満足度★★★★
<言葉>のドラマを<身体>で見せる
開演前に出演者が観客に飴を配るという予想外の親しさ、そして昼間からいっぱいで、ワイワイしてる感じの客席にまずはビックリしました。
気軽な雰囲気の「前説」(らしきもの)からシームレスに本題のドラマに入っていく手つきも含め、気持ちよく、伸び伸びしている集団(もちろん「考えている」と思います)なのだなと感じました。
芝居そのものはもちろん、「マクベス」ですからシリアスです。
セットも衣裳も小道具も、できるだけ具象を排した空間の中で展開されるのは声と身体のドラマ。動きもせりふも、決して過剰になることなく、でも、十分に満たされている、といってよいものだったと思います。中でも私は、感情や状況をたくみに表現する<声>に魅力を感じました。<声>が表現する恐怖や喜びには、不思議な奥行きが宿るものです。
2010/06/07 15:39
「観てきた」への書き込み、ありがとうございます。
MOMENTS主宰、佐川大輔です。
私達は「観終わった観客のリアクションがあって、初めて作品は成立する」と考えています。
このような感想は嬉しい嬉しい宝物です。
何だか、私達の作品について、的確に的を得つつ、かつ洗練化された文章になっていて、ちょっとお返事を書くのに恐縮します。(僕は俳優出身の演出家なもので、文章での表現に苦手意識が・・・)
ですが、せっかくなので。
ちょっと、抽象的かもしれませんが、私の展望をひとつ。
私達は自分達の作品を「お客様に提供する。(もっとおこがましく言えば「与える。」)」という構図から、少し距離を起きたいと考えています。
つまり「観客が、ある特異な才能(脚本家や、特定の俳優)を鑑賞する(新しい刺激を与えられる)」のではなく、「観客も作品に間接的にでも参加する(自発的に刺激を発見する)」ようなことが出来ないかと思っているのです。
現代は「金銭をベースの与えられる=与える」という交換原理が染み付きすぎてしまって、その原理の限界が来ている気がする最近の私。
演劇という「時代に逆行したアナログな手段」だからこそできる「相互交流」の可能性はないかなと考えています。
ごめんなさい。ちょっとわかりづらいですね。
あまり、まとまっていないのですが、最近そんなことを考えていたもので・・・。
あ、で、結局何が言いたいかと申しますと、
「まだまだ発展途上の私達。
出来ればお客様と一緒に育っていきたい、
意見を受け入れ、交流し、もっと、もっと奇跡的な瞬間を創造したい、
このように考えております。
だから、どうか愛ある手厳しい意見を下さいませ!!」
ということです。
機会がありましたら、「今回の作品について」、「演劇について」など、ゆっくりお話させていただきたいと心から思います。
宜しければお時間を作って下されば、嬉しいです。
これからも応援よろしくお願いいたします。
ご来場ありがとうございました。