公演情報
演劇集団アトリエッジ「『流れる雲よ』27年連続再演舞台!!」の観てきた!クチコミとコメント
実演鑑賞
満足度★
正直、ここまで「観なければよかった」と思った舞台は初めてでした。
第一幕のみ観劇し、休憩中に退席しました。
まず、音楽と振付が作品の世界観にほとんど合っていないように感じました。楽曲自体にも作品ならではの必然性や印象があまり感じられず、突然ラップ調の曲が入ってきたり、振付も音楽や物語と噛み合っていなかったりと、全体として統一感に欠けている印象でした。
また、物語がなかなか進まず、「この先を観たい」と思わせる展開にも感じられませんでした。未来とつながるラジオという設定も、もっと作品の核になり得る非常に特殊で貴重な要素だと思うのですが、第一幕ではその設定が十分に活かされているように感じられず、二幕への興味を持つことができませんでした。
演技についても、台詞が聞き取りづらい場面が多く、何を言っているのか分からないことがありました。特に1945年という時代を扱うのであれば、当時の話し方や言葉遣い、会話のテンポ、感情の表し方などについて、演者間でもう少し時代背景を共有した上で作り込んでほしかったです。
そして何より、今回の作品が「戦争」を題材としていることに、私は非常に強く引っかかりました。
1945年という、実際に多くの人が必死に生き、亡くなっていった時代を扱うのであれば、作品を作る側には相応の責任があると思います。
もちろん、戦争を題材にするからといって、必ずしも重苦しく、美しく、真面目に描かなければならないとは思いません。現代的な音楽やユーモアを取り入れることも、一つの表現として成立すると思います。
ただ今回の作品では、ラップ調の楽曲や、酒・ふんどしなどを使った笑いが、作品のテーマや時代背景とどう結びついているのかが私には分かりませんでした。
「なぜこの表現なのか」という必然性が感じられず、むしろ戦争という題材が軽く扱われているように感じてしまい、とても不快でした。
戦争を知らない世代が戦争を題材に作品を作るからこそ、当時を生きた人たちや、その時代に起きたことに対する想像力と敬意が必要なのではないでしょうか。
もし当時を必死に生きていた方がこの作品を観たら、どう感じるのだろう、と考えてしまいました。
そして、これで9,000円という価格にも正直納得できませんでした。
もちろん出演者の知名度だけで作品の価値を判断するつもりはありませんし、舞台を作ることに多くの費用と労力がかかることも理解しています。
それでも、観客として9,000円を支払って観た作品として、私はその金額に見合う完成度や満足感を得ることができませんでした。
プログラムなども含め、もう少し価格を抑えた上で、学校などで若い世代に向けて短く上演する作品の方が、この作品の持つファンタジー的な要素や現代的な表現には合っているのではないかとも感じました。
若い世代には受けるのかもしれませんが、20代の私には正直響きませんでした。
第一幕しか観ていないため、二幕については評価できません。
ただ、「二幕も観たい」と思わせるところまで第一幕で作品に引き込まれなかったことも含め、今回は途中退席という判断になりました。
ここまで厳しいことを書くのは初めてですが、9,000円を払って観た観客として、率直な感想です。
私はこの舞台に9,000円を払う価値を感じることができませんでした。