天の秤

風雷紡（千葉県）

公演に携わっているメンバー：11人

【団体紹介】

風雷紡は、代表と代表の妻・娘を中心にした、家族が母体になっている劇団です。現在は母体となっている家族以外にも劇団員が加入し、全７名で構成されています。
2007年の結成以降、昭和の有名な事件をモチーフに、家族・血族、地域性、人間の情念などをテーマにした作品を創ってきました。今までに取り上げた事件は、津山事件、帝銀事件、下山事件、足尾鉱毒事件、狭山事件、あさま山荘事件、よど号ハイジャック事件など、多岐にわたります。いずれも事件そのものを時系列に沿って描くのではなく、事件はあくまでもモチーフとして芝居を創っています。一つの指針としてあるのは、時代に翻弄された人々を描くことです。
代表の山村が高校教師をしており、演劇部の顧問も務めているため、劇団員が演劇部の指導に出向いたり、高校生に稽古場や劇場を見学させたり、青少年を舞台芸術に触れさせる機会を積極的に設けています。演劇部ＯＢで、風雷紡の公演に出演した人や、劇団員になった人もいます。

【応募公演への意気込み】

本公演は、元々2022年8月に実施された公演です。初演時は公演3日目にして、関係者から新型コロナウイルス感染者が出てしまい、公演中止を余儀なくされてしまいました。その時から「何とか同じメンバーで再演したい」という思いがあり、また、公演をご覧いただいた多くの方から「ぜひ再演してほしい」と熱望され、今回の再演に至りました。
よど号ハイジャック事件を題材にした本作品は、「正義」を描いています。「正義」には良い面もあれば悪い面もあります。初演時の2022年7月には、安倍元首相の銃撃という衝撃的な事件があり、「正義」が大きく問われる時期と重なりました。ウクライナ情勢やパレスチナ問題を考えても、今もなお「正義」というテーマは普遍的であると考えます。
メンバーは少し変わりましたが、ほぼ初演時と同じメンバーで再演を迎えることができ、さらに多くの方にこの芝居を届けられます。初日を迎えるのが、今から本当に楽しみです。

【将来のビジョン】

現在、2024年8月と2025年8月に公演を予定しています。2024年は高齢者問題と女性問題を題材に、2025年は戦後80周年ということもあり、沖縄戦を題材にした芝居を創る予定です。2025年は今までよりもキャパシティの大きな劇場で公演し、さらに多くの方たちに風雷紡の芝居を届けようと画策しています。
その他、2018年から宮城県石巻市で芝居を創る方たちとの交流が始まっています。2018年と2019年、2020年に一緒に芝居を創り、2023年には「えんにち」という、様々なアプローチで芝居に関わるイベントを石巻で実施しました。これ以後もその交流を大切にし、「地方から芝居を創る」「地方で芝居を創る」ということも進めていきます。
社会人や子育て中のメンバーが多いので、「仕事と演劇」「子育てと演劇」をどのように両立していくかを試行する必要があります。「仕事をしながらでも、子育てをしながらでも舞台に立てる」ということを大切にしながら、これからも定期的に公演を行っていく予定です。