不滅 公演情報 鵺的(ぬえてき)「不滅」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    エレファントムーンが好きな人、ぜひ鵺的も。
    このフライヤーみたく、まったく白紙の状態で観劇して、次々と出て来る言葉たちでパズルを埋めて行く作業が面白いです。ですが、感想は中身に触れないと書けないので、一応改行しておきます。[観劇日時/木曜昼・満席]







    「殺人における加害者と被害者」は、エレファントムーンの近作ともモチーフが似ていて、緊張感ある空気含め、エレファント好きな方はきっと気に入るかと。

    「現実がそのまま現実に着地」するのが前回の鵺的だったんですが、今回の「現実から気付くとファンタジーに着地」する部分もエレファントムーンに似ています。設定上で、リアルに固執しすぎるよりも多少の気になる点も含めてファンタジーにしないと、重過ぎるテーマなんだと両劇団を観て思います。

    加害者に対する肩入れや感情移入、また「彼も被害者なんだよ」的なよくあるセオリーの流れが一切なかったのがよかった。彼自身が自分の不可解でエラーな部分を抱え込んでいるから。だからこそ、彼の恋人が「人の心」についてつぶやく瞬間が、ギリギリのロマンチックだと思うし、あのシーンが忘れられないです。

    ネタバレBOX

    私見ですが、何万人の中にエラーが1人くらい生まれるのは当たり前で。エラーと呼んでしまう自分も自分なんですが、それが冷静な判断だと思うんです。下手に心の闇とか、肩入れして探るのもいいけど、エラーって言いきっちゃう強度も必要だと思うんです。その強度がないと太刀打ち出来ないくらい、酷い事件が多過ぎる訳で。

    そこで鵺的では、加害者に対する肩入れや感情移入、また「彼も被害者なんだよ」的なよくあるセオリーの流れが一切なかったのがよかった。彼自身が自分の不可解でエラーな部分を抱え込んでいるから。だからこそ、菊地未来ちゃん演じる恋人が「彼にも人の心があった」とつぶやく瞬間が、ギリギリのロマンチックだと思うし、あのシーンが忘れられないです。

    ラストは、こちらもセオリーを覆すような展開になるんだけど、『告白』とか読んでる僕らなら、全然許容範囲。設定はファンタジーな部分があるんだけど、あの無言でしか行えない行為たちをリアルに感じます。

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    2010/06/25 01:03

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