八月花形歌舞伎 公演情報 松竹「八月花形歌舞伎」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

     5ヶ月ぶりに開場した歌舞伎座の初日に勘九郎巳之助の「棒しばり」を観た。

    ネタバレBOX

     入口で消毒・検温を済ませ自分でチケットをもぎったのちロビーに入ると、平時であれば売店の掛声や弁当・甘味の香りが漂うが、今はほぼ全て休店しているため閑散としていた。同様に客席も前後左右がつぶされた仕様でアナウンスに従い皆話し声も立てない。長いことこの劇場に通って初めて目にした異様な光景ではあるが、観客のマナーの良さを感じないではいられない。左右の桟敷をつぶし後方の扉から換気をしているのが目につく。

     開幕前にアナウンスで勘九郎が口上を述べると、本来は嵐のような大向こうがかかるところではあるが代わりに観客は拍手で応える。いよいよ幕開き。勘九郎の次郎冠者は棒指南の豪快さ、両手を棒で縛られてから酒をくむ手際のよさ、終盤の全身を使って舞台を駆け回る様と大したものである。巳之助の太郎冠者は輝くような顔つき、安定した発声がまず印象的。中盤の下半身中心の踊りのキレが良く、勘九郎とピッタリイキが合っている。この二人の亡父・十八代目勘三郎、十代目三津五郎の名コンビは対照的な身体性で魅せたが、この若いコンビは身体がよく動くのが身上。扇雀の大名が安定しており舞台を締める。

     まだ手探りの日々は続くだろうがなにはともあれ開場はめでたい。このまま無事に興業が続くことを願う。

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    2024/04/14 11:53

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