公演情報
a・la・ALA・Live「第86回「a・la・ALA・Live」」の観てきた!クチコミとコメント
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2026/08/12 (水) 19:00
a·la ♪ALA ♪ Live あ·ら ♪ らいぶは、今回で第八十六回と言うことだが、実は今までも何度か観に行ったことがあり、その度に良い意味で、現代版の寄席だという思いを強く感じていた。
そして今回の公演を観て、中編のSF劇に、その合間に芸能あり、ものまね芸あり、巨大スピーカーを舞台中央に置いて、演者が仮面をつけたり、腕に人形の頭をつけたりして、東南アジアの芸能と現代のテクノロジーとが見事にコラボしたオブジェクトシアター等が織り込まれ、そのごちゃ混ぜ感、各々違う個性や空気感が出ていて、改めて、現代版寄席と私が捉えていたのは、あながち間違ってはいなかったのだと確信した。
途中度中芸能やものまね芸が入りながら、3場面?ぐらいの中編の劇では、自分が科学者で娘の面倒をほとんど見れていないが、娘のことを誰よりも心配し、娘が間違った方向に行かないためにもと、娘の母親で、恐らくシングルマザーが母親代わりとなる人型お世話ロボットを造り、娘の面倒を見させると言うようなかなりぶっ飛んだ導入部分から始まる。
しかし娘は、高校で学級委員長になって、成績も優秀だったが、何処か感覚がズレていて、自分のことを「あーし」なんて言う黒ギャル(しかもノリが、明らかに令和ギャルのそれではなく、平成初期のギャルのノリにしか見えない。六本木をギロッポンと言ってみたり、雑誌Eggに出てくるファッションのような格好だったり、パラパラを知っていたり)と勢いで仲良くなり、ギャル語にもハマってしまい、どんどん自分らしく、生き生きと振る舞うように変わっていく。
そして密かに、昭和のアイドルが好きな娘は、そのギャルの友達と一緒に学校の文化祭でピンク・レディーの『UFO』を歌って踊ろうということになる。
その前後で、ギャルの友達が六本木で本格的なレッスンまで受けていたアイドルグループに入れたかどうかの連絡が来ていたが、ギャルの友達の家は何故か今時黒電話で、ギャルの友達のお母さんが勝手に迷惑電話認定して出なかったもので、ギャルの友達が電話に出た頃にはアイドルグループのプロデューサーがブチ切れて、アイドルグループに入ることが叶わず、ギャルの友達がお母さんにブチ切れて、お母さんが今時アナログ人間過ぎることが原因だと言うようなことを言い放ち、大喧嘩になると言うようなトラブルがあったり、ギャルと友達だと言うことが科学者の母親に知れ、娘が窮地に立たされるような場面もあったりと、ドロドロな家族ドラマが、中編劇の中で展開されて、中々濃いい内容で、ハラハラドキドキさせられた。
しかし、そのギャル友達のアナログ人間過ぎる、今時スマホどころかパソコンもろくに使えない母親(そんなんでこの便利でストレスフルな現代社会で生きていけるのか、甚だ疑問ではあるが)が実はという展開に、そういうオチが予想がつかず、意外過ぎて、ただ、ただ驚いてしまった。
描いている世界は何処か懐かしい感じなのに、普通に人型お世話ロボットがいても驚かない、それがさも当然かのように描いているSFの世界観が面白かった。
主人公たちが生きている世界は下町か中央線沿線のような感じのイメージで描かれているのに、そこに人型お世話ロボットが出てきても、人情家族ドラマにSFの要素がさり気なく入ったという感じで、その2つがバランスを保っていることに、感心してしまった。
黒電話でオーバーリアクションで驚いて見せ、黒電話に興味津々な、何処か世間知らずな科学者の母親の娘役の島袋ぢぇみさんが、結構高齢なのにそういう高校生役というのが、見た目的にはどう見てもそうは見えないが、そのアンバランス感が大いに笑えた。
また、ギャルの友達の家に科学者の母親の娘が遊びに来ている場面で、科学者の母親の娘役とギャル友達の母親とを早着替えを繰り返したり、途中声だけになったりして、島袋ぢぇみさんがあたふたと対応しているのが、観ていて馬鹿馬鹿しくて大いに笑えた。
青木静香さんが人型お世話ロボット役だが、大仰な演技や身振り手振りが多く、声もデカくて元気が良く、どこかムギュさが滲み出ていて、個性が爆発していて、大いに面白く、印象にも残った。
荒山昌子さん演じるギャルも明らかに高校生には見えず、制服で出てきただけで、痛過ぎて笑えたが、次々に飛び出す、それいつ流行ったっけと言うようなギャル語(明らかに平成ノリ)が飛び出し、強烈な個性が出るキャラに、観ていて飽きなかった。
笑える場面も多く、シリアスな場面ばかり続く訳ではなかったので、大いに楽しめ、肩の力を抜いて気軽に観ることが出来た。
今の時代、そう遠くない未来にAIが人間を抜き、いつの間にか、人の仕事がAIに取って代わられる。こうしたことがただのSFとも言えなくなってきている時代に、人型お世話ロボットがいる世界はまさに今取り扱うべきテーマだと感じ、感慨深かかった。
森丸さんによる粋でイナセな江戸の大旦那衆のようなキャラで、山手線の駅をすべて取り入れた「恋の山手線」も中々味わい深くて面白かった。
しかし、本題の南京玉すだれも放送事故になるレベルの下ネタやぶっちゃけトーク、毒のある客イジリと終始目が離せず、大いに楽しめた。
ものまね芸のふじきイェイ!イェイ!さんは、宮川大輔のものまねが本家に引けを取らず、さらに誇張したPay Payダンスも大いに盛り上がり、楽しめた。
マイケル・ジャクソンやニューオリンズジャズのトランペット奏者で歌手のルイ·アームストロングの歌やダンス、トランペットを吹いてる様のものまね、そこにとある要素を混ぜ込んだ細かい芸等、大いに笑えて、盛り上がった。
オブジェクトシアターは、あさぬまちずこさんによる東南アジアのラオスという国で作品を作っていたと言うだけあって、表現が独特だった。
舞台中央に巨大スピーカーを置き、その何処か没入感があり、異国情緒がありつつ、時に不穏さも内包する音と照明、可愛らしさとグロテスクさ、不気味さとコミカルさそういったものが内包された仮面や身体として布を使い、その上に人形の頭を乗せたもの等、何処か不条理で、幻想怪奇で、神秘的で、人がほとんど足を踏み入れることの無い森の中の精霊たちの世界を繊細に、時に俗っぽく、それでいて掴みどころがなく、人間の世界で言うところの善悪二元論では測れない世界観を台詞なく展開していて、その独創的な世界観にすっかり引き込まれた。