公演情報
松竹芸能「リア王」の観てきた!クチコミとコメント
実演鑑賞
満足度★★★★
*リア王役の中村芝翫は、膨大なせりふを駆使しての大熱演だった。大役者ですね。他ではリア王
付きの道化役の小倉久寛のいかにも道化らしい軽妙な演技が印象に残っている。
*最後に赤ん坊を死に際のリア王が抱く場面があるが、あれは何を意味しているのか。当然ながら、
シェイクスピアの原作には、最後に赤ん坊を抱く場面はない。赤ん坊が誰の子なのかを示さず、
分けもわからず登場させるのは、演劇は虚構ではあるものの、観客を置き去りにするような脈絡
のない唐突かつ不条理な演出であり、ひどすぎる。もっとも、演出側は、観客が不条理感を抱く
のは当然のこととしてあえてああいう演出をしているのだろうが、演出側の自己満足ではないか。
また、ラストに赤ん坊が出てくる点で有名なのは、アメリカSF映画の傑作「2001年 宇宙の旅」
だ(正確には赤ん坊ではなく、胎児だが)。今回の「リア王」の上演では、脚本家や演出家はこ
の映画を真似たのではないかと私は推測する。「2001年 宇宙の旅」では、現人類が死を迎える
と同時に次の段階へと進化する象徴として胎児が描かれているので納得できるが、今回の「リア
王」ではそんな納得はできない。