歴女探偵~龍馬が消された真相を追え! 公演情報 劇団空「歴女探偵~龍馬が消された真相を追え!」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★

    学生演劇のよう・・・構成に一考がほしい
    旗揚げ公演でまったく知らない劇団のため、チケプレに応募したが、「観たい!」への登録が応募条件で実施対象日は1ステージのみ、登録人数も2名にもかかわらず、いっこうに連絡が来ない。再三「落選なのかどうか」問い合わせメールを出したがなしのつぶて。もしかしてこちらのメールが届いていないのでは?と思ったが、チケプレ指定日前夜にようやく返信が来て、
    「当選者にメールはお送りしてます。観劇希望日を未記入のお客様は期日をこちらから指定させていただきました」というが、最初から劇団側が1ステージのみの指定で、期日指定などのお知らせも来なかったのだ。ともあれ、「ご招待させていただきます」ということで、観て来ました。
    公開収録のネット番組で坂本龍馬暗殺の謎に3人の歴女が挑むという趣向、龍馬ブームに乗っかった企画のようだが、学生演劇のような構成とありきたりのオチで、これで当日3500円払うなら割高に思う。
    三東ルシアと水島裕子というかつてのセクシーアイドルがWキャストで特別出演しているが、彼女たちが出演しなければもう少し入場料金が低く抑えられたのだろうか。
    観劇中も不愉快なできごとがあった。

    ネタバレBOX

    一言で言えば、「歴史検定」と「小劇団の悲哀体験」を混ぜて作った芝居。客入れの段階から前説が始まっているような感じで、3人の役者が「ビールとおつまみセット500円」に限り、中で飲食していいから買ってくれとしつこく客に呼びかける。「へい、いらっしゃい!」という掛け声に近くの客が「八百屋か居酒屋の店員みたいだね」。何とも品がない前説だと思っていたら、劇が始まっても、またこの3人が出てきて「ビールとおつまみセット」の話をしている。劇でも売れない小劇団「白い小雨」の役者が売り子をしているという設定なのだ。そして後半でこの「ビール」の銘柄が意味を持つのだが、何かわざとらしい。ここでタイトル映像が出て、劇が始まる。で、3人の歴女が出てきてネットトーク番組の放送本番が始まるとまた同じタイトル映像が出る。時間が無駄だと思った。この芝居、あと20分は削れると思う。歴女の一人は番組プロデューサーであとの2人は大学の歴史研究会に属している。それぞれが、龍馬暗殺の諸説を劇団の役者による再現ドラマで説明し、「どの説を信じるか」客に挙手させる。「後半の解説後、最後に決をとらせていただきます」と言い、後半、また同じ「映像タイトル」が出て(3度目)後半が始まる。お龍役の小劇団の看板女優がお色気をふりまいたあげく、大学教授のレイトンという男が乱入し、およそ説得力のない珍妙な新説を唱え、さらに小劇団女優が大女優森小百合への嫉妬から2ちゃんねるに中傷のカキコミをし、泥酔してクダを巻き始め、女性プロデューサーは発狂寸前に怒り狂うが、ネットアクセス数が急速に増え、最後に合成したという「龍馬のメッセージ」なるものを出演者たちが静聴する。このメッセージが「小さいことにとらわれず、広い心で生きよう」なんていうありきたりの道徳みたいな結論。「観客の多数決」もどこかにすっ飛んでしまい、シラケルことこのうえない。スタジオに観客も入れた公開番組という設定なのだから、どうせなら「観客参加型」の趣向を入れて、生の質問を客にぶつけてみるとかすればいいのに。
    売れない役者トリオは個々の俳優は悪くないが、お笑い場面の息が合わず、間が悪い。「2セット(1000円)しか売れなかったのでお金がない」と小銭を見せながら、「売り上げ金とお釣りで白木屋に飲みに行く」というのも辻褄が合わない。3人の中ではイチロウ(雅憐)のバイトのグチが面白かった。小劇団の看板女優を演じる梨互れんは酔った演技が歌舞伎の魚屋宗五郎みたいでなかなか面白い。劇中のお龍も悪くないが、「龍馬はん」と言うときの京言葉のイントネーションがおかしいのが残念。稽古場にいたら注意してあげるのだが。演出家はそういう点もきっちりやらないと。
    歴女プロデューサーの中嶋マユコは緩急をつけた芝居ができるのに、妙に浮き上がって見えるのは、この役が周囲の人物と絡みながらテンションが上がっていかないからで、脚本の責任である。
    歴女の種田麻友美はキャピキャピして可愛いし、島香寿美はオタクっぽいモソーッとした物言いでも口のあけかたがよいので台詞が聞き取りやすい。
    こき遣われる若手ADの荒川ユリエルはジャニーズ系でさわやかな印象。ちょっと可笑しなレイトン教授の久保田勇一は専門分野の台詞を噛むのが惜しい。
    龍馬の霊夢を見た明治皇后を演じる大物女優・森小百合役、私が観た回は三東ルシア。「おさかなになった、わ・た・し」も化粧が濃く、年をとったなーと思う。いまだお美しいですが(笑)。
    ギャラの関係なのか、三東はほんのわずかの出番で、起用した必然性を感じない。
    劇団関係者の知り合いなのか、劇の終わり近く、三東ルシアの出番直前に入場してきて、前から2列目の私の隣に座り、ドサッと最前列の座席に「差し入れ」を置いた男性客がいた。観劇の気分をぶちこわす無神経さ。終演後、アンケートに感想を書いている私の隣で「三東ルシアって凄いアイドルだったんだよ。俺、ファンでさ・・・」と得意げに大声で出演者と歓談。まさに傍若無人。本当に芝居を愛し、観る気があって来る客なら、こんな態度はとるまい。こんなに遅く入場させるほうもさせるほうだ。
    「誰のための芝居なのか?」もっと自分たちの芝居を大切にしなさいと言いたい。

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    2010/06/10 21:53

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