雨と猫といくつかの嘘. 公演情報 青☆組「雨と猫といくつかの嘘.」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    2008年12月の公演
    と殆ど変わらない今回の再演は、風太郎がなんだか哀れで仕方がなかった。二度観ということもあって余裕で観られた分、全体の構図が浮かび上がってきて、無性に物悲しく感じたのだった。

    それにしても、今回の「観たい」書き込みの人気ぶりは凄い。2008年は10人程度だったのにだ。素晴らしい!

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    父親って、あれだね。晩年になって妻と離婚しちゃあいけないね。子供とも疎遠になってしまうのだから、孤独感が沸々と湧き上がってきちゃうわけよね。

    水野風太郎、60才、独身。一人暮らし。
    風太郎の母がノックするシーンから、彼の小さい頃の家族との記憶が蘇る。風太郎と母との関係。母とは結婚していない父との関係。 風太郎が大人になってからの妻との関係、子供達との関係は多少の問題はあったものの、温かくて賑やかな幸せの時だ。

    しかし60歳になった風太郎の誕生日を実際は誰も覚えていないという現実は、父親ってその程度なのだ。彼はそれなりに一生懸命に生きて来たはずなのに。

    家族と離れて暮らすアパートの片隅でカップラーメンをすする孤独な風太郎。生きるって、歳を重ねるって、楽しいばかりじゃないぞ。と思う。

    それでも人生の終盤では家族と笑って過ごしたいと思うのだ。めくるめく時代も、やがて、そのすべてをついえてゆく時が来る。もし自分の人生を好きになれたら、生まれて良かったと思えるのだ。

    そんなふうに思わせてくれる舞台だった。

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    2011/02/02 23:07

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