」など)とも違う新しいタッチで、しいて言えば、2・5ディメンションに近い。
テンポが非常に速い。シーンも非常に多い。本格推理のまだるっこさがない。セリフも短い。人間関係の葛藤にはあまり時間を割かずに、犯罪の進行を明快に説明していく。古いグリーン家の豪邸の崩壊は小説でも見せ場の一つだが、そういうところもちゃんと舞台になっている。結構取れるところはちゃんと取っているのである。
舞台は、洋館の大部屋を思わせるプロセニアムで囲んだ部屋だけで、ちょっとした小道具を出したりスライド壁を使ったりすることはあるが、一場ですべてのシーンを処理する。今回の二演目はすべてキャストも変わるので、名探偵フィロヴァンスの役も演目で変わる。ほかの小劇場で見た俳優もいるから全部この劇団員ではないだろうが、演出は一貫している。こんなフィロ・ヴァンスではヴァンダインではないと言いそうな老年の客は始めから捨てているのか、女子大生らしい若い観客が多い。劇場ブッキングの都合だろうが、私が見た最終日の午前11時の回はさすがに七分の入りだったが。
いままでのヴァンダインでは連想できない舞台との出会いで、あれよあれよと見ているうちに2時間ほどの舞台を終わった。ミステリファンからも、ミステリ劇のファンからも異論は出てきそうな舞台(例えば、フィロヴァンスのキャラメル風の演技には古典的なミステリファンが拒絶反応を示しそうだが、そんなことは作った方は計算済みだろう)だったが、大いに刺激的ではあった。俳優は動きの速い舞台についていくのに大変だったろうが、なかでは看護婦役の大澤彩未は、この新しい舞台らしい役柄を巧みに演じていた。
本格ミステリには話は面白いものが多いのだが、トリックの細かさにとらわれていると舞台には載せにくい。とりあえずは2・5ディメンションのジャンルに「フーダニット」の道を切り拓いたことを評価したい。
実演鑑賞
満足度★★★
「グリーン家殺人事件」の話を膨らませたもの。登場人物を変えてしまっているので試みの面白味は半減している。サイモン・ブレイって誰よ。ここまで原作を崩すならオリジナルな推理劇を創れば良いのにと思うがそれでは客を呼べないので有名作に便乗したのだろう。原作の世界観は「鵺的」あたりがやればぴったりなおどろおどろしいものだが本舞台はドタバタ喜劇風でリスペクトのなさに呆れた。
もっとも、こんなややこしい展開をスムーズにさばいて行く作者の構成力は素晴らしいと思う。
「ビショップ…」も観たけれど「グリーン…」とまったく同じ感想を持った。そして役者が大きな声で大げさな身振りをするだけで観客席がどっと沸くので、来てはいけないところに来てしまったことを悟った。
これを機会に50数年ぶりに二つの原作を読んだが面白いもののすでに歴史資料になっている感は否めない。本舞台のような改変は不可欠であることも確かである。次回は題名を「グリーン・マーダー・ケース異聞」とか「お笑いビショップ・マーダー・ケース」とでもしてもらえれば誤解して観に行くことを避けられるだろう。
実演鑑賞
満足度★★★★
須貝氏の芝居は過去二作程拝見してより数年機会を得ず、今回は手招きの手の振りも強かったのでそんならと観に行った。ミステリー好きという程ではないがヒチコックやデパルマは好物。もっとも今回は謎解きを楽しみに、というより須貝氏が演劇というフィールドで何をやりたい人なのか(才能を前提に)という素朴な興味。
舞台は面白い程気持ちよく場面が繰られて行く。この脚本化と舞台処理の手捌きは、頭よくなきゃやれねんじゃね、と思う(いやそもそも演出やれる人は脳ミソ大きいに決まってると思ってるが)。
観れても一作だけ、と「グリーン」を拝見したがanother murder caseも観れないかと考え始めてる所。
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/05/17 (火) 19:00
本格ミステリー演劇。面白い。(3分押し)45分(休み10分)90分。
ヴァン・ダインの傑作と名高い「グリーン家殺人事件」「僧正殺人事件」を舞台化して交互公演する試みで、『グリーン家』は2017年に初演を観たので、今回は『ビショップ…』のみ。『グリーン…』の初演でも思ったが、壮大なストーリーをテンポよく展開し、役者陣の見事な演技と合わせて、ディテクティブ・ミステリーをしっかり上演してて、とにかくスゴイ。ミステリ・ファンとしても満足な出来だった。久々に観た佐藤みゆきの存在感も見事だが、「和やか」担当の中野亜美に癒される。
実演鑑賞
満足度★★★★
『ビショップ・マーダー・ケース』
死ぬ程面白い。この方法論で古典ミステリーの再生を続けていって頂きたい。幾らでも観れる。とにかく夢中になって読み漁った子供の頃の気分に浸れる。何だろう?この感覚は。役者の出入りのテンポが抜群で、ページを捲るようにシーンが切り替わる。
ソウルやファンクのR&Bが随所に仕込まれていて効果的、華やかに盛り上がる。センス抜群。
脚本・演出の須貝英氏は何者なのか?
