モモンバのくくり罠 公演情報 iaku「モモンバのくくり罠」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    横山拓也らしい安心して楽しめる、アットホームで深みのある芝居だった。真澄(枝元萌)と夫(永滝元太郎)と娘(祷キララ)の、別居はしているが仲の良い家族かと思っていると、意外な裏が次々出てくる。夫がスナックを任せている沙良(橋爪未萠里)と実は…と。でもまた、そうおもわせておいて、沙良はその気がなくて、夫の片思いとか。

    話の手が込んでいて、少し落ち着くと、また新しい情報でざわつかせ、最後まであきさせない。真澄が足が悪いのは、実は過去に事故があったせいで、それに隣人の俊介(八頭司悠友)が絡んでいるとか。

    ネタバレBOX

    後半は、そこまで父母の仲介役だった娘が、自分の母への恨みをぶちまける。ヤマ暮らしをしたい母が、自分に生き方を押し付けてきた。そのせいで自分は普通でなくなってしまった。町で普通の暮らしがしたいのに、できなくなったと。そこに、ヤマ暮らしを見学に来ていた健治(緒方晋)が、宗教二世の子の話をもちだす。なるほど隠しテーマがここにあったかと、感心した。

    母子に、母の男(ここでは夫)、不倫?相手が絡むという人間関係は「あつい胸さわぎ」と共通する。不倫は、「あつい」では娘のボーイフレンドを奪うという形だが、どちらもコケットリーな女性を橋爪が演じてぴったりの雰囲気を出してくれる。家族と、過去のトラウマという作劇法でいえば「逢いに行くの、雨だけど」とも共通点がある。この二作は横山拓也の代表作だと思うので、彼の作劇の特色がよく出ている。

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    2023/12/17 22:44

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