視点 vol.1 Re:TRANS(MU×ミナモザ×鵺的) 満員御礼、審査発表をblogにて公開しました! 公演情報 視点「視点 vol.1 Re:TRANS(MU×ミナモザ×鵺的) 満員御礼、審査発表をblogにて公開しました!」の観てきた!クチコミとコメント

  • 新しい合同公演。中身は傑作揃い。
    最初はタイトルと副題と団体名の多さから正確に理解していなかったが、「視点」というコンペティションシリーズの、「Re:TRANS」がテーマの興行とのこと。
    合同公演といっても、劇作をする1ユニットが主催者になり、投票も行い賞を設けるコンペティション形式、ということでどういうものになるのか気になっていた。もしや新しい公演形態の走りになるのではないか、という期待も含めて。
    公演の形態としての是非は、結果発表を含めてなので追いながら見守り、勉強させてもらおうと思うが、こと内容に関しては初日から紛れもなく傑作揃いだった。

    狙ってなのか偶然なのか不明だが、共通で扱われるモチーフである「心の傷」だけでなく、ミナモザ→鵺的→MUという順番含めて、非常に統一感のあるイベントで、見る際のテンションにも合っていて心地よかった。

    ネタバレBOX

    ミナモザ『スプリー』は、翻弄される主人公(男)はもとより、愛しすぎるがゆえに屈折した表現をしてしまう女医の狂気が良い感じにデフォルメされていて、軽妙なやり取りが一つのコメディとしてすごく面白かった。
    だが、前半が一気にコント寄りのコミュニケーションに振り切れた結果、終盤の男が「罪」と「赦し」の語りに入る瞬間の違和感・段差のようなものが気になってしまった。一瞬そういうギャグなのか?と疑ってしまう感もあった。
    余談だが、昨年上演された際にチラシで衝撃を受けたものの観られず気になっていた『エモーショナルレイバー』の再演の仮チラシを見て「エモーショナルレイバー」の意味を知り、俄然興味が沸いた。このテーマを、この設定で、この会話で見せてくれるなら、と期待が高まる。

    MU『無い光』は、いろいろな物を実名出してディスるし、平気でシャブ吸うし、終盤はスピリチュアルなものを否定して切って捨てる結論に至りながらも、やはり最終的に作品を貫くのはハセガワアユム氏のヒューマニズムであり優しさ。
    「『光』なんて無い」と言い切る後藤(ライター)のスタンスや、その姿から描かれる「人と人の関係性こそが希望である」という結論が嬉しいし安心できる。
    また、後藤が、自分の作品(記事)でもって愛しい人物の個人的な問題を救おうとする姿勢は、あまりに甘く・恥ずかしく・臭いながらも、創作者なら誰もが夢見る希望だったりするので、そこを惜しげもなく出してくるところが心憎い。
    以前、MUに対する劇評で「やはり僕はMUの演技スタイルは、描こうとしているものの実直さに対してコミカル過ぎると言うか、親切過ぎる印象を抱いている」(DULL-COLORED POPの谷賢一氏)というものを見て、自分も「うん、たしかにそれはそうかも」と思っていたが、今回は切実なテーマとコミカルなやり取りが「甘いけど憧れちゃう優しい結論」によって結実しているように見えて、MUのスタイルの意味がハッキリと伝わった。こういうことだったんですね。
    なので、もちろんMUの全作品を見ているわけではないが、自分の観たMU作品では最も好きだった。
    確かに3作品のトリに位置しているし、休憩も挟むし、前2作品を受けて~のような脚本ではあるものの、それを差っ引いても一つの短編作品として素敵だった。自分は1位に(なるっぽく)投票した。
    そして、非常に僭越で勝手ながらも「パンクな姿勢」と「人への優しさ」という両面こそ、劇場でお話させて頂いても文章を読んでも感じる、まさにハセガワアユム氏の姿そのものじゃないか、とも思ってしまった。

    投票の仕方について少し言わせてもらうと、劇団ごとに投票する欄で、各劇団に三項目の中で一つずつ丸をつけるというのが選びづらかった。三部門についてそれぞれ劇団名を書かせるスタイルの方が選び易いし勝負っぽくなるのでは、と思った。

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    2010/09/23 03:49

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