1928年ニューヨーク、探偵を開業することを考えている元刑事のサイモン・ブレイ(林田航平氏)。降りた駅で彼を待つ新聞配達の少女アル(中野亜美さん)により、謎の依頼人のもとへと案内される。到着したディラード家には警官が集まって物々しい雰囲気。今まさに殺人事件が発生したのだ。マザーグースの童謡に準えた異様な連続殺人事件が幕を開く。
林田航平氏は勝村政信や寺脇康文、安藤政信に似た長身のイケメン、格好良い。
今作の名探偵ファイロ・ヴァンス役は大塚宣幸氏。オシャレで多趣味な精神分析好き。
地方検事のジョン・F・X・マーカム役は加藤良輔氏、コミカルなワトソンの役割で場を和ませる。
屋敷の主人、バートランド・ディラード(大内厚雄氏)は数理物理学の元教授。杖をついていかめしい。
誰からも愛される教授の姪ベル(佐藤みゆきさん)は男性陣の憧憬の的。
メイドのデイジー役の永田紗茅(さち)さん、強烈な役回りでこのミステリアスな屋敷のスパイスとなる。
ディラード家の隣家、ドラッカー家の母子が強烈。アマチュアだが天才理論物理学者のアドルフ(竹井亮介氏)は脊柱側弯症の子供好き。田中千佳子さん演ずる母、メイは認知症が進行していて横溝正史テイストの無気味な老婆。
MVPは小林少年を思わせる探偵助手として大活躍の中野亜美さん。明るく元気一杯のこういうキャラを創作して挟み込む作家のセンスに唸る。
数学者とチェスプレイヤーが織り成す高度な頭脳戦、ビショップ(司教)の真の目的とは?
実演鑑賞
満足度★★★★★
『ビショップ・マーダー・ケース』素晴らしかった!
須貝英さん天才!? 役者さんも皆凄い!
原作?が海外の作品でこれほど引き込まれた事なかったです。
前半はあっという間に終わってしまい、途中休憩時に、後半の期待度が半端なかった。
ミステリーとしても面白いし、色々考えさせられる良い作品でした。お勧めです!
実演鑑賞
満足度★★★★★
刑事サイモン・ブレイが意識を取り戻した現在から、治療を重ねて記憶が戻りつつある後のこと、そして意識を失う事になった事件、さらにそれ以前の出来事・・・と時系列が行ったり来たりするので一瞬も気が抜けません。しかしその割に所々で笑わせてもくれます。推理もの舞台の醍醐味をたっぷり味わいました。久仁子さんが半端ないです。
面白かったので、ビショップ・マーダー・ケースも見る事にしました。
実演鑑賞
満足度★★★★★
#林田航平 #大塚宣幸
#加藤良輔 #竹井亮介
#佐藤みゆき #照井健仁
#永田紗茅 #中野亜美
#寺内淳志 #武市佳久
#田中千佳子 #大内厚雄
#永宝千晶(敬称略)
『ビショップ・マーダー・ケース』
人は皆、いつだって自分にとってのベストを選んでいる。
ただそれは、全ての人にとってのベストではない。
そして、いつまでもベストであるとは限らない。
そんなことを考えさせられた。
145分、物語が澱みなく流れていく。登場人物みんなが秘密を持ち、怪しく思わせる見事な展開。
サスペンスにとって"みんな怪しい"という最大のご馳走が並べられた。
大好きな佐藤みゆきさんが、寵愛を受けるヒロインを納得のオーラで立ち上げた。最後にサラリと述べられる「愛している」に闇を見た。
キャストのみなさんの距離感やスピード感がこの上なく美しかった。
そして、敢えてMVPを選ぶなら……中野亜美さん。まるでティンカーベルのように作品の中を……いや、それぞれのシーンの周辺を飛び回り、魔法の粉を振りかけて物語にネジを巻いた。
素晴らしい作品だった。
実演鑑賞
満足度★★★★★
実はグリマダの方に出演している人が気になっていこうと思ってたのですが、いやせっかくグリマダみるならビショマダも見ないとねえ?と思い両部観劇してまいりました。
面白かったです!!!
実演鑑賞
満足度★★★★
『グリーン・マーダー・ケース』
滅茶苦茶面白い。ミステリー好きなら必見。何か内容は全く関係ないのだが、ファミコンの『ミシシッピー殺人事件』とかをやっていた頃の気分に。どっかり腰を据えて面白いミステリーを腹一杯味わえる。
舞台美術の片平圭衣子さんと衣裳の鶴岡寛恵さんを称えたい。センス抜群、女性支持率100%。ピチカート・ファイヴの小西康陽全盛期を思わせるPARCO調オシャレの極致。全ての役者の衣装に必ずグリーンのアクセント。成程、スタイリッシュとはこういうことか。ウォーレン・ベイティの『ディック・トレイシー』なんかを思い出すレトロでカラフルなステージ。
1926年ニューヨーク、犯人の死によって終わった『グリーン家連続殺人事件』。その屋敷に居合わせた刑事(鍛治本大樹氏)は頭に弾丸をかすめて入院。その後遺症で事件に関する記憶の殆どを失っていた。退院した彼を心理カウンセラー(毛利悟巳〈さとみ〉さん)が治療に当たり、そこで本当は何が起こったのか、失くした記憶を取り戻していく。
MVPは看護婦役の大澤彩未さん、最高に面白い。
女主人役は小玉久仁子さん、豪華な配役。
女中役の小林春世さんも見せ場タップリ。
意地の悪い次女役の今泉舞さんは流石の助演。
毛利悟巳さんはサトエリ似。
名探偵ファイロ・ヴァンス(齊藤陽介氏)の独特なキャラ。
シリアスと笑いの配分が絶妙で、全く長さを感じさせない。
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/05/14 (土) 19:00
グリーンマダーケースを観劇。
ストーリー展開の巧みさが見事に演じられ、世界観に引き込まれました。
ミステリーのシリアスな中にも笑いがあって面白かった。
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/05/14 (土) 13:00
ビショップマダーケースを観劇。
登場人物の一人一人が魅力に溢れたサスペンスでした。
個人的には、グリーンマダーケースを観てからの方が良いのかなと思うくらい、グリーンマダーケースが気になりました。