センチメンタル・ジャーニーズ 公演情報 guizillen「センチメンタル・ジャーニーズ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

     尺は約135分、休憩無しだが、最後迄集中は途切れない。ネグレクト被害の
    子供と赤ちゃんを保護し疑似家族を形成するオカマさんたちと子供らの織りなす
    名作、必見。華5つ☆

    ネタバレBOX


     板上は基本的にフラットだが、集団でのダンスシーンやアクションシーンが多い
    為、これは実に合理的なレイアウト。舞台美術のセンスもけれんみ溢れるオカマさんたちが多数出演する舞台とあって奇抜で華やかであるが、一方で彼らの女装の象徴となるような真っ赤な唇がホリゾント天井近くに表現されホリゾント自体はグレーの布に覆われている。また、唇のやや下にハの字にリップと思われる物が見える。更に手前には天井から吊るされた黒のハイヒール、その手前には矢張り天井から青、緑、オレンジ等に彩色された布が下がっている。更に手前には、トーテムポールのような形状の柱に唇などの図案を取り入れたオブジェさえ上手・下手にシンメトリックに突っ立って、伝統的で人類がかつて持っていた遠い記憶を彷彿とさせるような雰囲気とシュールな感覚が混ざり合った不思議な魅力を湛えている。
     冒頭で述べたように今作はネグレクトされた子供と赤ちゃん、オカマさんたちが
    疑似家族を形成する話であるが、世の中には法というものがあって親権を振りかざ
    されると疑似家族は弱い。官憲は親の非が立証されない限り親の側につく。実際に
    はネグレクトされ行き倒れになっていた子らを助け成り行き上面倒を見ることに
    なっている訳だから、客観的には親が悪いのが観客には分かっている。その中で
    子供らは親の管理下に置かれることになるが、その実態は必然的に悲惨なものだ。
     社会の偏見や差別に散々苦しみアイデンティファイできない苦悩に苛まれ続けた
    オカマさんたちは、ネグレクトされた子供の心細さ、寂しさ、痛みが身に沁みる。
    そしてこのような仕打ちをする母に対してさえ庇おうとする子供の塵芥の中に輝く
    宝石のような純粋に手を差し伸べるのだ。例え、それがどれだけの困難を伴おうと。
     今作はその道程を実に繊細な細部に於いて巧みに描いているのみならず、自然な
    トーンで終始表現した名作、脚本・演出・演技、ダンス・パフォーマンス、衣装・
    照明・音響、舞台美術何れも素晴らしい。スタッフの対応もグー。
     

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    2026/09/12 08:49

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