兵卒タナカ 公演情報 オフィスコットーネ「兵卒タナカ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    笑いとシリアスが程良く混ざった感じの
    戦争悲劇かなぁ・・・
    基本は台形状の舞台で
    小道具等を持ってきたり配したりしての舞台美術は
    なかなか面白かった~舞台上部には直径2m以上の銀の玉が吊るされてました
    全席指定にして休憩二回の全三幕です

    ネタバレBOX

    一幕目 貧しい農家の出身である兵卒タナカが休暇をとり、
    戦友ワダとともに実家を訪れる。
    ワダはタナカから始終聞かされていた妹のヨシコに惚れて
    嫁としてもらいたいと言いたくて同行したのであった。
    軍人となった息子が帰ってくることをタナカ家は喜び、
    タナカラらは雑嚢に少ない配給のなか掻き集めた食料を持ってきていたが
    故郷の家はそのなものを必要としないほど贅の限りを尽くして迎え入れ、
    村は不作が続き大飢饉のまっただ中であるも、
    村人を呼び寄せての大盤振る舞いで食事をさせるタナカ家。
    肝心の妹ヨシコは山向こうの大百姓のトコに出してるとの話でワダは消沈する。
    二幕目 午前の射撃競争にて大隊内で五点満点を出したタナカの班は
    褒美として午後には外出許可をもらい妓楼(ぎろう)に行きます
    割と場末の女郎屋であり囲いの女たちは6人しかおらず
    屋の女将は寝ている女たちを順次起こして相手をさせるようにします
    タナカらは二階に上がる順番を硬貨の裏表で決めていき
    最後にタナカが会った女郎は妹のヨシコでした
    ヨシコから飢饉で両親に売られたこと
    兄が故郷でふるまわれた食料は妹の売られた金が出所だった事を知ります
    自身の軍人という身分が
    もっとも身近な存在の犠牲により成り立っている現実を突き付けられ
    タナカが信じて疑わなかった世界が音を立てて崩れていき
    そこへ軍の士官が女を買いに来て
    一兵卒でしかないタナカは立場を譲らなければならず
    迷った挙句に妹をこれ以上こんなことをさせたくないと
    銃剣で刺し殺し
    士官もまた刺し殺してしまうのでした・・・・
    三幕 タナカの軍法会議
    裁判長が軽くユニ~クな口調と動きで
    かたくなに口を閉ざしていたタナカの殺人動機と
    その背景が少しづつ明らかにされていき
    不明であった女郎の氏名とタナカとの関係も知られ
    裁判長は先の女の殺害は不問とし
    後者の士官殺害を罪に問い死刑を言い渡すのですが
    タナカに温情を与え
    天皇陛下に恩赦を願えというのですが・・・タナカは
    「陛下があやまるべきであります」――と訴え
    求刑通りに裁判後すぐに銃殺されるのでした・・・・・・
    ラストは観客席に向いたタナカ後方に銃隊が構えて
    頭上の玉が弾丸を象徴して暗転=終演です

    二幕の障子を使ったコミカルな逃避シーンから
    いきなり障子の影絵で妹の刺殺を見せての
    急展開は落差が凄くて目が離せなかったデス
    前半での障子から次々と出てくる女郎さんが
    同じ人で突っ込み入るのもコミカルでよろしかった
    (男性まで御面付けて女郎役で出すし~)

    三幕の妙に腰が軽く軽妙に動き回る裁判長は
    裁く犯罪が二件の殺人事件なのに
    コミカルでした=受けたけどねー

    兵装が普通にらしい感じでまとめてるのに
    妙に腰に吊るした銃剣がリアルで
    一幕から多少の違和感を覚えていたら・・・・
    二幕のラストで
    あーゆー風に使われるからなんだなぁと納得
    三幕での歩兵銃が記号論的に木で造られた模型風なのも
    緩急のつけ方としてアリだよなぁと思えたデス

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    2024/02/07 13:08

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  • ご来場ありがとうございました!

    2024/02/07 13:56

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