カタブイ、1995 公演情報 名取事務所「カタブイ、1995」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    ネタバレ

    ネタバレBOX

    『カタブイ、1995』を観劇。

    沖縄三部作で、前作は1972年で、今作は1995年。
    以前から気になっていた作・演出:内藤裕子の新作だ。

    あらすじ:
    日本復帰を果たした沖縄だが、いまだに米軍基地があり、米兵による犯罪、用地買収問題などが山積みしている。元教師の石嶺和子は反戦地主であった父から受け継いだ土地の売却を拒否しているが、那覇防衛施設局員や土地連会員から迫られている。
    そんな矢先、孫の智子が米兵に襲われてしまうのだが…。

    感想:
    沖縄の基地問題を地元住民の視点で描いている。
    物語を追っていくうちに感じる日米間の不都合な法律、日米地位協定など、理不尽すぎる法に苦しむ地元民の姿が描かれ、苦悩する彼らの姿に寄り添いたくなり、南の島の出来事ではなく、我々の問題だと改めて感じてくる。決して住民の叫び声を受け取るだけではなく、「なぜこのような問題が生じてしまったのか?」という疑問に答えるように、要所に入ってくる日本国憲法、日米間の安全保障条約、日米地位協定の説明があり、根本を見つめ直す事が出来る作りになっている。
    社会問題を描く時の難しさに、観客をどのようにして己の問題として捉え、対峙させるかに掛かってくる。当事者側からだけ描くと観劇中は寄り添えるが、問題そのものを時間と共に忘れ去ってしまう事が多々ある。だが抱えている問題を観客の中に深く染み込ませるというのがテーマのようで、地元民の苦悩、政治家からの視点、土地を買収する側からの視点など、異なったキャラクターたちが問題を俯瞰して見せることの重要性を訴えかけ、重くのしかかってくる。
    前作(未見)は『傑作!』と評判を呼んだようだが、今作もそのようだ

    自分が好む小劇場的な作風ではないが、内藤裕子が今後の追っかけ作家になったのは間違いない。

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    2024/03/17 12:09

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