萎れた花の弁明 公演情報 城山羊の会「萎れた花の弁明」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    ネタバレ

    ネタバレBOX

    城山羊の会『萎れた花の弁明』を観劇。

     劇場の階段を上がり、舞台のセットが見えた瞬間、どのように始まるかが分かってしまい、笑ってしまうのである(三鷹で城山羊の会を観た人しか分からない仕掛け)。
     今までと同様にエッチな演劇ではあるが、『性とは?』を話しの筋としつつ、男性の身勝手な論理で進んでいきながら、言葉の行き違い、本音の建前、日本人論など可笑しなキャラクターたちが進めていく物語に、喜びと楽しみを覚え、期待は決して裏切らない。
    性について論理的?に語っているからか、男性観客のみが妄想で生じる下半身ムズムズは感ずる事もなく、リアルな物まで見せられてしまうと、『妄想はリアルに敗北!』とまで思えてしまう。気が付くと我々の性はコントロールされ、作家に中毒症状にされてしまうのである。
     第七病棟『ふたりの女』のラストシーンは演劇史上最高の舞台仕掛けと謳ったが、それに劣らず今作も、驚愕、鳥肌、失笑…の終わり方であった。
     それはさておき、この劇団は12本目の観劇だが、明らかに社会背景が如実に表に出てきているのは確かだ。コロナ、原発汚染、少子化、宗教、性の大衆化と世の中の問題を物語の主軸としている点は見逃せない。イギリスから帰国して物語の方向性が一気に変わった野田秀樹の様にはならないと思うが、俄然面白くなってきているのは間違いない。
     次作も大いに期待するのである!

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    2023/12/09 11:31

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