マダムグラッセの家 公演情報 劇団大樹「マダムグラッセの家」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    調和を奏でる
    満月の夜だけ開けるホテル「マダムグラッセの家」
    ここに迷い込んだ、迷える大人たちの優しい童話。
    ワタクシの観た回は小川紀美代さん演奏によるバンドネオン。アコーディオンに似たこの楽器を初めて見ました。音色もアコーディオンに似てる・・。アルゼンチンの風景を思いめぐらすような素晴らしいひと時でした。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    クロスケはサラリーマンだ。若いころは天文学を勉強し星を観ながら暮らすことが夢だった。しかし現実はどうだ。中学生の初恋の相手とも結婚したが夫婦関係はぎくしゃくし気まずい。そんなクロスケは会議の途中で抜け出し屋上に上がっったことから、いつの間にかホテル「マダムグラッセの家」
    に迷い込んでいた。

    一方で妻・ユリ子も日々の生活に疲れていた。買い物の途中にふらふらと迷い込んだホテル「マダムグラッセの家」。ここで夫のクロスケと会い、お互いの中学生の頃の幻を夢のように見る。輝く夢と希望に満ち溢れていたあの頃。青い星と赤い星の逸話。

    夫婦はあの頃の純真さを思い出し、二人で歩いてきた道のりも思い出す。妻は決して不幸ではなかった。幸せだと心の内を吐く。お互いきちんと向き合えば夫婦はきちんと愛し合っている事にも気づくのだ。忘れかけた大切なもの。それを彼らはここで拾ったのだ。

    ホテル「マダムグラッセの家」はこうして迷える人間たちを癒し元通りにさせる効果のあるホテルだ。このホテルに住みつく売春婦や老教授はいわば、おまけだ。笑
    ワタクシはどちらかというとマダムグラッセと支配人の夫婦関係を羨ましいとさえ思った。

    毎回のことながら花美術のセットは草月流華道家の横井紅炎さんの作品。とにかく素晴らしい。さらにメルヘンの香り漂う舞台セットはやはり童話の世界だ。こういった視点から劇団大樹の舞台は総合芸術の世界だと思う。調和のとれた世界。


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    2010/11/12 18:43

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